azelastine は, H
1-受容体遮断作用や化学伝達物質遊離抑制作用などを有している抗アレルギー剤である. 今回, 我々は, azelastine を短期投与し, exercise-induced asthma (EIA) に及ぼす効果を検討した. 対象および方法は, 東邦大学医学部附属大橋病院小児科アレルギー外来を受診している19名 (男子11名, 女子8名; 平均年齢10.5歳) で, そのうちの10名 (6歳以上) に対し, 運動負荷試験を施行した. また, 検査および母親の印象についても調査した. 結果は以下のとおりであった.
1) azelastine 投与前後にて, exercise によるFEV
1.0の maximum % fall には変化がなかった.
2) 運動後60分におけるFEV
1.0の% fall が, azelastine 投与前が-17.35±7.23 (mean±S. E.) %, 投与後3.21±10.89%と有意差 (P<0.02) を示した.
3) azelastine 投与前後でIgE値・好酸球数の有意な減少がみられた.
4) 母親の印象度で, やや改善以上が全体の約3/4を占めていた.
以上より, azelastine は小児気管支喘息には効果的であり, exercise-induced late asthmatic response (EILAR) の抑制効果の可能性を示唆した.
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