日本口腔腫瘍学会誌
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21 巻 , 4 号
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第27回日本口腔腫瘍学会学術大会
シンポジウム1:「口腔癌手術後の口腔機能評価とリハビリ」
  • 下郷 和雄, 高橋 浩二
    2009 年 21 巻 4 号 p. 217
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2012/03/27
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 弘人, 池田 薫, 鹿志村 圭, 折居 大輔, 河 瑠珠, 大谷津 幸生, 中山 竜司, 野口 忠秀, 小佐野 仁志, 神部 芳則, ...
    2009 年 21 巻 4 号 p. 218-224
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2012/03/27
    ジャーナル フリー
    今回われわれは,術後の口腔癌患者のうち,再建手術を要した舌癌患者の栄養状態について,血液生化学検査を中心に調査を行い,治療前後の栄養状態,また,当科における栄養管理について検討したので,その問題点を含めて報告する。
    対象は2000年から2008年までの9年間に当科で入院加療した舌癌患者35名。これらの患者を術前治療の有無,何らかの皮弁再建の有無にそれぞれ分類し,体重,総タンパク,アルブミンから栄養状態を評価した。また,近年当科では胃瘻造設を積極的に取り入れており,その有用性についても評価した。
    結果は体重,血液生化学検査ともに再建施行例においては入院時から比較すると著しく低栄養状態に陥る傾向がみられた。また,胃瘻造設による栄養管理は,特に術後の管理が容易であった。
  • 後藤 真一
    2009 年 21 巻 4 号 p. 225-229
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2012/03/27
    ジャーナル フリー
    口腔癌患者における術後の嚥下障害因子を探るため,嚥下運動時の咽頭後壁の動きに着目した,手術前後のVideo Fluorography検査(VF)画像をコンピュータで動態解析する方法を構築した。その結果と嚥下障害度とを比較検討した。
    手術を施行した口腔癌患者29症例を対象とし,VF画像(側面像)を二次元動画計測ソフトウェアを用いて解析した。嚥下中の第2・3・4頸椎部の咽頭後壁の厚みを算出し,各頸椎部毎の最大厚時のタイミングを検出した。また,嚥下障害の指標として,VF画像の読影により喉頭蓋谷および梨状窩の試料残留量と誤嚥量をスコア化し,嚥下障害度スコアを出した。
    結果より,全ての症例で術前では咽頭後壁の最大厚時のタイミングが第2頸椎から第4頸椎へ順次移動している正常な蠕動様運動を示した。しかし,術後においては運動が変化している症例を数例認めた。それらの症例では嚥下障害度スコアが高く,運動が変化していない症例との群間に有意差を認めた。
    VF動画画像をPCにて解析することにより,時間軸での咽頭後壁動態を評価することができた。手術により咽頭壁の動態が変化する所見が確認され,嚥下障害に大きく関わっている可能性が示唆された。
  • 石田 瞭
    2009 年 21 巻 4 号 p. 230-236
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2012/03/27
    ジャーナル フリー
    東京歯科大学千葉病院では,平成20年に摂食・嚥下リハビリテーション・地域歯科 診療支援科を開設した。摂食・嚥下障害の主要疾患は脳血管障害であるが,口腔癌に伴う摂食・嚥下障害は歯科特有の領域ともいえよう。当院でも,口腔癌患者の多くに摂食・嚥下障害を認める。口腔癌術後患者に対する摂食・嚥下リハビリテーションで重要なのは 1.誤嚥性肺炎予防,2.栄養確保,3.心理的サポートと考える。本稿では,当科におけるこれらの関わりについてまとめる。
  • 関谷 秀樹, 濱田 良樹, 福井 暁子, 園山 智生, 川口 浩司, 瀬戸 皖一, 工藤 泰一
    2009 年 21 巻 4 号 p. 237-244
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2012/03/27
    ジャーナル フリー
    口腔悪性腫瘍術後の嚥下障害に対する機能評価は,各施設における評価基準を基に行われているのみである。その理由は,嚥下障害の診断分類とそれに対応した基準となるリハビリテーション法が確立されていないからである。
    今回,自験例の口腔悪性腫瘍術後患者176例の中から,術後嚥下障害が比較的長期に後遺した40例について,レトロスペクティブにその診断分類,評価法,リハビリテーションについて検討した。
    その結果,嚥下障害診断の分類については,口腔腫瘍のための新分類作成が必要と考えられ,評価法においては,間接訓練を要する症例に関しては,VF評価が必要であることが示唆された。また,リハビリテーション法に関しては,診断分類に対応した方法を選択することで,標準化が図れることが予想された。
  • 高橋 浩二
    2009 年 21 巻 4 号 p. 245-254
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2012/03/27
    ジャーナル フリー
    昭和大学歯学部口腔リハビリテーション科は摂食・嚥下障害,言語障害,呼吸障害(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)に対応する診療科として平成16年に開設された。当科の平成19年度の外来初診患者459(576)名のうち摂食・嚥下障害を主訴とした患者数は233(238)名で,このうち頭頸部腫瘍術後患者は59(66)名であった。(カッコ内は平成20年度)
    当科では開設以来,外来診療のみならず摂食・嚥下障害に対する入院加療を行っており,今回のシンポジウムでは経口摂取不能あるいは困難と他院で診断され,当科で入院加療を行った頭頸部癌術後嚥下障害5症例を紹介するとともに摂食・嚥下リハビリテーションにおける当科での取り組みについて述べた。本項では頭頸部癌治療後の摂食・嚥下障害の特徴とその対応も合わせて報告した。
臨床
  • 莇生田 整治, 高森 康次, 内山 公男, 岩渕 博史, 杉山 健太郎, 木津 英樹, 角田 和之, 村岡 渡, 鬼澤 勝弘, 中川 種昭, ...
    2009 年 21 巻 4 号 p. 255-264
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2012/03/27
    ジャーナル フリー
    顎口腔領域への転移性腫瘍13例について臨床的に検討した。転移性腫瘍は,全口腔悪性腫瘍1次症例(573例)の2.3%を占めた。年齢は14歳~73歳(平均年齢60.0歳)に及び,性別は男性9例,女性4例であった。原発部位は肺が5例で,次いで腎臓が3例,大腸が2例,胃・乳房・副腎が各1例であった。口腔病変の発生部位は,軟組織が10例で顎骨が3例であった。口腔内症状は境界明瞭な腫瘤が主で,下顎骨転移の2例にオトガイ神経領域の知覚鈍麻を認めた。組織型は腺癌が6例と最も多く,次いで大細胞癌と腎細胞癌が各3例,神経芽腫が1例であった。また,3例で口腔内転移病変の発見を機に原発悪性腫瘍が発見されていた。6例で原発腫瘍がコントロールされていたが,全例に多発転移を認めた。姑息的治療と根治的治療をそれぞれ4例ずつに行ったが,残りの5例は生検のみで治療は行わなかった。
    これに加えて,本邦において論文として報告された顎口腔転移性腫瘍221例について文献的に考察した。原発部位は肺が26.2%と最も多く,次いで肝17.6%,大腸9.5%,腎9.0%の順であった。また,33.7%で口腔内病変の発見を機に悪性疾患が発見されていた。
症例
  • 馬場 隼一, 光藤 健司, 岩井 俊憲, 福井 敬文, 光永 幸代, 渡貫 圭, 廣田 誠, 松井 義郎, 藤内 祝
    2009 年 21 巻 4 号 p. 265-271
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2012/03/27
    ジャーナル フリー
    われわれは浅側頭動脈より超選択的動注法を用いた連日同時放射線化学療法が著効した口底粘表皮癌の1例を経験したので,その概要を報告する。
    下顎の疼痛とオトガイ神経麻痺を主訴に60歳代の男性が当科を紹介され受診した。左側下顎臼歯部舌側歯肉に34×23mmの腫瘤を認めた。顎下部には固着性のリンパ節を認めた。CTでは下顎舌側に42×23mmの腫瘤が存在し下顎骨は吸収していた。生検の結果,粘表皮癌と診断された。浅側頭動脈より超選択的動注法を用いた連日同時放射線化学療法を受けた。CisplatinとDocetaxelの総投与量はそれぞれ224mg,111mgであった。外照射は1.8Gy/日で計50.4Gyを行った。臨床効果はPRであったため動注化学放射線治療終了4週後に下顎骨区域切除術,保存的頸部郭清術,腓骨皮弁による再建術を施行した。しかし,腫瘍とリンパ節は病理組織学的にCRと診断された。術後30か月経過するが,再発や転移なく経過良好である。
  • 金丸 祥平, 新美 奏恵, 小田 陽平, 小林 正治, 西山 秀昌, 新垣 晋, 齊藤 力
    2009 年 21 巻 4 号 p. 273-278
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2012/03/27
    ジャーナル フリー
    乳幼児線維腫症は軟組織と硬組織の両方に発生する線維性病変で,顎顔面領域には比較的稀な疾患である。症例は,左側下顎角部の有痛性の腫脹を主訴に当科を受診した3歳代の男児で,CTおよびMRI所見で軟組織の腫瘍性病変が指摘され悪性腫瘍の可能性も考えられたが,針生検では確定診断を得ることができなかった。3歳という患者の年齢から広範囲切除は行わずに形態および機能の温存を考慮して,腫瘍切除術を施行した。摘出物の病理組織学的所見では紡錘形の腫瘍細胞が認められ,細胞の異型性や核分裂像は認められなかったものの,一部では筋組織への浸潤も認めた。病理組織診断は,乳幼児線維腫症であった。術後5年経過した時点で再発所見は認められないが,本疾患では転移はしないものの局所再発を認めたとする報告もあり,引き続き厳重な経過観察が必要であると考えている。
  • 熊谷 章子, 大橋 祐生, 星 秀樹, 三上 俊成, 原田 博史, 武田 泰典, 杉山 芳樹
    2009 年 21 巻 4 号 p. 279-284
    発行日: 2009/12/15
    公開日: 2012/03/27
    ジャーナル フリー
    症例は70歳代の女性で,左下臼歯部口底の腫瘤と疼痛の精査依頼にて当科初診となった。左下第一大臼歯相当部の舌側歯肉から口底に移行する粘膜下に30×8mm大の下顎枝方向へ伸展する細長い圧痛著明な弾性硬の可動性腫瘤を触知した。9年前ほぼ同部位の舌神経に腫瘤がみられた際に近病院歯科で生検が行われたが,当時の病理組織学的診断は神経線維腫であったという。口底腫瘍疑いの臨床診断のもと腫瘤の切除術を施行したところ,肉眼的には舌神経の一部が結節状に膨隆しており,病理組織検査により腺様嚢胞癌と診断された。断端陽性であったため,さらに口底腫瘍切除術および左側肩甲舌骨筋上頸部郭清術を施行し,臨床所見および病理組織学的検索の結果から最終的には比較的まれな舌下腺原発例と考えられた。当初9年前の腫瘤とは別個の病変と考えられたが,既往標本を入手し,再検討を行った結果,今回の腺様嚢胞癌と同一の病変と判断され,よって腫瘍の浸潤により舌神経に形成された腫瘤が本例の初発症状であったと考えられた。
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