知能と情報
Online ISSN : 1881-7203
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18 巻, 1 号
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目次
巻頭言
特集:レスキューロボットコンテスト
解説
報告
書評
用語解説
学生部会ΔNGLE
博士論文紹介
一般論文
原著論文
  • 林田 智弘, 西崎 一郎, 上田 良文, 片桐 英樹
    2006 年 18 巻 1 号 p. 70-80
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル フリー
    本論文では, 東広島市龍王山の森林保全政策における代替案を多属性効用分析を用いて, 評価する. 多属性効用分析は, 単一属性効用関数を評価し, 属性間のトレードオフを考慮して全体の効用関数を同定することによって, 複数の属性をもつ意思決定問題に対して複数の代替案から合理的に有効な代替案を意思決定者の選好に基づいて選択するための意思決定手法である. 本論文での代替案は森林保全活動の資金調達方法と森林保全に対する複数の整備項目への資金配分方法によって特徴付けられる. 意思決定者は森林保全を目的とした非営利組織 (NPO) とし, 効用関数や代替案の評価は, 龍王山からの便益を受けている市民や酒造会社などの事業主の意見を尊重して行われる.
  • 山本 康高, 吉川 大弘, 古橋 武
    2006 年 18 巻 1 号 p. 81-90
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル フリー
    ファジィ理論は科学に主観を取り入れる手法として注目されてきた. また, 近年, チャンス発見をテーマとする研究において, ユーザの主観を利用することの重要性が指摘されている. 本論文では, ユーザがデータに対して持つ主観的理解を可視化する手法を提案する. この可視空間は, 自らの主観の内省及び, 他者との知識の共有や議論を可能とする. 提案手法では, ユーザがデータの特徴を説明していると思う言葉をリストアップし, その言葉に関連すると思う変数を選択する. それら変数を線形結合した射影軸を求め, 可視空間を構築する. この線形射影軸の導出に主成分分析と正準判別分析を用いる. 陸上の十種競技のデータに対する主観を可視化し, 従来の解析法とは異なる新しい視点からデータを解釈できることを示す. さらに, 十種競技における変数の全ての組み合わせに対して主成分分析法を適用した結果および, 因子分析法を適用した結果との比較から, ユーザによる変数選択とその可視化の意義を明らかにする.
  • 玉城 龍洋, 北 英輔
    2006 年 18 巻 1 号 p. 91-101
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル フリー
    本研究では, 確率速度モデルとセル・オートマトン法を用いて, 自動車専用道路に道路工事がある場合の交通流についてシミュレーションを行う. 工事区間を有する片側2車線道路や3車線道路でシミュレーションを行い, 解析結果を工事区間を有しない1車線や2車線道路のものと比較する. 工事区間を有する道路での解析を通じて, これまでの理論では道路全体の交通量は工事区間の走行可能車線数だけに依存すると考えられていたのに対して, 実際には工事区間の長さも影響を及ぼすことを示す.
  • 豊島 恒, 山ノ井 高洋, 山崎 敏正, 大西 真一
    2006 年 18 巻 1 号 p. 102-110
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル フリー
    ヒトが物体の奥行きを認知する時, 重要な手がかりの一つが両眼視差である. 著者らは, 先行研究において, ランダムドットステレオグラム (以下RDS) (大, 小, ゼロの視差) 観察時の脳波を計測し, 等価電流双極子推定 (ECDL) 法を用いて, RDSによる立体視における脳内処理部位を推定した. その結果, (1) 立体視の視覚情報処理に中心後回が関係していること, (2) 立体視の後, 脳波が収束することを発見し, その潜時がRDSの視差が大きい程遅れること, を確認した.
    本研究では, 上記 (1), (2) に着目し, 奥行き認知における脳内処理過程を, 中心後回に至るまでの過程と中心後回から先の過程に分け, 異なる視差のRDS観察時の脳内処理部位とその時間推移を比較した. 被験者は液晶シャッター眼鏡および電極キャップを装着し, 被験者が液晶シャッター眼鏡を通してRDSを観察する際の脳波を計測した. 特に, 小視差と視差無し, 大視差と視差無しの差分波形に注目し, 視差を有する視覚刺激に対する脳内処理の特徴的な潜時を推測した.
    小視差および大視差RDSに対するEEG加算平均データにECDL法を適用した結果, 中心後回以前での視覚情報処理過程は2つの経路で行われたと推測した. 一つはV1からV4, そしてTE野への経路である. もう一方はV1からMT野, そして中心後回への経路である. この推定結果は視差の違いに関わらず同様の傾向がみられた. 次に中心後回より後での脳内処理部位では眼球運動に関係している前頭眼野および上丘にECDが推定された. さらにその後, 前頭眼野に推定されてから脳波が収束するまでの間では, 下前頭回および中前頭回にECDが推定された. RDSの視差が大きい場合には, 小さい視差に比べて, より早く上丘および前頭眼野にECDが推定されたが, 脳波の収束潜時は遅れ, また収束直前に下前頭回にECDが推定されるまでの潜時も長くなっていた.
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