日本口腔腫瘍学会誌
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7 巻 , 4 号
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  • Mervyn Shear
    1995 年 7 巻 4 号 p. 299-303
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
  • 冨永 和宏, 冨永 尚宏, 徳久 道生, 松尾 長光, 川崎 五郎, 伊藤 道一郎, 藤樹 亨, 空閑 祥浩, 水野 明夫, 梅本 俊夫
    1995 年 7 巻 4 号 p. 304-311
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    口腔扁平上皮癌一次症例に対する手術と放射線療法が宿主の細胞性免疫能に与える影響を調べるため, NK活性, LAK漕性, IL-2産生能を含めたいくつかの免疫パラメーターを選択し, 1989年から1993年までに治療を行った22例を評価した。
    手術前後の免疫学的パラメーターの有意な変動は, 術後2週の末梢血白血球数の増加以外にはみられなかった。放射線照射の直後ないしは1か月後に白血球数, リンパ球数の有意な減少と, リンパ球幼若化反応, LAK活性, IL-2産生能の有意な低下がみられた。3か月後までに免疫学的パラメーターは照射前のレベルまで回復した。照射による単球数, NK活性の変動はほとんどみられなかった。
  • 石川 好美, 海野 智, 川辺 良一, 斎藤 友克, 小林 園生, 大村 進, 小野 繁, 藤田 浄秀
    1995 年 7 巻 4 号 p. 312-318
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    1982年から1992年までの11年間に横浜市立大学医学部口腟外科で治療した80歳以上の頭頸部悪性腫瘍患者は29名であった。内訳は男性12名, 女性17名で26例が一次症例で3例が二次症例であった。
    病理学的診断では26例 (90%) が扁平上皮癌であった。部位別では舌が7例, 頬粘膜と上顎歯肉が各6例と多かった。病期分類では, Stage Iが2例, Stage IIが8例, Stage IIIが5例, Stage IVが12例であった。
    治療態度から手術群, 根治的放射線治療群, 姑息的治療群の3群に分類し, Kaplan-Meier法で生存率を検討した。手術群は3年, 5年とも15%, 放射線治療群は3年, 5年とも30%であり姑息群は1年で0%になった。根治治療群の治療成績は, Stage IとStage IIが5年で50%でStage IIIとStage IVは3年で0%になった.残念にも7例 (50%) が非担癌で他病死した。これは非常に高率であり, 超高齢者における悪性腫瘍治療の特徴を示していた。
    これらの結果から, 超高齢者の治療で最も大切な事は, 全身状態ならびに精神状態を十分検討の上適切な治療法を選択することである。実際にそれを評価する上でParformance Statusが最も有効な情報であった。なぜならば超高齢者ではQOLを維持しながら治療しなければならないからである。
  • 栗田 浩, 倉科 憲治, 小谷 朗
    1995 年 7 巻 4 号 p. 319-325
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    口腔粘膜において歯科用ヨードグリセリン液を用いたルゴール染色を応用し, 各種粘膜の染色性, および, 染色機序の検討を行った。結果は以下のとおりである。
    1.正常非角化上皮はルゴール染色陽性を示し, 正常角化上皮はルゴール染色陰性を示した。
    2.悪性病変および悪性化の可能性を秘めた病変は全てルゴール陰性を示した。
    3.非特異性炎症病変は, ルゴール染色における染色性は一定ではなかった。
    4.ルゴール染色陽性を示した上皮では豊富なグリコーゲンが観察され, 一方, ルゴール染色陰性を示した上皮ではほとんどグリコーゲンは存在しなかった。
    5.ルゴール染色性と上皮の角化度との, 明確な関連は認めなかった。
    以上の結果から, すべての口腔粘膜悪性病変および異型上皮はルゴール染色により非染色域として検出されると結論された。また, 染色機序は上皮内グリコーゲンと関連があると考えられた。
  • 今井 裕, 市川 一夫, 佐々木 忠昭, 嶋田 出, 福田 瑞恵, 塩田 芳美, 藤林 孝司
    1995 年 7 巻 4 号 p. 326-333
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    口腔・口峡咽頭扁平上皮癌切除後の軟部組織欠損10症例に対し, 遊離前腕皮弁を用い再建手術を行った。これらの性別は, 男性8例, 女性2例で, 年齢分布は, 46歳から72歳までで, 平均60.7歳であった。原発部位は, 舌5例, 下顎歯肉, 口峡咽頭部各2例, 下顎骨中心性1例であった。皮弁の生着状態は, 9例が良好で, 全壊死1例であった。予後では, 生存5例で, これらに担癌例はなく, 死亡5例では, 腫瘍の制御に失敗したもの4例 (進展例ならび2次症例各2例) で, 他の1例は術後DICの併発によるものであった。術後機能 (咀嚼, 嚥下, 発音) は, 全症例で若干の障害がみられたが, 日常生活に大きな支障はなく, おおむね良好と思われた。
  • 有末 眞, 柴田 敏之, 足利 雄一, 小野 貢伸, 藤原 敏勝, 戸塚 靖則, 野谷 健一, 福田 博, 飯塚 正, 雨宮 璋
    1995 年 7 巻 4 号 p. 334-346
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    1967年8月から1992年7月までの25年間に, 北海道大学歯学部口腟外科で病理組織学的に小唾液腺腫瘍と診断された166症例について臨床的に検討し以下の結果を得た。
    1.良性腫瘍は60.8%, 悪性腫瘍は39.2%であった。
    2.部位では口蓋に最も多く, 全体の62.7%を占めていた。
    3.組織型では多形性腺腫が最も多く, 全腫瘍の59.0%, 良性腫瘍の97.0%を占めていた。
    4.悪性腫瘍では, 粘表皮癌, 腺様嚢胞癌が多く, 両者で全体の31.4%, 悪性腫瘍の80.0%を占めていた。
    5.良性腫瘍は男性 (39.6%) に比べ女性 (60.4%) に多く, 悪性腫瘍でも男性 (41.5%) に比べ女性 (58.5%) が多かった。
    6.平均年齢は良性腫瘍では44.2歳, 悪性腫瘍では53.7歳で, 良性では各年代にほぼ均等に分布していたが, 悪性では中高年齢層に多かった。
    7.疼痛, 潰瘍, 大きさ (≧41mm) が悪性腫瘍では頻度が高かった。
    8.口底, 日後部, 歯槽部, 舌に生じたものは悪性の比率が高かった。
  • 井手山 美佳子, 横江 義彦, 竹信 俊彦, 瀬上 夏樹, 西田 光男, 村上 賢一郎, 兵 行忠, 飯塚 忠彦
    1995 年 7 巻 4 号 p. 347-353
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    口腔および上顎洞癌24例について, 術前の造影CT上で確認された128個の頸部リンパ節の画像所見とそれに対応する摘出リンパ節の転移の有無ならびに病理組織学的な進展度を比較した。頸部リンパ節のCT所見は, (1) リング状の増強を示すもの, (2) 不均一な増強を示すもの, (3) 均一で増強所見のないものの3種類に分類した。その結果, CT上でリング状の増強を示すリンパ節は転移リンパ節である傾向にあった。さらに, 転移リンパ節のうちCT上でリング状の増強が認められたリンパ節は節外浸潤あるいはびまん性に増殖する傾向が強いのに対し, 一部不均一な増強がみられるもの, あるいは全く増強所見を示さないリンパ節は病理組織学的進展度が低い傾向がみられた。
    すなわち, 術前のCT所見により, 節外浸潤の有無や組織学的悪性度の推測が可能であることが示唆された。
  • 岡本 圭一郎, 和田 健, 原田 昌和, 川島 稔弘, 井辺 弘樹, 森田 展雄, 坂本 忠幸
    1995 年 7 巻 4 号 p. 354-358
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    食道癌発生後, 口腔粘膜の4ヵ所から発生した多発癌の1例についてその概要を報告し, さらに口腔多発癌について若干の文献的考察を加えた。症例は食道, 下顎歯肉, 軟口蓋, 舌の2ヵ所に発生し, いずれも組織学的に扁平上皮癌であった。食道癌は放射線療法, 外科療法が某外科で行われ, 口腟癌については当科にて化学療法, 外科療法を主体として行い現在まで良好な経過をたどっている。今後, 増加が予想される口腟多発癌の取扱方法としてQOLの観点から, 1) 外科的切除量を最小限にするため術前化学療法, 等を効果的に用いることで縮小手術を行い, 顎口腔機能の低下を可能なかぎり抑制する。2) 口腟癌と重複することが多いとされる上部消化管の精査を行い重複癌の早期発見を行う。3) 喫煙, 飲酒等の発癌危険因子の制限を含めた患者の日常生活指導を行うなどの必要があることが考えられた。
  • 川崎 五郎, 冨永 和宏, 空閑 祥浩, 水野 明夫, 岡邊 治男
    1995 年 7 巻 4 号 p. 359-362
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    多形性腺腫は唾液腺で最も多くみられる腫瘍であり, その多彩な病理組織学的所見が大きな特徴の一つである。本腫瘍において, 病理組織学的にしばしば小さな嚢胞がみられるが, 肉眼的にみられるような大きな嚢胞を形成することはまれである。
    今回, 28歳男性の左側耳下腺にみられた, 大きな嚢胞を伴う多形性腺腫の1例を経験したので報告した。各種検査を行ったが, 今回は, 造影CTによる所見が診断に最も有効であった。
    腫瘍は外科的に摘出し, 病理組織学的に多形性腺腫の診断を得た。
    術後5年を経過するが再発の傾向なく, 経過良好である。
  • 伊藤 竜男, 山田 健久, 林 康司, 藤内 祝, 上田 実, 岡崎 恭宏, 山田 祐敬
    1995 年 7 巻 4 号 p. 363-368
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    頭頸部以外に原発した悪性腫瘍が口腔領域に転移したものは比較的まれである。今回, 口腔領域に転移した悪性腫瘍の症例を2例経験したので報告した。
    症例1は左頬部の腫脹を主訴に当科来院した84歳の女性である。口腟内病変部の生検の結果は腺癌であった。患者は約10年以上前に左乳房腺癌の既往を有し, 病理組織学的検討などより, 乳癌の口腟内への転移と診断した。
    症例2は左頬部から顎下部にかけての腫脹と疼痛が主訴の71歳の男性である。臨床診断は下顎歯肉癌で, 生検の結果は大細胞癌であった。レントゲン, CT, 喀痰細胞診より肺の大細胞癌が疑われ, 肺癌の口腔内への転移と診断した。
  • 木村 幸紀, 花澤 智美, 関 健次, 道 健一, 南雲 正男, 岡野 友宏
    1995 年 7 巻 4 号 p. 369-376
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    外側咽頭後リンパ節いわゆるルビエールリンパ節 (RN) への口腟癌の転移は非常に稀である。
    顎口腔領域の癌から両側性にRNへの転移をきたした2症例を報告する。1例は51歳の男性で, 上顎歯肉癌 (TINO) に対する上顎部分切除後に局所再発と両側頸部リンパ節転移を生じた。両側の頸部郭清術と上顎亜全摘を施行したが, 8か月後にCTで片側のRN転移がみられた。その後, 化学療法を繰り返したが, 約6か月後のCT検査で対側にも本リンパ節転移がみられた。よって, 両側のRN転移と診断した。他の1例は66歳の男性で, 上顎洞癌 (T3N1) であった。化学療法を同時併用した放射線治療後に, 上顎部分切除と上頸部郭清術を施行した。しかし, 術後9か月にCTで頸部リリンパ節転移とRN転移がみられた。頸部へ外照射を施行したが, 1か月にCTで対側のRN節転移がみられ両側転移と診断した。2例ともRN転移への治療効果がみられたが, 2か月前後で遠隔転移にて死亡し極めて予後不良であった。本転移の原因として, 頸部郭清術や腫瘍塞栓によるリンパ流が変化が考えられた。両側転移は, 対側からの転移や全身性に生じた遠隔転移の結果として成立したものと推測した。よって, 口腔癌と言えど症例によっては, RNの画像診断学が必要であると考えられた。
  • 太田 信介, 大村 進, 堅田 裕, 川辺 良一, 藤田 浄秀, Yutaka Nakajima, Sadahiko Usui
    1995 年 7 巻 4 号 p. 377-380
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    嚢胞状リンパ管腫はその90%が2歳までの小児に認められる腫瘍であり, 成人になって本症を認めることはまれである。また, 好発部位は頸部で, なかでも側頸部に好発する腫瘍である。今回我々は, 成人の前頸部に認められた極めてまれな嚢胞状リンパ管腫の1例を経験したのでその概要を報告した。
    症例は38歳男性で, 前頸部の無痛性の腫脹を主訴に初診した。前頸部に, 大きさおよそ9.5×8.5cmの瀰漫性の腫脹を認めた。表面皮膚は正常で硬さは弾性軟, 可動性は不良で明らかな波動は触知しなかった。穿刺吸引を施行し, 一時腫脹は消退したが, 4日後腫脹は急激に増大し軽度の呼吸困難を訴えたため, 緊急入院となり, GOS全身麻酔下に腫瘍摘出術を施行し, 良好な結果を得た。
  • 野添 悦郎, 三村 保, 登 正太郎, 平原 成浩, 梁 少銘, 仙波 伊知郎, 北野 元生
    1995 年 7 巻 4 号 p. 381-386
    発行日: 1995/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    10歳男児の下顎骨に発生した中心性巨細胞肉芽腫の1例について報告する。
    病変はX線像で右側下顎枝やや上方に約40×40mm大, 単房性の嚢胞様病変を呈し, 下顎骨は病変によって膨隆し, 皮質骨は菲薄化していた。生検時, 巨細胞肉芽腫が疑われた。穿刺にて血性漿液を吸引し, 生検時出血が顕著であったため, 全身麻酔下, 外頸動脈を一時結紮し, 口腔外より腫瘍摘出を行った。腫瘍の周囲にはシャーベット状の骨組織を認め, 腫瘍は下顎骨から容易に剥離可能であった。
    病理組織学的検索において, 病変は主として線維芽細胞様紡錘形細胞と多核巨細胞からなり, 多数の線維芽細胞様紡錘形細胞は, 膠原線維の産生をともなって花むしろ状に配列していた。比較的多数の多核巨細胞は不均一に分布していた。病変内には拡張した毛細血管が認められ, 一部に骨芽細胞に周囲を取り囲まれた反応性の新骨梁の形成が認められた。
    術後7年10か月を経過するが, 再発は認めていない。
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