【目的】休日・夜間診療所における即時型食物アレルギーの現状を前向きに調査する.【対象・方法】2014年度に食物アレルギーの即時型症状を呈し,休日・夜間における急患診療所である相模原市中央メディカルセンター(以下救急診療所)を受診した49例と二次病院である相模原病院(以下病院)でほぼ同時期に調査した29例を比較した.【結果】受診年齢の中央値はそれぞれ2.0歳,4.9歳で,救急診療所の方が有意に低年齢であった(
p=0.047).即時型症状の原因となった食物は,救急診療所は鶏卵31%,牛乳16%,ピーナッツ14%,病院は牛乳24%,鶏卵21%,小麦21%の順であった.初発症状の割合は74%,21%で救急診療所が有意に多かった(
p<0.001).アナフィラキシーを呈した割合は18%,52%で救急診療所の方が有意に少なかった(
p=0.005).治療は抗ヒスタミン薬静脈注射・筋肉注射が2%,59%,ステロイド薬静脈注射0%,52%とともに有意(
p<0.001)に救急診療所の方が少なかった.アドレナリン筋肉注射は6%,7%で差はなかった.【結論】救急診療所は病院と比較して軽症例が多く受診するが,重症例も一定数存在するため注意が必要である.
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