知能と情報
Online ISSN : 1881-7203
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21 巻 , 5 号
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目次
巻頭言
特集:「人間共生システム」
特集論文: 人間共生システム
原著論文
  • 柴田 寛, 加納 政芳, 加藤 昇平, 伊藤 英則
    21 巻 (2009) 5 号 p. 630-639
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    本稿では,感性ロボットifbotと人の表情インタラクションのために,恒等写像学習によって構築された感情空間内を,表情制御値の変化量が最小となる経路選択して表情表出する手法を提案する.感情空間内での最小経路は,表情の制御値の線形変化による表情遷移とは異なり,感情的な表情変化を考慮することができるため,違和感の少ない表情を表現できると考える.実験の結果,提案手法は,表情制御値を線形に変化させる手法と,感情空間内を線形に移動して表情を生成する方法の特徴を組み合わせた表情を表出できることを確認した.
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  • 高橋 泰岳, 田村 佳宏, 浅田 稔
    21 巻 (2009) 5 号 p. 640-652
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    本論文では,強化学習における状態価値に基づいた行為獲得・他者行為認識の循環により,行為理解が効率的に安定して発達する手法を提案する.自身の試行錯誤の経験のみによる学習では獲得する行為が複雑になればなるほど多大な探索空間や莫大な学習時間が必要になる問題が強化学習による行為獲得には存在する.他者行為を観察し学習対象の行為の状態価値を推定し,それを自己の行動学習にフィードバックすることで行動学習を加速可能である.しかし,観測した他者行為を自己の行動学習に利用するためには,他者がどの行為を行っているのかを認識しなくてはならない.一方で,自己の行為の状態価値を基に他者の行為認識をロバストに行えることが先行研究によって示されている.行動学習と他者行為認識を交互に繰り返すことで,行為獲得を通した行為理解が効率的に安定して進められる.本手法の有効性を検証するため,RoboCup中型機リーグに出場しているロボットを想定したシミュレータ,及び実機に本手法を適用し,本手法の有効性を示す.
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  • 鈴木 秀和, 西 仁司, 瀧 晃司
    21 巻 (2009) 5 号 p. 653-662
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    近年,AIBOやParo等に代表される動物型ロボットが話題を集めており,その愛らしい仕草によるエンターテインメント効果のみならず,ロボットセラピーにおけるヒーリング効果が注目を集めている.ヒーリング効果への影響を考えた場合,ロボットが動物らしく行動することが重要であるが,実環境では複雑な動的干渉の影響を受けるため,歩行等の複雑な行動を動物らしく実行することは難しい.そこで本報告では,人が「動物らしい」と感じる4脚歩行ロボットのための歩容生成を目標に,AIBOを用いた地面での動物的な歩容の生成を試みる.脚式ロボットの歩容生成が多次元時系列空間における軌跡の最適化問題であることに着目し,複合特徴領域から成る最適歩容領域への到達方法として,特徴群を1つずつ最適化して辿る手法を提案する.具体的には,動物の歩容に基づいた基本形状とGAによる中間軌道の最適化により,効率よく推進力を発生できる単脚軌道の生成を4脚歩容生成の導入として行う.生成された単脚軌道の連携のために動物学における歩容分類を適用し,人間が動物らしいと感じる感性を取り入れるためにデューティ比と周期を変えたアンケートを実施した.さらに,アンケート結果より得た動物的な歩容に対し,GAを用いた地面での適応学習を行うことにより,人が動物らしいと感じる歩容形態を維持したまま効率よく前進できる歩容の実現を試みる.
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  • 中村 慎也, 岩橋 直人, 長井 隆行
    21 巻 (2009) 5 号 p. 663-682
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    本論文では,実世界状況において,ロボットが人と効率的及び相互適応的に共有信念を形成しながらコミュニケーションを行うための,発話生成手法を提案する.共有信念は,互いに共通する経験を基盤として形成され,対話者の心的状態の推定や曖昧な発話の理解に用いられる.提案手法は,ロボットが学習する信念システムとして,ロボットの想定する共有信念を表現する関数に加えて,人とロボットの想定する共有信念の一致度を表現する関数を扱う.共有信念を表現する関数は,確率モデルで表される音声言語や動作,オブジェクトの概念などを指示する様々な信念の重み付け和で表現される.共有信念の一致度を表現する関数は,発話が相手に正しく理解される確率の予測値を出力する.信念システムの学習は,人とロボットのオブジェクトを用いたインタラクションを通してオンラインで行われる.ロボットは,一致度を表現する関数を学習することで人の心的状態の推定と発話の予測理解率の推定が可能となり,環境だけでなく,相手との共有信念の一致度に応じて発話の単語数を増減させるなどの適応的な発話生成が行えるようになる.また,そうした発話によるインタラクションを通して一致度を表現する関数自体を更新し,人とロボットが相互適応的に共有信念の形成を行う.ロボットに学習させる信念システムや,人が行動を誤った場合のロボットによる正解の提示の有無など,様々な条件で実験を行い提案手法の有効性を評価した.
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  • 久保田 直行, 矢口 愛子
    21 巻 (2009) 5 号 p. 683-692
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    国内における少子高齢社会の到来により,高齢者や子どもの見守りのため,家庭用パートナーロボットの開発への期待が高まってきている.しかし現状のロボットはシナリオに依存することが多く,自然なコミュニケーションを実現できてはいない.本研究の目的は,環境と発話内容の関係性を学習することで,人間とロボットの間での自然なコミュニケーションを実現することである.本論文ではロボットが環境と発話内容の関係性を学習するためにスパイキングニューラルネットワークを用いた手法を提案した.提案手法を用い,コミュニケーションを通じて,ロボットが日用品の用途を学習する実験と,時間と発話の関係を学習する実験を行った.実験の結果,ロボットが人間との相互作用によって認知環境に基づいた発話内容の更新を行えるようになる,ということを示した.
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  • 石井 健太郎, 鳩 康彦, Thomas KANOLD, 今井 倫太
    21 巻 (2009) 5 号 p. 693-700
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    本稿では,自発的に話しかけるロボットの話しかけ手法として,機能紹介対話手法を提案する.機能紹介対話手法は,ロボットが自身が持つ機能を見てみるか尋ねることにより,情報提供を受ける意図はないが,ロボットが持つ機能を見てみたいと思う人間を対話に引き付けることを狙う手法である.機能紹介対話手法を実装した案内ロボットを大学の入学センターで運用し,ロボットとの対話ログ・対話後のアンケートデータを解析した.対話ログの解析から,通常対話を行うロボットと比較して,機能紹介対話を行うロボットは,より多く案内を開始し,かつ,対話の終了を示す発話を認識した.さらに,アンケートデータの解析から,機能紹介対話を行うロボットが,自分の活動を邪魔されたという印象を低減していることが認められた.
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  • 藤村 亮太, 郭 斌, 大村 廉, 中臺 一博, 今井 倫太
    21 巻 (2009) 5 号 p. 701-712
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    本論文では壁面投影移動型アバタシステムRemyの提案を行う.Remyは遠隔地から相手の実空間に対する指示や参照を行いコミュニケーションを行うことを支援する.従来の遠隔協調作業支援システムには,実空間の共有を考慮していない問題,デバイスがユーザに与える負担が大きい問題,表情やジェスチャといったノンバーバル情報の伝達を考慮していない問題があった.上記3点の問題に対して,Remyは移動可能な2次元アバタを実空間に直接投影することで解決する.本論文ではローカルユーザの視点においてRemyと従来研究の比較実験を行なった.実験の結果,Remyの手法が上記の問題点を解決し遠隔協調作業においてコミュニケーションの質を高めることが示された.
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  • 小林 一樹, 門脇 克典, 北村 泰彦
    21 巻 (2009) 5 号 p. 713-721
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    Web上のeショッピングサイトをより魅力的で説得的にする手段のひとつとして,擬人化エージェントが期待されている.本研究では複数の擬人化エージェントが顧客を説得する状況を想定し,効果的な説得を行うことができる条件について議論する.説得を成功させるには,言葉の言い回しだけでなく,説得者と被説得者の社会的関係も大きな役割を果たしている.ここでは,この社会的関係に着目し,画面上に登場するエージェントの数が説得効果に与える影響を調査した.実験では,擬人化エージェントの数を1体,2体,3体に設定し,ユーザや他のエージェントに対して友好的もしくは敵対的な発言を行うことで社会的関係を構築した.その上で,ユーザに対してエージェントがアイテムの推薦を行い,受け入れられた推薦の数を説得成功回数として計測した.その結果,エージェントの数が増加するほど説得効果が低下することがわかった.さらに,条件ごとに詳細な分析を行ったところ,ユーザに対する複数のエージェントの発言が友好的,または敵対的に統一されている方が説得効果が比較的高くなる傾向が示された.
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  • 前田 陽一郎, 花香 敏
    21 巻 (2009) 5 号 p. 722-733
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    一般に,自律エージェントや自律移動ロボットに効率的な行動学習をさせるためには動物の学習メカニズムから工学的応用を行なうことは有効な手法であることが知られている.中でも,動物行動学,行動分析学や動物のトレーニング(調教)などで広く用いられている「Shaping」という概念が最近注目されている.Shapingは学習者が容易に実行できる行動から複雑な行動へと段階的,誘導的に強化信号を与え,次第に希望の行動系列を形成する概念である.本研究では繰り返し探索により自律的に目標行動を獲得できる強化学習にShapingの概念を取り入れたShaping強化学習を提案する.有効なShaping効果を検証するために強化学習の代表的なQ-Learning,Profit Sharing,Actor-Criticの3手法を用いた異なるShaping強化学習を提案し,グリッド探索問題のシミュレータを用いて比較実験を行なった.さらに,実際の動物などの調教の場などで知られている段階を追って行動を強化する「分化強化」という概念をShaping強化学習に取り入れた分化強化型Shaping Q-Learning(DR-SQL)を提案し,シミュレーション実験により手法の有効性が確認された.
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  • 大村 英史, 片上 大輔, 新田 克己, 野澤 孝之, 近藤 敏之
    21 巻 (2009) 5 号 p. 734-746
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    エージェントの人間の社会への進出に伴い,人間とエージェントの間の相互作用(HAI:Human-Agent Interaction)の研究が活性化している.しかしながら,社会の中での人間とエージェントの関わり方の方法論は確立されていない.そこで,本論文では社会適応の一つの手段として「集団内の暗黙のルールの獲得」に注目し,社会的な集団適応エージェントを実現することを目的としている.社会集団にはルールが存在していると言われている.もし集団に属するあるメンバーがこのルールに従わない場合,集団の他のメンバーと協調できないばかりか攻撃されかねない.このように,集団に適応するためには,その集団におけるルールを獲得しそれに従うことが重要であると言える.そこで,人間の集団内のルール獲得を観察し,その知見を用いて集団内のルール獲得によって集団適応を行うエージェントの設計を提案する.はじめに,集団ルール獲得ができる環境を構築する.これは,異文化体験シミュレーションゲームBARNGAをベースにOnline BARNGAとして作成する.この環境内で人間同士によるゲームを行い,人間のルール獲得の過程の観察を行う.これにより,人間が暗黙の集団ルールを獲得する際には,「気づきの有無」と「ルールに従った振舞いの有無」により分類できる3つの内部状態間の遷移を行うことと,暗黙の集団ルール獲得には、勝者判定規則の獲得とゲームに勝つための集団戦略獲得が存在することの2つの獲得があることが観察できた.次に,人間の暗黙のルール獲得に関わる内部状態の遷移のタイミングを調べるために,fNIRS(機能的近赤外線分光法)を用いて,実験時の被験者の前頭葉の脳活動計測を行い,状態遷移がどのタイミングで行われたかの知見を得た.これらの知見を用いて,「気づき」と「振舞い」による3つの内部状態の遷移と,勝者判定規則と集団戦略を別々に学習するエージェントの設計方法を提案する.さらに,このエージェント同士でOnline BARNGA上でゲームシミュレーションを行い,人間の知識獲得のプロセスの結果と比較を行う.これにより,提案したエージェントが人間と同じ戦略に収束していることから,人間と同じ暗黙のルールへの適応を行う機能を持っていることを示すことができ,これをもって集団適応エージェントの提案とする.
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  • 串田 淳一, 中岡 伊織, 大場 和久, 亀井 且有
    21 巻 (2009) 5 号 p. 747-756
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    適応共鳴理論(ART)は入力と記憶の類似度にもとづいて認識カテゴリを適応的に生成・成長させる教師なし学習システムである.近年,ARTを用いた強化学習システムに関する研究が活発に行われている.これらの研究は,ARTが知覚情報をカテゴリとして分割しながら動的に状態空間を構成し,エージェントが状態空間に対応する行動選択を学習するものである.しかしながら,学習可能な時間が限定される場合,分類精度を決定する警戒パラメータの設定方法が問題となる.状態空間の分割が細かすぎる場合は行動を最適化するまでに膨大な時間が必要となり,分割が粗すぎる場合は解を得ること事態そのものが不可能となる.そこで本研究では,学習時間内で可能な限り勝率を高くすることを目的とする階層型ファジィART学習システムを提案する.提案システムは,プレーヤの学習度合いに応じて分類精度の異なるファジィARTを追加し,段階的に状態空間の分割を行いながら行動選択を学習する.提案システムを評価するため,Fighting Action Gameを対戦環境としたシミュレーション実験を行い,エージェントが対戦相手に対して適応的な学習を実現できることを示した.
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  • 井上 博行, 袁 丹, 岩谷 香栄
    21 巻 (2009) 5 号 p. 757-767
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    日常生活で使う様々なものには色が用いられており,一色だけではなく2~3色の配色として用いられている.これら配色は,感性に大きな影響を与えており,日常生活において重要なものである.本研究の目的は,個人の好みや人間の感性を考慮した配色作成支援システムを構築することである.そこで本論文では,対話型進化計算(IEC)に基づいてよりユーザが好む配色を示す配色支作成援システムを提案する.最初に,IECをベースとした配色評価システムを構築する.このシステムでは,システムの最初にユーザの好みの色を1色作成する.この色は配色の3色配色の1色を構成し,IECで作成した他の色と組み合わせる.次に,配色評価システムを発展させ,IECに基づいた配色作成支援システムを構築する.またこのシステムでは,ユーザの相対的な評価をサポートするために候補の並べ替え機能を導入する.本システムを用いた結果,ユーザは好みの配色を獲得できた.また,好みの色を作成する機能や並べ替え機能は効果的であることが示せた.
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  • 前田 陽一郎, 宮下 滋
    21 巻 (2009) 5 号 p. 768-781
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    インタラクティブサウンドの研究目的は,人間とシステムのインタラクション(相互作用)を軸に,従来の音楽のように完成されたものではなく,人間の予想を超える複雑さと多様性をもつサウンドを実現することである.ここにカオス理論を用いることで人間の感性に影響を与える斬新なサウンドを生成することが期待できる.筆者らは,カオス要素を多数並べて結合し,平均を通すことで全体を相互作用させることにより状態を遷移させていく大域結合写像(GCM)を用いてサウンド生成システムを開発してきた.GCMによりカオス的非同期性や全体の同期性の制御が可能となり多様なサウンドが生成できる.これに音楽要素の一部を加えることで,人間に不快感を与えないサウンド生成が可能であるが,操作者がコントロールするパラメータが増えると人間への負担が増大するという問題もある.そこで本研究では,人間の感性に対応した方向へ進化を誘導させることができる対話型遺伝的アルゴリズム(IGA)を導入し,サウンド生成を容易にすることが可能な手法の構築を目指す.IGAは,人間の評価と遺伝的アルゴリズム(GA)の最適化能力を結合した最適化手法である.ICASは同期性と非同期性の2つのパラメータのみで,出力されるサウンドの複雑さを制御することができるため,比較的容易にIGAの適用が可能である.筆者らはGCMのパラメータのみを自動調整するICAS-IGA1と音楽的要素のパラメータを含めたICAS-IGA2のシミュレータを構築し,サウンド生成実験を行なった.その結果,ICAS-IGA1,ICAS-IGA2ともに生成されたサウンドが人間の感性に概ね合致することが分かった.さらに,従来手法によるシステム(ICAS)と提案手法によるシステム(ICAS-IGA1)との性能および操作性の比較実験を行ない,本システムの有効性を検証した.
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  • 秋口 俊輔
    21 巻 (2009) 5 号 p. 782-791
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    自動的な楽曲の生成という概念の歴史は古く,乱数の偶然性を利用したものでは18世紀のモーツァルトによる「音楽のサイコロ遊び」にまで遡る.これは,あらかじめ複数のフレーズを用意しておき,サイコロを転がすたびに出た目のフレーズを曲に付け加えていき,作曲をするものであった.現代においても,1957年イリノイ大学に導入された初期のコンピュータ「ILLIAC・I」を使った「弦楽四重奏のためのイリアック組曲」以降,様々な研究がなされ,多くの楽曲が作られてきた.しかしながら,人間の感性,特に各個人の感性を反映させた楽曲生成システムは未だ研究の途上にあり,様々な研究機関で開発が続けられている.代表的なものには,言葉の印象から楽曲構造を導き出し作曲するシステムや,対話型遺伝的アルゴリズムを利用したシステムが研究されている.本研究では人間の感性と楽曲構造の関係を可変化することによって各個人の感性に対応するシステムの構築を目指す.今回は,楽曲の印象を決定する曲全体の構造を数値化し,この楽曲構造要素と各個人の感性との関係をニューラルネットワークによってモデル化するという手法から,個人の感性を反映させた自動楽曲生成システムの構築を実現する.まず,楽曲の印象を決定する曲全体の構造を,「楽曲はリズム,メロディ,ハーモニーの三要素からなる」との考えをもとに,調,和声,旋律,音高,リズム,テンポなどの楽曲構造要素として数値化を行う.そして,楽曲と楽曲から感じられる印象との関係を,楽曲を数値的に表現した楽曲構造要素と印象をSD法により数値化した印象語対との関係に置き換えることで,ニューラルネットワークを用いて楽曲と楽曲から得られる曲印象との関係を学習する.次に,学習によって獲得された楽曲と曲印象との関係を利用し,逆方向,すなわち入力する印象の度合いに対応した楽曲構造要素を遺伝的アルゴリズムを用いて獲得する.これは楽曲構造要素を遺伝的アルゴリズムの個体とすることで学習済みニューラルネットワークの入力とし,入力楽曲の曲印象値が出力される.ここで得られた曲印象値と,作成したい曲印象値との差を評価関数として学習することで,印象に対応した楽曲が自動的に生成される.
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  • 梶原 悠介, 前田 陽一郎
    21 巻 (2009) 5 号 p. 792-803
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    本研究では,コンピュータによる作曲の手法として現代音楽の作曲技法である12音技法を用いた作曲システムを提案する.12音技法は,段階的に作曲する手法のためコンピュータでの作曲に適しているという利点がある.12音技法での作曲の第1プロセスである12音音列の生成は,曲の主題や雰囲気を決定付ける重要なプロセスである.ここでは,一般的な音楽理論である協音程・不協音程の関係を基にした適応度関数を設計し,GAによる響きのよい音列の探索により12音音列の自動生成を行う.12音音列を生成するシミュレータを作成し,シミュレータが生成した12音音列と人が作成した12音音列の比較アンケートを行うことで本システムの有効性検証を行った.
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  • 白井 治彦, 黒岩 丈介, 小高 知宏, 小倉 久和
    21 巻 (2009) 5 号 p. 804-814
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    計算機システムにおけるユーザの挙動監視を利用した侵入者検出法として,白井らによって提案されたファジィ測度によるコマンド連鎖の個人評価法を取り上げ,この手法の効率評価を行う.他の侵入者検出法との比較を行うため,多くの性能評価に用いられてきたSchonlauらによって提供されたデータを用いる.このSchonlauデータは白井らがこれまでに対象としたデータとはその性格が大きく異なる.これはこのデータを対象とした侵入者検出評価にもさまざまな影響を与えると思われる.本論文では,ファジィ測度によるユーザ認証・侵入者検出法をSchonlauデータに適用し,ROC曲線による結果を報告する.またSchonlauデータの性格やデータを利用した侵入者検出法の問題と課題を分析する.
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  • 宮城 良征, 當間 愛晃, 遠藤 聡志
    21 巻 (2009) 5 号 p. 815-826
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    本研究では,オンライン百科事典Wikipedia(日本語)の文章をコーパスとして用い,汎用的な利用を想定した日本語オントロジー辞書システムOntolopediaを設計・構築し,システムを通して作成された知識地図を応用した評価実験を行った.評価実験では,Twitterよりユーザーの発言情報を取得し,Ontolopediaで構築した知識地図を利用して興味関心をユーザー毎に抽出・推測し,精度や応用可能性について検証した.Twitterにおける発言データから名詞のみを抽出して生成した発言語リストを解析対象とし,提案手法による興味語の抽出・推測を行った.提案手法による興味語の抽出・推測を行い,以下の3項目について評価を行った.第一に,発言語リスト内のどの単語がより興味関心のある言葉なのかを点数化し,ユーザにとって望ましい単語を上位にランク付けられるかを検証した.比較対象としては,特徴的な単語を抽出するために広く用いられているTF-IDF法を取り上げた.第二に,構築した知識地図を利用する事で,発言語リスト内には現れていないが,発言語リスト上の単語群から興味があるだろうと推測される単語群の抽出を試みた.第三の評価実験では,概念別に語句を分類し,ユーザー毎の興味の偏りを調査することで,ユーザーの興味特性を抽出できるかを検討した.以上の評価実験により,提案手法による興味語の抽出が従来法と比較して精度よく行える事を示し,発言語リストから興味語の推測が行えることを示した.
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  • 田中 貴紘, 藤田 欣也
    21 巻 (2009) 5 号 p. 827-836
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    本論文では,利用アプリケーション切り替え(focused Application-Switching: AS)時の割り込み拒否度低下期間の検討を行った.まず,AS前後で人間の内部状態が実際に変化するか,また,どの程度の期間で変化するかの知見を得るため,NIRS(Near Infrared Spectroscopy:近赤外分光器)を用いて,前頭前野のAS前後の脳活性量を測定した.次に,NIRS実験結果に基づくユーザへの時間差割り込み実験を行い,AS後の経過時間に従って割り込み拒否度が変化することを確認し,AS直後から高拒否度に至るまでの時間を検討した.実験の結果,割り込み拒否度低下期間は,2秒程度が目安になることが示唆された.
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解説
回想
報告
書評
用語解説
一般論文
原著論文
  • 林 久志, 十倉 征司, 尾崎 文夫, 長谷川 哲夫
    21 巻 (2009) 5 号 p. 856-869
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    動的環境への適応はエージェントの重要な研究課題である.従来の動的環境に適応するエージェントは,大きく分けて2種類ある.すなわち,環境を考慮してプランを作成してから行動を開始する熟考型エージェントと,あまりよく考えずに環境変化に対し反射的に行動する反射型エージェントである.従来の熟考型エージェントでは,ゴール達成のためのプランを実行し終えてから,別のゴールのためのプランを実行し始めるのが主流である.しかしながら,ロボット等,プランの実行時間が長いエージェントシステムでは,プランの実行を終える前に,緊急に実行すべき別のゴールが出現する場合がある.このような事態に対応するため,プラン実行中に予想外の外部イベントに対し,反射的行動をするエージェントの研究も盛んである.このような場合,従来の反射的行動は短時間で終わる一時的な行動であり,大きく状態を変えることは想定されていないが,よく考えて計画的な行動を行い,大きく状態を変えないと緊急事態に対応できない場合も考えられる.このような場合に対応するため,本論文では,実行中のプランを一時中断し,緊急に実行すべきプランを先に実行した後に,中断していたプランの実行を再開するプランニングエージェントアーキテクチャを提案する.
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  • 金子 宗司, 田向 権, 徳永 憲洋, 古川 徹生
    21 巻 (2009) 5 号 p. 870-883
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    本研究は,自己組織化マップ(Self-Organizing Maps: SOM)の拡張である高階自己組織化マップ(SOMn)のハードウェア化を目的とする.SOMnは,知的エージェントの知能や,多様な環境下で用いる知的携帯デバイス等の基盤的アルゴリズムとして期待されている.SOMnは大規模なマルチシステム学習を可能にするメタ学習アルゴリズムであるが,自律ロボットなどの実課題へ応用するには,小型化・省電力化が重要な課題となる.SOMnはSOMが多数集まったきわめて大規模なニューラルネットワークであるため,ハードウェア化に際しては,論理素子数,メモリ容量,計算速度の3点で困難が予期される.本研究では2階のSOM,すなわちSOM2のアルゴリズムをハードウェア用に修正した上で,FPGAに実装を行った.今回の実装では,論理素子数の制約で小規模なネットワーク規模に留まったものの,計算速度の面では十分な速さが得られた.またネットワーク規模の問題は,並列計算の度合いを下げるか,もしくは最新型のFPGAを用いることで解決が可能であることもわかった.したがって知的エージェント等への高階SOM実用化の道筋が本研究により開けた.
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  • 一田 啓介, 渡辺 桂吾, 泉 清高
    21 巻 (2009) 5 号 p. 884-893
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    本稿では非ホロノミックの特性を有する劣駆動マニピュレータについて議論する.劣駆動マニピュレータは関節数よりも少ないアクチュエータを装備しており,関節の一部には非駆動関節を持つ.この非駆動関節の影響により通常のマニピュレータよりも複雑な制御を必要とし,問題解決のために現在多くの研究が行われている.また劣駆動マニピュレータを適用した場合に考えられる利点としては,アクチュエータ数を減少させることによる軽量化や省エネルギー化,コスト削減等が挙げられる.本研究では劣駆動マニピュレータを制御するために各リンクに応じたエネルギー領域を構成し,論理型切換え法でのその境界曲線にファジィルール表現を導入することにより,あいまい性を含ませ制御器の切換えに柔軟性を持たせる,ファジィエネルギー領域切換え法を考案している.制御対象である3リンク2アクチュエータの劣駆動マニピュレータについて,エネルギー領域を2次元平面で構成する場合,複数の組み合わせが存在する.ここでは2次元面でのエネルギーの射影形態と制御性能について考察し,各組み合わせに対するシミュレーション結果を示す.
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  • 李 強, 前田 陽一郎
    21 巻 (2009) 5 号 p. 894-904
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    遺伝的アルゴリズム(GA)は適用範囲の非常に広い,生物の遺伝メカニズム(ネオダーウィニズム)を模倣した学習アルゴリズムである.一般にGAはランダム的要素を含んだ探索手法のため,いくつかの問題を含んでいる.中でも,交叉率や突然変異率などの遺伝的パラメータが一定であるため,GAにおける探索性能は初期や収束期において常に最適であるとは限らない.このため,我々はすでに進化の高速化と解の高質化に基づく効率的な探索を行うファジィ適応型探索並列遺伝的アルゴリズムを提案している.しかしながら,この手法ではファジィルールの入力部に最大適応度と平均適応度のみを用いているため,進化における探索ステージを把握する精度が良くない場合があると考えられる.さらに,テスト関数の次元が増えるとともに探索性能が悪くなるといった問題がある.そこで,本研究では高次元関数の最適化問題にも良い性能を持つ改良手法を提案する.また,提案手法の性能を検証する比較シミュレーションを行ったので,その結果についても報告する.
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ショートノート
  • 森川 治
    21 巻 (2009) 5 号 p. 905-912
    公開日: 2010/01/12
    ジャーナル フリー
    D.Schwartzは,“明白に信じる”,“強く信じる”,“かなり合理的に信じる”,“なんとなく信じる”,“信じるも信じなくもない”,“なんとなく信じない”,“かなり合理的に信じない”,“強く信じない”,“明白に信じない”を取り扱う主観的認識推論システムを提案した.しかし,公理化は未解決問題としている.本論文では,多値論理を使ってD.Schwartzの主観的認識推論システムの公理系を与え,健全性定理および完全性定理を証明する.また,D.Schwartzとは異なる意味論(クリプケ(Kripke)モデル)を定義し,公理系を与え,健全性定理および完全性定理を証明する.
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