日本口腔腫瘍学会誌
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総説
  • —口腔内USによる舌癌DOI評価の系統的文献レビュー—
    林 孝文
    2025 年37 巻4 号 p. 117-124
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/22
    ジャーナル フリー
    口腔癌の診療において画像診断は不可欠であり,なかでも超音波診断は,近年の装置や探触子の高性能化・小型化により,ベッドサイドやチェアサイドで行われるポイント・オブ・ケア(Point-of-Care:POC)診断として注目されており,口腔癌治療医自身が実施可能な診断モダリティとしての口腔内超音波診断(口腔内US)への期待が高まっている。本レビューは,第43回日本口腔腫瘍学会総会・学術大会にて発表されたものであり,「舌癌症例における深達度(Depth of Invasion:DOI)の正確な評価において,口腔内USはMRIより推奨されるか?」という臨床的疑問(CQ)に対し,GRADEシステムに基づいて文献レビューを行ったものである。PubMed検索により抽出された10件の文献から,病理DOIとの一致度をBland-Altman解析で評価した4件を採用した。いずれの研究も,MRIよりも口腔内USの方が病理DOIに近い結果を示していた。加えて,EtDフレームワークを用いて利益と害,資源使用,患者の価値観,実現可能性を総合的に評価した。以上の結果をもとに,「舌癌症例におけるDOI評価において,口腔内USの使用をMRIより優先して考慮することを,条件付きで推奨する」と結論づけた(エビデンスの確実性:中等度)。
  • —現状と課題—
    山城 正司, 柳下 寿郎
    2025 年37 巻4 号 p. 125-132
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/12/22
    ジャーナル フリー
    頭頸部癌学会の全国悪性腫瘍登録報告書からの集計では,口腔癌Stage分布の年次推移に最近20年間変化はみられず,現在でも進行癌が多い。一方,中咽頭,下咽頭では,早期病変で診断・治療される割合が増加している。
    口腔癌の早期診断のためには,早期癌の病態および前駆病変の臨床・基礎医学的なデータ蓄積と検討が必要である。しかし,咽頭表在癌とは異なり,口腔表在癌の定義づけがなされていないため,口腔上皮性異形成(OED),上皮内癌(CIS),上皮下層浸潤癌(SCC-SM)を「口腔表在性病変」として検討を行った。
    口腔表在性病変の診断のゴールド・スタンダードは生検による組織診断であり,細胞診は補助診断として有用であるが,病変の中心部からのサンプリングが重要である。また,OEDの治療管理に関する明確なコンセンサスはないが,軽度異形成やOEDを伴わない病変からも悪性化することがあり注意を要する。
    口腔表在性病変の診断と治療について,現状と課題について報告する。
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