知能と情報
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18 巻 , 3 号
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目次
巻頭言
特集:脳と知覚
解説
特集論文 : 脳と知覚
原著論文
  • 渡邊 紀文, 石崎 俊
    18 巻 (2006) 3 号 p. 383-393
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル フリー
    視覚情報処理における結び付け問題は, 脳における情報表現の大きな未解決問題である. 現在神経科学の分野では, 脳の局所的な部分を観測し, それらの実験データを利用したモデルが作成されている. このようなモデル化の中で結び付け問題は, 脳においてどのように情報が表現されそして伝達されているのかを明らかにする重要な問題となっている. 本研究では, テンポラルコーディングとダイナミカル・セル・アセンブリの理論を適用した結び付け問題を解くシミュレータを構築する. このモデルでは, 神経生理学で提案されている電気緊張距離 (morphoelectorotonic transform) の理論を用いる. 本シミュレーション実験によって, 電気緊張距離を用いることでセル・アセンブリを実現し, ニューロン間の距離を学習することで結び付け問題を解決することが出来ることを示した.
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  • 平原 誠, 永野 俊
    18 巻 (2006) 3 号 p. 394-401
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル フリー
    概念階層に関する重要な心理学的知見に典型性効果がある. これがもたらす心理現象としては, ある概念 (上位概念) に属するインスタンス (下位概念) を列挙させると典型的なインスタンスほど先に想起されること, あるインスタンスがある概念に属するかどうかを判断させるとそのインスタンスが典型的であるほど判断時間が短くなること, などが知られている. 本研究では, 典型性効果の理解への第一ステップとして, 典型的なインスタンスほど高確率かつ高速に想起する神経回路モデルを提案する.
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  • 工藤 卓, 田口 隆久
    18 巻 (2006) 3 号 p. 402-413
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル フリー
    生物, 特に動物の情報処理機能を模倣して実世界で有効な情報処理装置を考案しようと言う試みが追求されている. 動物の情報処理機能の特徴は外乱に強い柔軟さ, 曖昧さと, 情報処理ルールの自律的獲得であるが, そのメカニズムについては未だ不明な部分が多い. 我々はラットの海馬から取り出した神経細胞で培養神経回路網を再構成した系を用いて, 生物的な情報処理の原理を探求している. この分散培養神経回路網を電気信号を介して環境と相互作用させることで, 外界を認識してある判断を行いうる情報処理系が構築され得るかを探求している. このことは言い換えれば人工環境下に培養し, 再構成された生体神経回路網の中に, 「知覚」や「知能」の原型が生成され得るかを検証するということである. 第一段階として, 高度に抽象化された外界として2つの記録電極から得られた神経活動電位に対し, AND演算をしたフィードバック刺激を神経回路網に入力した. その結果, 2つの信号の最初の同期性の程度に応じて神経回路網電気活動の時空間パターンが大きく変更された. この結果をふまえ, 分散培養神経回路網は外界との相互作用によって自身の反応ルールを変更しうると言う仮説に立って, 分散培養神経回路網と小型ロボットを接続し, 外界と相互作用する系を現在構築している.
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  • 小橋 昌司, 喜多村 祐里, 近藤 克哉, 畑 豊, 柳田 敏雄
    18 巻 (2006) 3 号 p. 414-424
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル フリー
    言語優位半球の判定は, 脳外科手術の術前計画や, 高次脳機能に関する研究において, 非常に重要な指標のひとつである. 従来はWada-testによる手法が用いられてきたが, 被験者に対する侵襲性等の理由から, 同手法に代わる簡便な手法が求められてきた. そこで, 本研究では小規模で非侵襲的な計測法である近赤外線分光法に基づく脳機能計測システムを用いた, 簡便な言語優位半球判定システムを提案する. 本提案法においては, 同計測システムでの計測点が言語野上に設置された度合いを示すファジィ所属度を導入することで, 計測位置のずれに対し, 高い精度, 再現性を有する手法を実現する. 本提案システムは, 14名の健常被験者に対し適用することで, 有効性を示した.
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  • 豊島 恒, 山ノ井 高洋, 山崎 敏正, 大西 真一, 菅野 道夫
    18 巻 (2006) 3 号 p. 425-433
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル フリー
    同じ意味を有する単語と記号を提示された際のヒト脳内処理過程を比較するため, 本研究では同じ意味を有する単語と記号として, 向きを示す単語 (漢字 : 上, 下, 左および右) と記号 (矢印 : ↑, ↓, ←および→) の8種類を視覚刺激として用い, 被験者がこれらの視覚刺激を観察する際の脳波 (electroencephalograms: EEGs) を計測した. 実験では, それぞれの刺激を30回ずつ, 合計240回の提示を行った. 本研究では正常な視覚を有する20~21歳の女性4名を被験者として実験を行った.
    計測されたEEGsを刺激の種類別に加算平均を求め, 事象関連電位 (event related potentials: ERPs) を得た. 得られたERPsの傾向を比較すると, 漢字提示の場合には “上” または “下” では潜時420ミリ秒前後で, “左” または “右” では潜時500ミリ秒程度で振幅の大きな変化が観察された. 矢印提示の場合には, 全ての刺激に対して潜時500ミリ秒程度で振幅の大きな変化が観察された. 同じ向きを意味する漢字と矢印とでのERPsを比較すると, それぞれ潜時の差は存在するものの, 振幅の大きな変化に関しては同様の傾向であった. また逆の向きを意味する漢字同士あるいは矢印同士のERPsを比較すると, 振幅の大きな変化が観察されたピーク潜時はほぼ同様であったが, その極性は逆であった.
    ERPsのピーク潜時を重点的に等価電流双極子推定 (equivalent current dipole source localization: ECDL) 法を試みた結果, 潜時110ミリ秒前後でMT野に, 続いて潜時300ミリ秒以前で中心前回にECDが推定された. この傾向については8種類すべての推定結果で大きな差はみられなかった. 中心前回にECDが推定された以後では, 漢字提示の場合, 刺激の向きによらず右中側頭回にECDが推定され, その後左中側頭回のWernicke野, 左角回, 左舌状回など言語に関係する部位にECDが推定された. その後左中前頭回および左下前頭回に, その後前頭前野にECDが推定され, ERPsの振幅が大きく変化する直前に中心前回にECDが推定された. 一方矢印提示の場合には, 右中側頭回にECDが推定され, その後右下前頭回および右中前頭回など空間認知のワーキングメモリとされる部位にECDが推定された. その後は漢字提示と同様に前頭前野, そして中心前回にECDが推定された.
    逆の向きを意味する視覚刺激で推定されたECDを比較すると, ERPsが逆向きのピークを示す潜時ではほぼ同様の部位にECDが推定されていたが, そのモーメントは異なっていた.
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  • 林 勲, ウィリアムソン ジェームズ R.
    18 巻 (2006) 3 号 p. 434-442
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル フリー
    人の視覚系では, 網膜に入力された画像信号は受容野に対応した視細胞で処理され, 外側膝状体を介して第一次視覚野に入力される. 視覚系処理過程を表現するHubel-Wieselの階層仮説モデルの一例としてTAMネットワークがある. TAMネットワークは4層の階層構造からなり, 第一次視覚野以降の視覚前野を模擬している. 与えられた教師値と出力値に差がある場合, 共振学習, ビジランス機能, 中間層へのノード増加によって, 高い学習機能を確保することができる. 一方, 受容野における方位選択性モデルとしてガボール関数があり, 画像の任意の周波数成分を抽出するガボールフィルタリングを構成できる.
    本論文では, 入力層以前にガボール型受容野層を導入した新たなTAMネットワークを提案する. 受容野層は網膜層, 神経節細胞層, 外側膝状体 (LGN) 層から構成され, ガボールフィルタリングを用いて対象画像の方位選択成分を抽出し, 輝度情報を正規化して特徴マップを構成する. ここでは, 受容野構造と特徴マップ構造について議論し, 輝度情報の信号処理アルゴリズムを定式化する. また, アルファベットの文字認識の例を用いて, 本モデルの有用性と頑健性について検討する. なお, 他のHubel-Wieselモデルと異なり, ネットワーク構造から画像特徴をファジィルールとして獲得できるので, 獲得されたファジィルールの妥当性についても検討する.
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報告
書籍紹介
用語解説
学生部会ΔNGLE
博士論文紹介
一般論文
原著論文
  • 近江 潤明, 三田村 保, 大堀 隆文, 栗原 正仁
    18 巻 (2006) 3 号 p. 452-461
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル フリー
    適応型合意形成モデルは, 個人の選好を集約した集団全体のマクロ情報を個々の主体が共有し, マクロ情報によって個人の選好を修正するという, 調和的な合意形成を得るものである. 本論文では, このモデルにおける個人について着目し, シミュレーション下におけるエージェントの挙動について分析を行い, 適応型合意形成モデルによって示されている合意について, エージェントの状態を定量的にモデル化することによって, エージェントの検証を行う. また, モデル化から見られる集団内の差異の偏りを改善するための試験的なモデルとしての時変適応度の提案を行い, シミュレーションを行い, その有用性について検討する.
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  • 三好 力, 西 孝仁
    18 巻 (2006) 3 号 p. 462-470
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル フリー
    データ検索手法で主に用いられている方法に条件検索がある. 条件検索の問題点として, データベースに提示する条件の調整が困難な点が挙げられる. 検索条件として与えた項目が複数個ある場合, どの項目をどれだけ調整すれば自分の欲しい情報が得られるかを判断する事が困難であるため, 調整再検索を何度も繰り返さなければならない. 更に, データベースによっては, 値の取り得る範囲などの情報をあらかじめ検索者が学習していないと条件設定すら困難となる場合がある. 一例として, 不動産物件データベースを考える. 住みたいと考える物件の検索条件として, 家賃が安い, 建物が新しい, 住居スペースが広い, ランドマークに近い, などがあり, これらを全て満たす物件が最も望ましい物件といえる. しかし, ここで用いられる「安い」「新しい」「広い」「近い」と言ったあいまいな表現は, その物件の立地する地域によってその具体的な値が大きく異なる. 検索者はまず, あいまいな表現とその地域の相場との関係を検索を行うことを通して学習しなければならず, 検索に必要な時間の増大につながる. 同様の問題は, 求人情報検索, 中古車検索をはじめとして多くの分野で存在すると考えている.
    上記の問題を解決するために, (1) あいまいな表現を具体的な値に対応させる必要なしに検索を行うことができる, (2) 具体的な値の入力・変更なしに直感的に条件緩和・再検索を行うことができる, (3) 望ましいデータが容易に見つかる, (4) 情報検索になじみのない人たちにも直感的にわかりやすいインタフェースを備えている, という条件を全て満たす方法として, 自己組織化マップを用いてデータベース内のデータの特徴や性質を2次元の特徴マップに表現し, 学習データに指標データを加えて学習することによって学習データによらず特徴マップ上に検索の指標となるクラスタを表示し, 検索条件の設定・調整や再検索は特徴マップ上で視覚的に行う手法を提案した. 実際の不動産物件データを用いて実験を行った結果, この手法は検索者がイメージしているあいまいな条件で情報を探したいときに特に有効であることが示された.
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  • 松田 充夫, 但馬 文昭, 櫛田 直規, 宮武 直樹, 佐藤 秀昭
    18 巻 (2006) 3 号 p. 471-483
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル フリー
    本論文では, 複数の階層化解像度レベルに分解したウェーブレット展開係数のテクスチャ特徴量から劣化画像のぼけ量の評価とぼけ範囲を決定する方法を提案する. 本提案法では, まず対象となる画像をウェーブレット変換に基づく多重解像度解析により複数の階層化解像度レベル成分に分解する. この分解した複数の階層化解像度レベル成分の同時生起行列からテクスチャ特徴量を算出し, そのテクスチャ特徴量から画像の劣化度 (ぼけ量) を評価する. 画像の劣化度 (ぼけ量) と劣化範囲は, 基準画像がある場合は基準画像との比較から評価し, 基準画像のない場合は局所的に劣化 (ぼかし) を付加し, その変化量から推定する. 4種類の画像に本提案法を適用した評価実験から, 多重解像度ウェーブレット係数のテクスチャ特徴量はぼけ量や画像劣化度評価に有効であること, テクスチャ特徴量Contrastはぼけ量評価に適することを確認した. また本提案法はノイズ存在下でも劣化画像評価に有効な手法であることを確認した.
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実践研究論文
  • 野中 俊昭, 遠藤 靖典, 吉川 広
    18 巻 (2006) 3 号 p. 484-495
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル フリー
    安全性や騒音防止の観点から, 鉄道車両の滑走防止制御 (ABS) に対する研究は非常に重要である. しかし, ブレーキというシステムにおいて, 滑走という非常に不確実性の高い現象を防止することは容易ではなく, 一般的な制御方法というものは存在しないのが実状である. ところで, ファジィ推論は, 不確実性の高い制御対象に対して高い有効性を発揮することが知られており, 滑走に対しても, 同様の効果が期待できる. そこで, 本論文では, ファジィ推論を用いたABSと, 最近になって実用が進んだ編成でブレーキを制御するシステムを統合することで, 滑走防止に対して有効な新たなブレーキシステムを提案する. また, このブレーキシステムによって, ファジィ推論を用いたABS単独で制御するよりも, ブレーキ距離の短縮と車輪踏面の損傷低減が実現できることを, 数値シミュレーションおよび実車試験によって示す.
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ショートノート
  • 北垣 郁雄, 李 東林, 山下 元, 佐藤 章, 稲井田 次郎, 但馬 文昭, 中島 信之, 小田 哲久
    18 巻 (2006) 3 号 p. 496-502
    公開日: 2007/04/20
    ジャーナル フリー
    本研究は, 高等教育の教育情報処理に関するものである. 研究者養成のための高等教育のあり方は, 知財立国の将来を左右する重要な事柄である. 特に, 大学院では高度な専門教育が行われる. 大学院修了後の長年のわたる研究実務では, 研究に直接かかわる本務があればそうでない雑務もある. 予期しない葛藤もある. 現実には, 研究的本務以外の必要事をもうまくこなすことにより, 社会的評価が得られることが多い. 本研究は, 大学院において, 専門的な知識 (専門知) と研究実務を支援するようないわば支援知を調和的に教育するような調和的人材育成ビジョンに関するものである. すなわち, 所与の調和的人材育成ビジョンの有用性に関する意識調査とデータ解析を行うことを目的とする. 大学教員や学生にアンケートを行い, 基礎統計や因子分析等のデータ解析結果をケーススタディ的な実践研究として報告する.
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学会から
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