知能と情報
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21 巻, 6 号
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目次
巻頭言
20周年記念記事
特集:「20周年記念論文特集」
特集論文:20周年記念論文特集
20周年記念提言論文
  • 片井 修
    2009 年 21 巻 6 号 p. 958-975
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    電子付録
    本論文は,制約指向の立場からファジィ集合を捉え,そこから導かれた問題解決の枠組みを起点として,自然なシステムの成り立ちを分析することにより,新しいシステムの在り方やコミュニケーションの捉え方さらに情報概念の拡張などについて究明するものである.まず,制約指向の立場から厳密な二値論理と接合可能なファジィネスの捉え方を追求し,その結果,逆に,自己組織型問題解決に行き着くことを示す.さらに,この立場の根底にある「区切れない」という対象の捉え方に注目し,その延長線上にある自然農法やパーマカルチャーに見られる新しい農のシステム観を通して,「重層性」という構造の成り立ちの重要性を明らかにする.その端的な形としてセミラティス構造のあることを示す.さらに,「べてるの家」という集団の場の在り方に注目し,グループダイナミックスの基礎づけとしての「かやの理論」を参照することによって,自然な人間集団の重層的な成り立ちを明らかにする.さらに,コミュニケーションにおける重層性をライプニッツの空間と時間の概念を通し,さらに存在グラフやペトリネットのような数学的表現を導入して論じる.その上で演劇戯曲を題材に重層的コミュニケーションの構造を明らかにする.この重層的なライプニッツ時空間は,コミュニケーションの生成を通して形成されつつ,逆に,コミュニケーションの生成を支えるという「コミュニケーションの土壌」としての役割を有している.その働きを究明する「情報土壌学」という新しい学域の可能性を展望するとともに,従来からのシャノンの情報概念に加えて「包摂的情報」という新たな情報概念の在り方があることを示す.この「区切れない」という重層性が結果として生じたシステム構造であるのに対して,その生成的な特性を特徴づけるものとして「毛羽立った」システムという概念の可能性を示す.それは,リスク回避など近年の人工システム構築で強調される偶然性や想定外事象を排除するのではなく,むしろ偶然的出来事や出会いを活かし,区切りを越境してゆくという新しいシステムの在り方を示すものである.
  • 荒井 良徳
    原稿種別: 20周年記念行事
    2009 年 21 巻 6 号 p. 976
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2018/01/26
    ジャーナル フリー
  • 片上 大輔
    2009 年 21 巻 6 号 p. 977-992
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    電子付録
    本稿は,日本知能情報ファジィ学会(以下,SOFTと表記する)の会員歴が比較的短い筆者がSOFTの資料とデータを何の先入観もなく客観的に分析し提言を行うことを目的としている.SOFTを会員数,掲載論文数,特集号,研究分野ネットワークを用いた情報可視化,コメントの5つの観点から分析し,筆者の考えるSOFTの未来を導くような提言を各所にまとめた.本稿で行った客観的な調査と主観的な提言が,新たな道を模索するSOFTもしくはSOFT会員にとって,新たな議論の契機となればうれしく思う.
  • 荒井 良徳
    原稿種別: 20周年記念行事
    2009 年 21 巻 6 号 p. 993-994
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2018/01/26
    ジャーナル フリー
20周年記念総説論文
  • 櫻井 茂明
    2009 年 21 巻 6 号 p. 995-1007
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    大量データを分析し,人々の意思決定を支援することの必要性が高まっており,データマイニング技術とソフトコンピューティング技術の融合が進んでいる.本傾向は今後益々進むものと考えられ,研究活動が活発化すると考えられる.本論文では,ソフトコンピューティング技術に関する代表的な国際会議のひとつであるFUZZ-IEEEを対象として,本会議におけるデータマイニング技術の研究動向を調査し,理論的な側面から応用的な側面にいたるまでの,本分野における現状を把握する.また,これら結果を踏まえた上で,精力的な研究が行われているファジィ相関ルールの発見に焦点をあてて,複雑な構造を持ったデータや主観的なデータからのファジィ相関ルールの発見,ファジィ集合の特性を生かしたファジィ相関ルールの発見法の改善といった,研究の方向性を明らかにする.
  • 宮本 定明
    2009 年 21 巻 6 号 p. 1008-1017
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    本稿では,ファジィクラスタリングの有用性を示すために,4種類の考察を行う.はじめに,階層的クラスタリングの議論において,ファジィグラフが中心的な役割を果していることを述べる.次に,エントロピー関数を利用したファジィc-平均法が,ガウス混合分布モデルの一般化に相当していることを示す.第3に,ファジィ分類関数を考察することによって,ファジィc-平均法から導かれたファジィルールの理論的性質が明らかになることを示す.最後に,ファジィクラスター妥当性基準は,クラスター数評価に有用であることを述べる.
  • 坂和 正敏, 西崎 一郎
    2009 年 21 巻 6 号 p. 1018-1032
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    階層的な組織における意思決定問題はしばしばStackelbergゲームとしてモデル化され,2レベル数理計画問題として定式化される.この問題では2人の意思決定者が存在し,彼らが戦略の選択に関して協調しようとする意思がなく,合理的に行動するならば,その結果はStackelberg均衡によって記述される.しかし,この均衡は必ずしもPareto最適ではない.また問題の解き易さの観点からは,2レベル計画問題は目的関数および制約式が線形であっても,NP困難であることが知られている.一方意思決定者の協力関係を考慮した場合,Pareto最適解をいかに導出するかが問題となるが,そのための方法論として意思決定者の判断のあいまい性を考慮した対話型ファジィ計画法による解法が発展してきている.本論文では,2レベルあるいは多重レベル計画問題の解法に関する研究の発展を概観した後,意思決定者の協力関係を考慮した場合の意思決定に焦点をあて,意思決定者の選好に即した満足解を導出するための2レベル線形計画問題に対する対話型ファジィ計画法を示し,さらに多目的環境下および不確実性下で2レベル線形計画問題への拡張について述べる.
特集:「FSS査読あり論文セッション」
特集論文:FSS査読あり論文セッション
原著論文
  • 武藤 敦子, 加藤 昇平, 伊藤 英則
    2009 年 21 巻 6 号 p. 1035-1043
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    流行現象は同調化欲求と差別化欲求により発生すると言われている.動物世界の流行現象として,配偶者選択におけるメスの好むオスの装飾が年毎に変化する鳥が近年確認され注目を浴びている.我々は,このような一部の動物に見られるメスの嗜好の流行現象が配偶者選択における嗜好ミームおよび同調・差別化欲求の存在に関与していると考え,これらの欲求の強さを先天的な遺伝子として表現したエージェントモデルを提案し,計算機シミュレーションによりその挙動を観察する.実験の結果,オスを好むメスの嗜好に2種類の循環型流行の発現を確認した.また,同調・差別化欲求の存在がこれらの流行現象に与える影響について考察した.
  • 片上 大輔, 山田 隆志, 新田 克己
    2009 年 21 巻 6 号 p. 1044-1056
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    本論文では,学術論文誌や学術会議がもつ専門領域(Specialty)の中でも他の周辺学術領域との関係性により相対的に生まれる対象領域を象徴する研究分野の特徴的な部分集合を見えざる専門性(Invisible Specialty)と呼び,この専門性をその分野の初心者に提供することで,研究分野把握を支援することを試みる.まず,投稿論文の分類実験による研究分野把握の精度比較により,専門家と初心者の把握能力に有意差がないこと,および,専門家と初心者では把握の内容が大きく異なることがわかった.さらに,提案手法により研究分野間の階層的関係性をネットワーク化し可視化を行なうことで,初心者の研究分野把握を,専門家より高くかつ安定して提供できることを確認した.
  • 蓮池 隆, 片桐 英樹, 石井 博昭
    2009 年 21 巻 6 号 p. 1057-1066
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    本論文では,確率的要因による不確実性・曖昧さや主観性による不確定性の両方を同時に取り扱うことができるランダムファジィ変数を,一般的な多目的線形計画問題に導入したランダムファジィ多目的計画問題に対する効率的かつ厳密解法の構築を行う.通常,確率変数およびファジィ数を持つ問題を数理計画的に解くためには,意思決定者による何らかの基準設定が必要となる.本論文では,目標値を設定し,それを満たす確率・満足度を一定以上に保つ機会制約条件を導入し,意思決定者の目標設定に対する柔軟性も同時に考慮したモデルへと変換を行う.また多目的計画問題を解析的に解くために,最小満足度最大化モデルを提案し,最終的に主問題を標準的な解法が適用可能な数理計画問題へと等価確定変換する.さらにより効率的に解くために,確率変数の正規性を利用し,絶対偏差を導入することで主問題に対する線形計画法を適用した新たな解法を構築する.また数値例を導入し,提案するランダムファジィモデルと標準的な確率モデルおよびファジィモデルとの比較を行う.
  • 梶並 知記, 槇原 崇, 小笠原 敏之, 高間 康史
    2009 年 21 巻 6 号 p. 1067-1077
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    本稿では,意思決定において多角的な視点からのデータ分析と,相補 / 非相補的な意思決定方略に対応できる,関連バランス制御機能を備えたキーワードマップを提案する.キーワードマップは,オブジェクト(キーワード)間の関連度に応じて,キーワードを2次元平面上に配置する汎用的な情報可視化システムであり,ユーザ意図を強調するマップの編集機能が備わっている.しかしながら,従来システムは,キーワード間の関連性に複数の属性が含まれている場合でも,関連度はそれらを包含し1種類の属性とみなすため,1つの視点からしかデータ分析できない.そのため意思決定支援へ応用する場合に,データを様々な視点から分析できない問題と,任意の属性を重要視するなどの意思決定方略を支援できない問題がある.本稿では,関連度を複数の重み付き属性値の線形結合と再定義し,ユーザがそれらの重みを制御することが可能な関連バランス調整機能をキーワードマップに導入する.属性の重み付け設定に応じたユーザのマップの解釈の仕方の違いを検証する被験者実験と,意思決定方略に応じた提案システムの使われ方の違いを検証する被験者実験を行った結果,提案システムは多角的な視点をユーザに提供し,また相補 / 非相補的な意思決定方略に対応可能であることを示す.
  • 谷口 忠大, 高木 圭太, 榊原 一紀, 西川 郁子
    2009 年 21 巻 6 号 p. 1078-1091
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    近年,CO2排出量の抑制や,化石燃料の将来的な枯渇を背景に再生可能エネルギーの利用が注目されている.しかし,既存の中央集権的な電力ネットワークは系統末端での非定常発電を前提とする再生可能エネルギーとは必ずしも相性がよくないと言われる.このため,マイクログリッドを始め分散型の電力ネットワークが研究されている.本研究ではその一つである自律分散型の電力ネットワークであるECOネットを取り上げ,ECOネット内の発電消費の末端ノードであるミニマル・クラスター間での電力売買を通じた電力融通の自動化の為の機構について検討する.電力売買の自動化の為には,各ミニマル・クラスターにおける電力ロスの発電・消費における諸条件に基づき電力売買の方策を最適化する事が望まれる.本稿では,電力売買を行うエージェントの学習に強化学習を用いる事で電力ロスを低減し,収益を最大化させるような適応的取引エージェントの構築を目指す.ただし,そのような系ではマルチエージェント強化学習の系となるために,不完全知覚問題や同時学習問題が発生することが指摘されている.本稿ではそれらの問題に強いとされる方策勾配法,特にその一種である Natural Actor-Critic を用いて適応的取引エージェントを構築する.また,提案手法の有効性を示すために,6個のミニマル・クラスターにより構成されるローカルクラスターを対象にシミュレーション実験を行った.シミュレーション実験では,Natural Actor-Criticによりエージェントが適切な取引を学習する事が出来る事が示されたのと同時に,マルチエージェント強化学習環境下においても少なくとも一体固定的な取引を行うエージェントの居る条件下では良好な学習結果を生むことが示された.
  • 岡本 一志, 董 芳艶, 吉田 真一, 廣田 薫
    2009 年 21 巻 6 号 p. 1092-1102
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    JPEGやMPEG画像からの画像索引作成の高速化を実現するため,離散コサイン変換(DCT)領域から抽出した色特徴およびテクスチャ特徴に基づき画像索引を作成する手法を提案する.これらの画像に記録されているDCT係数から画像特徴を抽出し,復号処理省略と処理信号数の削減により,索引作成時の特徴抽出処理を1000枚のJPEG画像に対し2.86秒で実現している.現在提案されているSerata(2006)らの画像索引作成法に比べ116.17倍高速化している.両手法に基づいた画像索引の適合率と再現率をCorelデータベースを用いた画像検索実験により評価し,提案法では最大で適合率が22.7%,再現率が11.1%向上する索引を作成できることを確認している.検索精度を向上させ,現在処理できる画像数に対し100倍の画像数を持つデータベースの画像索引作成を可能にする.
  • 石田 稔, 加藤 昇平, 加納 政芳, 伊藤 英則
    2009 年 21 巻 6 号 p. 1103-1114
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    近年,二足ロボットの歩行の研究では,Central Pattern Generator(CPG)および受動的歩行が着目されている.我々はCPGと動的関節受動化に基づく歩行運動制御手法を提案する.CPGに基づく運動制御は環境の変化に対して頑健な歩行を実現可能である.しかしながら,CPGに基づく歩行をはじめとする能動的歩行はエネルギー効率が悪い.これに対して,受動的歩行は駆動系に何ら制御を行うことなくエネルギー的に非常に高効率な歩行が可能だが,ロボットのダイナミクスに強く依存するため環境の変化に対応できない.我々はロボットの歩行制御において能動的歩行と受動的歩行の特長をあわせ持つことが重要であると考える.本研究では,能動歩行制御としてCPGを利用し,CPGに基づく歩行において関節制御の動的受動化メカニズムを提案し,環境変化に頑健かつエネルギー的に高効率な歩行制御を実現する.二足ロボットの歩行制御に関節制御の動的受動化を用いた実験を行い,提案手法の有効性を確認した.
  • 林 篤司, 鬼沢 武久
    2009 年 21 巻 6 号 p. 1115-1126
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    本論文では,状況に依存したメンバーシップ関数の類推による推定法を提案する.提案手法では,異なる状況における同じカテゴリを表わすファジィ集合のメンバーシップ関数間の類似性(アナロジー)をメンバーシップ関数間の写像で表わす.アナロジーは異なる状況における同じカテゴリを表わすファジィ集合のメンバーシップ関数が同定されていれば,これをもとに近似写像を求めることができる.そして,既にカテゴリを表わすファジィ集合のメンバーシップ関数が同定されている状況が存在すれば,この状況におけるメンバーシップ関数とアナロジーとして近似された写像を用いて,異なる状況において同じカテゴリを表わすファジィ集合のメンバーシップ関数を推定することができる.本論文ではまた,提案手法の有効性について実験的に検証する.実験ではアナロジーを多項式で近似し,予備実験としてアナロジーを多項式で近似する場合に適切な次数を検証する.次に,類推によって状況に依存したメンバーシップ関数を推定する.そして,被験者がメンバーシップ関数を直接同定する場合と比べ,類推を用いることでメンバーシップ関数の同定に必要な情報を被験者に尋ねる回数を減らし,被験者が同定したメンバーシップ関数と同様なメンバーシップ関数を推定できることを示す.
  • 大曽根 圭輔, 鬼沢 武久
    2009 年 21 巻 6 号 p. 1127-1142
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    本論文ではポーカーの一種であるセブンカードスタッドポーカーを対象として,人間とコンピュータが協調して意思決定をしながら,ユーザが親しみを持つシステムを構築する.本論文では人間と協調して問題解決をするシステムをパートナーエージェントと呼ぶ.セブンカードスタッドポーカーは不完全情報ゲームで,最適な戦略をとる事が難しい.そこで,ゲームの状況に応じた判断をするためにパートナーエージェントが自身の意思決定や場の情報などを提示することでユーザと協調をする.パートナーエージェントがユーザに提示する情報は意思決定,状況,および意思決定の経緯で,状況によってはユーザからも能動的に質問ができるようになっている.また,ユーザがパートナーエージェントと異なった戦略をとるような場合には注意を促すコメントを提示する.本システムではさらに,ユーザがエージェントに対して親しみを感じるようにするために顔表情を付加する.顔表情は状況と顔表情を関連付けたニューラルネットワークで構築する.本論文ではさらに被験者実験を行い,被験者に実際にポーカーをしてもらい,パートナーエージェントがユーザの意思決定にどのような影響を与えているかを分析するとともに,実験後のアンケートからユーザがパートナーエージェントに対してどのような印象をもっているかを考察し,本エージェントの有効性について確認する.
  • 谷口 忠大, 岩橋 直人
    2009 年 21 巻 6 号 p. 1143-1154
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    本稿では人間の非分節な動作提示からロボットが自律的に模倣学習を行う為の新たな手法を提案する.ロボットが人間と関わり合う中で見真似を通じて動作獲得と行う為には,連続的な時系列情報として提示される人間の動作から真似る対象となる動作区間を切り出さなければならない.言い換えるると「何を真似るか」という問題を解かねばならない.提案手法では模倣の対象となる一連の動作を複数の線形ダイナミクスの切り替わりで表現しうるとしてモデル化する.具体的には提示された高次元の動作時系列を特異値分解を用いて低次元化した後に,Switching AR modelに基づいてARモデルがマルコフ遷移により切り替わるダイナミクスとしてモデル化する.これにより各動作の要素がARモデルとして学習されるとともに,どのARモデルによってその時系列が生成されているかが推定され,対象時系列は各ARモデルを表わす隠れ状態の遷移として表わされる事になる.対象時系列は隠れ状態を表わす文字の列として表現されるが,これに対してN-gram統計量に基づき記述量を最小化する辞書生成を通じて単語抽出を行うことにより,人間の特徴的な動作区間を抽出する.実験では等手法の有効性を人間の上半身動作を対象にして検証したところ,人間の非分節な動作系列の中に特徴的動作として埋め込んだ “Hi” “Shrug” の二つの動作を自動的に抽出することができた.また,その抽出性能を人間の抽出能力と比較することで提案手法の有効性検討した.
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