実際の物資配送においては,得意先間の移動時間が移動する時間帯によって変化することから,本論文では,総配送時間の最小化だけでなく,企業活動において複数の得意先に物資を配送してまわる際に,効率的な配送経路を特定し,各得意先得意先への到着時間指定や配送順序の制約条件も考慮する.その条件のもとで総巡回時間や到着時刻をファジィ数で表し,ファジィ評価することによって配送経路の決定を行う.この決定において,ベストな配送経路の探索には,探索時間を軽減するために遺伝的アルゴリズムを用いる.それゆえ,本スケジューリングでは,遺伝的アルゴリズムとファジィ理論を導入した実用的な物資配送計画法を提案し,その方法によって求めたベストな配送経路を提示する方法について述べる.更に,配送のための移動時間の算出にメッシュ地図を利用する.つまり,メッシュ地図を基にしたメッシュ間移動時間,メッシュ内移動時間から,拡張型ダイクストラの方法によって,時々刻々と変化する移動時間の算出についても述べる.最後に,スケジューリングのシミュレーション結果から,本方式の有効性を議論する.
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