日本口腔腫瘍学会誌
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23 巻 , 4 号
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第29回日本口腔腫瘍学会学術大会
シンポジウム1:「口腔癌に対する癌ワクチン療法の現状と展望」
  • 中村 誠司, 山田 亮
    2011 年 23 巻 4 号 p. 103
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2012/01/24
    ジャーナル フリー
  • 山田 亮
    2011 年 23 巻 4 号 p. 104-110
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2012/01/24
    ジャーナル フリー
    がんペプチドワクチンの開発競争が,現在,世界中で繰り広げられている。しかしながら,いまだ満足いく臨床効果が得られていない実情である。われわれは種々のHLA型を有する患者に対応可能なテーラーメイドがんペプチドワクチン療法の開発を行っている。候補ペプチドプールの中からHLA型と免疫(抗体)反応性検査結果に基づきワクチンペプチドの決定を行っている。再燃前立腺がんを対象とするテーラーメイドペプチドワクチン療法は厚生労働省により高度医療として昨年承認された。進行がんに対するテーラーメイドがんペプチドワクチン開発の現状について述べる。
  • 吉武 義泰, 福間 大喜, 篠原 正徳
    2011 年 23 巻 4 号 p. 111-116
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2012/01/24
    ジャーナル フリー
    癌に対する第4の治療法として期待され続けてきた免疫療法であるが,これまでは溶連菌の乾燥菌体によるOK-432(ピシバニール®)やカワラタケから抽出した蛋白多糖複合体であるPSK(クレスチン®),シイタケより抽出された多糖類であるレンチナンなどが癌治療に用いられてきた。しかし,それらを投与しても非特異的に患者の免疫力を高めるだけであり,癌細胞への選択性はまったくない。それに対し癌ワクチン療法,特に今回われわれが新たに投与を開始したペプチドワクチン療法は,非常に選択的に癌細胞だけを標的とすることのできる特定のリンパ球だけを増やすことを目指した治療法である。本文にて,われわれが実施している口腔癌に対する癌ペプチドワクチン療法の現状について報告する。
  • 宮崎 晃亘, 小林 淳一, 山本 崇, 道振 義貴, 佐々木 敬則, 仲盛 健治, 廣橋 良彦, 鳥越 俊彦, 佐藤 昇志, 平塚 博義
    2011 年 23 巻 4 号 p. 117-122
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2012/01/24
    ジャーナル フリー
    Survivinはinhibitor of apoptosis protein(IAP)ファミリーに属する分子で,各種悪性腫瘍において強い発現を認めるが,成人正常臓器ではほとんど発現を認めない。われわれはサバイビンが理想的がん抗原であり,survivin由来のHLA-A24拘束性survivin-2B80-88(AYACNTSTL)がcytotoxic T lymphocyte(CTL)応答を誘導することを以前に報告した。この研究結果をもとに,2003年9月に進行・再発口腔がん患者に対してsurvivin-2Bペプチドを用いた臨床試験を開始し,安全性と抗腫瘍効果を評価した。survivin-2Bペプチドは14日間隔で計6回接種した。その結果,口腔がん患者に対するペプチド単剤投与の安全性が確認されるとともに,その有効性が示唆された。さらに,2006年9月にsurvivin-2Bペプチドに不完全フロイントアジュバント(IFA)とinterferon(IFN)-αを併用した臨床試験を開始した。survivin-2BペプチドとIFAの混合液を14日間隔で計4回接種し,IFN-αは週2回あるいは1回皮下投与した。現在のところ,重篤な有害事象は出現していない。IFAとIFN-αを併用した臨床試験では,単剤投与と比較してペプチド特異的CTLを効率良く誘導し,安全性も容認されることが示唆された。本療法は口腔がん患者に対する新たな治療法の一つとして有用と考えられた。
  • 岡本 正人
    2011 年 23 巻 4 号 p. 123-127
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2012/01/24
    ジャーナル フリー
    標準治療に抵抗性を示す難治性の悪性腫瘍に対し,専門的抗原提示細胞である樹状細胞(DC)を用いた癌ワクチン(DCワクチン)が注目されている。
    DCワクチンでは,第1に,品質の良いDCを大量に,安定的に作製するシステムが必要である。特に,適切な成熟DCの誘導法の確立は重要である。われわれは,レンサ球菌由来免疫賦活剤OK-432の活性成分が,Toll-like receptorsを介してDCを成熟させ,抗原特異的細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導し,担癌マウスにおいて抗腫瘍効果を発現することを明らかにした。第2に,CTL誘導能が強く,免疫学的エスケープされ難い抗原を使用することが重要であり,このような癌抗原の探索が進んでいる。
    われわれは,口腔癌に対するDCワクチンの治療効果を,前向きならびに後向きの臨床研究にて検討し,DCワクチンが標準治療無効の難治性口腔癌に対して,安全かつ有効な治療法と成ることを強く示唆する結果を得ている。今後,さらにエビデンスレベルの高い臨床試験の結果を報告していくことが必要であると考えられる。
原著
  • 森寺 邦康, 野口 一馬, 冨士原 将之, 山本 聡, 高岡 一樹, 奥井 森, 浦出 雅裕
    2011 年 23 巻 4 号 p. 129-138
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2012/01/24
    ジャーナル フリー
    頭頸部扁平上皮癌に対しシスプラチン(50mg/週)を3~4週用いた超選択的動注療法と放射線同時併用療法(総線量40~60Gy)(RADPLAT)を施行した31症例(stage II;5,III;7,IV;19)について治療成績の検討を行った。患者の年齢は40~82歳,平均65.9歳であった。動注はSeldinger法で週1回行った。一次治療効果は原発巣では奏効率100%,CR率71%,レべル IおよびII頸部転移巣ではCR率57.1%であった。全生存率は76.0%であった。原因特異的生存率は92.6%であった。部位別の生存率は舌,口底,上顎歯肉,下顎歯肉でそれぞれ79.5%,83.3%,60.0%,66.7%であった。病理組織学的検討を行った18例のうち10例において大星・下里分類のgrade 3以上の組織学的効果を認めた。そのうちの9例が舌癌と口底癌であった。有害事象についてはgrade 3の口腔粘膜炎3例,grade 3以上の白血球減少症17例が認められたが全ての症例で治療を完遂できた。以上からRADPLATは頭頸部扁平上皮癌に対する優れた治療法であり舌癌および口底癌とレベル I,IIの頸部リンパ節転移に対する治療法としては臓器温存に有用であることが示唆された。
  • 渡貫 圭, 光藤 健司, 光永 幸代, 君塚 幸子, 岩井 俊憲, 小栗 千里, 小泉 敏之, 廣田 誠, 大村 進, 藤内 祝
    2011 年 23 巻 4 号 p. 139-145
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2012/01/24
    ジャーナル フリー
    口内炎は癌化学療法による有害事象のひとつであるが,本邦では現在有効な予防法や治療法は確立されていない。欧米では癌化学療法による口内炎に対してG-CSF製剤による含嗽が応用されている。そこでわれわれはG-CSF含嗽剤を作製し,癌化学療法による口内炎に応用したところ,本治療にて口内炎治療に良好な結果が出たので報告する。対象は口腔癌を含む固形癌あるいは白血病と診断され化学療法中に口内炎が出現した6名で,口内炎がgrade 3あるいは4まで悪化した時点で,フィルグラスチム製剤による含嗽治療を1日4回1回75μgで5日間行い,口内炎改善度を評価した。口内炎は著しく良化し,疼痛や摂食も改善した。G-CSF含嗽剤は口内炎の治療に,ひいてはQOLの改善に非常に有用であった。
症例
  • 大久保 牧子, 岩井 俊憲, 光藤 健司, 光永 幸代, 小栗 千里, 渡貫 圭, 廣田 誠, 松井 義郎, 藤内 祝
    2011 年 23 巻 4 号 p. 147-153
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2012/01/24
    ジャーナル フリー
    舌癌のほとんどは舌側縁や舌下面に生じることが多く,舌背部に生じることは極めてまれである。われわれは両側浅側頭動脈よりの超選択的動注法を用いた連日同時放射線化学療法を施行した舌背扁平上皮癌の1例について報告する。
    80歳の男性は左側舌背部の腫瘤を主訴に当科を受診した。腫瘤は有茎性で,その大きさは舌背の前方の硬結を含め49×30×12mmであった。生検後,病変は扁平上皮癌と診断された。頸部リンパ節転移は認めなかった。進行舌癌に対する再建術後の機能障害を避けるために,逆行性超選択的動注化学放射線療法を計画した。両側浅側頭動脈よりの超選択的動注法を用いた連日同時放射線量療法(ドセタキセル(10mg/m2/week,total 96mg/body),シスプラチン(5mg/m2/day,total 240mg/body),外照射(2Gy/日,計60Gy)を6週間施行した。現在治療後25か月が経過するが,再発・転移なく経過良好である。
  • 森 啓輔, 山下 佳雄, 檀上 敦, 後藤 昌昭
    2011 年 23 巻 4 号 p. 155-160
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2012/01/24
    ジャーナル フリー
    放線菌症は口腔内の常在菌である放線菌により発症する炎症性疾患で頭頸部領域に好発する。今回,舌癌術後患者においてFDG-PETで顎下部にSUV値9.9の集積を認め,MRI,CT検査で舌癌の頸部再発を強く疑う所見を認めたため,全身麻酔下に腫瘤の切除術を行ったところ,病理組織学的に放線菌感染を伴う類表皮嚢胞であった症例を経験した。文献的には慢性型放線菌症は炎症所見が低く,造影CTやPETにおいても悪性腫瘍に類似する所見を示す場合があるとされる。造影CT,PETなどにて悪性腫瘍が疑われる場合でも鑑別診断として放線菌症などの炎症性疾患も考慮する必要があると考える。
  • 小池 剛史, 鎌田 孝広, 鈴木 滋, 嶋根 哲, 小林 啓一, 栗田 浩
    2011 年 23 巻 4 号 p. 161-166
    発行日: 2011/12/15
    公開日: 2012/01/24
    ジャーナル フリー
    HIV陽性患者では,頭頸部悪性腫瘍の発症率増加が指摘されている。HIV感染症を合併した患者では,積極的ながん治療の介入に伴い死亡率が有意に増加してしまうため厳格な管理が必要となる。しかしながら,HIV陽性頭頸部悪性腫瘍患者に対する治療法の選択に関する報告は少ない。今回われわれは,HIV感染を有する舌癌の1例を経験したので報告する。
    患者は40歳代男性,右舌癌(扁平上皮癌,T2N0M0)の加療依頼にて当院紹介となった。患者は術前の血液検査にてHIV抗体が陽性であることが判明した。患者のウイルス量は低く(3400copies/ml),CD4陽性Tリンパ球数は高く(527/μl)保たれていた。舌部分切除術および遊離皮膚移植術を施行した。初回手術から約6か月後,後発頸部リンパ節転移が認められた。追加の根治的頸部郭清術および術後放射線治療(1.8Gy/日,計63Gy,10週間)を施行した。これらの治療期間中,明らかな副作用の発現はなく,さらにHIV感染症の増悪もみられなかった。初回手術から7年以上が経過したが,再発や転移を認めず経過良好である。
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