知能と情報
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目次
巻 頭 言
特集: 「FSS2024 ショートノート」
解 説
報 告
書 評
用語解説
会 告
学会から
編集後記
特集論文:FSS2024ショートノート
ショートノート
  • 森 春介, 越野 亮
    原稿種別: ショートノート
    2025 年 37 巻 1 号 p. 501-505
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    本研究はパズルゲーム『ぷよぷよ』において深層強化学習を適用したものである.従来のルールベースの手法や関連性行列を用いた手法では,人間のトッププレイヤーが構築するような大きい連鎖を構築することができないという課題があった.また,深層強化学習による先行研究も,複雑な戦略を学習することが難しく,十分な性能を示せていないのが現状である.本研究では,深層強化学習によるぷよぷよAIの性能向上を目的とし,並列Actorと優先度付き経験再生を用いた.提案手法を評価するために,自作のぷよぷよ環境を用いて実験を行った結果,提案手法は平均最大連鎖数6.243,平均スコア33114を達成し,従来の深層強化学習による研究を上回る性能を示した.

  • 坂井 佑輔, 岩本 賢治, 大前 佑斗, 三上 剛, 秋月 拓磨, 酒井 一樹, Marco MEYER-CONDE, 髙橋 弘毅
    原稿種別: ショートノート
    2025 年 37 巻 1 号 p. 506-510
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    睡眠ポリグラフ(Polysomnography:PSG)は睡眠中の生理学的信号を記録する包括的な検査方法である.近年,大規模なPSGのデータがSleep Heart Health Study(SHHS)データセットとして公開されている.一方で,各睡眠段階に対するSHHSデータセットのデータ数の分布は不均衡である.また,各生理学的信号は異なるサンプリング周波数を持つため,補間により入力データ長を統一する前処理がしばしばされている.本論文では,畳み込みニューラルネットワークを用いて,不均衡データと均衡データの学習による睡眠段階の分類を行う.また,入力データに対し補間を適用し,分類への影響を調査する.

  • 縣 愛美, 河辺 義信
    原稿種別: ショートノート
    2025 年 37 巻 1 号 p. 511-514
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    本稿では,2024年能登半島地震の際にSNS(X.旧ツイッター)に書き込まれたメッセージ集合からの,救助要請メッセージの抽出を試みる.具体的には,メッセージ文面から二次元的トラスト値の信用度と不信度を求め,さらに,Marshらの(一次元的な)トラスト値に変換する.求めた値が「信用の閾値」を超えるとき,本物の救助要請とみなす.二次元的トラスト値は,小田のファジィ多項目並列評定法(FCR法)の情報セキュリティ分野への応用である.信用度については,文面中のプライバシ情報の出現度合いから計算できる.本稿では不信度について,特定の品詞の出現に注目する計算方法を提案する.仮定形の単語が出現せず,命令形の単語が出現する書き込みについて,本物の救助要請とみられるメッセージが多く見られた.我々はこの結果などをもとに,二次元的トラスト値の不信度を累積的な値として定義する方法を検討する.

  • 内田 ゆず, 高丸 圭一, 乙武 北斗, 木村 泰知
    原稿種別: ショートノート
    2025 年 37 巻 1 号 p. 515-519
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    本研究は,妊娠中および子育て中の女性がオンラインコミュニティ上に投稿するテキストを分析し,母子の肉体的・精神的不調を早期に発見することを目的としている.オンラインコミュニティでの検索行動には,母親たちの不安や疑問が反映されていると考えられる.特にオノマトペは,痛みや症状,感情を表現するのに有用であり,母親たちの不安と密接に関わっている.本論文では,検索キーワードに含まれるオノマトペに焦点をあて,オノマトペとともに検索されている単語をクラスタリングすることで具体的な母親たちの悩みを可視化することを試みる.

  • 坂口 靖哉, アイエドゥン エマヌエル, 徳丸 正孝
    原稿種別: ショートノート
    2025 年 37 巻 1 号 p. 520-523
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    本論文では,ユーザとエージェントによる運動のピア・ラーニングによりユーザの運動に対するモチベーション向上を促すシステムを提案する.ピア・ラーニングとは学習者同士が互いに教え合う学習方法である.近年,問題視されている生活習慣病は継続的な運動により予防できると言われているが,運動を継続することは簡単ではない.この問題を解決するためにピア・ラーニングに着目し,ユーザとエージェントが運動を教え合うことで,ユーザの運動モチベーションの向上を促すシステムを提案する.本システムは,ユーザとユーザの友人として振る舞うエージェントが交代で運動動作の課題を行い,互いの運動動作に対してアドバイスを伝え合う.実験の結果,被験者の80%以上が,エージェントが一方的にアドバイスを伝える比較システムに対して,提案システムの方が運動をより楽しめたと回答した.これらの結果は,ユーザーとエージェント間のピアラーニングが運動へのモチベーションを効果的に高めることを示唆している.

  • 高﨑 志遠, 福田 信二, 増山 直輝, 能島 裕介
    原稿種別: ショートノート
    2025 年 37 巻 1 号 p. 524-529
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    都市化や土地開発,水質汚染による水生生物の生息環境の劣化は,生物多様性に悪影響を及ぼしており,生息環境の保全と再生が急務となっている.その際,水生生物の生息環境と空間分布をモデル化し,生息環境を定量評価することが水域生態系の保全の基本である.多目的ファジィ遺伝的機械学習を用いた生息場モデリングでは,言語的解釈が可能なファジィルールによって構成されるモデルを生成し,水生生物に適した生息環境条件を評価することが可能である.本手法では,属性選択がモデルの解釈可能性と識別精度に大きな影響を与える.本研究では,属性間の多重共線性に基づいて冗長な属性を削除し,多目的ファジィ遺伝的機械学習を用いた生息場モデリングにおいて,多重共線性に基づく属性選択が精度と解釈性に及ぼす影響について検討する.

  • 宮木 優太朗, 内田 ゆず
    原稿種別: ショートノート
    2025 年 37 巻 1 号 p. 530-534
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    本論文では,国会での議論内容を要約・可視化するための第一歩として,BERTベース分類器を用いて国会会議録の発言文を役割ごとに分類する手法の有効性を検証する.実際の国会会議録の発言文に「導入」,「根拠」,「意見」,「質問」,「今後」の役割タグを付与したデータセットを構築し,BERTベースの分類器を用いて発言文を「意見」と「非意見」の2値に分類する実験を行った.その結果,地方議会会議録と国会会議録とWikipediaで事前学習を行ったモデルでは87.08%,日本語の幅広いデータで事前学習を行ったモデルでは74.72%の分類精度となった.BERTベースの分類器を用いると720文程度の学習データでも8割以上の精度で意見文を分類できることが明らかになった.また,事前学習に用いたデータの特徴が分類結果に反映されていることが示唆された.

  • 黒沢 匠, 木村 泰知, 内田 ゆず
    原稿種別: ショートノート
    2025 年 37 巻 1 号 p. 535-539
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,妊娠・出産・育児に関する情報サイトを用いて,自治体による子育て支援施策の効果を調査することである.具体的には,自治体による子育て支援施策名,および,議会における子育ての議論が行われている発言と,妊娠・出産・育児に関する情報サイトに記述されている投稿を紐づけることにより,子育て支援施策の調査を行う.

  • 愛智 万莉子, 小野 景子, 酒部 健太郎
    原稿種別: ショートノート
    2025 年 37 巻 1 号 p. 540-543
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    近年,皮膚病変の自動診断のために多くの方法が提案されており,皮膚病変の非対称性,境界の不規則性などのルールに基づくものが多い.しかし,皮膚病変の画像は,ノイズや低コントラストなどのばらつきが大きいため,堅牢な皮膚病変の自動診断には更なる性能向上が必要である.堅牢性の向上のために,アンサンブルに基づく手法が提案されているが,複数の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)からのラベル出力を利用するものであり性能が低い.そこで,本研究では,各モデルから抽出した画像特徴量を直接用いるFeature Fusionモデルを構築し,更に,Grad-CAMからの特徴マップを組み込み,重要な特徴量を利活用可能なモデルを提案する.提案法の性能検証では,ISICオープンソースデータセットを用い,皮膚病変の4つのクラス分類において93%の高い精度を達成した.

  • 秋月 拓磨, 河原 智弘, 奥山 俊博, 荒川 俊也, 髙橋 弘毅
    原稿種別: ショートノート
    2025 年 37 巻 1 号 p. 544-548
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    ドライバ起因の事故を防止するために,日常の運転行動に内在する事故危険性を把握することが重要である.そのためには,ドライバの状態や行動情報をプライバシー侵害の懸念を抑えつつ,簡便・安価に,また安定して日常的に収集する手法が求められる.この課題に対して,著者らは手首装着型センサを用いたドライバ状態推定手法の開発に取り組んでいる.一方で,これまでの検証は実験室環境下に限定されていた.そこで本研究では,実際の運転環境下への適用に向けて,手首装着型センサを利用した車載計測システムを試作し,実車両上での運転行動データの収集実験を実施した.また,収集した手先加速度のデータからドライバの行動内容の推定を行い,実環境下での課題点を検証した.得られた結果より,実環境下におけるデータ収集から分析のためのデータセット構築までの一連のスキームを確立した.

  • 小田 紘久
    原稿種別: ショートノート
    2025 年 37 巻 1 号 p. 549-552
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    本稿では,情報理論の理解を深めるための教育システムを提案する.学習者は,雑音のある通信路を用いて,送信機から受信機へメッセージを送信するプロセスを体験できる.送信者はまず,メッセージ文字列をハフマン符号化により圧縮し,さらにハミング符号を用いて冗長性を加える.結果はテキストファイルとして保存され,0と1をランダムに反転させることでノイズのある通信路を模倣する.受信者はこのテキストファイルを開き,ハミング復号を用いて誤りを訂正し,ハフマン復号によって元のメッセージを復元する.各ステップの処理結果は色付きテキストや図表として可視化される.処理順の変更や用語の穴埋めといった課題を与えることも可能である.高大連携教育が目指す方向として,情報理論に関する中等教育におけるあいまいな理解を,高等教育で明確化することが期待できる.

  • 竹之内 宏, ベネッサ ブラヒム, 徳丸 正孝
    原稿種別: ショートノート
    2025 年 37 巻 1 号 p. 553-557
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    本研究では,対話型進化計算手法における新たな進化計算アルゴリズムに,YUKIアルゴリズムを適用する.YUKIアルゴリズムは,現在の最良解候補に対して解候補群の収束と拡散を用いて最良解を探索する.提案手法では,問題の対象がユーザの感性空間のように複雑性や多峰性を有する場合には,解候補群の収束と発散によって様々な解候補を提示できるようになる.本研究では,提案手法の性能を実ユーザの代わりに擬似ユーザが解候補を評価する数値シミュレーションにより検証する.シミュレーション結果より,提案手法は従来の対話型遺伝的アルゴリズムや対話型タブーサーチと比較して,ユーザの感性評価が多峰的である場合において,解候補群はある程度の分散を保ったまま進化し,良好な進化性能を有することが確認された.

  • 今井 光貴, 北島 巧海, 川中 普晴, 松井 良諭, 間瀬 陽子, 近藤 峰生
    原稿種別: ショートノート
    2025 年 37 巻 1 号 p. 558-561
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    本研究では,医用画像を用いた症例分類アルゴリズムの構築において,患者のプライバシー保護を考慮した擬似データ生成法について検討する.近年,眼科診療の現場では専門医と同等の高精度な症例診断アルゴリズムが提案されているなど,臨床医学におけるAI技術の発達が目覚ましい.しかしながら,これらのアルゴリズム構築には大量かつ高品質なデータが必要不可欠となる.そこで本論文では,拡散モデルを用いて生成された擬似網膜OCT画像の分類精度への影響について検討した.実験の結果,網膜OCT画像を用いた4症例分類問題において学習データの50%までを生成画像に置き換えた場合でもある程度予測精度が維持された.また,学習データの全てを生成画像とした場合でも比較的高精度での予測が可能であった.これらの結果から,拡散モデルが網膜OCT画像から症例ごとの特徴を捉えた擬似OCT画像を生成できる可能性が示唆された.

  • 広田 椋祐, 中村 健二
    原稿種別: ショートノート
    2025 年 37 巻 1 号 p. 562-566
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    我が国では,人員や予算が限られる中で道路附属物などの巡視点検が行われている.巡視点検では,外業にて現地に赴いて点検対象の画像を撮影し,内業でその画像を位置情報等に基づき撮影場所を確認して台帳に整理している.この作業には,多大な労力が必要であり効率化が求められている.既存研究では,3次元モデルを用いて道路附属物の画像を部位ごとに管理する手法や,画像と点検部位の関連付けに2次元コードを用いる手法が提案されているが,部位との関連付けに手作業が必要であるなどの課題が残る.そこで本研究では,指差呼称動作を用いて点検対象の画像を撮影し,さらに撮影する施設の種類や損傷部位を呼称する音声を同時に記録することで,部位との関連付けを効率化する手法を提案し,適用性を検証する.

  • 坂口 遥哉, 木村 泰知
    原稿種別: ショートノート
    2025 年 37 巻 1 号 p. 567-570
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,地方自治体の議会会議録を対象としてテキスト分析を行うことで,地域単位の課題や問題意識,取り組み方法の違いを比較分析することである.本研究における対象地域は,北海道の総合振興局区分に基づいた十勝管内の19自治体とする.対象地域について,web会議録の公開状況を調査するとともに,収集した会議録を用いたテキスト分析により,特定の課題に関する比較分析を行う.

  • 日高 翼, 久保 莞太, 田辺 寛, 出口 楽々, 馬場 研二, 黒島 直樹, 和田 真澄, 向田 眞志保, 大塚 隆生, 小野 智司, 重 ...
    原稿種別: ショートノート
    2025 年 37 巻 1 号 p. 571-576
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    本稿では,腹腔鏡下手術における手技の自動評価で活用することを想定し,手術映像から術者の手技の種類を判別する時系列行動セグメンテーションの効果的な手法を検討する.ここでは,特に細かい操作レベルの動作の分類を対象とする.行動分類モデルにMS-TCNと,その改良版であるMS-TCN++を採用し,最初に,両モデルの最適な予測層数と洗練層数を検討する.最適化後の評価実験では,両モデルの分類精度はほぼ同等であるが,予測の傾向が異なることを示す.この結果に基づき,両モデルの分類結果を統合するアンサンブル手法を提案する.両モデルの予測確率の和に基づき判定する手法において,正解率が改善することを示す.

  • 大野 祥嵩, 堀口 由貴男
    原稿種別: ショートノート
    2025 年 37 巻 1 号 p. 577-581
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    立ち上がり動作は困難になると生活の質が大きく低下するため,最も重要な動作の一つである.この動作には転倒などを引き起こす運動器の質的劣化を評価するための多くの情報が含まれていると考えられる.本研究では,身体特性の違いが立ち上がり動作のどのような側面に表れるかを特定して運動器の機能レベルを定量的に評価する技術の開発を目的として,ガウス過程力学モデル(GPDM)を用いた立ち上がり動作の分析に取り組んだ.高齢者疑似体験教材の装具類により身体制約を疑似的に課した動作条件下での立ち上がり動作データにGPDMを適用して低次元の潜在変数モデルに作成し,得られたモデルの出力の分析を通じて動作条件の身体の動きへの影響について検討した.その結果,装具により生じた体の動かしやすさの左右バランスの違いが,立ち上がり動作開始から臀部離床完了までの姿勢変化における横方向の重心移動に影響するなどの微妙な体の使い方の変化を特定できることが確認された.

  • 山本 そら, アイエドゥン エマヌエル, 徳丸 正孝
    原稿種別: ショートノート
    2025 年 37 巻 1 号 p. 582-585
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    対話型進化計算(IEC)は,人とコンピュータがインタラクションを取りながら人の直感的評価により解を最適化する技術であり,数多くのシステムが提案されている.IECでは一般的に短期間での解候補の繰り返し評価が必要となるが,一方で長期的な解の最適化を目的とし,日々の食生活と組み合わせた試みなども行われている.そこで本論文では,IECによるユーザの解評価を,日々の運動習慣と連動させるシステムを提案する.また,運動の成果を先取りして可視化することによるプロテウス効果を用いて,運動意欲と自己効力感の向上を試みる.本論文ではプロトタイプシステムとして,運動の継続によりIECを用いてアバタがユーザの理想体型へ成長するシステムを提案する.被験者実験の結果,81.8%の被験者が運動意欲を感じたことがわかり,運動意欲と自己効力感の向上を確認した.

  • 小田 哲久, 高萩 栄一郎
    原稿種別: ショートノート
    2025 年 37 巻 1 号 p. 586-590
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    FCR法(Fuzzy-set Concurrent Rating Method:ファジィ多項目並列評定法)は,両極式評定尺度法を改良した心理測定技法である.応答者は,各設問に対して正(P)と負(N)の2本の単極尺度の両方にチェックするように指示される.応答対(p,n)から,統合値Iと矛盾–無関心(無関連)指標Cが計算される,FCR法の提案後,各種のIC指標が考案されている.各種の矛盾度Cのうちで,C3はその理解しやすさから,得られたデータの実際の処理に用いることが推奨されてきた.しかし,ファジィ論理における矛盾の概念は確立されておらず,よりよい矛盾度が提案できる可能性がある.本論文では,φs変換を用いたファジィ測度モデルを適用して導出されたFCR法のための特別な指標IfmCfmを参考に,新しい矛盾–関連性指標C6を提案する.新しい指標C6は,指標Cfmと同様の特別な性質を持ち,様々な統合アルゴリズムとの組み合わせでIR法(Improved Rating Method,改良評定尺度法)に適用できる.

  • 今元 佑, 小野 景子, 田原 大輔, 松浦 佑介, 増田 尚大
    原稿種別: ショートノート
    2025 年 37 巻 1 号 p. 591-595
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    骨構造のセマンティックセグメンテーションは画像全体を骨ごとの領域に分割する技術であり,診断に使用できる正確な骨モデルを構築するためには画素単位の分類と画像内のオブジェクトの高い抽出精度が要求される.この問題を解決するために3DCNNによる手法が提案されているが,3DCNNは膨大な学習データを必要とする.臨床を考慮すると,計算コストの低い2DCNNモデルを改良し,3次元構造を考慮できるようにする必要がある.そこで我々は,双方向畳み込み処理と再構成画像を用いて,上肢領域の骨の3次元構造を考慮した2DCNNベースのセグメンテーション手法を提案する.具体的には,BiConvLSTMとAttention U-Netを組み合わせた2つの異なるモデルを用いて,axial方向とsagittal方向の2方向からの画像を解析する.性能実験の結果,提案手法は0.9355のIoUを示し,これは最新の手法であるMask2Formerよりも高い結果となった.

一般論文
原著論文
  • 中濱 慶紀, 大川 創, 工藤 康生, 村井 哲也
    原稿種別: 原著論文
    2025 年 37 巻 1 号 p. 596-606
    発行日: 2025/02/15
    公開日: 2025/02/15
    ジャーナル フリー

    本論文では,可変精度ラフ集合における縮約の1つであるβ-縮約について,その改良として,許容誤差βの下で条件属性を全て用いた場合と同等またはそれ以上の分類の質を与える条件属性の集合(β-縮約)を定義し,通常のラフ集合における相対縮約及びβ-縮約,可変精度ラフ集合におけるstructure-enhancing approachに基づく縮約の1つであるLβ-縮約との関連を検証する.また,β-縮約の候補を決定表からヒューリスティックに導く手法を提案する.更に,計算機実験により提案手法の有効性を検証する.

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