小児気管支喘息治療・管理ガイドライン (JPGL) 2005が発刊される前の, 小児気管支喘息治療・管理の実態を調査する目的で, 全国の小児科医を対象としたアンケート調査を行った. 3,396人からの有効回答を得た. 同様の調査はJPGL2002発刊の数か月後にも施行されていたので, その時の結果と比較した.
小児気管支喘息患者数が「3年前と比べて増えている」と答えた医師の割合は前回の調査より減少した. 急性発作・重積発作にて来院・入院する患者数は, 「減っている」が増加した. 96%の医師がJPGLを参考にしていると答えた.
治療に関しては, 発作時の治療には前回の調査と大きな変化はなかったが, 長期管理薬では, テオフィリン徐放製剤, DSCG (+β
2刺激薬) 吸入, 経口抗アレルギー薬を選ぶ医師が減り, 吸入ステロイド薬とロイコトリエン受容体拮抗薬が増加した. JPGLの2004年の小改訂では, 治療内容に変更はなく, 今回みられた変化は, JPGL2002 (2004) がさらに浸透してきたことと, 学会や医学雑誌などから得られた情報によるものと考えられる.
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