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25 巻 , 3 号
選択された号の論文の20件中1~20を表示しています
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目次
巻頭言
解説
報告
書評
用語解説
  • 山崎 和子
    原稿種別: 用語解説
    25 巻 (2013) 3 号 p. 93
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー

    「ゲーミフィケーション」という言葉が最初に使われたのは2004年に遡り,注目され始めたのは2011年,ガートナー社がレポートでとり上げた頃からである.「『ゲームの要素』を『ゲーム以外の分野』に取り込む.」ことを意味する.しかし,「ゲームの要素」も「ゲーム以外の分野」も,その範囲がはっきりしているわけではない.

    ゲーミフィケーションにとってゲームの最大の利点は,人を没頭させ継続的にわくわく感を与えることである.ゲームは,人間の本性や心理を綿密に計画して操り,内発的に動機付けする.ゲームは,もともと日常の必需品とは対極にあり,必ずしも必要でない物を消費者に購入させ継続的に愛用させるために,「買わせる技術」「使わせる技術」の発達を即してきた.

    「ゲーム」の分析からゲーミフィケーションに必要な要素としてよくあげられるのは次のようなものである.1)明瞭な目標 2)直接的なフィードバック 3)課題が達成できる見通し 4)レベルアップ,レベルデザイン 5)スコア(ポイント)やランキング 6)バッジや実績 7)競争 8)協力 9)ストーリー 10)視覚化

    1)の目標は,ゲームにおいては虚構であり,ゲーミフィケーションでは実世界の事象である.目標を明確にするには達成度を数量的に表現する必要があるため,実世界では何らかの測定方法が必要となる.例えば,ウエブページの閲覧ページ数,購買金額,寄付金額,訪問した店舗数,走った距離,テストの点数など.よく応用される分野には,ウエブページの閲覧がある.これに関しては,バンチボール社,バッジビル社などが容易に「ゲームの要素」を実装できるプラットフォームを提供している.その他,販売一般,教育分野,社会運動,選挙運動などに応用されている.

    ゲーミフィケーションは,プラットフォームの提供などの IT 技術の他に,心理学やマーケッティングと関係しながら発展している.また,ゲームをしている時には,脳の司令塔と言われる前頭前野が不活性であり,他方「繰返しの行動」を支配する小脳や上丘が活性化されるという研究がある.ゲーミフィケーションが,人間の革新的創造的活動に伴う「生みの苦しみ」も,繰返す仕事や訓練の「退屈さ」も,和らげることができるのか,その仕組の解明は今後の課題である.

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  • 土田 あさみ
    原稿種別: 用語解説
    25 巻 (2013) 3 号 p. 93
    公開日: 2017/12/14
    ジャーナル フリー

    環境エンリッチメントとは,飼養動物が本来備わった習性に基づく行動を発現するように飼養環境を多様に整えることを指し,動物飼養管理において使われる用語である.例えば,動物園のライオンが檻の中で長時間無目的にウロウロしたり,噛歯類がむやみにケージを齧ったりするなど,いわゆる常同行動という本来みられない行動を発現している環境は不適切な環境とされる.これは,環境刺激(原因)→感覚神経→中枢神経→運動神経→行動(結果)という一連の経路を描いて,環境に原因が求められる.刺激の入力先は生体なので,生体の遺伝要因は結果(行動)に大きく影響する.ただし,味覚を感知するには水溶性物質,香りを感知するには揮発性物質,色を感知するには視覚認識可能な吸収波長を有する光がそれぞれ原因物質になるなど,刺激側にも条件がある.つまり,生体側の条件と刺激側の条件が変動係数として結果を複雑にし,動物行動の解釈に困難さを与えている.動物はどれも棲みかとなる生態系の中で選択された存在であるから,その行動は生態にも動物自身にも生理的に適っていると考えることができる.したがって,その行動が阻害されることは,環境がその動物にとって生態学的に不適切と解釈できる.現実には,自然環境と異なる人為的飼養環境において,どのような環境(刺激)がどのような行動(結果)を誘引し,それが当該動物にとって適切か不適切かを判断することは必ずしも容易でなく,生理学的指標や行動学的指標による証明のため,獣医学,畜産学,動物心理学等の分野で研究がなされている.動物の飼養環境を整えることは動物の健康維持だけでなく,動物福祉(アニマル・ウェルフェアanimal welfare)の面からも重要である.コンパニオン・アニマル(伴侶動物)という言葉が一般化した今日,死なない飼養ではなくペットにとって心身ともに健康で福祉的な飼養が飼養者に求められている.

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会告
特集:「ファジィシステムの理論と応用」
論文概要
学会から
編集後記
一般論文
原著論文
  • 徳安 達士, 利光 和彦
    25 巻 (2013) 3 号 p. 721-729
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    胸部大動脈瘤患者の診断には,胸腹部の造影 CT(CTA)画像から構築された3次元血管画像が用いられる. CTA 画像では,血中の造影剤が高輝度で表示されるので,閾値による画素判別により血流領域を抽出し,3次元血管画像に描出することは容易に可能である.しかし,大動脈瘤である,血栓のできた大動脈壁の内部には造影剤が浸透しにくいので,大動脈瘤と周辺組織とで濃度分布が重なった領域から,閾値による画素判別により大動脈瘤領域のみを抽出することは困難である.そこで本研究では,領域拡張法による領域抽出を基本として,拡張条件部に放射線技師の読影経験則を表現したニューロファジィ推論を搭載し,その非線形関数による画素判別を行うことによる大動脈瘤領域の抽出を試みる.提案手法を弓部大動脈瘤症例の CTA画像に適用したところ,描出された大動脈瘤および血管組織領域を十分に認識できることが確認された.
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  • 槙原 幹十朗, 黒石 千香子, 福永 久雄
    25 巻 (2013) 3 号 p. 730-739
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    宇宙空間では宇宙機の姿勢・高度制御やドッキングなどにより構造物に様々な振動が発生する.打ち上げ軽量化の為に柔軟構造にならざるを得なく,真空中では振動が減衰しにくいので,宇宙構造物の振動問題は深刻である.宇宙構造物では,電力も限られている為,地上構造物のような多様な入力エネルギを用いる制御は受け入れられない.そのため,低エネルギ消費の振動制御として,構造物に取り付けた圧電素子をつないだ電気回路を活用するスイッチング型セミアクティブ手法は魅力的である.スイッチング型セミアクティブ振動制御では電気回路の選択スイッチを切替えるだけで,高い振動制御効果を達成できるからである.その反面,スイッチ切り替えのタイミングが非常に重要である.スイッチングタイミングを決定する一つの手法として閾値法が提案されたが,ロバスト性が低いという欠点があった.そこで,その閾値法を用いたセミアクティブ振動制御のロバスト性を高める目的で,スイッチング型セミアクティブ制振手法にファジィ理論のMamdani 推論法を導入した.しかも,従来の閾値法では別途必要であった変位センサを不要にしたセンサレス制御系の構築にも成功した.アクチュエータとして機能している圧電素子にセンサの機能を追加付与した.CFRP積層平板を用いた制振実験により,提案するファジィ理論に基づくセミアクティブ振動制御が従来のセミアクティブ振動制御に比べの高いロバスト性を有することを実証した.
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実践研究論文
  • 井上 博行, 野本 真弓, 宮阪 憲治, 上田 正紘
    25 巻 (2013) 3 号 p. 740-747
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    本研究で扱う高速双胴船には,横揺れの低減のためのアンチ・ローリング装置として,両側の船尾にトリムタブが取り付けられている.この装置の制御にはPD制御が用いられており,計測器から得られるデータより,減揺効果がある程度認められている.しかし,実際の乗客の体感としては,さほど効果が得られておらず,減揺装置としては高い評価が得られていない.そこで本論文では,乗客の乗り心地を改善するために,高速双胴船のアンチ・ローリング装置の制御にファジィ制御を用いる.実船における実験より,ローリングデータを計測し,周波数分析を行った.分析結果より,最大ピーク時でファジィ制御の方がPD制御より約60%揺動が抑制されていた.また,ファジィ制御の揺動抑制効果は乗組員によっても体感することができ,スムーズな制御を感じることができた.
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原著論文
  • 佐々木 正哉, 李 羲頡, 宮崎 道雄
    25 巻 (2013) 3 号 p. 748-759
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    本論文は,あいまいなプラントに対してI-PD制御器を設計する問題を扱っている.プラントが,高木-菅野のファジィモデルで記述できるとき,係数図法(CDM)を用いてI-PD制御器の設計法を提案している.なお,係数図法は,安定性・応答性・ロバスト性の3特性を同時に満たす制御器を設計できる特徴を有している.ファジィモデルは,後件部が伝達関数で書かれている場合を取り上げる.このとき,提案手法は,容易にI-PDパラメータを得ることが出来る.最後に,代表的なプロセス制御系に対してシミュレーション実験を行い,提案手法の有効性を確認している.
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  • 星野 孝総, 瀧本 浩志
    25 巻 (2013) 3 号 p. 760-771
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    本研究では,ライントレースカーの操舵角とモータの制御に簡略型推論法を用いてジグザグ走行をせず,滑らかに走行させるように制御することを目的とする.ライントレースカーは,走行中に読み取ったセンサの値を入力とし,操舵角と左右の後輪パワーを制御して走行するシステムとなっている.本研究で設計したファジィ制御器は操舵角の制御器をモータ出力の制御器の入力としてあつかう二段ファジィ制御を採用している.推論ルールの獲得やメンバーシップ関数のチューニングは複雑となり,人がチューニングためには多大な労力と時間が必要となる.そこで本研究では,ファジィ制御器に用いるファジィ推論器の調整パラメータが連続空間上にあることに着目した.多次元の連続関数最適化問題として,ファジィ推論器の自動チューニングを差分進化(Differential Evolution)アルゴリズムを用いて行った.本報告では多変数のパラメータ自動チューニング結果について報告する.
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  • 蓮池 隆
    25 巻 (2013) 3 号 p. 772-785
    公開日: 2013/07/25
    ジャーナル フリー
    本論文では,在庫問題の標準的かつ幅広く利用されている新聞売り子問題に対し,品切れコストの設定方法にファジィ推論を用いた場合の最適仕入量に関する,陽な最適性条件導出法を構築する.新聞売り子問題において,品切れコストは,口コミ情報や消費者心理など非数値情報を考慮して決定する必要があり,ファジィ理論を用いた数値化が1つの適切な方法であると考えられる.また,消費者需要が高ければ品切れ費用は高いといった,意思決定者の経験に由来した言語ルールも有効活用できる.これらの情報を有効活用するために,本論文ではファジィ推論,特に高速計算アルゴリズムも開発されている代数積加算重心法を適用する.これを用いて品切れコストを設定した提案モデルにおいても,既存モデルと同様に,最適生産量を求めるための最適性条件が陽に導出可能であることを示す.また数値例を用いて,既存モデルとの比較を行い,提案モデルの特徴を考察する.
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