日本小児アレルギー学会誌
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20 巻, 3 号
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総説
原著
  • 原 正美, 木川 眞美, 多田 裕, 矢田 純一
    2006 年20 巻3 号 p. 210-217
    発行日: 2006/08/01
    公開日: 2007/11/02
    ジャーナル 認証あり
    食物アレルギー患児の存在する家庭では通常患児にのみ特別な食事を与える事に困難が伴う為, 家族はその原因食品の摂取に同様の制限を受けている可能性があると考え, 現時点で食物アレルギーのない母親と兄弟の食生活及び栄養摂取状態の実態を調査した. 自記式調査法, 食物摂取頻度調査法, 写真法を用いた. その結果母親は食物アレルギーがないにもかかわらず, 患児の原因食品の摂取を制限した食事をする傾向がみられた. 栄養素で兄弟は大幅に不足しているものはなかったが, 母親ではカルシウム不足が目立った. 食品群では兄弟は卵類が少なく肉・魚類が多く, 母親は卵・乳・豆類が少ない等食物摂取の偏りがみられた. そして患児の原因食品の回避によく付き合っている母親の患児ほど除去の徹底がなされていた. 又原因食品が少数の場合は母親の除去意識は高いが, 数の増加に伴い除去意識は低下し, 調理負担の増大や原因食品混入の危険性等が高くなった.
    家族の食生活は患児の影響を受け同調する傾向があったので,患児のみならず家族への栄養的配慮を怠らない事が重要である.
  • 西間 三馨, 森川 昭廣, 西牟田 敏之
    2006 年20 巻3 号 p. 218-230
    発行日: 2006/08/01
    公開日: 2007/11/02
    ジャーナル 認証あり
    小児気管支喘息の有症率の増加および発症年齢の低下が問題視されるなか, 世界的にも小児気管支喘息の薬物療法やその予後に関する様々な知見が得られ, それらのエビデンスを基に, 2005年の本邦の小児気管支喘息治療・管理ガイドラインでは, 乳幼児に対しても早期から吸入ステロイド療法を推奨する形に改訂された. しかし本邦では, 乳幼児 (特に乳児) が簡便に使用できる剤型の吸入ステロイド薬が販売されていなかったため, 十分な治療を受けることが出来ない患児が存在し, その結果, 乳幼児での喘息死亡数や, 発作入院件数は改善されない状況であった.
    こうした背景のなか, 本邦で初めての乳幼児対象のネブライザー専用吸入ステロイド薬として, ブデソニド吸入用懸濁液の発売が予定されている. これによりガイドラインに沿った吸入ステロイド療法が容易になると期待されるが, 特に乳幼児への使用に対しては, リスクとベネフィットのバランスを考慮した適正使用を心がけねばならない. 本稿では, 本剤の国内および米国での臨床試験成績からの有効性と安全性, ネブライザー使用に関する情報を概説する.
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2005をどう読むか
食物アレルギー診療ガイドライン2005解説
喘息死委員会レポート2005
  • 松井 猛彦, 赤坂 徹, 鳥居 新平, 西間 三馨, 三河 春樹
    2006 年20 巻3 号 p. 244-251
    発行日: 2006/08/01
    公開日: 2007/11/02
    ジャーナル 認証あり
    2005年10月までに喘息死亡例として登録された192例について集計した.
    男女比は1997年以前は97/62で, 1998年以降は21 : 12であり, とくに大きな変化はみられなかった. 死亡前1年間の喘息重症度に関しては, 1997年以前と1998年以降を不明・未記入例を除いて比較すると, 重症例は44%が48%に, 中等症は30%が26%に, 軽症は26%が26%であり, 大きな変化はなかった. 死亡場所と死亡年齢の関係では自施設における死亡は0~6歳 (73%) が最も多く, 次いで7~12歳 (54%), 13歳以上 (39%) と加齢に伴い減少傾向がみられた. 一方病院外の死亡は加齢とともに増加傾向がみられ, 学校内あるいは養護学校, 下校時など学校が関与する症例が認められた. 重症発作に関連する既往歴に関しては入院歴, 意識障害, イソブロテレノール使用歴は1997年以前と1998年以降で減少傾向がみられたが, 挿管歴は増加傾向がみられた.
    死亡の要因については予期せぬ急激な悪化が最も多く, 次いで適切な受診時期の遅れであり, 1997年以前も1998年以降も大きな変動は見られないが, モーターネブライザー吸入過度依存が1997年以前に11%であったが, 1998年以降3%と減少傾向がみられた.
    死亡前1年間の薬物療法はキサンチン製剤が多かったが, 1998年以降は減少傾向がみられ, その他ステロイド薬やβ2刺激薬の内服も減少傾向がみられるが, ステロイド吸入薬は増加傾向があり, β2刺激薬貼布薬の使用例も新たにみられるようになった.
    β2刺激薬吸入過度依存例は1997年以前と1998年以降で, 全体として大きな差が認められなくなってきた.
    喘息死亡例における死亡確認前24時間の発作状態について, なし, 小発作, 中発作, 大発作, 死亡に分類し, 検討した. 年齢階級別に見ると, 0~1歳, 2~5歳, 6~11歳は大発作になる症例が50%を越えるのは死亡前8~12時間前であるのに対し, 12歳以上では1時間前であり, 年長児の方が急激な経過で死亡する症例が多かった. 喘息重症度とは関係なく, 死亡前1ヶ月の短時間作用性β2刺激薬 (SABA) MDI, ステロイド吸入薬投与状況と喘息死亡前の発作状態の関係を6歳以上の症例についてみると, ステロイド吸入薬投与例は大発作から死亡までの時間が非投与例より長く, ステロイド吸入薬非投与例は急激な経過での死亡が多かった.
日韓交換講演報告
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