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22 巻 , 2 号
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目次
巻頭言
特集:「社会シミュレーション」
特集論文:社会シミュレーション
原著論文
  • 野津 亮, 山本 優, 本多 克宏, 市橋 秀友
    22 巻 (2010) 2 号 p. 154-164
    公開日: 2010/07/02
    ジャーナル フリー
    本研究は,複雑な人間関係によって構成される社会構造を理解する手がかりを得る為に,認知的経済性をエージェントに実装したマルチエージェントシステムを提案する.このシステムでは対人関係のメカニズムに関する理論として,Heiderの認知的均衡理論(バランス理論)とその数学的拡張としてCartwrightとHararyによって提唱された構造的均衡理論を認知的経済性の論理的な基礎としている.これらの理論では,概念間の関係性を肯定的関係である「+」と否定的関係である「-」に定義し,その関係によって作られたサイクル上の各関係性の積の符号によって認知的均衡状態を判断する.人間は認知的均衡化に向かうように認識を改めるとされる.このモデルにより,エージェント同士のコミュニケーションに様々な条件を付与しつつ,情報が伝達されていく仮想社会をシミュレートしたり,グループ構造やストレス構造がいかに形成されるかについても検討することが可能となる.本論文では複雑化するコミュニケーションネットワークが人間関係や認識にどのような影響を与えるのかを調査することを目的としている.エージェントモデルを定義し,ネットワークやコミュニケーションパターンの違いが持つ意味について検討する.共通の認知構造を持ちやすい,あるいは持ちにくいネットワークやエージェントについていくつかの知見を得た.たとえば,一般的にはグローバルなコミュニケーションが共通認識を持つために必要なように思われるが,それよりも個々のエージェントが選り好みしないことが遙かに重要であることなどが,今回の実験では明らかになった.
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  • 藤田 幸久, 鳥海 不二夫, 石井 健一郎
    22 巻 (2010) 2 号 p. 165-177
    公開日: 2010/07/02
    ジャーナル フリー
    現在,100年に一度とも言われる不況により,派遣社員の雇用を維持しながらコスト削減を進め,かつ作業効率低下を抑えるためのマネージメントが求められている.そこで,1人あたりの労働時間とコストを削減する「ワークシェアリング」の導入が提案されている.派遣社員の雇用維持を目的としたワークシェアリングを実施する場合,短期間で企業を出入りするという派遣社員固有の特徴を考慮することが重要となる.本研究では,派遣社員による企業内の人的ネットワーク変化と,人的ネットワークを介して行われる情報共有に着目し,派遣社員による人的ネットワーク変化を考慮したワークシェアリング実施手法を提案する.また,提案手法をシミュレーションによって評価する.そのために,社員とその人間関係をそれぞれノード,リンクとしたネットワークモデルを提案する.提案モデルでは,ノード間での情報共有によりネットワーク構造が動的に変化する.提案モデルを用いて,「派遣切り」,「ワークシェアリング」の効果を情報共有の観点から評価した結果,「近接中心性が低い順」にワークシェアリングを行うことによって,最も高い効果が得られることがわかった.
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  • 小澤 順, 中山 雄司
    22 巻 (2010) 2 号 p. 178-189
    公開日: 2010/07/02
    ジャーナル フリー
    ネットワーク外部性のある市場においては,ある事業者の顧客シェアが大きくなるほど,新たな消費者にとってその事業者の価値が高くなり,市場において独占的な状況を生み出すことが多い.そのため,採用顧客の少ない導入期においてシェアが高い事業者が最終的にもシェアが高くなり,普及過程で逆転が起こりにくい.本研究では,このような市場においてシェアが低い事業者がシェアを逆転するために一部の消費者に対して無償でサービスを提供するプレゼント戦略について,シミュレーションにより分析する.分析の結果,プレゼント戦略の対象となる消費者のタイプや人数,プレゼント実施のタイミングによって,最終的に獲得できる顧客シェアが大きく異なることが示された.特に,自事業者が既に獲得している顧客とリンク関係がない新たな顧客に対してプレゼント戦略を早期に実施することで,シェア逆転の可能性が著しく高まることを確認した.
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  • 東田 巌秀, 領家 美奈
    22 巻 (2010) 2 号 p. 190-202
    公開日: 2010/07/02
    ジャーナル フリー
    リレーションシップ・マーケティング(RM)は80年代から発展し,広く受け入れられてきたが,RMにおける最も重要な概念の「Trust(信頼)」が,製品販売会社の営業成果への影響度は明確では無い.実証研究では,逆にTrustの営業成績に対する貢献度は低いという報告がされている.本稿の目的は,Buyer-Sellerの2者関係において,TrustがSellerの営業成績に与える影響を分析し,営業戦略策定における新しい知見を獲得することである.WatkinsとHillはそうしたRMの有効性を確認するために従来の実証研究ではなく,Multi Agent-based Simulation(MAS)を用いて,3タイプの販売戦略が営業成績にどう影響するのかを分析した.しかしWatkins及びHillのモデルでは,販売会社の営業部門が長期的に戦略を変更しないという仮定が含まれており,現実への適応に課題がある.本稿ではWatkinsとHillのモデルを拡張し,営業部門が短期的に販売戦略を変更出来る場合における,Trustの営業成績への貢献について観察する.本稿では提案モデルを用いたシミュレーションにより,短期的指向に基づく販売戦略を営業部門が実施した場合,Trustの営業成績への好影響が阻害されること,その阻害を回避するためには営業部門がより広い顧客との関係構築が必要なことが示される.
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  • 小西 健太, 村田 忠彦, 名取 良太
    22 巻 (2010) 2 号 p. 203-210
    公開日: 2010/07/02
    ジャーナル フリー
    本論文では,投票率上昇と投票所数削減のための投票シミュレーションを提案する.まず,有権者の投票と棄権の2つの効用関数を設定する.次に,区域ごとに,それらの効用関数を組み合わせる投票係数を調整する.実際の投票率を用いた調整プロセスにより,各区域の実投票率と予測投票率の差を最小化する.さらに推定された投票係数を用いて,2目的遺伝アルゴリズム(NSGA-II)による投票率最大化と投票所数最小化を行う.これにより,投票所数を維持したまま,投票率が上昇する投票区割りの最適化や,投票率を維持した投票所数の最小化を行うことが可能となる.
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  • 蟻川 浩, 村田 忠彦
    22 巻 (2010) 2 号 p. 211-222
    公開日: 2010/07/02
    ジャーナル フリー
    本論文では,環境情報を考慮した大規模マルチエージェントシミュレーションを実現することを目的として,大規模な環境情報を複数の環境情報に分割して表現する方法を提案する.提案手法を人工社会モデルのひとつであるSugarscapeモデルに対して適用し,提案手法に基づく並列計算機向けシミュレーションプログラムの実装方法と並列処理向けエージェント間の調停ルールを説明する.また,大規模な問題サイズのシミュレーションによる評価実験を PC クラスタ上で実施し,提案手法によるシミュレーション結果の非並列シミュレーション結果との類似傾向と,シミュレーション時間の短縮可能性を示す.
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解説
報告
書評
用語解説
学生部会ΔNGLE
一般論文
原著論文
  • 吉永 浩和, 土屋 健, 小柳 恵一
    22 巻 (2010) 2 号 p. 246-256
    公開日: 2010/07/02
    ジャーナル フリー
    近年P2P技術を用いることで,スケーラビリティ,ロバストネスを考慮したシステム構築が可能となり,様々なシステムで応用されている.我々はP2Pネットワーク上のピア間でストレージを提供および共有し合うことで巨大なストレージ空間を構築する分散協調ストレージシステムを提案している.分散協調ストレージは,アプリケーションレベルでハッシュ空間を形成し,自己組織的に構築されたオーバレイネットワーク上で動作する.それぞれのピアはハッシュ空間の特定の範囲を管理し,オブジェクトから取得したハッシュ値を用いて,該当するピアにオブジェクトを蓄積する.一般的に,P2Pネットワークでは,オブジェクトに対する高アベイラビリティを保証するために,複製を配置する.本稿では,オブジェクトの複製がネットワークの規模に適応して配置され,尚かつ,オブジェクトの更新や削除に対する一貫性を保証する分散区間木(Distributed Interval Tree)手法を提案し,シミュレーションによってその有効性を明らかにした.
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  • 西岡 歩美, 椎名 孝之, 今泉 淳, 森戸 晋
    22 巻 (2010) 2 号 p. 257-265
    公開日: 2010/07/02
    ジャーナル フリー
    本論文では,確率計画問題のリコースモデルの中でも,第2段階におけるリコース変数が整数条件を持ち,かつリコース量がある正整数の非負整数倍に限定される問題を考える.このような問題は,生産計画,ネットワーク設計問題,電力供給計画など,需要あるいは資源価格や資産価値などに変動が含まれる場合,変動に応じて行う追加決定がある単位で行われる問題に幅広い適用が期待される. このような単純リコースを有する整数確率計画問題では,第2段階のリコース関数は,0-1整数計画問題を解くことによって定義される.確率変数がとりうるシナリオ数が多い場合,分枝限定法による厳密解法は有効ではないため,線形近似法に基づくDynamic Slope Scaling Procedureによる近似解法を提案し,数値実験によりその有効性を示す.
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  • 斉藤 史哲, 長谷川 修
    22 巻 (2010) 2 号 p. 266-278
    公開日: 2010/07/02
    ジャーナル フリー
    近年,移動ロボットの自己位置・状態推定にニューラルネットワークを用いる手法が多く提案されている.これらの手法はある特定の静的な環境に対してロボットを適応させることに主眼が置かれており,異なる環境に置かれたときに頑健に振舞うことが出来ない.一方,包摂アーキテクチャは動的環境でも頑健に振舞うことができると期待されている.しかし,包摂アーキテクチャは環境の構造に依存するタスクには向いていない.そこで,本研究では包摂アーキテクチャに基づく行動則と学習により獲得した行動則を状況に応じて切り替えるハイブリッドモデルを提案する.強化学習の状態空間には,状態数を事前に決定する必要がなく追加学習に頑健な自己増殖型ニューラルネットワークを改良した力学的自己増殖型ニューラルネットワークを用いた.本提案の有効性は,移動ロボットが複数の環境(迷路)上で獲得した行動則を環境の変化に応じて適切に切り替えながら振舞う事ができることをシミュレーション実験により確認した.
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  • 久保 正男, 松原 隆, 清水 聡, 佐藤 浩
    22 巻 (2010) 2 号 p. 279-289
    公開日: 2010/07/02
    ジャーナル フリー
    本研究では,創発現象を利用した自己位置推定手法を提案している.複数のものが運動すると渋滞や同期現象が発生することがある.これらの現象の中には固有の幾何的な特徴が発生するものがある.本論はこの特性を利用して自己位置の推定精度が高められることを計算機実験で明らかにしている.ここでは問題としてロボカップ等で必要となるターゲット包囲行動を扱っている.ロボット群は予めとりきめた行動(ここではターゲット包囲行動)を実行する.まずこの時に発生する創発特性について計算機実験を用いて調査している.次に,明らかになった幾何的特性を利用した協調的モンテカルロローカライゼーション手法を提案している.提案手法の有効性を検証するために,ロボットの台数や通信遅延,センサに混入するノイズ量などを変更して実験をおこなっている.その結果,多くのケースで位置推定精度を改善できることがわかった.
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