知能と情報
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30 巻 , 6 号
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目次
会  告
論文概要
エラータ
特集:マイニングと知識創発
原著論文
  • 志野 直生, 山西 良典, 西原 陽子
    原稿種別: 原著論文
    2018 年 30 巻 6 号 p. 779-787
    発行日: 2018/12/15
    公開日: 2018/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    本稿では,レシピ中で任意の食材の代替可能な食材(代替食材)を推薦するための,食材間の感性的な関係を異なる複数の観点に基づいて発見する手法を提案する.食材同士を関係づける観点としては,(観点A)残存食材集合に対する相性,(観点B)交換食材とのレシピ中での役割の類似性,(観点C)交換食材の食感との類似性,を用意した.提案手法では,(観点A)についてはレシピデータ中での食材同士の共起関係,(観点B)については食材リストを用いて生成された単語ベクトルの類似度,(観点C)についてはレシピレビューを用いて生成された単語ベクトルの類似度によって,それぞれの関係性を表現した.提案手法によって各観点によって推薦された食材について評価実験を行ったところ,全ての観点において,人間の主観評価に類似した評価が得られることを確認した.これらの結果より,提案手法を用いることでそれぞれの観点での代替食材推薦が可能であることが示唆された.

  • 佐藤 進也
    原稿種別: 原著論文
    2018 年 30 巻 6 号 p. 788-795
    発行日: 2018/12/15
    公開日: 2018/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    目標が曖昧で,ユーザ自身が試行錯誤を通して何を検索すべきなのかを明確化していく探索的な検索では,「調べようとしていること」(検索対象)に対するユーザの理解を支援することが重要である. 検索のプロセスの中でユーザが対象の理解を深めていくためには,いわゆる絞り込みによってより詳細な情報を得るだけでなく,他の概念などとの関係を把握し,対象概念を多面的に理解することも重要である. そこで,本論文では,検索対象の多面的理解支援に有用な関連情報の発見方法を提案する.提案手法では,関連情報を導出するために,Wikipediaの表やリストなどの文書の列挙構造を利用する.提案手法により実際に関連情報を発見し,その有用性をユーザ実験により検証した. 実験の結果,検索エンジンのクエリ推薦を含む他の手法と比べて,提案手法が多面的理解支援に有用な情報をより多く発見できること,提案手法で発見した関連情報のうち有用な情報が占める割合が7割を超えていることが確認された.

  • 西原 陽子, 高山 玲央名, 菱田 賢祐, 山西 良典
    原稿種別: 原著論文
    2018 年 30 巻 6 号 p. 796-803
    発行日: 2018/12/15
    公開日: 2018/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    コンピュータ将棋の躍進や魅力的なプロ棋士に関する報道により将棋に興味を持つ人が増えてきた.将棋対局の中継ではプロ棋士による解説やコンピュータによる評価値などが表示される.解説や評価値には先読みの情報が含まれており,先読みが困難な初心者には現在のコマの配置と対応がつかず,分かりにくいことが多い.現在のコマの配置と対応がつく評価が示されると初心者は局面把握ができ,将棋の内容の理解が進むと考えられる.そこで本研究では,局面把握に重要な争点と玉の危険度を現在のコマの配置から評価することにより,将棋の局面把握を支援する方法を提案する.提案方法で評価した争点と玉の危険度を可視化するインタフェースを作成し,インタフェースを用いて評価実験を行った.インタフェースで将棋を観戦した被験者は,局面把握に関わる発言をより多くし,将棋初心者の局面把握を支援できることが確認された.

  • 安藤 有生, 関 洋平
    原稿種別: 原著論文
    2018 年 30 巻 6 号 p. 804-814
    発行日: 2018/12/15
    公開日: 2018/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    観光客を効果的に誘致するためには,観光目的で訪問している市民が多い都市において,広報することが必要である.市民の都市や地域に対する関心の傾向は,都市ごとに異なり,関心を持つ根拠も,帰省や観光など,目的によって異なる.本研究では,都市ごとに収集した Twitter のデータを使用し,市民が関心を持つ地名(都市名や地域名など)を明らかにして,関心の傾向が類似した地名をまとめて可視化する手法を提案する.そのために,まず,ユーザのプロフィールに記述されている情報を利用し,都市ごとに収集した Twitter ユーザを用いてツイートを収集し,地名とその地名に向けた移動に関する動詞が出現しているツイートを選択する.次に,選択したツイートをもとに,skip-gram を用いて単語の分散表現を生成する.続いて,地名に対する移動の意図および事実性に基づき市民の関心の傾向を比較するための単語ペアを選定する.また,選定した単語ペアと地名との単語の分散表現の類似度をそれぞれ Z スコアで正規化し,その差分を利用して可視化を行う.さらに,クラスタリングにより,市民の関心の傾向が類似している都市を分類する.提案手法の有効性について検証するために,8つの都市ごとに収集した Twitter ユーザについて,地名に対する市民の関心の傾向を分析する実験を行った.実験の結果,人気のある観光地,居住している都市,帰省先の地名が適切に可視化されており,観光目的や距離的に近い地名が同一クラスタにまとめられる傾向があることを確認した.

実践研究論文
  • Pin Chieh CHENG, Kenichiro KOBAYASHI, Takehiko HASHIMOTO, Kazunori SAI ...
    原稿種別: 実践研究論文
    2018 年 30 巻 6 号 p. 815-822
    発行日: 2018/12/15
    公開日: 2018/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    This paper describes a property search system called Tech Supplier, which is designed for helping expert searchers in a real estate company to find properties for renovation. ReTech (Real Estate Technology) or PropTech (Property Technology) is known to be one of the most promising topics following FinTech (Financial Technology). Among several potential technologies in ReTech, property search attracts a lot of attention. Different from such item as books, movies, and daily goods, properties are difficult to search for ordinary persons because of several reasons: less opportunity to buy properties, imbalance of knowledge about the properties between customers and salespersons in real estate companies. Therefore, the salesperson usually helps customers to find their relevant properties based on his / her domain knowledge. To improve the efficiency of property search for renovation, Tech Supplier has several functions: floor plan identification function, elimination of apparently irrelevant properties from a retrieved list, and properties search with ranking function. Among those functions, this paper focuses on the latter two ones. Experiments are conducted with the help of expert searchers in a real estate company in terms of search efficiency of the proposed system and effectiveness of a learning to rank. Experimental results show that relevant properties can be found within a higher rank of retrieved lists by introducing a learning to rank. It is also observed that time spent on a session (a series of searches performed for a certain customer need) by expert searchers using Tech Supplier is reduced to 55% of an existing system.

一般論文
原著論文
  • 高木 基宏, 日暮 大輝, 櫻井 彰人
    原稿種別: 原著論文
    2018 年 30 巻 6 号 p. 823-831
    発行日: 2018/12/15
    公開日: 2018/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    本論文では,劣化の種類を考慮する深層学習による画質推定手法を提案する.従来の画質推定手法は画像の劣化信号ごとに特性を分析し,モデルを構築していた.近年では,機械学習を用いて,劣化信号と画質の関係を自動で学習する画質推定手法が提案されており,画像認識でよく利用される深層学習を用いた画質推定手法も提案されている.本論文では,画質推定手法として,劣化の種類を考慮するニューラルネットワークを構築することで,画質の推定精度が向上することを示す.

  • 林 里奈, 加藤 昇平
    原稿種別: 原著論文
    2018 年 30 巻 6 号 p. 832-839
    発行日: 2018/12/15
    公開日: 2018/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    近年,ロボットとのふれあいを通して精神的な癒しを与えるロボット・セラピーが注目を集めている.ロボット・セラピーに使用されるセラピーロボットは,簡易な音声反応をするものが多い.本稿では,そのようなロボットに対し同調傾向の考え方を導入し,コミュニケーション活性時に最も強く同調する基本周波数を直前のユーザの発話音声の基本周波数と同調させることによる心理的・生理的ストレス緩和作用への影響を,評価実験を通して検証した.その結果,応答音声の基本周波数をユーザの発話音声の基本周波数に同調させた方が,得られる疲労の緩和と活気の向上作用,α波の含有率増進作用が有意に高いことを確認した.逆に,応答音声の基本周波数をユーザの発話音声の基本周波数とは無関係にランダムに調整させた方が,混乱の緩和作用が有意に低いことを確認した.したがって,応答音声の基本周波数は,ランダムに調整するのではなく,発話音声の基本周波数に同調するよう調整した方が,心理的・生理的ストレス緩和作用を引き出すことができると言える.

ショートノート
  • 西村 良太, 長尾 拓海, 一万田 郁仁, 北岡 教英
    原稿種別: ショートノート
    2018 年 30 巻 6 号 p. 840-845
    発行日: 2018/12/15
    公開日: 2018/12/15
    ジャーナル オープンアクセス

    近年の超高齢社会において,高齢者の加齢に伴う聴覚機能の低下が問題視されている.聴覚機能が低下すると,会話によるコミュニケーションにも支障をきたす.近年は,音声対話システムを利用した高齢者サポートシステムなどの開発も行われているが,このようなシステムで用いられる合成音声は高齢者にとっては聞き取りにくいものである.そこで本研究では,まず高齢者に音声の聴取実験を行ってもらい,その結果から聴覚特性の分析を行った.聴取実験では,単語了解度試験を行い,音素単位(子音部,母音部)での識別率を求めた.その結果,摩擦音,破擦音,破裂音同士での異聴が多かった.この結果を受けて,我々は音声に対して高齢者の聴覚特性に基づいた子音強調加工を施し,高齢者にとって聞き取りやすい音声を作成することができるかを調査した.音声加工は,特に異聴が多かった /k/,/s/,/t/,/h/,/ky/,/sy/,/ch/ の音素に対して行った.具体的な加工法としては,子音部の振幅を原音声比400%で増幅させるものである.加工音声の評価実験では,単語了解度試験による聴取実験を行った被験者と同じ被験者に聴取実験を行ってもらい,得られた聞き取り結果の正答率の比較を行った.結果,いくつかの音素においては,音声を加工することで正答率が上昇した.

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