卵白アルブミン (OA) 感作モルモット (n=4) の気道平滑筋収縮に対する, 気管肺胞洗浄液中細胞 (CB) 産生アラキドン酸 (AA) 代謝物の影響を検討した. 標本をOA刺激群 (OA), OA+A23187刺激群 (OA+A23187), CB存在下のOA刺激群 (OA+CB), およびOA+A23187刺激群 (OA+CB+A23187) の4群にわけ, acetylcholine 10
-4Mに対する収縮比で示した (OA/Ach). 収縮はOA群の1.19±0.05に比べ, OA+A23187群では1.27±0.32と差がなく, OA+CB群では1.43±0.20と軽度の増強を示したが有意ではなく, OA+CB+A23187群では0.55±0.15と有意に抑制された. 刺激により溶解中に放出されたTXB
2は, CBの非存在下では測定感度以下, OA+CB群では292, 0A+CB+A23187群では468pg/0.1mlと高値であった. 6keto-PGF1αもOA+CB群では29.00, OA+CB+A23187群で39.25pg/0.1mlとCB (-) 群に比し高値であったがTXB
2にくらべると約1/10であった. 以上より, 肺内CB (主に macrophage) はAA代謝物を産生することにより気道平滑筋収縮を修飾している可能性が示された. 収締性因子としてはTXA
2が重要である. 拡張性因子としてPG1
2, PGE
2の産生が認められるものの, 量的に少なく, 他の拡張性因子の関与が示唆される.
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