長期間の時系列データは傾向や特徴の推移により理解されていると考えられる.そのために,傾向や特徴が変化している時刻で時系列を分割する必要があり,例えば,統計学の異常検知や変化検知では,異常や変化の度合いを確率分布を用いて表す方法などが提案されている. 我々は,階層的クラスタリングを用いて時系列データを分割する手法を提案する,本手法では,分割された各期間をクラスタとみなし,クラスタ間の類似性が大きいものをまとめていく.類似性にはクラスタの値の大きさ,値の変化,振動を定義し,これらの重み付き和で求めた距離を基に決定する.しかし,重みを固定するとうまくまとまらないので各類似性の大小関係やクラスタの大きさなどを用いて重みを動的に変化させる. また,振動している部分を1つのクラスタにまとめるために,小さいクラスタをまとまりやすくするパラメータや,はずれ値などを含む小さいクラスタの前後のクラスタが似ていればまとめる手法も提案する. この手法を実際の時系列データに適用し,その有用性を調べる.
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