知能と情報
Online ISSN : 1881-7203
Print ISSN : 1347-7986
19 巻 , 2 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
目次
巻頭言
特集:「形式概念分析」
解説
報告
書評
用語解説
  • 丹羽 智史
    原稿種別: 用語解説
    2007 年 19 巻 2 号 p. 149
    発行日: 2007/04/15
    公開日: 2018/02/04
    ジャーナル フリー

    オープンバイオとは,バイオインフォマティクス(生命情報学)の分野におけるオープンソースなソフトウェア開発のコミュニティを指す造語である.バイオインフォマティクスは生命現象をコンピュータを利用して解析する研究分野で,ヒトゲノムに代表されるDNAの塩基配列や,DNAから作られるタンパク質のアミノ酸配列,タンパク質の3次元立体構造の解析などを中心に発展してきた.1990年ごろから,様々な生物種のゲノムを全て解読するゲノムプロジェクトが進展するとともに,そこで生産される大量のデータを処理し,その意味を解析するために,基盤となるデータベースの作成や類似性検索などの技術開発が行われてきた.生物学で扱われる多様なデータは主にテキスト形式で流通しており,配列データは塩基やアミノ酸を1文字で表記した文字列として扱われるほか,自然言語による機能注釈や,解析アプリケーションの出力結果の整理など,解析のパイプラインでは文字列処理が多用される.そのため,正規表現など文字列処理に強く開発効率の高いPerlのようなスクリプト言語がゲノムプロジェクトの発展に大きく貢献してきた.その際に,再利用できる形でライブラリの整備を行う機運が高まり,BioPerlをはじめとするオープンソースプロジェクトが発足した.その後,各言語ごとに BioJava,BioPython,BioRubyなどバイオインフォマティクス用のライブラリ開発が進められてきた.これらは全て国際的な研究者コミュニティによるボランティアのプロジェクトであり,ソフトウェア開発に必要なサーバの管理などを支援し,研究会の開催などを組織するために,非営利団体であるOpen Bio Foundation(OBF)が設立された.そのため,OBFの理念に沿ったソフトウェアをオープンソースで開発するコミュニティやそのプロダクトを指してオープンバイオと呼んでいる.

  • 須曽野 仁志
    原稿種別: 用語解説
    2007 年 19 巻 2 号 p. 149
    発行日: 2007/04/15
    公開日: 2018/02/04
    ジャーナル フリー

    プローブ(Probe)とは探針を意味する言葉である.道路交通の分野では,自動車を探針とみなしたプローブカー(Prove car)と呼ばれる情報収集機能を持った車を複数台走行させ,道路の渋滞の具合や所要時分などの情報をリアルタイムでセンターに伝送させることで,より詳細な交通流情報を把握し,交通管制に反映させる研究が進んでいる.

    ダイヤに従って運行される鉄道などの軌道交通システムにおいては,このような目的でのプローブは不要であるが,営業車両に,設置が容易なセンサー類やGPSを取り付け,車両が走行して得られた車両動揺や信号授受の状態をリアルタイムで検出,分析することが可能となると,既存の保全形態が大幅に変貌するばかりでなく安全な輸送システム実現にも寄与できる.このような車両をプローブ車両(Probe vehicle)と呼んでいる.鉄道の安全性を確保するためには,軌道,信号システムの維持管理が重要な要素となっている.このため,関連するデータを現場での実測もしくは専用の検測車によって取得し管理に用いてきた.複数のプローブ車両により実際の動揺を常時計測し,その計測データとGPSなどから得られる位置情報から,必要と判断された箇所を保全するという形態に移行できるので,沿線の検測業務は大幅に軽減され,真に必要な箇所を優先的に保全することが可能になる.一方,JR福知山線の脱線事故以降,運転士の運転状態を監視するための研究も行われている.これにより,運転士の運転状況を車上で常時監視し,異常な運転行動を検知した場合には警報を発出するなどの対応が可能となる.

    参考文献 綱島均,松本陽,水間毅,中村英夫,“プローブ車両技術の導入による軌道交通システムの状態診断”,自動車技術,61巻2号,(2007),pp.98-104

学生部会ΔNGLE
解説
一般論文
原著論文
  • 中島 伸介, 舘村 純一, 原 良憲, 田中 克己, 植村 俊亮
    2007 年 19 巻 2 号 p. 156-166
    発行日: 2007/04/15
    公開日: 2007/08/10
    ジャーナル フリー
    個人の情報発信やコミュニケーションツールであるblogの利用者が増加している.blog情報は社会的イベントに対する世論そのものであるとも考えられ,これを有効に利用することで即時性および重要性の高い情報の取得が可能であると考えている.そこで我々はWeb上の有識者としての重要なbloggerを発見し,この重要なblogger が発信するコンテンツを利用することで,信頼できる情報の取得が可能ではないかと考えた.本研究では,まずblog データモデルを定義し,重要なblogger の定義とそのタイプ分類を行った.その中でも特に重要と考えたAgitator の判別方法を提案すると共に,実データに基づいてその妥当性に関する考察を行った.提案手法の妥当性の検証方法としては,Agitator判別の再現性に関する検証と,Agitatorであると認定されたblogサイトの正当性の検証を行った.その結果から,提案手法によって重要なbloggerであるAgitator の発見が十分可能であることを示した.
  • 三好 力
    2007 年 19 巻 2 号 p. 167-175
    発行日: 2007/04/15
    公開日: 2007/08/10
    ジャーナル フリー
    コホネンの自己組織化マップ(SOM)はニューラルネットワークの一つであって,入力データの特徴を教師なし競合近傍学習によって学習するという特徴を持っている.SOMの学習アルゴリズムによると,学習速度は学習データと特徴マップの初期値によって影響を受けることがわかる.著者は,特徴マップの初期値をランダムに決定する方法を改善することによって学習速度の高速化が図れるのではないかと考えた.初期値をランダムに決定すると,入力ベクトル空間と特徴マップ上の位置の間に何の関連付けも行われない状態となる.学習終了時には入力ベクトル空間と特徴マップ上の位置が関連付けられていることを考えると,初期化の段階で関連付けが行われないことによって,学習速度に影響が生じることが予想される. この論文では,学習処理を行う前の初期化の段階で,学習データを手がかりに特徴マップのノード交換を行って,入力ベクトル空間と特徴マップ上の位置の間に関連付を行う手法を提案する.さらに,これによる学習速度の高速化の可能性について検討する.加えて,全ノードの平均移動距離を,SOM の収束を判定するための新たな判定基準として用いることを提案する.実験の結果,学習データの約5%を用いて初期ノード交換を行うことにより,十分な対応付けの効果が得られることがわかった.また,従来手法に比べて提案手法は,全ノードの平均移動距離が,平均で約64%に,良好な場合は約45%に短縮された.従来手法の判定基準で収束を判定した場合,約55%の時間で収束が完了したと判定された.
  • 秋山 孝正, 奥嶋 政嗣
    2007 年 19 巻 2 号 p. 176-188
    発行日: 2007/04/15
    公開日: 2007/08/10
    ジャーナル フリー
    都市交通計画のためには,個人の交通行動メカニズムから交通現象を解明しようとするアプローチとして「交通行動分析」が進展している.これは,個人の交通行動原理から,交通行動パターンを推計する方法である.具体的には,交通現象の微視的側面から個人単位の交通行動を推計する「交通行動モデル」を作成することが一般的である.現行の交通行動モデル作成においては,確率効用理論を基本とするロジットモデルなどの利用が中心であるが,実用的な交通行動推計面での問題点も知られている.具体的には,情報処理能力と習慣,モラルの活性化と利己的態度,経験の蓄積と学習,選好特性の状況依存性,不確実性やあいまい性の認知などを明示的に記述していない点である.これらに対して「ファジィ交通行動分析」が提案されている.交通行動意思決定のなかで交通機関選択行動が最も選択行動モデルの意図に合致する現象(選択肢が規定でき,個別行動者が選択を行っている現象)である.このため本研究では,交通行動分析モデルの主要な推計過程として「ファジィ交通手段選択モデル」の構成方法を検討する.したがって,本研究の検討により,ソフトコンピューティング技術を用いた交通行動モデルは,都市圏の交通行動パターンの解析や都市交通政策評価において極めて有効性が高いことが示される.
ショートノート
  • 吉本 新吾, 佐藤 寛幸, 湯浅 哲也, 赤塚 孝雄
    2007 年 19 巻 2 号 p. 189-194
    発行日: 2007/04/15
    公開日: 2007/08/10
    ジャーナル フリー
    3次元コンピュータグラフィックス(3D CG)の質感向上のために低コストで実現できる有効な手法としてテクスチャマッピングが使われる.しかし,マッピングする面の面積が用意できるテクスチャ画像の面積に比べて大きく,テクスチャ画像を繰り返してマッピングする場合,テクスチャ画像とテクスチャ画像の間の境界部分での不連続性が問題となって幾つかの工夫がなされてきた.本論文では,境界部分での横方向の広がりを考慮するイメージキルティング法の改善を考案することで,用意した画像をより滑らかに接合しながら,任意の大きさのテクスチャを合成できることを述べる.実験結果より,従来の手法に比べて滑らかな境界を持つ高品質なテクスチャが合成できることを示す.
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