日本口腔腫瘍学会誌
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9 巻 , 1 号
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  • 村田 朋之, 黒川 英雄, 山下 善弘, 梶山 稔
    1997 年 9 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 1997/03/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 口腔扁平上皮癌Stage I, II症例の80例を対象に, HLA-DR抗原の発現およびTリンパ球浸潤を免疫組織化学的に検索し, 腫瘍の局所免疫応答について検討することとした。
    結果
    1.口腔扁平上皮癌におけるHLA-DR抗原の発現は80例中21例 (26%) に認められた。
    2.原発部位では舌にHLA-DR抗原の発現例が最も多かった。
    3.高分化型が中等度分化型に比較し, 有意にHLA-DR抗原の発現例が多かった。
    4.腫瘍の浸潤傾向が強いほどHLA-DR抗原の発現頻度が低下していた。
    5.腫瘍組織内Tリンパ球の浸潤度が強いほどHLA-DR抗原の発現例が有意に多くなっていた。
    6.HLA-DR抗原の発現例では, 5年生存率が高くなっていたが, 再発, 頸部後発リンパ節転移との明らかな関連性は認められなかった。
    7.口腔扁平上皮癌の腫瘍細胞におけるHLA-DR抗原の発現が, 宿主の局所免疫応答に関与している可能性が示唆された。
  • 伊田 正道, 岡藤 正樹, 葛山 司, 篠崎 文彦
    1997 年 9 巻 1 号 p. 7-12
    発行日: 1997/03/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    セファランチン (CE) と5Fuの併用が口腔扁平上皮癌由来の培養細胞株 (KM-1) におよぼす影響をフローサイトメトリーを用いて検討した。投与薬剤の濃度はそれぞれ1μg/mlであり, 5Fuは48時間まではDNA合成速度を抑制し, 72時間目には急速に回復した。5FuとCE併用では48時間までは5Fuと同様にDNA合成速度を抑制したが, 72時間でのDNA合成速度の回復を明らかに抑制した。これよりCEがDNA合成を抑制することが推察され, 5Fuとの併用の有効性が示唆された。
  • 山辺 滋, 藤樹 亨, 冨永 和宏, 水野 明夫, 高橋 弘, 岡邊 治男
    1997 年 9 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 1997/03/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    50歳女性の上顎に発生し, 著明な歯根吸収がみられた腺様歯原性腫瘍の1例について報告した。摘出物の細胞学的, 組織学的および超微形態学的知見が得られた。細胞学的には, 腺管様構造を伴う核重積性の集団や紡錘形細胞からなるシート状の集団がみられ, 細胞診の所見は診断に有用であった。また, 電顕的には, 著しい変形核を有する多角形細胞や, 増殖性の強い細胞でみられるnuclear pocketを有する細胞が観察された。
  • 中島 幹雄, 大関 悟, 斎藤 美千代, 高木 潤吉, 大石 正道
    1997 年 9 巻 1 号 p. 19-25
    発行日: 1997/03/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    1976年から1995年に当科で治療した口腔癌患者603例中62例 (10.3%) に重複癌が認められた。その62例のうち47例が男性で, 15例が女性であった。2重癌54例, 3重癌4例, 4重癌1例, 口腟内多発癌と他臓器重複癌をともに認めた症例3例であった。2重癌54例のうち, 22例は他臓器癌が口腔癌の前に, 残りは口腔癌の後に発生した。口腔癌が1次癌症例では, 1次癌は舌 (34.4%) , 口底 (31.3%) に多く発生した。2次癌は, 上部消化管 (37.5%) , 呼吸器 (25.0%) に多く発生した。
    口腔癌が1次癌の重複癌症例の30%は1年以内に他臓器癌が発生し, 75.0%は後発する他臓器癌が原因で死亡していた。口腔癌の初回治療時と経過観察時に, 同時性, 異時性の重複癌の早期発見のために上部消化管造影や, 胸写を行わねばならない。
  • 楠川 仁悟, 亀山 忠光
    1997 年 9 巻 1 号 p. 26-34
    発行日: 1997/03/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    生検による腫瘍細胞播種を防ぐために, 早期の口腔扁平上皮癌に対しexcisional biopsyを行ってきた。しかし, 口腔癌の根治治療としてのexcisional biopsyが妥当であるか否かは一定の見解はない。
    stage I, II, 口腔扁平上皮癌に対するexcisional biopsyを検討するために, これにより治療した口腔癌58例について臨床病理学的に検討した。58例のうち, 局所再発, 頸部後発転移は各7例に認めた。局所再発と切除断端の状態に相関を認めた。さらに, 癌に併存する異形成上皮の有無もまた局所再発を予想する上で有用であった。しばしば異形成上皮の併存する表在型病変に対しては, 5mm以上の安全域をもって切除すべきである。腫瘍径25mm以下の外向型病変はexcisional biopsyにより治療できる。一方, 内向型病変は浸潤性でリンパ節転移が多いため, 腫瘍径15mm以下の病変にexcisional biopsyは限定すべきである。
  • 松浦 正朗, 浜田 良樹, 瀬戸 〓一, 岩城 博, 天笠 光雄, 千葉 博茂, 金子 忠良, 本間 義郎, 木下 靭彦, 大村 進, 藤田 ...
    1997 年 9 巻 1 号 p. 35-45
    発行日: 1997/03/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    口腔扁平上皮癌に対するcarboplatin (CBDCA) の抗腫瘍効果と毒性を評価するために多施設共同研究を実施した。本治験に対し同意が得られた7施設からの34名の対象例の性別は, 男性28名, 女性が6名で, 年齢は38歳から78歳, 平均年齢は63歳であった。CBDCAは300~400mg/m2を静脈内投与し, UFT (400mg/m2/日) を内服にて, あるいは5-FU (250~500mg//body/日) を動注あるいは静注にて併用投与した。
    臨床効果は治療開始日から4週間後に判定した。7例は薬剤が規定通りに投与されていなかったため, もう1例は4週後に病変が測定できなかったために, 抗腫瘍効果の評価から除外した。そのため26例で効果判定を行った。
    UFTは26名中22名にCBDCA投与直後から4週間, 5-FUは4名の患者に対し4~5日間投与した。また26名中18名は本治療前に他の治療を受けていない初発例であり, 8例は再発例であった。病期分類別では, 初発例18例のうち, StageIIが3例, StageIIIが6例, StageIVが9例であった。CBDCAの毒性については, 34例全例をその評価対象とした。
    全症例での奏効率は, 著効 (CR) 2例, 有効 (PR) は9例で, 42.3%であった。初発例18例では, CR2例, PR7例で, 奏効率は50.0%であった。一方, 再発例8例では, PRが2例みられたのみで, 奏効率は25.0%であった。病期別ではStgageIVでもっとも高い奏効率 (66.7%) が得られ, StageIIおよびIIIではそれぞれ33.3%がPRと評価された。
    比較的強い骨髄抑制が観察された。43回の治療のうち, 血小板減少は55.8%, 白血球減我は58.1%, 血色素量の減少は74.4%の治療において認められた。悪心嘔吐の発現は34名の患者のうち, 悪心は10名に, 嘔吐は4名に認められた。グラニセトロンの投与は, CBDCAによる悪心嘔吐の予防に有効であった。
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