日本口腔腫瘍学会誌
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27 巻 , 3 号
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第33回日本口腔腫瘍学会・学術大会
シンポジウム2:「下顎骨切除後の適切な再建法とは─切除範囲と再建法の標準化─」
  • 横尾 聡, 去川 俊二
    27 巻 (2015) 3 号 p. 21-29
    公開日: 2015/10/06
    ジャーナル フリー
    再建,特に下顎再建を含めた顎顔面口腔再建の標準化は極めて難しい。再建手術における標準化には2つの意味があると考えている。ひとつは再建方法,すなわち術式の標準化であり,もうひとつの意味は再建目的の標準化である。再建術式には様々な選択肢があるが,施設ごとの習慣や,場合によっては時々の流行,さらには医療者の技術やセンスなどに従って選択される傾向があるという特性を有する。再建手術が一種のartであり,「マイスターによるテイラーメキング」の特性を有していることは否定できない事実である。しかし,悪性腫瘍治療のみならず医療全体が科学的根拠重視,標準化の方向へ進みつつあることを考慮すると,再建手術もその大きな流れに逆らえない。これからは「scientist」による「practice」も強く要求される時代になるはずである。仮に術式の標準化を検討するにしても,最終的なゴールをどこに置くか,すなわち「再建の目的」を共通の認識,共通の言語として持たなければ,術式の選択と言うその先の標準化へはつながらない。再建目的の標準化は,術式の標準化を含めた標準的治療法決定の重要な第一歩と考えられる。この様な特性を有する下顎再建を含めた顎顔面口腔再建の標準化にはGRADE システムは最適なシステムであると考えられる。
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  • 去川 俊二, 加持 秀明, 宇田 宏一, 菅原 康志, 野口 忠秀, 森 良之, 西野 宏
    27 巻 (2015) 3 号 p. 30-34
    公開日: 2015/10/06
    ジャーナル フリー
    病気の治療を標準化するためには,何よりもその治療の目的,エンド・ポイントを明確にしなければ議論が不可能である。下顎切除・再建においては,新しい高度な技術が導入されている一方で,多くの症例で大きな機能障害が残存しないため,さまざまな治療法が選択可能となる。これらの多くは治療法として問題ないものなので,優先順位をつけた具体的な治療目標を達成できるかどうかを基準にして選択できるようにするのがこの論文の目的である。具体的には目標を絶対的,標準的,努力目標の3段階に設定し,それぞれに達成率を併記した。
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  • 石田 勝大
    27 巻 (2015) 3 号 p. 35-40
    公開日: 2015/10/06
    ジャーナル フリー
    下顎再建を標準化するに向けて数々の問題点がある。今回われわれは下顎再建の中でも手術因子を標準化することに関してのみ焦点をあて当院での症例を基に検討した。当院で2006年から2013年の間に,下顎切除後一期的に再建を行った73例を対象としretrospectiveに調査した。検討項目は手術時間,出血量,周術期合併症である。骨再建は35例で軟部組織再建は38例であった。手術時間に関しては双方に大きな差は認めなかった。出血量に関してはやや骨再建例が多かった。周術期合併症は骨再建が20%,軟部組織再建は16%で双方に有意な差は認めなかった。結果より年齢や併存疾患によらず一期的下顎再建は骨再建で統一しても問題ないと思われた。他分野治療でコンセンサスが確立されつつある時代に,下顎再建分野でも標準化という難題を克服する必要があると考える。
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  • 桐田 忠昭, 山川 延宏, 上田 順宏, 柳生 貴裕, 上山 善弘, 今田 光彦, 今井 裕一郎
    27 巻 (2015) 3 号 p. 41-48
    公開日: 2015/10/06
    ジャーナル フリー
    われわれは,腫瘍切除後の下顎再建法の選択について,1997年1月から2012年12月までの症例と特に下顎区域切除後に腓骨皮弁で再建した症例については,1987年7月から2012年12月までの症例について検討を行った。われわれの下顎切除後の下顎再建についての再建方針は,以下の通りである。1.腫瘍の進展が軟組織進展が主で下顎骨欠損が骨高径の1/4~1/3未満で残存骨高径が少なくとも15mm以上と予想される場合は,歯槽骨再建,軟組織再建ともになし,もしくは軟組織再建のみ。2.欠損が下顎骨高径1/3以上1/2未満または残存骨高径が10mm以上15mm未満と予想される場合は,(半側)腓骨または半側橈骨付き前腕皮弁による歯槽骨再建と軟組織再建。3.欠損が1/2以上または残存骨高径が10mm未満または区域切除となる場合は,腓骨皮弁による歯槽骨再建と軟組織再建を行う。症例数は,それぞれ77症例および47症例についてであり,腫瘍切除後の下顎再建におけるわれわれの再建方針と再建法の選択について,その妥当性を検討した。
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  • 横尾 聡, 橋川 和信, 宮崎 英隆, 牧口 貴哉, 古森 孝英
    27 巻 (2015) 3 号 p. 49-56
    公開日: 2015/10/06
    ジャーナル フリー
    われわれは,頭蓋顎顔面の形態的非対称は人間であれば必ず存在し,むしろ軽度の非対称が正常であるという計測学的事実と人間の視覚的非対称識別能力という二つの観点から顎顔面非対称を分類してきた。今回,この分類法をベースに,顎顔面非対称患者の術後における自己認識に影響を与える因子を見いだし,下顎再建への応用を試みた。さらに,これら因子と移植骨の吸収,そして末梢動脈疾患からみた腓骨の限界と絶対的適応症について検討した。過去19年間に神戸大学口腔外科,形成外科,群馬大学歯科口腔・顎顔面外科で腓骨皮弁により下顎区域再建された21例を対象とし,下顎欠損範囲と術後の整容性との関係について分析した。末梢動脈疾患(PAD)患者およびその予備軍における腓骨動脈温存の重要性については文献的に考察を行った。その結果,術後の非対称性認識,移植腓骨吸収さらに末梢動脈疾患(PAD)患者およびその予備軍における腓骨動脈温存の重要性等を考慮すると,遊離腓骨皮弁における下顎再建は,骨切りを要しない下顎直線部で,顎角部が温存された症例に限定され,それ以外では他の再建法を考慮する必要があると考えられた。
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  • 大山 哲生
    27 巻 (2015) 3 号 p. 57-65
    公開日: 2015/10/06
    ジャーナル フリー
    下顎骨欠損症例において機能再建を目指す場合,その治療目標をどこに定めるのかを顎顔面補綴医の立場から症例を通して検討した。
    下顎骨欠損症例に対する治療目標設定に影響を及ぼす因子は多数あるが,中でも舌機能の状態は,咀嚼機能回復を目標とするか否かを判断する重要因子となる。嚥下機能を温存しつつ咀嚼機能回復を行うためには,補綴空隙の確保や,下顎骨の連続性,上下顎の対向関係等多岐にわたる因子を考慮する必要があるため,症例毎の対応が必要となるが,チーム医療が適切に機能したときにその目標が達成される。
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原著
  • 山田 慎一, 柳本 惣市, 鳴瀬 智史, 松下 祐樹, 高橋 英哲, 近藤 英司, 鎌田 孝広, 梅田 正博, 栗田 浩
    27 巻 (2015) 3 号 p. 67-74
    公開日: 2015/10/06
    ジャーナル フリー
    上皮成長因子受容体に対する分子標的治療薬であるセツキシマブは著明な治療効果が期待できる反面,重篤な有害事象(Infusion reactionの発現の可能性や投与に関連する薬剤性肺障害の発症など)が報告されており,適切な症例選択と有害事象への対応が重要である。セツキシマブ療法における治療予測因子を検討する目的で口腔癌におけるEGFRv IIIとp16の発現と治療効果との関連を検討した。セツキシマブを用いて治療を行った14例においてEGFRv IIIの発現率は50.0%,p16は14.3%であった。セツキシマブ療法の治療効果とEGFRv IIIの発現との間に有意な関連がみられたが,P16との関連はみられなかった。本研究の結果から,EGFRv IIIの発現はセツキシマブ療法の治療効果予測因子となり得る可能性が示唆された。
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症例報告
  • 大西 祐一, 藤井 智子, 渡辺 昌広, 森田 章介, 覚道 健治
    27 巻 (2015) 3 号 p. 75-79
    公開日: 2015/10/06
    ジャーナル フリー
    口腔癌の下顎リンパ節転移は非常にまれである。今回われわれは下顎リンパ節転移をきたした下顎歯肉癌の1例を経験したので報告する。患者は70歳の女性で,歯肉の疼痛を主訴に当科を受診した。右側下顎第一大臼歯後方歯肉に15×15mmの潰瘍を伴う硬結を認めた。生検にて扁平上皮癌の診断を得たため,右側下顎辺縁切除術を施行した。術後3か月に右側頰部に造影CTで長径11mmの転移を疑うリンパ節を認めたためリンパ節摘出術を行った。以後,右側下顎リンパ節摘出術を行った部分や他のリンパ節に関しては,経過は良好である。
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  • 林 宰央, 恩田 健志, 大金 覚, 右田 雅士, 藥師寺 孝, 髙野 伸夫, 柴原 孝彦
    27 巻 (2015) 3 号 p. 81-86
    公開日: 2015/10/06
    ジャーナル フリー
    基底細胞腺腫の発生頻度は低く比較的まれな唾液腺良性腫瘍である。好発部位は耳下腺で,小唾液腺に発生することは非常にまれである。今回,われわれは上唇に発生した基底細胞腺腫のまれな1例を経験したので報告する。患者は75歳女性。5年前より上唇に無痛性で可動性の弾性硬な10mm大の腫瘤を自覚するも放置していたが,最近徐々に増大傾向を認めたため,精査加療を目的に当科を受診した。MRI所見より上唇正中部の被覆粘膜下に類円形なT2WIで高信号領域の内径が直径約5mm大,周囲境界明瞭で辺縁整な病変を認めた。十分な安全域をとり周囲健常組織と一塊として腫瘍を切除した。病理組織学的検査および免疫組織学的検査より基底細胞腺腫と診断した。現在,術後20か月が経過し腫瘍の再発,悪性化や転移は認めていないが,今後も慎重な経過観察が必要と考えられた。
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