知能と情報
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17 巻, 1 号
選択された号の論文の34件中1~34を表示しています
目次
巻頭言
特集
解説
随想
特集論文
  • 櫻井 茂明, 酢山 明弘
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 1 号 p. 52-59
    発行日: 2005/02/15
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    本論文は、テキストデータを特徴付ける単語や品詞の並びを記述したキーフレーズを抽出するルールを利用した、新しいテキストの分析法を提案する。提案法におけるキーフレーズ抽出ルールは、タスクに依存することなしに言語的な知識に基づいて記述されている。このため、多くのタスクに適用することができる。提案法は、テキストを形態素解析した結果にキーフレーズ抽出ルールを適用することにより、テキストからキーフレーズを抽出する。また、抽出したキーフレーズと利用者によってテキストに付与されたテキストクラスとの間の関係を、ファジィ帰納学習法に基づいて学習する。獲得された関係は利用者に新たな知見を提供するだけでなく、新たなテキストが与えられた場合に、そのテキストのテキストクラスを推論する。提案法をコールセンターにて収集された電子メールの分析タスクに適用し、その効果を検証する。
  • 居谷 道明, 彌富 仁, 萩原 将文
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 1 号 p. 60-67
    発行日: 2005/02/15
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    本論文では、動的にルールならび分類対象の追加が可能なニューラルネットワークFINNALE(Fuzzy inference neural network with additional learning)を提案した。FINNALEは、ファジィニューラルネットワークに柔軟な追加学習の機能を融合することにより、学習により入力データから自動的にルールを生成可能なだけでなく、システムの肥大化を抑えながら必要に応じて、動的なルールおよび分類対象の追加を可能にしている。FINNALEを英文認識問題に適用させた実験では、予めすべての情報がそろわない状態でも、従来のバックプロパゲーションニューラルネットワークと同等の良好な識別能力を確認した。また、その追加学習機能を利用することにより、画像認識問題など分類の対象が非常に広い分野へも応用が可能であることが確認できた。
COE紹介
報告
書評
用語解説
学生部会ΔNGLE
博士論文紹介
  • 是永 基樹
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 1 号 p. 78-
    発行日: 2005/02/15
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    本論文は、感性が要求される設計やデザインといった知的作業を支援するために、これからの新しいマルチメディア技術である対話型進化計算法、感性情報処理、バーチャルリアリティを用いて実用的な感性工学システムを構築し、その有用性を確認したものである。例として、設計やデザインを技術と芸術の交差領域と捉え、技術寄りの代表としてインテリアレイアウト支援システムを、芸術寄りの代表としてフラワーデザイン支援システムを構築した。利用者はシステムと協調して、専門的な知識や経験がなくとも無理なく知的作業を進め、個人の嗜好を設計やデザインに具体的に反映させることができた。対話型進化計算法が、設計やデザインの要素の配置と配色に関する制約ルールに基づいて、利用者の感性を効率的に設計やデザインに反映させることを確認した。またバーチャルリアリティがシステムのインタフェースにエンタテイメント性を付加し利用者の作業疲労を緩和させることを確認した。
  • 森 亮介
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 1 号 p. 78-
    発行日: 2005/02/15
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    本論文は, 実験心理学の分野で提案されたヒトのボール捕獲時の動作戦略をもとにロボットにボール捕獲タスクを行わせるという, 実験心理学とロボティクスの融合により, 視覚情報に基づくロボットの制御(ビジュアルサーボ)において新たな知見を見出そうとするものである.実験心理学では動作戦略モデルの提案とその実験的検証のみで, 動作生成方法の導出は困難であった.これに対して, 本研究では, ヒトの代わりに視覚をもつ移動ロボットに対して, ボール捕獲タスクのための視覚フィードバック軌道制御手法を導出し, この方法によれば, 単眼視でも3次元的に移動するボールを捕獲できることを計算機シミュレーションにより示した.さらに, ヒトのボール捕獲時の動作戦略モデルをもとにロボットに適した動作戦略モデルを提案し, このモデルに基づく軌道制御手法を用いて, 移動ロボットによるボール捕獲タスクが実現できることを実験的に検証した.
一般論文
原著論文
  • 片桐 英樹, 坂和 正敏, 加藤 浩介, 檀上 博紀
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 1 号 p. 79-87
    発行日: 2005/02/15
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    本論文では, 目的関数の係数がファジィランダム変数である多目的線形計画問題に対して, ファジィランダム変数を特性付けるメンバシップ関数の帰属度がα以上であるというα-レベル集合の概念と確率計画法における満足水準最適化モデルを融合した新たな意思決定モデルを提案する.また, 多目的ファジィ計画法において従来提案されているM-α-パレート最適解の概念を拡張して, 本提案モデルにおける新たな解概念を定義し, その解集合の中から意思決定者の満足解を対話を通して導出するという対話型ファジィ満足化手法を提案する.さらに, 最後に簡単な数値例を示す.
  • 井口 亮, 宮本 定明
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 1 号 p. 88-94
    発行日: 2005/02/15
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    本論文では, 学習ベクトル量子化(Learning Vector Quantization-LVQ)によるクラスタリングに, サポートベクトルマシンのカーネル関数を利用した新しいアルゴリズムを提案する.この新しいアルゴリズムは, 対象データをカーネル関数を利用して高次元特徴空間上に写像することで通常のアルゴリズムでは得ることができないクラスター間の非線形な境界を得ることができる.なぜそのようなクラスターが得られるのかについては, 高次元特徴空間上で線形分離になることで可能だと概念的には考えられているが, 現実には, 高次元特徴空間上でのデータの位置関係は分かっていない.そこで, LVQと密接な関係にある自己組織化マップ(Self-Organizing Map-SOM)に, カーネル関数を利用する.高次元特徴空間上のデータをマップすることで, 提案されたアルゴリズムが得ることができる高次元特徴空間上のクラスターの位置関係を可視化する.また, いくつかの数値例に提案手法を適用し, ファジィc-平均法やカーネル関数を利用したファジィc-平均法との比較を行う.
  • 谷 久壹朗, 亀井 且有
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 1 号 p. 95-102
    発行日: 2005/02/15
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    本論文では, 直感的推論による楽観-悲観軸をもとにした為替レート雰囲気を読むための主観的可視化方法を提案する.直感的推論は, 論理的推論を用いたAIなどとは全く異なり, 主観的な情報により行なわれる.本論文の構成は以下のとおりである.最初に, 直感的推論について定義する.次に, ニューラルネットワークを用いた直感的推論を為替レートに適用し, 取引変動幅と取引動向の二つの主観的評価をもとめる.その後, 二つ主観的為替レート評価とその確信度を楽観-悲観軸上に射影することにより, 為替レートの主観的雰囲気マップを作成する.最後に, 実際の国内為替データを適用しいくつかの典型的なマップを示す.そして, 主観的マップにもとづく為替の雰囲気を読み取る.
  • 瀧田 航一朗, 萩原 将文
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 1 号 p. 103-111
    発行日: 2005/02/15
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    本論文では、動物における積極性と警戒心に対応するような形で価値判断の変更を行う、新しい強化学習モデルを提案する。強化学習は、教師あり学習に比べより幅広い状況において利用できる学習方式ではあるが、環境からエージェントに与える強化信号の量を適切に定めることは、必ずしも容易ではない。例えば、次善の行動に過度な報酬を与えてしまえば、最善の行動の探索が阻害されうるし、逆に報酬が不足であれば、次善の行動すらも学習されないということが起こりうる。このような問題に対し、本提案モデルでは、報酬の最大化のみを目的とした、積極性に対応するモジュールと、罰の最小化のみを目的とする、警戒心に対応したモジュールとを組み合わせ、そのバイアスを調整することで、幅広い環境への適応を図る。計算機実験により、従来モデルでは性能が極端に悪化するような環境においても、提案モデルが優れた性能を示すことを確認した。また、それ以外の環境においても、提案モデルは従来モデルと同等の性能を示した。
  • 溝渕 宣誠, 王 碩玉, 河田 耕一, 山本 正樹
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 1 号 p. 112-121
    発行日: 2005/02/15
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    近年, 少子化・高齢化が急速に進むにつれて, 家庭やオフィス, 医療, 福祉現場で日常生活をサポートできる人間共存型ロボットが望まれるようになってきた.本論文では, 病院や福祉施設などで使用できる案内ロボットを開発することを目的としている.具体的には, 人間のような案内行動を実現するために, 本研究では, 案内についての高度な知識を言語変数を用いたプロダクションルールで定式化し, それを距離型ファジィ推論法によりロボットの軌道を制御する新規計画法を提案する.距離型ファジィ推論法は, ファジィ集合間の距離に基づいて推論を行うので, 前件部と事実との共通集合が存在しない場合にも適用できる.最後に, 実験により提案する本計画法の有効性を示す.
  • 王 碩玉, 水本 雅晴, 土谷 武士
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 1 号 p. 122-133
    発行日: 2005/02/15
    公開日: 2017/05/03
    ジャーナル フリー
    本論文は図形間の距離情報に基づいた距離型図形推論法を提案する。脳内の知識表現においては、視覚的な図形情報が形象的で且つ情報量が多いので、記号情報だけでなく図形情報も非常に重要である。従って、図形による知識表現は推論によく使われている。より人間らしい推論を実現するために、本論文ではまず特徴空間における概念表現について論じ、次に図形と特徴空間中のベクトルとの対応関係を利用して、距離型図形推論法のアルゴリズムを述べる。またWindows上で動作可能な図形推論システムを開発した。最後にこの推論システムを利用してシミュレーション実験を行うことにより、距離型図形推論法の特徴を示す。
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