日本小児アレルギー学会誌
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16 巻, 5 号
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  • 塚原 宏一
    2002 年 16 巻 5 号 p. 475-485
    発行日: 2002/12/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    一酸化窒素 (NO) はNO合成酵素の働きにより L-arginine を基質として生合成されるフリーラジカルである. 呼吸器系を構成するほぼすべての細胞がNOを産生することから, NOは生理的にも様々な呼吸器疾患においても重要な役割を果たすと考えられる.
    著者らは, 以前より血管内皮の病態生理について臨床的および実験的研究を推進してきた. 本論文では, それらの研究成果に基づいて血管内皮, NOを軸とした呼吸器系の病態生理について論じる.
    肺の血管内皮は肺血流や換気血流均衡を調節することで血液の効率的な酸素化に寄与している. また, 血管内皮は気道―血管関門を構築し白血球の接着浸潤を抑制することで気道のホメオスターシスを維持している. ところが, 気管支喘息などの炎症性肺疾患では誘導合成されたNOは活性酸素種と相互作用し組織障害性の強い活性窒素種に変化する. このような酸化ストレスが亢進すると血管内皮機能は低下し, 肺の組織障害はさらに進展する. こうしたパラダイムに基づいて, 近年NOが創薬ターゲットとして注目されている. NOガス吸入療法はその代表である.
  • 乳幼児喘息モデルにおける気道閉塞と血管透過性について
    荒川 浩一
    2002 年 16 巻 5 号 p. 486-492
    発行日: 2002/12/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 松本 居子, 白山 未央, 秋野 実咲, 坂巻 規益子, 太田 久朗, 小池 林太郎, 石川 尉子, 石垣 信男, 春名 英彦
    2002 年 16 巻 5 号 p. 493-500
    発行日: 2002/12/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    呼吸機能検査 (Flow-Volume カーブ) の測定を立位で行うか座位で行うかによって測定値に差違が生ずることはしばしば経験される. そこで我々は気管支喘息患児のF-Vカーブの測定において, 検査時の体位によって測定値に差があるかどうか, また発作のコントロールの指標としてどちらが優れているかを検討した. 当科アレルギー外来を受診している患児122名の気管支喘息患児に対し強制呼出によるF-Vカーブの測定を行った. まず, 外来で担当医立ち会いの下で立位により3回, 次に検査室で検査技師の下で3回測定し, それぞれの%FVC, FEV1.0%, %v50, %v25の値を比較検討した. F-Vカーブ測定において, 外来で使用している機種は立位で測定を行うことが通常であり, 一方検査室で使用している機種は座位で行うこととなっている. %v50と%v25では立位による測定の方が座位による測定より有意に高値であったが, %FVCとFEV1.0%ではそれぞれの体位により有意な差はなかった. 測定の2週間前後に発作のあった患児では%v50と%v25値は立位, 座位ともに発作のなかった患児と比較して有意に低値であった. しかし, 座位による測定値にはばらつきが多く, しかも発作のないグループにおいて低年齢ほど有意に低値であった. 従って, F-Vカーブを発作のコントロールの指標として用いる際, 特に低年齢においては立位で測定する方がより適当であると考えられた.
  • 伊藤 玲子, 奥山 健一, 横田 俊平, 相原 雄幸
    2002 年 16 巻 5 号 p. 501-508
    発行日: 2002/12/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    近年I型アレルギーの検査法のうちヒスタミン遊離試験 (HRT) はアレルゲン特異的IgE抗体測定法 (CAP-RAST®) に比べ, 肥満細胞や好塩基球からのヒスタミン遊離という生体反応を in vitro で観察できることからアレルゲン検索法として頻繁に用いられるようになってきた.
    今回我々は食物アレルギーが疑われた小児アレルギー疾患患児54例に対して2種類の方法 (ルシカ®, シオノギ®) を用いてHRTを行い, CAP-RAST®の結果との比較も含めてその有用性, 限界などについて検討を行った.
    いづれの方法においてもCAP-RAST®の結果に比較して, HRTの陽性率は低い傾向があり, また抗原により陽性率に差を認めた. さらに, 臨床症状, 特に即時型反応を認めた症例ではHRTの陽性率が高い傾向を認めた. しかしシオノギ®で抗IgE抗体刺激によるヒスタミン遊離を測定したところ, 即時型の症状を有する症例の中にもヒスタミン遊離を認めない anti-IgE non releaser が7名存在した. これらの症例は主に低年齢層であり比較的血清総IgE値の低い症例であることが明らかになった. 一方, 卵白に対する即時型反応を呈する症例の中にも in vitro で卵白抗原で刺激してもヒスタミン遊離を認めない allergen non releaser が3名存在した. 今回の検討から, それぞれの検査法の特徴を把握した上で検査を行っていくことが大切であると思われた.
  • 松原 知代
    2002 年 16 巻 5 号 p. 509-511
    発行日: 2002/12/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 16 巻 5 号 p. 516-518
    発行日: 2002/12/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 16 巻 5 号 p. 519-523
    発行日: 2002/12/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 16 巻 5 号 p. 524-527
    発行日: 2002/12/15
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
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