日本口腔腫瘍学会誌
Online ISSN : 1884-4995
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28 巻 , 4 号
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寄稿論文
  • 藤内 祝, 梅田 正博, 桐田 忠昭, 柳本 惣市, 山下 徹郎, 平塚 博義, 横尾 聡, 丹沢 秀樹, 鵜澤 成一, 柴原 孝彦, 高野 ...
    28 巻 (2016) 4 号 p. 169-179
    公開日: 2016/12/29
    ジャーナル フリー
    口腔癌におけるセツキシマブの安全性と有効性を評価するために,多施設共同後ろ向き研究を行った。2012年12月から2014年6月までの間にセツキシマブを使用した放射線療法あるいは化学療法を行った145例について,有害事象および臨床経過を後ろ向きに検討した。
    セツキシマブを併用した放射線併用療法は65例に行われ,セツキシマブを併用した化学療法は80例に行われていた。全ての症例は初回のセツキシマブの投与を入院下での対応であった。セツキシマブによる主な有害事象であるinfusion reaction,ざ瘡様皮疹および間質性肺炎のgrade 3以上の発現率は,それぞれ3.4%,5.5%および2.1%であった。間質性肺炎はセツキシマブ放射線併用療法を受けた5例にみられた。セツキシマブ放射線併用療法の全奏功率は64.8%で,1年無増悪生存率および全生存率は,それぞれ24.1%および51.8%であった。一方,セツキシマブ+シスプラチン (あるいはカルボプラチン)+5FU療法の全奏功率は54.5%で,1年無増悪生存率および全生存率は,それぞれ25.0%および58.6%であった。
    セツキシマブは口腔癌に対して有害事象の面からも忍容性が高く適応であり,有効であった。
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第34回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会
シンポジウム1:「口腔癌検診」
  • 柴原 孝彦, 佐々木 朗
    28 巻 (2016) 4 号 p. 181
    公開日: 2016/12/29
    ジャーナル フリー
  • 齋藤 祐一, 石川 一郎, 市川 裕文, 田部 小百合, 田中 宏和, 児玉 健, 伊能 智明, 常葉 信也, 橋本 みゆき, 福田 善則, ...
    28 巻 (2016) 4 号 p. 182-190
    公開日: 2016/12/29
    ジャーナル フリー
    2014年に創立40周年を迎えた江戸川区歯科医師会は,江戸川区のスローガンである「元気なときこそ がん検診」の行政の協力のもと2011年より口腔がん集団検診を開始した。2013年には国内初の「口腔がん検診ナビシステム」を東京歯科大学と共同で導入した。2015年からは口腔がん個別検診を開始した。今回は江戸川区歯科医師会が行ってきた口腔がん検診の実績および「口腔がん検診ナビシステム」について検討を行ったので報告する。
    検診対象者は,集団検診においては,江戸川区歯科医師会に直接電話にて希望者を公募し予約制とした。個別検診に於いては,40歳以上の江戸川区民とし,希望者に受診券を送付し協力医診療所にて検診を行った。
    結果は,2011年から2015年までの5年間の集団検診における総受診者数は886名で,このうち口腔がんが2例(0.23%)発見された。2015年からの個別検診における総受診者数は1,416名で,このうち口腔がんが2名(0.14%)発見された。
    一般に口腔がん集団検診におけるがん発見率の0.1%と比較し,江戸川区の口腔がん検診は他地域より明らかに高率な口腔がん発見率が得られ,検診が早期発見に寄与することが期待された。さらに「口腔がん検診ナビシステム」は一般開業歯科医院から個別検診において寄せられた質問に東京歯科大学がコントロールセンターとして回答するものである。このシステムはわれわれ一般開業歯科医師がチェアサイドで専門医の意見が聞ける点が特徴である。これらわれわれの取り組みが,他の地方行政団体においても口腔がん検診を行うきっかけとなり,1人でも多くの口腔がん患者を早期発見し救う一助になればと考える。
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  • 石川 好美, 太田 嘉英, 小早川 元博, 石井 宏昭
    28 巻 (2016) 4 号 p. 191-196
    公開日: 2016/12/29
    ジャーナル フリー
    2006年に日本口腔外科学会神奈川県医療連携部会と神奈川県歯科医師会との共同事業の一つとして口腔がんの集団検診を開始した。神奈川県の口腔がん検診事業は,県歯科医師会会員に対する研修会と口腔外科専門医と認定歯科医師によるダブルチェックで行う集団検診とからなる。
    検診事業の概要と集団検診の結果は以下の通りである。
    1)9年間で1,302人の歯科医師が集団検診協力医に認定され,神奈川県歯科医師会員の35%にあたる。
    2)9年間で158回の口腔がん集団検診が実施された。
    3)9年間で7,199人(男性2,150人,女性5,049人)が集団検診を受け,平均年齢は64.7歳であった。
    4)全体の81.4%が異常なしで,要経過観察が11.8%,要精密検査が6.5%であった。
    5)9例が口腔がんと診断されて,そのうち5例が舌で口底,下顎,口蓋,軟口蓋が各1例であった。
    これらのデータを分析し有効に活用することが重要である。近い将来には,いくつかの地域では集団検診と個別検診の両方を実施したいと考えている。
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  • 片倉 朗
    28 巻 (2016) 4 号 p. 197-206
    公開日: 2016/12/29
    ジャーナル フリー
    本学では地域の歯科医師会と共同した口腔がん検診事業を1990年から開始し,本年で25年が経過した。現在までに本学の3つの附属病院の口腔外科,歯科・口腔外科ならびに口腔がんセンターが協力して,連携する各地域の環境にあった口腔癌検診事業を継続的に行ってきた。1992年に千葉市歯科医師会と本格的に開始した口腔癌検診事業は2015年9月現在,千葉県,東京都,埼玉県の14の市に広がり,それぞれの地域性に合わせた形式で年1~3回の集団検診を行っている。1992年から2008年までの集団検診において千葉県全域では7,030名の検診を行った。その中で,口腔癌8名,前癌病変60名,検査または治療が必要な口腔粘膜疾患(良性腫瘍,扁平苔癬など)707名が抽出され,口腔癌の発見率は0.11%であった。この発見率は各年の累計でもほぼ同様であった。また,口腔癌検診の普及のために以下のことに取り組んできた。(1)市民への口腔癌の周知活動,(2)地域歯科医師会の会員をはじめとした一般の歯科医師への生涯教育活動,(3)行政への口腔癌の予防,早期発見の重要性の説明,(4)口腔癌スクリーニングのためのインフラの整備ならびに検査機器や検査方法の開発,などである。これらの活動の成果として,4つの市区では行政からの予算の補助によって恒常的に歯科診療所における任意型の検診を実施するに至った。
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  • 杉山 芳樹, 野宮 孝之, 熊谷 章子, 星 秀樹, 山田 浩之, 岸 光男
    28 巻 (2016) 4 号 p. 207-215
    公開日: 2016/12/29
    ジャーナル フリー
    われわれは岩手県において,2つの形式の口腔がん検診を行っているので報告する。この口腔がん検診の1つは個別検診で2010年から開始し,もう1つは集団健診で2011年から開始した。
    個別検診は,岩手県歯科医師会会員が各自の診療室で日常の歯科臨床の中で行うものである。われわれは検診のためのマニュアル作成や患者の受け入れを行った。2010年,2011年で岩手県歯科医師会会員は59名の患者の診療依頼書を作成し,その内52名(88.1%)が岩手医科大学附属病院を受診した。52名中8名(15.4%)が病理組織学的に口腔がんであった。集団健診は岩手県大槌町で口腔粘膜疾患のコホート研究として行った。対象は住民2,001名であった。2011年の最初の健診で,2名(0.10%)の口腔がん患者と9名(0.45%)の白板症患者,6名(0.30%)の口腔扁平苔癬患者がみられた。2012年から2015年の間に,2名(0.14%)の口腔がん患者と32名(2.32%)の白板症患者が,さらに23名(1.66%)の口腔扁平苔癬患者がみられた。この期間の受診者は,年平均1,382名であった。
    口腔がん患者の早期発見のためには,一般歯科医による日常の診療での個別検診が非常に有効と思われる。また,今回のわれわれのコホート研究で口腔がん,白板症,口腔扁平苔癬の発症率が算出された。今後,研究を継続することで,さらに正確な粘膜疾患発症率や発症因子が判明するものと思われる。
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シンポジウム5:「救済手術について」
  • 長谷川 和樹, 横尾 聡
    28 巻 (2016) 4 号 p. 217
    公開日: 2016/12/29
    ジャーナル フリー
  • 横尾 聡, 小川 将
    28 巻 (2016) 4 号 p. 218-224
    公開日: 2016/12/29
    ジャーナル フリー
    2010年1月から2014年12月までの5年間に群馬大学口腔外科にて手術が施行された口腔癌1次症例366例中,当科の口腔癌治療プロトコールに沿って治療が完全遂行されたにもかかわらず原発巣再発をきたした症例は3例 (0.8%) であった。頸部再発は認められなかった。3例中,外科療法を施行した1例のみ救済可能であった。
    これらの再発3症例を総括すると,細胞生物学的に癌細胞が細胞単位でびまん性に浸潤するINFcやbudding 3個以上,臨床的進展度では,舌では半側切除以上が必要な程度の進展,下顎歯肉では下顎区域切除が必要な程度の進展,さらには,頸部リンパ節転移など,これらの高悪性型病態が複合された症例であった。かかる症例では,初回治療時に標本上,たとえ完全切除が成されていたとしても,術後再発高リスク症例として,原発巣および頸部共に術後治療の検討が必要かもしれない。また,たとえ再発したとしても症例3の様に外科療法が可能であれば救済は可能かもしれない。
    いずれにしても,術前に腫瘍の細胞生物学的な病態や臨床的病態を踏まえて適切な治療計画を設定し,腫瘍再発防止策を講じることが重要である。
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  • 上田 倫弘, 山下 徹郎, 林 信, 高後 友之, 細川 周一, 山下 新之助, 新山 宗, 中嶋 頼俊
    28 巻 (2016) 4 号 p. 225-231
    公開日: 2016/12/29
    ジャーナル フリー
    進行口腔癌に対する根治性の向上,外科的切除の回避,遠隔転移予防の観点から,顎口腔癌に対する導入化学療法(induction chemotherapy:ICT)としてのTPF療法(TPF-ICT)が期待されている。しかし,毒性が高く重篤な副作用も報告され切除可能例では慎重な取り扱いが要求される。重篤な副障害症例や効果が低い症例では,本療法を打ち切り,後続治療へsequenceしている。後続治療は,切除可能例では手術が選択され,切除不能例では放射線治療が選択される。さらに放射線治療後の残存腫瘍は可能であれば切除手術を施行している。
    病期 IV の進行口腔扁平上皮癌に対してTPF-ICTを行ったのは49例で,原発巣の奏効率は57.1%で頸部リンパ節は65%であった。有害事象では,Grade 3以上の血液毒性は白血球減少が49例中37例 (75.5%),Hb減少16例 (32.7%),血小板減少11例 (22.4%) であった。その他のGrade 3以上の障害は,腎不全1例,悪心嘔吐1例,食欲不振2例,下痢3例であった。また,晩期障害として末梢神経障害を19例 (38.8%) に認めた。TPF-ICT後に手術を施行したのは37例 (TPF–RT後:6例,TPF後:31例) であった。放射線併用超選択的動注化学療法後に救済手術を行った42例を比較対象として,手術時間,出血量,局所合併症,皮弁生着率,救済率を検討したところ,TPF-ICT群で手術時間のみが有意に短縮し,合併症発生率,皮弁生着率,救済率について有意差はなかった。救済手術後の2年全生存率はTPF導入療法:70.5%,CCRT-HFT:52.1%で,3年全生存率ではそれぞれ59.2%,50%であった。TPF-ICTは,進行顎口腔癌に対する有効な治療法と考えられた。
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  • 伏見 千宙, 多田 雄一郎, 増淵 達夫, 松木 崇, 菅野 千敬, 岡田 拓郎, 佐々木 剛史, 丹羽 一友, 町田 智正, 三浦 弘規, ...
    28 巻 (2016) 4 号 p. 232-236
    公開日: 2016/12/29
    ジャーナル フリー
    当科にて救済手術を施行した口腔扁平上皮癌深部再発症例27例の検討を行った。救済手術後の1年生存率は75%,2年生存率は61%であった。無病生存期間は中央値10.9か月(2.6か月~61.3か月)であった。予後不良因子は術後病理断端陽性・近接および,原発巣亜部位が舌・口腔底・頰粘膜であった。原発巣再々発部位は,後方および副咽頭間隙が88%を占めており,後方の安全域の設定,副咽頭間隙郭清も考慮すべきと考えられた。
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  • 山川 延宏, 桐田 忠昭
    28 巻 (2016) 4 号 p. 237-244
    公開日: 2016/12/29
    ジャーナル フリー
    近年,口腔癌に対する一次治療はほぼ確立されてきており,治療成績も向上している。さらなる治療成績の向上を図るには再発症例に対する治療成績を向上させる必要がある。今回は,根治治療後に局所(原発巣・頸部)再発した症例に対する救済手術症例を中心に検討を行った。対象は1999年1月から2012年12月までの間に,当科にて根治手術を行った症例および根治療法として化学放射線療法または放射線療法を選択しCRが得られた症例381例である。全対象症例381例中87例に局所再発を認め,再発率は22.8%であった。再発の状態としては,原発巣のみに再発を認めた症例が57例,頸部再発のみを認めた症例が15例,原発巣および頸部に再発を認めた症例が8例,原発巣再発に頸部転移を伴った症例が7例であった。再発症例に対して救済手術は45例(51.7%)に施行されていた。救済手術施行症例の3年生存率は71.3%,3年再再発率は30.1%であった。また,初回治療から再発までの期間(無病期間)が12か月以上であることが良好な予後因子であった。再発時には手術施行例が比較的良好な結果が得られたことから,これらを十分に考慮した手術適応を考えるべきであると思われる。
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シンポジウム6:「エナメル上皮腫診療ガイドライン」
  • 柴原 孝彦, 山口 朗
    28 巻 (2016) 4 号 p. 245
    公開日: 2016/12/29
    ジャーナル フリー
  • 野村 武史
    28 巻 (2016) 4 号 p. 246-255
    公開日: 2016/12/29
    ジャーナル フリー
    2005年にWHOが歯原性腫瘍の組織分類を発表したのを受け,日本口腔腫瘍学会は歯原性腫瘍のガイドラインを作成するためのワーキンググループを設置した。まず口腔外科診療施設を対象に全国調査を実施し,集計を行った。その結果,歯原性腫瘍5193例中エナメル上皮腫が最も多く28.1%,次いで角化囊胞性歯原性腫瘍24.2%,歯牙腫20.8%であった。次に全国から集計されたエナメル上皮腫947例の調査を行った結果,充実・多囊胞型が74.9%と最も多く,次いで単囊胞型が17.1%,類腱型が4.1%,骨外型/周辺型が3.0%であった。治療法は,顎骨保存療法が83.6%,顎骨切除法が73.8%であった。この結果をふまえ,2015年に「科学的根拠に基づくエナメル上皮腫診療ガイドライン」を作成した。
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  • 箕輪 和行, 岡田 和樹
    28 巻 (2016) 4 号 p. 256-263
    公開日: 2016/12/29
    ジャーナル フリー
    エナメル上皮腫は一般的に顎骨内に発生するため,視診,触診による評価は難しく,画像診断の役割は大きい。
    エナメル上皮腫の診療ガイドラインにおいてエナメル上皮腫の診断に有用な画像検査は,検討の結果,口内法エックス線撮影,パノラマエックス線撮影,CTおよびMRIの全てとなったが,各診断モダリティーの特性を活かした診断を行うことが重要となる。
    エナメル上皮腫との鑑別が画像上,特に必要な疾患は,頻度を考慮し,角化囊胞性歯原性腫瘍,含歯性囊胞,歯根囊胞となった。
    エナメル上皮腫の画像所見と予後に関する報告は少ないが,単房性のエナメル上皮腫に比べ多房性のエナメル上皮腫の再発率が高いとの報告がみられ,また,良性エナメル上皮腫から悪性転化が存在する場合は予後不良であった。
    転移性(悪性)エナメル上皮腫は,臨床的に転移を呈するが,良性のエナメル上皮腫と同様の画像所見を示した。エナメル上皮癌は,境界不明瞭,骨破壊および周囲組織への浸潤など悪性を示唆する画像所見を呈した。
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  • 坂本 啓
    28 巻 (2016) 4 号 p. 264-269
    公開日: 2016/12/29
    ジャーナル フリー
    2005年のWHO分類におけるエナメル上皮腫の4つの型(充実型/多囊胞型,骨外型/周辺型,類腱型,単囊胞型)は腫瘍の臨床的動態との関連が認められ,病理組織診断は治療方針の決定に重要である。エナメル上皮腫と歯原性癌腫との鑑別は細胞異型などの種々の病理組織所見を参考にして行う。歯原性癌腫は,組織像と臨床経過によっていくつかに分類される。歯原性癌腫は稀であるため,サブタイプと臨床的動態の相違については不明な点が多い。歯原性癌腫分類の臨床的な有用性を評価するには,さらなるデータの蓄積が必要である。
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  • 森田 章介
    28 巻 (2016) 4 号 p. 270-277
    公開日: 2016/12/29
    ジャーナル フリー
    エナメル上皮腫に対する治療法のガイドライン策定に当たっては,顎骨保存外科療法と顎骨切除法の2種類の治療法についての適応を探ることを主目的とし,それぞれの治療法の有用性を検証した。
    Clinical Question 1:エナメル上皮腫の手術について顎骨保存外科療法を適応するのはどの場合か。
    骨外型/周辺型や単囊胞型,さらに充実型/多房型の一部も適応と考えられるが,単囊胞型ではさらにその亜型(サブタイプ)により手術法を決定することが勧められている。また,顎骨保存外科療法を行う際には,単純な掻把術や摘出術では高い再発率が報告されている。このため,腫瘍を摘出した後に周囲骨の掻爬や削除,カルノア液による化学的焼灼法や凍結外科の併用などが推奨されている。
    Clinical Question 2:エナメル上皮腫の手術について顎骨切除術を適応するのはどの場合か。
    エナメル上皮腫のいずれの症例にも適応できるが,とくに充実型/多房型や類腱型に用いられることが多い。根治性の高い治療法であるが,年齢,性別,全身状態などを考慮する必要がある。
    Clinical Question 1,2に関する検証はいずれも推奨グレードはC1で,「十分な科学的根拠はないが,行うことを考慮しても良い。有効性が期待できる可能性がある。」ということになる。
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症例報告
  • 米田 雅一, 平木 昭光, 中山 秀樹, 尾木 秀直, 緒方 克守, 篠原 正徳
    28 巻 (2016) 4 号 p. 279-285
    公開日: 2016/12/29
    ジャーナル フリー
    Burkittリンパ腫は高悪性度B細胞腫瘍で,急速に進行する臨床症状が特徴的である。患者は18歳,男子でオトガイ神経領域の知覚異常と下顎骨体部の自発痛を初発症状として初診した。当初より悪性腫瘍の可能性を想定し諸検査を実施したところ,下顎骨にX線的な変化を認めたが,頭頸部領域には腫瘍性病変や腫大リンパ節は見られなかった。そのため追加検査を行ったが,検査しているうちに全身に病変が発現し,結果としてBurkittリンパ腫の診断がなされた。診断確定後CODOX-M/IVAC交替療法による化学療法を開始し,治療中にPET-CT画像上complete responseとなったが,その後再発し,初診から1年後に死亡した。
    頭頸部領域に初発した悪性リンパ腫において,特に腫瘤の顕在化に乏しい症例では生検前に鑑別診断を絞り込むことは非常に困難な場合がある。しかし,オトガイ神経領域の知覚異常などの自覚症状を有し,臨床上悪性腫瘍の可能性を否定できない場合には,造血器悪性腫瘍や悪性リンパ腫,他臓器悪性腫瘍の遠隔転移を考慮し,PET-CTなどの検査を用いて積極的に全身的な検索をすることが疾患の早期診断につながる可能性がある。
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  • 柚鳥 宏和, 石田 優, 松本 耕祐, 松尾 健司, 辻 和志, 橘 進彰, 古森 孝英
    28 巻 (2016) 4 号 p. 287-291
    公開日: 2016/12/29
    ジャーナル フリー
    舌の筋肉内脂肪腫の報告はまれであり,われわれは83歳男性の舌に発生した筋肉内脂肪腫を経験したので報告した。症例は83歳男性,舌の腫脹を主訴に紹介された。T1,T2強調画像にて28×19×31mm大の腫瘤を認めた。全身麻酔下に舌腫瘍摘出術を行った。病理組織学的所見は,成熟した大小不同の脂肪細胞の増殖からなり,内部に筋線維束が認められたため,舌の筋肉内脂肪腫と診断した。術後10か月まで再発なく経過している。
    本邦でこれまでに報告された舌の筋肉内脂肪腫は10例であった。
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  • 見立 英史, 川野 真太郎, 清島 保, 三上 友里恵, 後藤 雄一, 河津 俊幸, 池邉 哲郎, 中村 誠司
    28 巻 (2016) 4 号 p. 293-298
    公開日: 2016/12/29
    ジャーナル フリー
    舌対称性脂肪腫症(SLT)は,成熟した脂肪組織が両側の舌筋内へ浸潤性増殖する疾患と定義される。今回われわれは,巨舌を呈したSLTの症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する。
    患者は,両側舌縁部に無痛性で弾性軟,多発性の腫瘤を認めた71歳の男性である。舌縁部の外向性腫瘤により,患者の舌幅は下顎の歯列弓幅よりも広く,いわゆる巨舌を呈していた。両側舌縁部の腫瘤は,MRIのT1および T2強調画像で高信号,T2脂肪抑制像で信号低下を示した。生検組織の病理組織学的診断は脂肪腫であった。病変が対称性はないものの,両側の舌縁部にあることから,SLTと診断した。慢性心房細動に対して抗凝固薬を内服しており,術後の出血および腫脹による気道閉塞が懸念されたため,左右2回に分けて全身麻酔下に腫瘍減量術を行った。切除物の病理組織検査では,成熟した脂肪組織が舌筋組織内へ浸潤性増殖している所見がみられ,病理組織学的診断はSLTであった。術後2年経過したが,増大所見は認めない。
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