日本情報ディレクトリ学会誌
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21 巻, 1 号
日本情報ディレクトリ学会誌
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 柏市での事例を中心に
    2023 年 21 巻 1 号 p. 2-11
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/29
    ジャーナル フリー
    本研究では、農産物の地産地消の事業性に着眼し、農業者と飲食店が事業性を持って取り組むための条 件を懇話会方式で調査分析し、地域の農業者と飲食店による地産地消流通モデルを提案する。調査結果から、 一般の市場では入手できない農産物を主な対象として、飲食店の日替わりメニューなど消費者に訴求しやす いメニューにおいて、希少性、価格、品質などで差別化することが重要であることが分かった。提案された 地産地消流通モデルを活用した模擬取引を通じて運用も含めた仕組みを検討した結果、事前に決済を完了し た上で、中間地点による対面取引が効率性と信頼関係確保に重要であることが示された。さらに、実現に向 けて要件を検討し、少量多品目農業者や個人オーナーの飲食店を対象とした地産地消Web 決済システムの 提案を行った。
  • 2023 年 21 巻 1 号 p. 12-19
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/29
    ジャーナル フリー
    本稿では、近年のテレワークについての先行研究をまとめ、その主張を実証的に検証し、理論モデルの構築 と分析を行った。先行研究の主張の実証的検証部分では、従業員数5~99 人の事業所比率が高い都道府県は、 ベースラインとした小規模事業所比率が高い都道府県に比して、テレワークを実施する比率が高まることを 示した。これは先行研究の主張と合致している。また、理論モデルの構築と分析部分では、テレワークについ て通常のミクロ経済学が想定するモデルを構築した。そして、その分析によって、「テレワークによる労働効 率の変化のテレワークの労働効率向上のためにもちいられる資本の弾力性」と「テレワークのための資本にか かる費用と労働にかかる費用との比」が等しいことを示した。
  • 2023 年 21 巻 1 号 p. 20-29
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/29
    ジャーナル フリー
    本研究は、外部委託における企業間コンフリクトの認識に影響を与える要因を明らかにすることを目的と した。調査は、供給企業と受給企業の計24 名を対象に半構造化面接によるインタビューを実施した。調査 によって収集した発話データの単語は分類語としてカテゴライズし、テキストマイニングによる分析を行っ た。分析の結果、コンフリクト当事者は、具体的な事物や対象に対する解釈の乖離からコンフリクトを認識 し、合意できる余地を探りながら収束を認識するという示唆が得られた。本研究で得られた示唆は、コンフ リクト・マネジメントを日本の企業活動へ効果的に浸透させる一助になるものと考える。
  • 2023 年 21 巻 1 号 p. 30-39
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/29
    ジャーナル フリー
    本稿の目的は,松平春嶽(まつだいらしゅんがく)の全半生の前半期,すなわち,管見の限りで あるが,特に,福井藩主時代の財政改革を中心に分析考察し,後世の財政改革及び財政再建への貢 献を論じる事である。
  • 2023 年 21 巻 1 号 p. 40-47
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/29
    ジャーナル フリー
    コンビニエンスストア従業員が自らの性格特性とストレスの環境に関する設問に対して調査票に回答し、 回答したデータを統計的に偏りが無いことを検証し、検証したデータを基に、コンビニエンスストアの従業 員の性格特性とストレス環境に関する情報からショートビッグファイブ理論と多重比較検定を用い分析した。 抱えるストレスの要因を性格特性により分類し、特徴を抽出した。分類結果からストレス予防の対応として、 ストレスになる可能性がある業務の接客時の笑顔に着目し、コンビニエンスストアの従業員の能力として要 求される感情労働理論において接客時の笑顔が性格特性に影響し表層演技であるか深層的演技であるかを確 認可能か確かめた。
  • 2023 年 21 巻 1 号 p. 48-57
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/29
    ジャーナル フリー
    This paper is a preliminary study primarily concerned with the formal analysis of the predicate in Pedagogical English Grammar and seeks what kind of predicate is best suited for learning English grammar. The discussion starts with the Five Sentence Forms traditionally taught in Japan, showing their advantages. Then, alternatives, which attempted to resolve the shortcomings of the Five Sentence Forms are introduced, discussing their advantages and disadvantages. The discussion focuses on the treatment of obligatory adverbs and double objects from both theoretical and historical viewpoints.
  • 2023 年 21 巻 1 号 p. 58-63
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/29
    ジャーナル フリー
    本論文では資格取得を目指す人のためのポータルサイトを開設することを提案する。あわせて、必要とな るサービスや機能についても提案する。本論文では、具体的なターゲットとして大学生を選択した。リサー チクエスチョンは、「資格取得を目指す大学生に向けた教材・教育サービスの情報を集約するポータルサイト にはどのような機能が求められるのか?」とした。そして、仮説をおき、アンケートと実験で検証した。本 論文で提案するポータルサイトは、従来のポータルサイトが「資格検索」であることに対して、特定資格の 「学習方法と教材・教育サービス企業」の検索に焦点を当てている点に新規性がある。仮説検証においては 実験の被験者が少ないため、仮説を完全に検証したとは言えないが、前向きな回答を得ることができた。
  • 2023 年 21 巻 1 号 p. 64-69
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/29
    ジャーナル フリー
    本論文では、「演劇・ミュージカルを観に行かない大学生に、コロナ禍のもとでも、演劇・ミュージカル を観てもらうためには、どうしたらよいか?」をリサーチクエスチョンとして研究をすすめた。検証を行っ た結果、 (1)大学生が劇場に観に行くまでのハードルを下げ、情報不足を解消するための発信を、ソーシャ ルメディアを通じて行うと有用である (2)コロナ禍を経てデジタル化が進展した現在では、大学生に、演劇・ ミュージカルに最初に触れてもらうための方法として、参加しやすく安価な映画館上映(ライブビューイン グ)や自宅へのオンライン配信を活用することが有用であることがわかった。また、映画館上映や自宅へのオ ンライン配信という段階を踏むことで、最終的に劇場に観劇に来てもらえる可能性が高まることがわかった。
  • 2023 年 21 巻 1 号 p. 70-77
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/29
    ジャーナル フリー
    本研究は、天候や全天空画像から抽出した雲の太陽からの方向や厚さなどの状態分類を行なった点が特徴 であり、この情報が高精度な機械学習による日射量予測に有効であることを報告する。この日射量予測は、1 日の総日射量を予測するより、1 時間単位や分単位といった短時間ほど難しくなる。そして短時間日射量予 測においては、太陽と雲を捉える全天空画像用いた研究が行われているが、単純に画像を投入して深層学習 させただけでは、雲の移動距離の大きな一部雲条件下において、予測精度が大きく低下することが分かって いる。そこで、日射量や晴天時の日射量推定値、全天空画像から抽出した雲の太陽からの距離や方向などの 位置情報を基にして、LightGBM を用いて予測を行い、その有効性を確認した。その結果、一部曇りの条件下 で15 分後の予測精度が、日射量のみで142[W/m2]、日射量と晴天時の日射量推定値で135[W/m2]、日射量と 晴天時の日射量推定値と雲情報で129[W/m2]と精度が向上する事が確認された。総じて晴天時の日射量の推 定値と太陽からの距離と方角を考慮した雲情報が有効である事が示された。
  • 2023 年 21 巻 1 号 p. 78-87
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/29
    ジャーナル フリー
    視覚障がい者にとって,信号機,階段や段差は行動を制限する大きなバリアである.その支援を行う盲導犬 の育成は相応の時間がかかり,さらに専門のトレーナーが必要であるが,国内の状況としては,盲導犬の普及 は不十分な状況である.そこで本研究では,画像処理や機械学習による認識技術を応用して,視覚障がい者の 歩行ナビゲーションの開発のための段差や階段認識に対する基礎検討を行う.これまで著者らは,実用に際し ては調整が必要な部分があるものの,歩行者用信号機の認識技術を検証しその有用性を示してきた.今回は, 視覚障がい者にとって危険な階段や段差を認識する技術について,既存の関連技術を整理して検証を行う.本 報告では,普及を前提とした既存の小型コンピュータやIoT,機械学習の技術を組み合わせて,廉価に視覚障 がい者向けの歩行ナビゲーションを設計するための指針を与えることを目的とする.
  • 2023 年 21 巻 1 号 p. 88-97
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/29
    ジャーナル フリー
    日本の代表的な子供向け特撮ヒーロー番組として1971 年に放送を開始した仮面ライダーシリーズが 挙げられる。同年バンダイから発売された玩具「変身ベルト」はテレビ同様のギミックが話題となり、380 万個を販売する大ヒットとなった。以来「変身ベルト」は2022 年においてもテレビ番組と連動して販売さ れている。その一方で2022 年の日本は少子化傾向にある。しかし、仮面ライダー関連の売上高は好調であ る。その理由はなぜなのであろうか。そこで仮面ライダーの変身ベルトにおけるマーケティング戦略につい て、複数の視点から事例研究を行った。また大人向けの変身ベルトに関する調査も行った。
  • 2023 年 21 巻 1 号 p. 98-107
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/29
    ジャーナル フリー
    2021 年2月1日に政変が起こった。50 年以上に亘る軍政から民主化への転換に伴い、規制撤廃と情報の自 由を謳歌するかのように見えた国民生活の裏で、地域格差が広がり住民の不満は募っていた。民主化暴動か ら、報道やSNS など通信手段の多様化に付随して、辺境少数民族の反政府運動などに加えて、宗教対立から 仏教徒の過激化も拡大している。 本研究は、ミャンマーの民主化とともにインターネットの普及は急速に広がり、ソーシャルメデイアの発 展を中心に通信手段を通じて特にZ 世代呼ばれる若者が市民社会をリードし、その政治意識の変化が国内外 に伝播し、軍政に対抗する組織に成長する過程を明らかにするものである。
  • 2023 年 21 巻 1 号 p. 108-118
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/29
    ジャーナル フリー
    宅配便の不在再配達削減策として、置き配の導入が有効である。しかし、盗難などのセキュリティの 問題が発生する。不在再配達を大幅に削減できる置き配を活用しつつ、セキュリティの問題を解決するため には、配送先に施錠が可能な宅配ボックスを設置することが有効であると考えられる。そこで本稿では、各 住戸に専用の宅配ボックスを設置した場合の効果について検証する。不在再配達率削減の効果および盗難な どのセキュリティ問題の解消について検証し、シミュレーションを行い、課題について解決方法を提案する ことである。
  • 2023 年 21 巻 1 号 p. 119-126
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/29
    ジャーナル フリー
    大手ネット書店では1時間毎に書籍の売上をランキングにして発表しているが,サイト訪問者は書籍購 入の参考にそのランキングを活用している.そのため,著者や出版社は売上ランキングの推移を注意深く追っ ている.ところがその一方で売上ランキングの推移から当該書籍の売れ行きの特徴やマーチャンダイジングの 特性を把握することも可能になる.そこで本稿では,物流関連書籍の代表的な単一著者に対象を絞ったうえで, 売上ランキングの数理モデルを明らかにし,類型化し,売上ランキングの推移データをもとに分析と考察を行 う.物流関連書籍において専門性の異なる商品について売上ランキングの視点から相関性を分析し,それら書 籍のマーチャンダイジング特性を明らかにする.より多くの分野や著者を対象とする研究は今後の課題と考え る.
  • 2023 年 21 巻 1 号 p. 127-136
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/29
    ジャーナル フリー
    これまでの太陽日射量推定・予測の研究では、一部雲条件での精度が課題となっていた。この条件下では、 雲が太陽を覆ってしまうSun Occlusion Event(SunOE)が頻繁に発生する。SunOE では、雲によって日射量 が減衰するだけでなく、同時期同時刻の晴天時に比べて日射量が増強する現象が発生しており、推定・予測 を困難にしていた。今実験期間では、日射量が増強したSunOE は29%で、増強したSunOEs の92%で、カメ ラ画像にレンズフレアが観察された。日射量の増減およびレンズフレア現象に関わると仮定した6 つの領域 のRGB の赤青比を空の特徴情報(天空特徴量)として抽出した。そして、SunOE の日射量に対する雲の影響を 明らかにするために、多層パーセプトロン(MLP)に天空特徴量を投入し解析した。交差検証により約1%の 高精度を実現したモデルは、レンズフレア現象が最も効果的な要因であること、2 番目に太陽周辺の高輝度 領域、3 番目に空の薄い雲成分であることが明らかなった。
  • 2023 年 21 巻 1 号 p. 137-144
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/29
    ジャーナル フリー
    本研究では、従業員持株会(ESOP)と記者数が新聞の内容に与える影響、特に情報収集方法と情報源数 に及ぼす影響について検討した。 調査の結果、ESOP が保有する株式比率が高い新聞社ほど、通信社や他の新聞社からの情報に依存してい なかった。ESOP と、1 記事あたりに利用する政府関連の情報源数との間には関連性が見られなかった。ESOP はニュースの「質」の向上につながっていたことが明らかになった。 新聞社の記者数に関しては、記者数が多い新聞社ほど、記者が事件発生現場を訪問した回数が多かった。 また、経営資源が豊富な新聞社は、経営資源が少ない新聞社に比べ、1 記事あたりの情報源数が多いことが 明らかになった。
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