日本小児アレルギー学会誌
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19 巻, 5 号
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  • 斎藤 博久
    2005 年 19 巻 5 号 p. 729-736
    発行日: 2005/12/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    遺伝子が転写されるためには転写因子の存在のほか, 転写因子と結合する部位がクロマチンとして結合可能な立体構造をとる必要がある. このクロマチンの構造はエピジェネティックなメカニズムつまりDNAメチル化とヒストン修飾により調節されている. 従来, 遺伝子解析研究といえばDNA配列の個人差を研究する遺伝子配列解析と組織や細胞のmRNAを定量する遺伝子発現解析の2通りの研究手法が主流であった. エピジェネティック研究はこの2つの研究手法の中間に位置づけられる研究分野である. 従来の遺伝子解析手法では得られなかったアレルギー性炎症や組織リモデリングに関わる機序解明が期待できる.
  • 南部 光彦
    2005 年 19 巻 5 号 p. 737-743
    発行日: 2005/12/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    4か月健診を受診した400人を対象とし, 家族背景・生活習慣とアレルギー疾患発症との関連性を検討した. 月齢4か月時と3歳6か月時にアンケート調査をした. また乳幼児健診時にアレルギー疾患の有無を調べた.
    4か月健診では, アトピー性皮膚炎 (AD) は37人, 湿疹は62人に認められた. ADも湿疹も1-6月生まれより, 7-12月生まれに多かった. 3歳6か月時のアンケート調査でのAD, 食物アレルギー, 気管支喘息の発症は, 既往を含めて314人中それぞれ71人, 52人, 21人であった.
    家族の人数とAD発症には関連性はなかったが, 1-6月生まれでは, 家族風呂に入る時期を生後3か月以降にした者の割合が月齢4か月時のAD群に高かった. また7-12月生まれでは, 風呂上りのタオルを使い回ししている者の割合が月齢4か月時の湿疹群に高かった. ただし, 入浴順, 浴槽洗いの頻度, 口で噛んだものを子どもに与える, 唇同士のキスとアレルギー疾患発症には有意な関連性はなかった.
    家族背景・生活習慣とADや湿疹との関連性が示唆されたが, その因果関係は不明である.
  • 藤澤 隆夫, 長尾 みづほ, 野間 雪子, 鈴木 由紀, 古川 理恵, 井口 光正, 熱田 純, 坂本 龍雄, 亀崎 佐織, 大和 謙二, ...
    2005 年 19 巻 5 号 p. 744-757
    発行日: 2005/12/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    アトピー性皮膚炎 (AD) はTh2型の炎症性疾患であり, Th2細胞に特異的に発現するケモカイン受容体CCR4のリガンド Thymus and activation-regulated chemokine/CCL17 (TARC/CCL17) が病態に関与するとの報告は多い. 本研究では小児ADにおける病勢指標としての血清TARC/CCL17値の有用性について検討した. 6ヵ月以上15歳未満のアレルギー性疾患患者140名 (AD65名, アレルギー性鼻炎32名, 喘息43名) および正常対照者62名につき, それぞれ, 血清TARC/CCL17, 血清IgE, LDH, 末梢血好酸球数を測定した. 正常対照者の血清TARC/CCL17値は, 2歳未満で有意に高値であったため, 正常上限値を6ヶ月~1才未満, 1~2才未満, 2才以上に分けて, それぞれ1367, 998, 743pg/mlと設定した. ADと喘息において血清TARC/CCL17値は, 正常対照者に比べて有意に高値であり, ADのみが重症度と有意な相関を認めた. 次に, ADにおける血清TARC/CCL17の臨床診断能を他のマーカーと比較してROC解析すると, 血清TARC/CCL17値は感度・特異度ともに血清IgE, LDH, 末梢血好酸球数よりも高かった. また, 血清TARC/CCL17値は, 皮膚症状スコアと有意な相関を示し, 治療にともなう変動 (改善) とも良く一致した. 以上の結果より, 血清TARC/CCL17測定はADの病勢を客観評価する臨床検査として有用であり, ガイドラインに基づく治療選択の一助となると考えられた.
  • クロモグリク酸ナトリウム血漿中濃度を用いた検討
    藤高 道子, 川口 浩史, 加藤 恭博, 佐倉 伸夫
    2005 年 19 巻 5 号 p. 758-763
    発行日: 2005/12/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    Metered-dose inhaler (MDI) へのスペーサー (SP) の併用効果には賛否両論がある. 今回, 気管支喘息患者16名を対象として disodium cromoglycate (DSCG) の吸入におけるSPの併用効果を, MDIから直接2噴霧 (2mg) 吸入する単独法, SPを併用し1噴霧1吸入を2回反復する従来法と1度に2噴霧して1吸入する簡略法の3方法について, 吸入後のDSCG血漿中濃度を用いて検討した. 吸入5分後, 30分後のDSCG血漿中濃度 (C5, C30) の平均値と平均AUC0-30は従来法で最も高く, 特に3方法全てを施行し得た7症例では, 従来法の平均AUC0-30は単独法より有意に高かった (p<0.05). 簡略法は単独法と有意差は無く, 有意義とは言えなかった. 我々は既にC5が4ng/ml以上で喘息発作に対するDSCGの予防効果が高いと報告したが, 単独法でC5が4ng/ml未満であった症例の約半数がSPの併用で4ng/ml以上となった. SPの併用はDSCGの肺内沈着量を増し, かつ, 発作予防効果を高める可能性があると考えられた.
  • 2005 年 19 巻 5 号 p. 764-766
    発行日: 2005/12/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 2005 年 19 巻 5 号 p. 767-770
    発行日: 2005/12/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
  • 2005 年 19 巻 5 号 p. 771-774
    発行日: 2005/12/31
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
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