知能と情報
Online ISSN : 1881-7203
Print ISSN : 1347-7986
26 巻 , 1 号
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目次
巻頭言
解説
コラム
報告
書評
用語解説
  • 植田 和憲
    原稿種別: 用語解説
    2014 年 26 巻 1 号 p. 25
    発行日: 2014/02/15
    公開日: 2017/11/18
    ジャーナル フリー

    NFV( Network Function Virtualization) とは,これまで専用のハードウェアやアプライアンスによって提供されてきたネットワーク機能を汎用のハードウェア上のソフトウェアによって仮想的に提供することである.ハードウェアとして汎用のサーバやスイッチを用い,各種ゲートウェイなどのネットワーク機能をソフトウェアによって提供する.提供されるネットワーク機能はハードウェアに依存しないため,コストの削減,新しいネットワーク機能の導入や入れ替えなどの容易さ,モジュール化による構成の柔軟性,新しいベンダの参入が比較的容易,などのメリットがある.NFV に関する技術文書は欧州電気通信標準化機構 (European TelecommunicationsStandards Institute, ETSI) のウェブサイトで公開されており,ユースケースや全体アーキテクチャなどについての情報を入手することができる.

    NFV に近い概念として SDN( Software Defined Networking) がある.SDN では,物理ネットワーク上に仮想ネットワークを構築し,ルーティングなどの制御を行うコントロールプレーンとデータの転送を行うデータプレーンを分離して管理する.NFV と SDN はともに仮想化技術をネットワーク上のノードに適用したもので親和性が高く,今後 NFV によって提供されるネットワーク機能を SDN 上で 管理するといったケースが出てくるものと考えられる.

    NFV の普及によってネットワーク機能の多様化やカスタマイズ化が進むことによって,これまでに比べさまざまな特性を持った知的なネットワーク機能が提供されるようになることが期待される.

  • 岡本 一志
    原稿種別: 用語解説
    2014 年 26 巻 1 号 p. 25
    発行日: 2014/02/15
    公開日: 2017/11/18
    ジャーナル フリー

    Extreme Learningは,G. B. Huangらにより2004年に提案されたフィードフォワード型ニューラルネットワークの学習手法の一つで,特に隠れ層が一層だけのモデル( Single-hidden-Layer Feed-forward Neural-networks:SLFNs),すなわち入力層―隠れ層―出力層のみの三層のモデルを対象としている.ニューロンの活性化関数にシグモイドなどの非多項式関数を用いた荷重加算型ニューロンや,RBF(Radial-Basis Function)型ニューロンを用いた場合は,十分な数の隠れ層と適切な重み・しきい値のパラメータ設定を行うことで,SLFNsが任意の連続関数を任意の誤差でシミュレートできることが知られている.Extreme Learningは隠れ層の重み・しきい値パラメータをランダムに決定し,(隠れ層から入力される)出力層の重みを教師信号との誤差が最小化するよう選択する.このとき,隠れ層の数 n を n →+∞をとしたときの出力誤差の極限は0になることが示されている.出力層の重みは,全ての訓練データによる隠れ層出力値のムーアペンローズの一般化逆行列を計算することで求められる.Backpropagationなどの逐次的な手法と異なり一度の計算で解が求まるため速度の向上が期待され,Huangらは,Sinc関数の模擬においてBack Propagation やSupport Vector Regressionによる学習と同じ精度の近似を3~5ケタ小さい計算時間で求められることを示している.

    [1] G. B. Huang, et al.,“ Extreme learning machine: Theory and applications,” Neurocomputing, 70, pp.489-501, 2006.

会告
特集:「自己組織化マップとその周辺」
論文概要
学会から
編集後記
特集論文: 自己組織化マップとその周縁
原著論文
  • 山口 暢彦
    2014 年 26 巻 1 号 p. 501-509
    発行日: 2014/02/15
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    近年,観測データの分布を潜在変数の非線形関数を用いて表現することによりデータの可視化を行うGTM(Generative Topographic Mapping)が提案され,多くの研究が行われている.従来のGTMは観測データの分布を表現する非線形関数の事前分布をガウス過程と仮定する確率モデルと解釈することが可能であり,ガウス過程を決定する共分散関数の選択によりその性質が変更される.しかしながら,従来のGTMでは,潜在変数空間全体に渡り常に一定の長さスケールを持つ共分散関数を用いており,観測データの分布を表現する非線形関数の滑らかさを潜在変数の値に応じて局所的に変更できない問題点がある.そこで本論文では,潜在変数の値に応じて非線形関数の滑らかさを局所的に制御することが可能なGTMの提案を行う.
  • 宮澤 幸希, 白勢 彩子, 馬塚 れい子, 菊池 英明
    2014 年 26 巻 1 号 p. 510-520
    発行日: 2014/02/15
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    人の知識獲得のプロセスを計算論的に検証する目的で,大脳皮質感覚野の情報処理を模擬した自己組織化マップが用いられる.本論文の目的は,自己組織化マップを用いて,人の乳児が母国語の音素体系を獲得する過程を計算論的に解析することである.先行研究では自然な入力信号の分布特性(音素の出現頻度やフレーム数)が十分に考慮されていなかった.本研究では,自然な連続音声を入力としてシミュレーション実験を行なった.実験の結果,100秒程度の日本語の連続音声から,5 %(/u/)~92%(/s/)の精度で音素体系が獲得可能であることが示された.
実践研究論文
  • 大北 正昭, 徳高 平蔵, 加瀬澤 信彦, 大木 誠
    2014 年 26 巻 1 号 p. 521-528
    発行日: 2014/02/15
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    人間ドック健康診断結果データに基づいて,広く人間ドック全般の保健支援に役立つ個別データ判定システム「Dr. 人間ドック」を,可視化平面自己組織化マップ(SOM)の技法を用いて作成した.原理的には,既報の可視化平面SOM を用いたメタボリックシンドローム(MS)判定ツールを基本として機能別健診6分野までこれを拡張し,それらの総合評価マップを新たに考案した.提案システムでは,MS と同様に,生活習慣病関連の肝機能,糖代謝,腎機能,血液一般及び炎症・免疫の状態がSOM の技法を用いて解析される.健診データの継続的かつ,系統的な健康度評価が担保され,保健指導の現場における個別健康支援の効果が高められると考えられる.
一般論文
原著論文
  • 荒木 智行
    2014 年 26 巻 1 号 p. 529-537
    発行日: 2014/02/15
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
     近年,複素ベクトル真理値の研究がなされてきている.
     本論文では,タイプ2ファジィ真理値を容易に扱うことのできる複素ベクトル・ファジィ論理を提案する.さらに本論文は,光工学的な観点から複素ベクトル真理値の演算のための論理ゲートの実現についても提案している.本論文で提案している論理ゲートはファジィ真理値の可逆計算を可能としている.
  • 西崎 一郎, 林田 智弘, 藤田 博
    2014 年 26 巻 1 号 p. 538-548
    発行日: 2014/02/15
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
     本論文では,ネットワーク上での相互作用を協調ゲームで表現したモデルに着目し,均衡選択の問題を詳細に検証するために,エージェントベースのシミュレーションを採用する.これにより,与えられたネットワークの違いが,プレイヤーの相互作用にどのように影響するかについて考察する.エージェントはゲームを繰り返しプレイし,この過程を通じて学習しながら適応的に戦略を選択する.エージェントの意思決定と学習機能は,ニューラルネットワークと遺伝的アルゴリズムを用いて実装する.ネットワークや協調ゲームのパラメータを変動させて,エージェント間の相互作用を調査した結果,ランダムネットワークでは比較的リスク利得優越均衡が優勢となり,ローカルネットワークでは利得優越均衡が優勢となり,スモールワールドネットワークでは,状況に応じてその特性が変化することを明らかにした.
  • 増田 寛之, 松尾 優成, 林 憲玉
    2014 年 26 巻 1 号 p. 549-558
    発行日: 2014/02/15
    公開日: 2014/03/25
    ジャーナル フリー
    本論文では,ロボットとのインタラクションを通して人に自発的な行動を促すことを目的として,フランクル心理学に基づくパートナーロボットについて議論している.近年,独居高齢者や日中独居の高齢者が増加しているが,これらの高齢者が可能な限り元気な状態を維持することが望まれている.そのためには,人が強制されることなく自発的に行動をし続けることが必要である.人の行動する意味を議論する上で,人が生きる意味は外部から求められることであると主張するフランクル心理学がある.フランクル心理学では,外部から得られる三つの価値領域を定義しており,価値をきっかけとして人が生きる意味,なすべき事を見つけることができると主張している.そこで,外部の価値が得られる対象をロボットを用いて気づかせる事ができれば,人は自発的に行動することが期待できる.本研究では,フランクル心理学に基づいたパートナーロボットのインタラクション手法を提案する.また,環境内の状況を認識する事で,三つの価値領域に基づいたインタラクションを行う外的価値推定手法を提案した.フランクル心理学に基づくインタラクション実験を通して,人が外部の価値に気付いて自発的に行動が可能となるか検証した.さらに,フランクル心理学に基づくインタラクションの適用可能性について議論を行う.
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