9名の気管支喘息児に対し, 急性発作時に, dl-isoproterenol を, 同一用量, 同一器具で高濃度短時間で吸入した場合と, 低濃度長時間で吸入した場合における, 肺機能と心拍数の変化を比較した. 短時間で投与した場合, 肺機能値は, 吸入後すばやく改善したが, 吸入後60分では, 吸入前値まで戻っていた. 一方, 長時間吸入させた場合は, 時間と共に漸増を示した. 両吸入方法における%FEV
1.0を比較すると, 長時間吸入は, 吸入30分の時点では, 短時間吸入の吸入終了5分後に対し劣っていたが, 吸入60分の時点では差はなかった. 心拍数は, 短時間吸入では, 吸入終了時に増加を示したが, 長時間吸入では, 吸入中変化はなかった. このことより, 低濃度の持続吸入は, 間歇吸入に対し, 速効性では劣るが, 間歇期の肺機能の悪化がなく, その効果が維持出来るという長所が考えられた. しかし, 通常の短時間の吸入で, 気管支拡張効果がほとんどみられない場合, 低濃度持続吸入は, 肺機能を早期に大きく改善し難いと考えられた.
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