本稿では,人間とロボットの間で自然なコミュニケーションの実現を目指し,コミュニケーションエージェントの感情モデルを提案する.
提案モデルは,「怒り」,「嫌悪」,「恐れ」,「悲しみ」,「幸福」,「驚き」の6感情を持ち,ファジィ認知マップで構成されている.6感情を相互に結合することで,幸福だが悲しい,悲しくて恐ろしい,恐ろしくて嫌悪するといった複数の感情を同時に表現することができる.提案モデルは,時間的に変化する重みと時間遅れの要素を組み込んでいて,情動と気分,サーカディアンリズムを表現する.感覚遮断を模して1週間放置した実験では,周期的に過去の感情が励起する反応が観察された.
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