日本口腔腫瘍学会誌
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8 巻 , 2 号
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  • 湯川 善弘, 笹倉 裕一, 小瀬 晃, 篠塚 和明, 松本 剛一, 小堀 実, 伊吹 千夏, 李 宇錫, 新藤 潤一, 渡辺 是久
    1996 年 8 巻 2 号 p. 75-85
    発行日: 1996/06/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    この報告はlimphokine activated killer (LAK) 細胞を使った免疫療法と放射線療法の組み合わせにより治療した口腔癌の4症例について述べている。この研究では, われわれは誘導されたLAK細胞の表面フェノタイプと細胞障害活性を分析し, 末梢血リンパ球 (以下PBL) もまた口腔癌患者に対してLAK細胞投与前後で分析された。さらに, われわれは免疫組織化学的手法で抗腫瘍効果のあった部位の変化を観察した。
    PBLは口腟癌患者より得, 17~24日間の培養でrIL-2 (塩野義製薬, 700JRU) と抗CD3 moAb (25ng/ml) でLAK細胞を誘導した。患者の腫瘍領域動脈への投与は2回の培養で得られたLAK細胞を8回に分け, それぞれの投与の間隔は2~3日で6.2~17×109LAK細胞がそれぞれの患者に投与された。細胞障害活性は4時間の51Cr遊離試験法を行い, K-562細胞 (E/T=5/1) で測定された。フェノタイプの性格付けは2色の種々のモノクローナル抗体を用いてフローサイトメトリーにより測定された。この時測定された細胞はLAK細胞と口腔癌患者へのLAK細胞投与前後のPBLであった。
    結果は, 細胞障害活性はLAK細胞の平均で74.6%であった。LAK細胞の投与前後のPBLの細胞障害活性はin vitroの測定で低下傾向を示した。フェノタイプの性格付けでは, LAK細胞の平均でCD8+/CD11-細胞とCD3+/HLA-DR+細胞が増加した。LAK細胞投与前後でPBLの平均ではCD4+細胞が増加しCD8+/CD11-細胞, CD3+/HLA-DR+細胞そしてCD8+/CD11+細胞が減少していた。LAK細胞投与後では, 症例1においてUCHL-1+細胞とHLA-DR+細胞が腫瘍周囲に著明に増加した。
  • 李 翠英, 大村 仁利, 岡本 吉史, 小川 和宏, 森 昌彦
    1996 年 8 巻 2 号 p. 86-93
    発行日: 1996/06/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    非常にまれな上顎洞の腺扁平上皮癌の1例を経験したので報告し, 本腫瘍の単一ケラチンの局在について併せて報告する。ケラチン抗体はK4, K7, K8, K10, K13, K17, K18, K19, K20とKL1, K8.12を使用し, 免疫染色はABC法にて行った。
    腺扁平上皮癌は非常にまれで文献検索により, 1966年より現在までに世界で36症例報告され, 特に上顎に発生したものは3症例のみできわめてまれな腫瘍であった。
    本腫瘍は病理組織学的に管状構造を示す腺癌部と分化度の低い扁平上皮癌部からなっており, 免疫組織化学的に管状構造物はK8-18のケラチンペアをつくり, 扁平上皮部はK7, K10に強く染まりK7-17のケラチンペアをつくっていた。
  • 楠川 仁悟, 内山 睦美, 亀山 忠光, 横山 俊郎
    1996 年 8 巻 2 号 p. 94-100
    発行日: 1996/06/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    擦過細胞診は悪性の疑いがある病変の早期の診断に有用であるが, われわれの以前の細胞診に関する検討では, T1あるいは白板型での細胞診は, T2-4病変や外向型あるいは内向型病変ほど信頼性が高くなかった。正診率向上のために歯間ブラシを使用した検体採取を行った。これら口腔扁平上皮癌T1, T2の51症例の細胞診について臨床細胞学的に検討した。
    歯間ブラシの応用により, T1病変での正診率は76.1%から94.4%へと向上し, これは特に, Class IV/Vが43.5%から77.8%へと有意に改善したことによる。歯間ブラシを応用した擦過細胞診は, 口腔・口咽頭悪性病変, 特にexcisional biopsyにより治療されうるT1, T2病変の早期診断の補助に簡便かつ有効な技法である。
  • 中島 幹雄, 大関 悟, 大部 一成, 大石 正道, 松尾 拡
    1996 年 8 巻 2 号 p. 101-105
    発行日: 1996/06/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    舌癌の初回治療後13年目に出現し, 放射線誘発癌が疑われた症例を報告した。患者は61歳女性で, 右舌腫瘍に対し60Gyの放射線治療を受けた。7年後, 再発舌癌が出現し, 総計82.5Gyの照射を受けた。
    初回治療から13年後, 最初は粘液嚢胞様に皮弁に近接して腫瘍が出現し, 急速に外向性に増大した。1993年手術を行った。病理組織学的に部分的に間葉系腫瘍を思わせた。腫瘍の由来を決定することは難しかった。発生場所, 潜伏期間, 病理組織所見において酒井の分類から放射線誘発癌が考えられた。
  • 安田 真也, 西田 光男, 横江 義彦, 金田 典子, 村上 賢一郎, 飯塚 忠彦
    1996 年 8 巻 2 号 p. 106-113
    発行日: 1996/06/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    von Recklinghausen病 (以下R病) あるいは神経線維腫症は常染色体遺伝性疾患で3000の出生に対して1人の発現頻度といわれている。カフェオーレ斑, 末梢中枢神経系の神経線維腫症および幼少時より生じる骨格異常が特徴とされる。神経線維腫症は軟組織由来の悪性腫瘍を合併することが知られている。頭頸部腫瘍のなかで軟組織肉腫の発生は少なく, 特に神経線維腫症に合併した悪性神経鞘腫の症例は極めてまれである。今回われわれは, R病の女児に合併した下顎悪性神経鞘腫の1例を経験したので報告する。
    患者は7歳女児で, 右側下顎部腫脹, 開閉口障害を主訴に紹介来院した。右側下顎枝に直径5cm大の弾性硬の腫瘤を認め, 生検の結果, 悪性神経鞘腫と診断された。外科的切除, 術中放射線照射の後, 化学療法施行されたが約10か月後に局所再発および肺転移を生じ, 初診より1年4か月後に死亡した。
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