茶葉を湯 (蒸溜水, 井戸水) で浸出した際, 1番出しより5番出し迄の茶浸出液につき, Caを中心としてP, 非蛋白態N及びタンニンの溶出量を調べた。同時に各茶浸出液の色調をHardyの色度図から求め, 色の変化と各成分の溶出量との関係を検討した。その結果
1. 蒸溜水で浸出すれば, 1回目で2mg位, 順次減少して5回目には1mg以下しか溶出しない。
2. 井戸水を用いたときは, 1回目は4.5~5mg位, その後順次減少して5回目には3.4~4.4mg溶出する。使用した井戸水は5.7~6.7mgのCaを含み, 茶浸出液にして出せばCaが減少することが認められる。3. Pも同様, 浸出を重ねるにつれて減少する。又茶浸出液の非蛋白態Nは全N中の大部分を占め, 浸出回数により急激に減少する。タンニンも同様。茶浸出液の色は浸出回数が増せば淡くなるが, 色調は変らない。
終りに臨みこの実験を行うに当り, 試料を提供された, 農林省東海近畿農業試験場茶業部河合技官に深謝の意を表する次第である。
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