日本口腔腫瘍学会誌
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22 巻 , 3 号
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第28回日本口腔腫瘍学会学術大会
シンポジウム1:「化学放射線療法後の救済手術」
  • 山下 徹郎, 藤内 祝
    2010 年 22 巻 3 号 p. 81
    発行日: 2010/09/15
    公開日: 2011/10/20
    ジャーナル フリー
  • 山下 善弘, 古木 良彦, 大矢 亮一, 山本 哲彰, 山内 健介, 宮本 郁也, 黒川 英雄, 高橋 哲
    2010 年 22 巻 3 号 p. 82-88
    発行日: 2010/09/15
    公開日: 2011/10/20
    ジャーナル フリー
    当科にて2001年1月から2009年4月の間に加療を行った口腔癌患者215例のうち根治的化学放射線療法(CCRT)にて加療を行った症例は21例(9.8%)であった。その内腫瘍の残存や再発を認めなかった症例は12例(57.1%)であり,一方CCRT後に再発あるいは再々発を認めた症例は9例(42.9%)であり,その中で外科的切除および遊離組織移植などによる再建を行った症例は5例(23.8%,救済手術群)であった。また,放射線化学療法および切除後に二次再建が必要となり遊離組織移植による二次再建を行った症例は7例(二次再建群)であった。本報告ではこの救済手術群と二次再建群について術後の局所的および全身的合併症,遊離組織移植の成績等について検討した。救済手術群の治療成績では1例に局所再発を認め再切除を行い経過良好であり全例生存していた。また,手術合併症に関しては4例(80.0%)に何らかの合併症が認められた。救済手術群での再建成績では2例(40.0%)が不良であった。化学放射線後の外科療法での再建方法は二次再建群も含めて遊離皮弁を第一選択としているがこの場合の問題点として頸部での吻合血管の有無や頸部への照射量が問題と考えられる。また,顎骨の切除や周囲軟組織の合併切除が大きい場合などでは血流の良い組織で十分充填することや縫合不全に注意が必要と思われる。
  • 小林 恒, 佐藤 寿, 中川 祥, 久保田 耕世, 今 敬生, 木村 博人
    2010 年 22 巻 3 号 p. 89-93
    発行日: 2010/09/15
    公開日: 2011/10/20
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は口腔咽頭癌に対する化学放射線後の救済手術に関して検討することである。今回私たちは根治的治療として60Gy以上の放射線治療と化学療法を施行後に救済手術を行った17例を対象とした。17例の内14症例は動注化学療法が行われ3例は静注化学療法が行われた。手術の内訳は腫瘍切除再建+頸部郭清が8例,腫瘍切除+頸部郭清が1例,腫瘍の切除のみが4例,頸部郭清のみが4例であった。術後合併症は29%に認め,特に腫瘍切除再建術症例では50%に生じていた。救済手術症例の5年生存率は56.9%であった。救済手術は十分可能であるが腫瘍切除再建例では口腔皮膚瘻孔閉鎖のために数回の手術を必要とした症例もあった。
  • 上田 倫弘, 山下 徹郎, 林 信, 浅香 雄一郎, 中嶋 頼俊, 箭原 元基, 村上 真澄, 北村 哲也, 藤田 昌宏
    2010 年 22 巻 3 号 p. 94-101
    発行日: 2010/09/15
    公開日: 2011/10/20
    ジャーナル フリー
    機能温存の観点から,顎口腔癌に対する放射線併用超選択的動注化学療法(CCRT-HFT)は標準治療として期待されている。しかし,臨床効果CR後の再発に対する救済療法については,明確な基準がなく,予後,合併症の問題から慎重な対応が要求される。当科では根治的CCRT-HFTを51例に施行し,臨床効果CR(45例:88.2%)が得られた。その後,経過観察中に原発巣の再発を16例(35.6%)に認め,51例中で29例(56.9%)が原発巣での腫瘍の残存,再発を認めなかった。16例全例に救済手術(臓器を越えない局所切除:6例,広範囲な拡大切除:10例)を施行し,68.8%の症例が原発巣の制御が可能であった。しかし,救済手術例のKaplan-Meier法による2年,3年,5年無病生存率は,それぞれ57.7%,50.5%,37.9%であった。
    計画手術も含め,CCRT-HFT後に拡大手術と遊離皮弁による再建術を施行した42例を対象に手術に与える影響を検討した。本法導入前の切除および遊離皮弁による再建術を同時に行った症例105例との比較では,手術時間,出血量,局所合併症,皮弁生着率に不利に作用してはいなかった。予後を規定する因子として,病理組織学的にリンパ節転移陽性例,特に転移個数が3個以上の症例,転移レベルIII以下の症例で予後は有意に不良であった。
    以上より,CCRT-HFT後であっても救済手術を行うことは十分に可能である。局所制御が可能な症例もあるが,遠隔転移により救済不能となる症例も多く,今後は,救済手術の適応を考慮することはもとより,根治的療法としてのCCRT-HFTの適応を慎重に検討することが重要と考えられた。
  • 光藤 健司, 岩井 俊憲, 馬場 隼一, 光永 幸代, 小栗 千里, 小泉 敏之, 渡貫 圭, 來生 知, 廣田 誠, 松井 義郎, 藤内 ...
    2010 年 22 巻 3 号 p. 102-106
    発行日: 2010/09/15
    公開日: 2011/10/20
    ジャーナル フリー
    進行口腔癌に対する逆行性超選択的動注化学療法は,放射線療法との連日同時併用が可能となることから高い抗腫瘍効果が得られる。われわれは進行口腔癌に対し超選択的動注化学放射線療法を施行し,術前治療としての効果および原発の手術回避について報告してきた。しかし,治療後に腫瘍が残存した症例,再発症例に対しては救済手術が必要となる。今回われわれは本療法を施行し,救済手術が必要であった症例につき術後合併症,予後につき報告する。
    2006年8月から2009年7月の3年間に横浜市立大学附属病院歯科口腔外科を受診した頭頸部領域の悪性腫瘍304例であり,当科において治療を行った症例は193例であった。そのうち根治療法として超選択的動注化学療法を施行した口腔癌症例102例(52.8%)につき検討を行った。治療は超選択的動注化学療法(docetaxel, total 60mg/m2, cisplatin, total 150mg/m2),放射線連日同時併用療法(total 60Gy)を6 週行うことを原則とした。102例については治療4週後に画像および原発の生検にて腫瘍残存の有無の確認を行ったところ,102例中pCRが90例(88.2%),腫瘍残存は12例(11.8%)に認めた。原発がpCRであった90例において,経過観察中に4例(3.9%)の再発を認めた。原発に腫瘍残存を認めた12症例および治療後に再発を認めた4症例の16症例中,10症例に救済手術を施行した。救済手術を施行した10例中5例に術後の合併症を認めた。救済手術を行った10症例について4例は再発を認めた。10例中6症例は生存している。
症例
  • 木村 幸紀, 花澤 智美, 岡野 友宏, 入江 太朗, 立川 哲彦
    2010 年 22 巻 3 号 p. 107-114
    発行日: 2010/09/15
    公開日: 2011/10/20
    ジャーナル フリー
    われわれの施設では,1990年から2008年にかけて頬粘膜扁平上皮癌の外側咽頭後リンパ節(LRPN)転移が2例みられた。原発腫瘍は頬粘膜後部から生じていた。断層画像では,患側の後咽頭間隙内に各々,17×12mm,15×12mmの大きさの転移性リンパ節が認められた。これら2症例と本邦における論文または予稿集で報告されている,LRPN転移を生じた他の頬粘膜癌4例を,原因となったリンパ路と臨床的特徴に重点を置いて分析した。
    頬粘膜後部や臼後三角の癌は容易に頬筋および翼突下顎縫線に浸潤する。翼突下顎縫線には頬筋と上咽頭収縮筋が付着する。さらに,翼突下顎縫線は口蓋帆張筋が関係する翼突鈎に付着する。口蓋帆張筋と口蓋帆挙筋部にはLRPNのリンパ輸入管が走行することを既報告にて示した。これらの解剖学的関係からの推察では,翼突下顎縫線の領域から上咽頭収縮筋を通るか口蓋帆張筋の近傍を通るリンパ輸入管を介してLRPN転移は起こりえる。自験例と2例のT4症例では,臼後三角や翼突下顎縫線への浸潤が画像でみられるか臨床的に疑われた。T4の2例では,初回の画像検査でLRPN転移がみられた。一方,T2の自験例とT4の他の1例は術後5か月から8か月にLRPN転移がみられた。
    よって,頬粘膜癌が臼後三角や翼突下顎縫線に浸潤した場合では常に,断層画像において外側咽頭後リンパ節に関心を寄せるべきである。
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