知能と情報
Online ISSN : 1881-7203
Print ISSN : 1347-7986
ISSN-L : 1347-7986
17 巻, 6 号
選択された号の論文の28件中1~28を表示しています
目次
巻頭言
特集
解説
ベンチャー研究会報告
報告
書評
用語解説
学生部会ΔNGLE
博士論文紹介
  • 畦原 宗之
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 6 号 p. 698-
    発行日: 2005/12/15
    公開日: 2017/05/02
    ジャーナル フリー
    人間中心システムとは, 人間の主観, 判断, 評価, 認識, 感情, 感性が中心的な役割を果たす情報処理システムの総称である.本論文では, 人間の作曲活動の場面を考え, 個人に応じた音楽作曲を支援する「対話型作曲支援システム」を構築することで人間中心システム設計の手法を提案する.システムへの入力は人間の音楽に関する感性情報であり, 出力は人間の感性を反映した楽曲である.システムには対話型遺伝的アルゴリズムの手法を用いる.システムは楽曲をGAの染色体として自動生成し, 作曲者であるユーザはそれらを主観で評価する.この評価をもとにシステムは染色体を進化させる.このようにシステムとユーザが対話を繰り返して作曲を行う.評価実験では被験者の作曲した楽曲への満足度は上昇し, また被験者の好みを反映して被験者間で異なる様々な楽曲が作曲された.この結果から, 提案手法が人間中心システム構築に非常に有効であることがわかった.
  • 大橋 正
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 6 号 p. 698-
    発行日: 2005/12/15
    公開日: 2017/05/02
    ジャーナル フリー
    本論文では利用者の嗜好に応じ, 膨大なWeb-based文書から必要なものを順序付/抽出するために, FOCUS(Fuzzy dOCUment ordering support System)を提案する.FOCUSは, ファジィ文書選択, ファジィ文書照合, および40万語の概念から成る電子化辞書を利用した意味階層演算機能を具備しており, これらにより利用者の心理的二面性および嗜好を柔軟に順序付/抽出に反映可能である.JAVA言語によりFOCUSを実装し, Internet Movie DatabaseおよびReuter-21578XML Databaseを用いて14名の被験者によるベンチマークの実験を通し, その有効性を確認した.
一般論文
原著論文
  • 森岡 正臣
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 6 号 p. 699-704
    発行日: 2005/12/15
    公開日: 2017/05/02
    ジャーナル フリー
    Bilatticeは一つの代数系であり, 近年特にプログラムの意味論において重要な役割をはたしている.Bilatticeは多値論理を定義する際の意味論的手段としても有効であり, 非単調推論, 特に, 矛盾を含むデータの推論と密接な関係を持っている.本論文では, 束論の観点からbilatticeの性質, 特に, bilatticeのinterlacing conditionについて考察し, bilatticeがinterlacedでないためのいくつかの新しい十分条件を得ることができたので, これらについて紹介する.
  • 白井 治彦, 小高 知宏, 小倉 久和
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 6 号 p. 705-718
    発行日: 2005/12/15
    公開日: 2017/05/02
    ジャーナル フリー
    対話的計算機システムにおける, ユーザの挙動を利用した個人認証手法を提案する.本方式は, 監視するユーザの挙動を表すためにユーザの入力したコマンド連鎖を用いる.ユーザモデルは, 正当なユーザごとにあらかじめ一定期間に入力されたコマンドの連鎖の使用頻度を解析して作成しておく.認証は過去に作成しておいたユーザモデルと比較して, コマンド連鎖の使用頻度が似ているかどうかで判断を行う.我々はこれまでにコマンド連鎖の使用頻度を表すために, 遷移確率を用いた確率による手法を提案した.ここでは確率に代わりファジィ測度の手法を利用することを試みた.手法の有効性について検討するため, 被験者26人による6ヵ月間のログデータを用いたシミュレーション実験を行った.実験はユーザモデルを作成する学習フェーズと正当なユーザかどうかを判断する検査フェーズの2つのフェーズにより行った.学習フェーズでは, ユーザモデルの生成にファジィ測度の手法による連鎖グレードを用いる.連鎖グレードは, 学習期間中に出現したコマンド連鎖の頻度が高いほど, より高いグレードを表す.検査フェーズでは, 認証評価にはλファジィ測度の手法によるコマンド連鎖の組合せグレードを用い, ショケ積分の手法を採用して判定した.組合せグレードは, 検査コマンド列について, コマンド連鎖の組合せの数が多いほど, より高く評価する.その結果, 確率を用いた手法では70%程度であった他人排除率が, 92.8%と大きく向上した.さらに, 認証にはコマンド連鎖の出現頻度よりも, むしろ異なるコマンド連鎖の組合せの方が効果があることが分かった.
  • 前野 仁, 山川 烈
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 6 号 p. 719-734
    発行日: 2005/12/15
    公開日: 2017/05/02
    ジャーナル フリー
    小型船舶の動特性は, 船の状態(船速, 載貨状況など)や外乱(波, 風, 潮流による外力)の影響のために大きく変化しやすい.従って, 従来から小型船舶用オートパイロットに用いられてきた固定式PIDコントローラでは, 常に良好な保針性能を維持することは難しいとされてきた.また, 従来の大型船舶用適応アルゴリズムを用いるとしても, 小型船舶ではシステム同定や規範モデルの設定が困難なので, 良好な結果は得られない.本研究は, これらの問題を解決するために, システム同定や規範モデルを必要とせず, オンラインで船の動特性の変化に適応できる小型船舶用適応型オートパイロットの実現を目的とする.本研究では, ファジィ理論を用いた教師無し学習アルゴリズムによって, 適応アルゴリズムを構成する.教師無し学習を用いた適応アルゴリズムでは, 制御対象の的確な挙動評価が必要とされる.先ず, 小型船舶に適した船体挙動評価方法として, 位相面軌跡評価(Evaluation with Trajectory On Phase diagram : E-TOP)法を提案する.次に, E-TOP法とファジィ理論を用いた教師無し学習アルゴリズムを組み合わせた, 適応型オートパイロットを構築する.さらに, シミュレータによる動作検証と, 実船を用いた保針性能比較実験の結果から, 本研究で提案するE-TOP法と適応制御アルゴリズムによる適応型オートパイロットが, 安定して良好な保針性能を実現できることを示す.
  • 吉川 伸一, 奥田 徹示, 浅居 喜代治
    原稿種別: 本文
    2005 年 17 巻 6 号 p. 735-748
    発行日: 2005/12/15
    公開日: 2017/05/02
    ジャーナル フリー
    本論文では, 区間の境界があいまいなデータをファジィ区間データと呼び, それを用いた期待効用値と情報量の分析を考察している.ここでは, Zadehにより定義されたファジィ事象の確率概念を用いて, ファジィ区間データに基づく期待効用値と情報量を定式化している.しかしながら, ファジィ区間データのメンバシップ関数を直接的に取り扱う手法では, メンバシップ関数の形状を正確に把握する必要があるということと, 計算が非常に複雑となり効率的ではないという問題がある.この問題を解決するため, 我々はメンバシップ関数の中心値を代表値として取り扱う実用的な手法を提案する.これにより, ファジィ区間データが与えられたときでも, 通常の期待効用分析とさほど変わらない手法を示すことができる.また, 実際のファジィ区間データが与えられる状況では, 常に左右対称形のメンバシップ関数でファジィ区間データを表現できるとは限らないので, 台形型メンバシップ関数が左右非対称な場合を設定し, 数値例を実行した.その結果, 我々が提案している手法の有用性を示すことができた.
学会から
会告
feedback
Top