日本小児アレルギー学会誌
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26 巻 , 1 号
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第48回日本小児アレルギー学会会長講演
第16回アジア太平洋小児アレルギー呼吸器免疫学会/APAPARI Presidential Lecture
  • 森川 昭廣
    2012 年 26 巻 1 号 p. 17-27
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル フリー
    気管支喘息は世界中で高い罹患率と死亡率を示し,小児でも学校欠席や救急外来受診,入院の大きな原因となっている.
    喘息は繰り返す喘鳴発作,呼吸困難,咳嗽の原因となる.その原因は気道の慢性炎症と気道過敏性である.気道は気管支収縮,粘液栓や気道壁の浮腫により閉塞する.前述の典型的な症状を繰り返す場合には,診断は容易であるが,2歳以下の乳幼児では,喘鳴性疾患が多いために,診断が困難なことがある.本邦では,感染の有無に係わらず,3回以上の喘鳴発作がある場合を乳児喘息としている.
    最近,気管支喘息において,気道のリモデリングが少数回の気管支収縮でも始まるとの報告があり,早期の正しい診断,環境調整と抗炎症薬による早期介入は乳児喘息でも必要であろう.
シンポジウム5 気道過敏性(獲得と経過)
  • 渡会 浩志, 望月 博之
    2012 年 26 巻 1 号 p. 28-29
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル フリー
  • 山下 政克, 東福寺 聡一, 鈴木 淳平, 桑原 誠
    2012 年 26 巻 1 号 p. 30-36
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル フリー
    アレルギー炎症の発症や病態形成には,2型ヘルパーT(Th2)細胞によるタイプ2免疫反応が深く関わっている.Th2細胞から産生されるIL-4は,B細胞に働きIgEへのクラススイッチを促進する.また,IL-5は好酸球の炎症局所への遊走を,IL-13は気道過敏性を誘発することが分かっている.Th2細胞分化と機能の発現には,IL-4/Stat6経路の活性化によって誘導される転写因子Gata3の持続的な発現が必要である.Gata3は,Th2サイトカイン遺伝子座のクロマチンを開いた状態にすることで,Th2サイトカイン産生能を誘導・維持していることを私たちはこれまでに示してきた.続いて,Gata3の発現維持機構の解析を行い,ヒストンメチル基転移酵素MLLおよびその結合因子のMeninが必要であることを見出した.MLLの発現を抑制することで,Gata3発現の低下が誘導され,いったん獲得したTh2細胞機能も消去することができる.さらに,MLL発現を低下させることで,メモリーTh2細胞依存的なマウスアレルギー気道炎症モデルの病態が改善できることも明らかとなった.この結果から,Gata3の発現や機能を調節することでTh2型アレルギー性炎症の病態を制御できることが予想された.そこで,私たちはGata3機能を制御しうる低分子化合物をスクリーニングし,石原産業(株)がIL-5産生抑制剤として合成したSH-2251をその候補として見出した.この化合物は,IL-5遺伝子座への活性化ヒストン修飾誘導を強く抑制するとともにIL-5遺伝子座へのGata3の結合を阻害する.現在,その詳細な分子機構およびマウスアレルギー性気道炎症モデルにおける作用を検討中である.
  • 渡会 浩志
    2012 年 26 巻 1 号 p. 37-45
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル フリー
    気道過敏性をはじめとする気道炎症の発症や病態形成には,2型ヘルパーT(Th2)細胞によるタイプ2免疫反応が深く関与しており,Th2細胞とその活性化に伴って産生されるサイトカインによって好酸球,好中球,マクロファージ,気道平滑筋の活性化が誘発されると考えられている.しかしながら,炎症状態における細胞の機能獲得や関与する分子群(サイトカイン,ケモカイン)の解析が詳細に行われているにもかかわらず,このような炎症状態に陥るメカニズムには不明な点が多く,特にトリガーとなり得る初動反応についてはほとんど明らかにされていない.我々はナチュラルキラーT(NKT)細胞の中に炎症惹起に関与する亜群が存在することを明らかにした.本稿では,新しく同定されたこの炎症性NKT細胞の機能の獲得並びに病態形成メカニズムについて,他の最新の知見を交えながら紹介する.
  • 浅野 浩一郎
    2012 年 26 巻 1 号 p. 46-51
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル フリー
  • 平井 康太, 望月 博之
    2012 年 26 巻 1 号 p. 52-57
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル フリー
シンポジウム16 アレルギー疾患患者は症状をどのように感じているのか
  • 荒川 浩一, 菊池 喜博
    2012 年 26 巻 1 号 p. 58
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル フリー
  • 内 博史, 内 小保理, 樗木 晶子, 古江 増隆
    2012 年 26 巻 1 号 p. 59-66
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル フリー
  • 押川 千恵
    2012 年 26 巻 1 号 p. 67
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル フリー
  • 本村 知華子
    2012 年 26 巻 1 号 p. 68-71
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル フリー
    喘息の呼吸困難の感覚には,発作の前段階で感じる胸部圧迫感と,発作が進行し肺の過膨張が起き吸気筋に負荷がかかる努力呼吸の感覚の2つがあげられる.
    気道過敏性テスト時の気管収縮時に,Borg scaleにより呼吸困難感を調査した.重症喘息児は呼吸困難感が低下しており,自覚症状を問う喘息コントロールテストでは,点数が良い児では呼吸機能が大きく低下してはじめて呼吸困難を感じていた.また吸入ステロイド薬アドヒアランスが低下している児は気道過敏性が亢進し,呼吸機能が大きく低下してはじめて呼吸困難を感じ,抑うつ点数が高値であった.運動負荷検査時には,呼吸困難の有無を問うことでは軽症運動誘発喘息の児を見分けることは困難であった.
    喘息児の感覚を理解し,特に重症児ではピークフローなどの客観的指標を利用しながら喘息管理を行うことを心がけたい.
  • 菊池 喜博
    2012 年 26 巻 1 号 p. 72-78
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル フリー
    喘息の重症度は主に呼吸困難などの症状で決められるが,症状は主観に基づくものであり個人差が大きい.特に,意識を失うほどの重篤な発作経験者(Near-fatal asthma:NFA)では呼吸困難感受性および低酸素換気反応の両者が低下しており,呼吸困難が軽いのはむしろ危険である.NFA患者50名に意識消失時の状況や意識消失直前の呼吸困難(窒息感)の有無を尋ねたところ,多くは(約70%)自宅や病院で歩行など体動を増加した直後急速に意識を消失し,70%以上では意識消失直前でも窒息感や死の恐怖感を感じていない.この結果は意識消失の原因(喘息死の原因)が重症気道狭窄による「いわゆる窒息」とする従来の考え方に疑問を呈する.マウスのモデル実験では,低酸素に対する反応が低いマウス程,低酸素により容易に呼吸が停止するとの結果が得られており,重症低酸素血症が意識消失や喘息死の原因であり,その誘因としてNFA患者で呼吸困難感症状および低酸素換気反応が低下していることが関係している.
合同シンポジウム3 喘息の長期管理薬/Bronchial Asthma Long-term Management
合同シンポジウム4 周産期環境とアレルギー/Perinatal Environment and Allergy
合同シンポジウム6 食物アレルギー/Food Allergy
  • 宇理須 厚雄, Bee Wah Lee
    2012 年 26 巻 1 号 p. 120-121
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル 認証あり
  • Hugh A. Sampson
    2012 年 26 巻 1 号 p. 122-123
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル 認証あり
  • 伊藤 浩明
    2012 年 26 巻 1 号 p. 124-130
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル 認証あり
    食物経口負荷試験(Oral food challenge, OFC)は,食物アレルギー診断のgold standardであり,アレルギー専門施設のみならず,広く全国の小児科で実施されている.OFCは,食物アレルギーの初期診断だけでなく,耐性獲得の診断にも重要な役割を果たす.最近では「必要最小限の除去」を目指すために,少量であっても安全に摂取可能なアレルゲン量を決定することを目的とするOFCも,専門施設を中心として行われることが増加してきた.OFCの標準的な方法についてはガイドラインも発行され,ほぼ確立してきたといえる.しかし,その結果に基づき,特に負荷試験陽性者に対して安全域を見込んで食事指導を進める方法については,今後の十分なエビデンス作りが求められている.
  • 近藤 康人, 小倉 和郎, 成瀬 徳彦, 平田 典子, 鈴木 聖子, 安藤 仁志, 宇理須 厚雄, 田中 健一, 中島 陽一, 犬尾 千聡, ...
    2012 年 26 巻 1 号 p. 131-137
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル 認証あり
    近年,経口負荷試験の結果に基づく患者への食事指導が変わってきた.
    かつて経口負荷試験の結果に基づき行われた指導は,除去の解除か完全除去の継続かしかなかった.これに対して最近の考えでは,経口負荷試験の結果に基づいて必要最低限の食事を除去する指導に変わってきた.すなわち,一部の食品を除き,「どこまで食べられるようになったか」という結果(安全摂取量)に基づいて摂取可能な食品情報の提供に変わったのである.卵,乳製品,小麦,大豆に関して我々は『加工食品のアレルゲン含有量早見表』を作成し,負荷試験の安全積算摂取量に基づいて食べられる範囲の食品情報を与えている.
    また変わったのは摂取量の問題だけではない.例えば,魚アレルギーの場合,かつてはひとつの魚種にアレルギーと診断されれば,負荷試験も行わずに魚全般の除去が指導されていたケースもあった.しかし,最近では経口負荷試験を積極的に取り入れて摂取可能な魚の摂取を探し,食べられる魚種の情報を提供する様に変わってきた.
  • 相原 雄幸
    2012 年 26 巻 1 号 p. 138-145
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル 認証あり
    食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FEIAn)は食物アレルギーの特殊型に分類される比較的稀な疾患である.その発症機序については明らかでない点も少なくない.
    PubMedを用いたFEIAnに関連する論文の調査結果からは,1979年の最初の症例報告以降その報告数は増加傾向にあり,近年はアジア地域でも認知度が向上していることが推察される.また,わが国からの報告数が多いことも特徴といえる.
    発症頻度については学童生徒では約1万2千人に1人程度であるが,成人の頻度は明らかではない.原因食物としては小麦製品の頻度が最も高く,その抗原解析の結果からは成人発症例ではω-5 gliadinが関連していることが明らかにされた.さらに,抗ω-5 gliadin IgE抗体の有用性が報告されている.一方,小児期発症例では必ずしもこの抗体の有用性は明らかではない.
    近年,加水分解小麦蛋白含有化粧石鹸を一定期間使用後に小麦依存性運動誘発アナフィラキシーを発症する例が多発し社会問題となった.経皮あるいは経粘膜感作が発症の誘因となっており,FEIAnの発症機序の解明に新たな示唆をあたえるものとも考えられ興味深い.また,難治性の即時型食物アレルギーに対する免疫療法が研究的に行われており,その治療中あるいは寛解到達後にFEIAnを発症する症例があるため注意が必要である.
    治療については最近prostaglandin E(PGE)製剤の有用性も報告されている.
    今後も,患者に対する不要な制限やQOLの改善のためにはこの疾病の啓発が重要である.
合同シンポジウム8 免疫療法/Immunotherapy
  • 栗原 和幸, Hugo van Bever
    2012 年 26 巻 1 号 p. 146-148
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル 認証あり
  • Hugo van Bever
    2012 年 26 巻 1 号 p. 149
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル 認証あり
  • Ulrich Wahn
    2012 年 26 巻 1 号 p. 150
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル 認証あり
  • 藤澤 隆夫, 谷田 寿志, 長尾 みづほ
    2012 年 26 巻 1 号 p. 151-157
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル 認証あり
    近年,スギ花粉症の有病率は急速に増加,発症も低年齢化して,小児でも大きな問題となっている.薬物療法の進歩で症状のコントロールは比較的容易となっているが,治癒をもたらすことはできず,また重症例では薬物によってもコントロール困難で,患者は著しいQOLの低下を強いられる.そのような状況で,アレルゲン免疫療法は疾患の病態にアプローチする根本的治療として期待が持たれている.本研究では,最重症のスギ花粉症患者36名(男17名,女19名,年齢5才~39才)に皮下注射による急速免疫療法を行ない,その臨床効果と免疫学的パラメーターの変化を検討した.その結果,重症度は全例が治療前シーズンに最重症であったが,治療後に,ほとんどが軽症または無症状と軽快した.スギ花粉飛散数の変化の影響を考慮して,治療前シーズンよりも治療後シーズンの方が飛散数が多かった年で比較しても同様の結果であった.免疫学的パラメーターはスギ特異的IgG4抗体の上昇,スギ花粉抗原による好塩基球CD203c発現の低下を認めた.一方,副反応は,局所反応は全例,蕁麻疹16.7%,喘鳴・咳などの呼吸器症状8.3%,2臓器以上のアレルギー症状でアナフィラキシーと診断した例を8.3%に認めた.いずれも適切な処置により回復した.アナフィラキシーショックは認めなかった.高い臨床効果を期待できるが,少なからぬ副反応の存在は,現時点における本治療法の適応は重症例に限定されると考えられた.
  • 海老澤 元宏, 杉崎 千鶴子, 林 典子, 佐藤 さくら, 今井 孝成
    2012 年 26 巻 1 号 p. 158-166
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル 認証あり
    わが国のOITの実施状況を把握するために全国調査を行った.
    OITは「事前の経口食物経口負荷試験で症状誘発閾値を確認した症例に対し,原因食物を医師の指導のもと施設で統一された計画的プロトコールで経口摂取させ耐性獲得を誘導する治療法」と定義した.平成23年4月~5月に日本小児科学会研修指導施設の514施設を対象とし,平成23年度末までのOITの実施の有無を調査した.実施施設に対して平成23年6月~7月に入院と外来に分けてOITの内容を調査した.入院OITは20施設より511症例を,外来OITは32施設より889症例を集積した.倫理委員会の申請・文書同意の取得は全例で行われておらず,安全対策も不十分な施設も散見した.重症例を取り扱っている入院OITでは8割の施設で薬物療法を要した即時型症状の誘発を経験していた.その内訳は入院中が511例中409例(80%),外来経過観察中は288例(56%)に上った.比較的軽症例を取り扱う外来OITでは889例中の151例(17%)にとどまっていた.即時型症状以外の副作用も入院OITで3施設,外来OITで2施設が経験していた.
    わが国ではOITを実際の食品を用いて研究的診療として広く実施されていることが今回の調査で明らかになった.有効性・安全性を正しく評価し将来の治療手技として確立するためにもOITは食物経口負荷試験等の食物アレルギー診療に習熟した専門医が十分な安全対策を施して臨床研究として進めていくべきである.
合同シンポジウム9 乳幼児喘息/Bronchial Asthma under 5 years old
  • 末廣 豊, Jessie de Bruyne
    2012 年 26 巻 1 号 p. 167
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル 認証あり
  • 吉原 重美
    2012 年 26 巻 1 号 p. 168-175
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル 認証あり
    気管支喘息のearly interventionには,アレルゲン感作前に喘息の発症を予防する(一次予防),アレルゲン感作成立後に喘息の発症を予防する(二次予防),喘息発症後の重症化防止と早期寛解を目的とする治療(三次予防)がある.すなわち,乳幼児期のearly interventionは,喘息の発症,気道炎症および気道リモデリングの進展を抑制するのに重要な時期である.early interventionとしてアレルゲン曝露,受動喫煙,気道ウイルス感染などの対策として環境整備がある.同時に,薬物を用いる早期介入として,抗RSウイルスヒト化モノクローナル抗体「パリビズマブ(製品名:シナジス)による一次予防,Th2サイトカイン阻害薬による二次予防,さらに喘息を発症してしまった喘息児に対する発症後早期からの重症化・難治化予防として,吸入ステロイド薬,ロイコトリエン受容体,DSCGによる三次予防がある.また,この時期特有の喘息Phenotypeを考慮したearly interventionが重要である.
  • Hai Lee Chung
    2012 年 26 巻 1 号 p. 176
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル 認証あり
  • 望月 博之
    2012 年 26 巻 1 号 p. 177-184
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル 認証あり
    RSウイルスが乳幼児の細気管支炎や肺炎の原因となることはよく知られているが,重症のRSウイルス感染症の罹患後に,反復性喘鳴または喘息が発症する可能性も指摘されている.これまでにRSウイルスによる2つの影響,すなわち,直接的な気道障害による喘息の発症の可能性と,間接的な影響として免疫学的な側面からの喘息の発症の可能性が指摘されている.すなわち,前者ではRSウイルスの感染を受けた気道上皮細胞から,炎症性のサイトカイン/ケモカインが産生され,結果として,乳幼児の未熟な気道にリモデリングを含む気道障害を残存させる可能性が考えられること,後者ではRSウイルス感染が免疫システムに影響を与え,アトピーに傾けることが考えられている.小児の喘息の予防には,乳幼児期のRSウイルス感染を阻止することが重要であるが,今後,ウイルス感染後の反復性喘鳴疾患を,病態の異なる乳児喘息の亜型(phenotype)のひとつとしてとらえることに意義があると思われる.
  • 下条 直樹
    2012 年 26 巻 1 号 p. 185-189
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル 認証あり
    It has been shown that respiratory syncytial virus (RSV) bronchiolitis is a risk factor for childhood asthma. Very interestingly, clinical symptoms of RSV infection in infancy and early childhood are extremely variable. Most infants experience an RSV infection before three years of age thereby normally escaping with only upper respiratory diseases, whereas approximately 1-2% of them require hospitalization because of severe RSV bronchiolitis. Although RSV disease mechanisms of pathogenesis is not well understood, recent studies have established that inappropriate innate and adaptive immunity of host to RSV are deeply involved in the pathogenesis of RSV infection as well as unique characteristics of RSV. It has been shown that levels of inflammatory mediators, enhanced Th2/reduced Th1 responses and reduced immune regulation are strongly implicated in RSV pathogenesis. In this presentation we would like to present our own data about relationship between innate immune and adaptive immune responses to RSV and its components and pathogenesis of the disease.
総説
  • 加藤 政彦
    2012 年 26 巻 1 号 p. 190-199
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/31
    ジャーナル 認証あり
    小児の気管支喘息(喘息)の増悪因子としては,過去および我々の最近の報告からライノウイルスとrespiratory syncytial(RS)ウイルスが主であると考えられる.ライノウイルスは,年長児や成人で,喘息を悪化させる最大の原因である.さらに,最近の報告では,学童期の喘息発症のリスクとしては,乳幼児期のライノウイルス感染が最も強力な予測因子であると結論している.一方,RSウイルスは,乳幼児において,細気管支炎を含めた下気道感染の主要な原因であり,喘息の症状増悪を来す.最近のケースコントロール試験から,乳幼児期のRSウイルスによる下気道炎は,年少児においては,反復性喘鳴や喘息発症との関連があるが,年長児では,その影響が少なくなる傾向がある.本レビューでは,小児喘息の発症と増悪におけるライノウイルスとRSウイルス感染の関与について自験例を含めて解説する.
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