日本小児アレルギー学会誌
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31 巻 , 2 号
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原著
  • 山下 貴大, 平井 奈美, 水上 智之, 緒方 美佳
    2017 年 31 巻 2 号 p. 113-123
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/30
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     【目的】大都市圏外を医療圏とする当科におけるアドレナリン自己注射薬 (AAI) 処方および使用の実態を調査した.

     【対象と方法】当科でAAIを処方した124名 (男79名, 女45名), 再処方を含めた322本の処方について後方視的に検討した.

     【結果】すべて食物アレルギーに対する処方であり, 体重15kg未満の児が36名 (29%) であった. AAIを処方された児の97%にアナフィラキシー (An) の既往があった. 処方後に全体の27% (34名) がGrade 3以上のAnを55件起こした. 15kg未満児の6件を含む30件でAAIが使用され, いずれも重大な副作用はなかった. AAI処方に影響した因子は, 熊本市外で救急病院まで10km以上の患者であった (p<0.01). 患者背景, Anの発症頻度やAAI使用頻度には距離による差はなかった.

     【考察】当院では, 近隣の救急病院の有無がAAI処方に考慮されていたが, AAIの使用実態は救急病院への距離によって違いのないことが示された. 救急病院への距離にかかわらず, AAIが適切に使用されるための指導が必要である.

  • 鈴木 薫, 江澤 和江, 灘岡 陽子, 今井 孝成, 赤澤 晃, 岩田 力
    2017 年 31 巻 2 号 p. 124-134
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/30
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     【研究目的】東京都の保育施設等における園児・児童のアレルギー疾患の罹患状況や施設内体制を調査し, 今後のアレルギー疾患対策の課題を明らかにする.

     【対象と方法】2014年9月に東京都内の全保育施設と幼稚園, 合計7,405施設を対象に, 無記名による自記式調査票を郵便にて配布・回収した.

     【結果】5,348施設から回答を得た (回収率72.2%). 食物アレルギー罹患率は6.3%, 気管支喘息3.6%, アトピー性皮膚炎2.9%, アレルギー性鼻炎2.3%, アレルギー性結膜炎0.9%, アナフィラキシー0.6%であった. 食物アレルギーを有する児は保育施設全体の80.5%に在籍していた. 施設内での食物アレルギー症状の発症を経験している施設は19.0%で, 発生原因は初発64.9% (658施設), 誤食34.1% (346施設) であった.

     【結論】2009年に東京都が実施した施設調査に比べ, 食物アレルギー, アレルギー性鼻炎, アレルギー性結膜炎, アナフィラキシーは増加していた. 食物アレルギー対応としては, 生活管理指導表の提出の必須化, 施設での初めての摂食がないようにすること, 誤食を起こした原因究明と喫食時の適切なマニュアル作成が必要である.

  • 犬尾 千聡, 森 雄司, 近藤 康人, 田中 健一, 中島 陽一, 川井 学, 山脇 一夫, 木村 守, 柘植 郁哉, 宇理須 厚雄
    2017 年 31 巻 2 号 p. 135-140
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/30
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     【背景】アトピー性皮膚炎に罹患した乳幼児は鶏卵アレルギー発症のリスクが高い. オボムコイドを減量した加熱全卵を含むベビーフードのアトピー性皮膚炎の乳幼児に対する安全性を評価した.

     【方法】卵白未摂取のアトピー性皮膚炎乳幼児に対し, オボムコイド減量加熱全卵を含有するベビーフード1瓶を用いた経口負荷試験をオープン法で行った.

     【結果】対象症例は46症例 (男児24例, 女児22例), 中央値はそれぞれ年齢10.0か月 (9~21か月), 卵白特異的IgE 10.1UA/ml, オボムコイド特異的IgE 0.21UA/ml, 血清TARC 1,553pg/mlだった. 負荷試験では43例 (93.4%) が症状なく全量摂取できた. 3例が全量摂取後に軽微な皮膚症状を呈したが, 再試験では症状誘発はなかった.

     【考察】オボムコイド減量加熱全卵を含有するベビーフードは, アトピー性皮膚炎乳幼児が安全に摂取できることが示唆された. 今後はオボムコイド特異的IgE高値の乳幼児に対する安全性の確認が必要である.

  • 村上 洋子, 若槻 雅敏, 小野 倫太郎, 岩田 実穂子, 松崎 寛司, 網本 裕子, 田場 直彦, 本荘 哲, 本村 知華子, 小田嶋 博
    2017 年 31 巻 2 号 p. 141-148
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/30
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     【目的】アトピー性皮膚炎 (AD) 児の保護者に対してスキンケア指導入院を行い, 評価する. 【対象】当科外来を受診した治療に難渋しているAD患児の保護者49名. 【方法】当科で作成した2泊3日間のスキンケア指導入院を実行し, 入浴, 外用薬塗布手技に関して, スキンケアチェック表を用いて評価した. ADの重症度はEASI (Eczema Area and Severity Index) を用いた. また退院時にアンケートを行った. 【結果】EASIは, 入院時28.2点 (平均) で, 退院時15.6点, 1か月後は8.9点であった. 外用薬塗布手技に関して, 入院時に約8割の保護者が一人ではできなかった項目は, 「湿疹治療薬を適切な部位へ塗布できる」, 「適切量を塗布できる」 などで, 退院時にはほぼ習得できた. 退院時アンケートにおいて, 入院でよかったことに関して, 「使用量がわかった」 が85%であった. 【結論】外来診療でADの治療に難渋する患者の保護者に対して, スキンケア指導入院は有効であり, 退院1か月後も良好な皮膚状態の維持が可能であった.

  • 中農 昌子, 河原 信吾, 清益 功浩, 南部 光彦
    2017 年 31 巻 2 号 p. 149-156
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/30
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     教育現場では緊急時対応を含めた食物アレルギーに関する講習会が近年増加している. われわれは講習会前後でアンケートを行い, その結果から講習会の効果と課題を検討した. 対象は2014年5月~2015年8月に, 奈良県内の市町村, 学校, 幼稚園, 保育園主催で計13回開催された講習会で, 参加者は教職員, 保育士, 栄養士, 調理師, 学童指導員など計1,356名であった. エピペン®に関して 「使用する自信がある」 「使用のタイミングがわかる」 と回答した参加者は講習会後有意に増加した. 講習会後, 理解を深めたという意見や, 研修やマニュアルの必要性など今後の課題に関する意見も認め講習会の効果と考えられたが, 一方 「具体的な症例が見たい」 「エピペン®はやはり不安」 などの意見, 指示書の質への不満も認められた. 講習会の効果があったと考えられるが, 講習会後の意見から講習会の内容について検討していく必要性が考えられた. こうしたアンケートは, 次回の講習会の内容の変更すべき問題点を指摘するのに有用と考えられる.

総説
  • 室田 浩之, 奥田 英右, 片山 一朗
    2017 年 31 巻 2 号 p. 157-164
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/30
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     アトピー性皮膚炎の臨床症状は乳幼児期と学童期以降では臨床症状および経過そして治療反応性が異なる. 学童期以降では痒みが先行し, 掻破部位に慢性皮膚炎/苔癬化病変を形成する. よって痒みの制御が治療において重要である. アトピー性皮膚炎では皮膚の感覚過敏が生じており, 疼痛や温感など通常は痒みに感じない感覚を痒みに感じることがある. この痒み過敏の原因として炎症に伴って生じる皮膚知覚神経の異常な伸長, 神経栄養因子アーテミンの作用, そして中枢神経の増感などが考えられる. 温熱など環境因子によって誘導される痒みの管理にはまず皮膚炎の治療が優先されるべきである. 汗による痒みの対策として, かいた汗を適切に処理することと, 適切な量の汗をかけるように皮膚炎を制御することが大切である. 刺激のみならず, 視覚的刺激や聴覚的刺激も新たな痒みを誘発する. この “伝染する痒み” はアトピー性皮膚炎患者で顕著にみられる. 本稿では痒みの悪化要因と, それらに対する対処方法に関する知見を紹介するとともに過去の論文をレビューする.

  • 長瀬 洋之
    2017 年 31 巻 2 号 p. 165-173
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/30
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     喘息に対する分子標的治療は, マスト細胞を脱顆粒させるIgE, 好酸球を直接活性化するIL-5など, エフェクター細胞の活性化因子への介入からはじまり, 現在抗IgE抗体 (オマリズマブ) と抗IL-5抗体 (メポリズマブ) が, 臨床使用可能となっている. IL-5抗体は, 好酸球性喘息に限定して使用することが重要である. その他のIL-5抗体 (レスリズマブ) もFDAで認可されている. 抗IL-5Rα抗体 (ベンラリズマブ) の臨床的有効性も報告されており, ADCC活性による好酸球減少効果を有するとされるIL-13については, IL-13単独の抗体よりも, IL-4とIL-13の双方を阻害する抗IL-4Rα抗体 (デュピルマブ) の有効性が期待されている. これらの臨床試験は, 第3相に達している.

     最近は, さらに炎症機構の上流に位置する, Th2分化や活性化への介入が模索されており, CRTH2阻害, TSLP抗体, TLRリガンドについて検討されている. まだ第1~2相試験の段階にあり, 今後の検討がさらに必要である.

ガイドライン解説:食物アレルギー診療ガイドライン2016
  • 伊藤 浩明, 海老澤 元宏, 藤澤 隆夫
    2017 年 31 巻 2 号 p. 174-179
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/30
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    1. 食物アレルギーとは, 「食物によって引き起こされる抗原特異的な免疫学的機序を介して生体にとって不利益な症状が惹起される現象」 と定義する.

    2. 食物またはその成分がアレルギー症状の誘発に関与している場合は, そのアレルゲンの侵入経路を問わず, 食物アレルギーとする.

    3. 食物アレルギーは, 免疫学的機序によって大きくIgE依存性反応と非IgE依存性反応に分けられる. また, アレルゲン曝露から症状誘発の時間経過によって, 即時型反応と非即時型反応に分けられる. IgE依存性反応の多くは即時型反応を呈するが, 両者は必ずしも一致しない.

    4. 食物アレルギーによって, 皮膚, 粘膜, 呼吸器, 消化器, 神経, 循環器などのさまざまな臓器に症状が誘発される.

    5. アナフィラキシーとは, 「アレルゲン等の侵入により, 複数臓器に全身性にアレルギー症状が惹起され, 生命に危機を与え得る過敏反応」 と定義する. アナフィラキシーに血圧低下や意識障害を伴う場合を, アナフィラキシーショックという.

  • 井上 祐三朗, 大嶋 勇成
    2017 年 31 巻 2 号 p. 180-187
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/30
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     食物は生体にとって有益な異物であるため, 経口免疫寛容が誘導され過剰な免疫応答が抑制される. このような経口免疫寛容の破綻は, 食物アレルギーの発症メカニズムの一つと考えられている. 食物アレルゲンによる感作には胎内感作, 経腸管感作, 経気道感作, 経皮感作など複数の曝露経路による感作が知られており, 食物アレルギーの発症におけるそれぞれの役割が注目されている.

     IgE依存性アレルギーでは, マスト細胞上の複数のアレルゲン特異的IgEとアレルゲンの結合によりIgEが架橋され, ケミカルメディエーターの脱顆粒と脂質メディエーターなどの産生が誘導される. 非IgE依存性アレルギーの病態は不明な点が多い.

     乳幼児期の即時型食物アレルギー患者の多くは, 成長とともに耐性を獲得する. 自然耐性獲得の機序として, 成長による消化管の消化機能, 物理化学的防御機構, 経口免疫寛容機構の発達などが考えられている.

     食物アレルギーの病態がさらに明らかとなり, 発症予防や寛解誘導を目指したアプローチが, 近い将来に臨床応用されることが期待される.

  • 今井 孝成, 金子 英雄
    2017 年 31 巻 2 号 p. 188-192
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/30
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     食物アレルギーの疫学・自然歴は, 「食物アレルギー診療ガイドライン2016」 において, 第3章で記述された. すべての項目に関して最新の情報に更新することに努めた. 本稿ではその改訂のポイントや注目する点に関して解説する.

     情報更新以外のおもな改訂点は以下のとおりである. 有症率は海外の情報を増やし, 即時型食物アレルギー全国モニタリング調査は平成23年調査結果を記述した. アレルギーマーチに関しては, 食物アレルギーを起点とする関連文献を新たに抽出し記述した.

  • 福家 辰樹, 下条 直樹
    2017 年 31 巻 2 号 p. 193-199
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/30
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      「食物アレルギー診療ガイドライン2016」 (JPGFA2016) の第4章では, 近年のエビデンスの紹介を中心に食物アレルギー発症の予知と予防について概説している. 食物アレルギーの発症に影響を与える因子については国内外で多くの報告がなされ, 家族歴や遺伝的素因に加え, 皮膚バリア機能, 出生季節が検討されているが, 特にアトピー性皮膚炎の存在がリスク因子として重要である. JPGFA2016では, 食物アレルギーの発症予防のために妊娠中や授乳中に母親が特定の食物を除去したり, ハイリスク乳児に対して特定の食物の導入を遅らせたりすることは, 発症リスクを低下させることにはつながらないとし, 推奨しない. 母乳には多くの有益性があるものの, アレルギー疾患予防という点で完全母乳栄養が優れているという十分なエビデンスはない. ハイリスク乳児への保湿スキンケアがアトピー性皮膚炎を予防する可能性が報告されたが, 現時点では食物アレルギーの発症予防効果は証明されていない.

喘息治療・管理ガイドライン委員会報告
  • 磯崎 淳, 稲毛 英介, 八木 久子, 荒川 浩一
    2017 年 31 巻 2 号 p. 200-207
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/30
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     【背景】吸入ステロイド薬 (ICS) により長期管理されているにもかかわらずコントロール不良の小児気管支喘息に対し, ICSの増量 (ICS増量) と長時間作用性β2刺激薬 (LABA) の追加 (ICS/LABA) のどちらが優れているかは不明である. 【方法】2016年3月までに公表された20歳未満の喘息患者を対象とした関連する無作為比較試験 (RCT) をもとにシステマティックレビューを施行した. 主要項目として, 経口ステロイド薬を要する急性増悪, 副次項目として入院を要する急性増悪, 救急受診, 試験からの脱落, 呼吸機能, 症状, 短時間作用性β2刺激薬の使用, 有害事象について検討した. 【結果】8つのRCTが採用された. 経口ステロイド薬を要する急性増悪の回数は, 両群間で有意差を認めなかった. 入院を要した急性増悪, 救急受診, 喘息症状スコア, 有害事象においても両群間に有意差を認めなかった. 呼吸機能と身長の伸び率において, ICS/LABAで優れる点があった. 【結語】現時点では, ICS増量とICS/LABAの優劣を結論できない.

  • 田中 裕也, 中島 陽一, 佐々木 真利, 荒川 浩一
    2017 年 31 巻 2 号 p. 208-215
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/30
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     小児気管支喘息の治療において吸入ステロイド薬 (ICS) は国内外での主となるガイドラインでも中心的な役割を担っている薬剤であるが, ICSの成長に与える影響が報告されている. 小児へのICSの成長抑制についてシステマティックレビューを施行し, そのエビデンスを評価した. 対象となった25の無作為化比較試験 (RCT) で, 4つのRCTは1~5歳までの乳幼児, それ以外は5~18歳を対象とし, 6つのICS製剤が使用された. 治療期間が1年の場合, ICSはプラセボと比較して線形成長速度において−0.48cm/年の成長抑制が認められた. 成長抑制はデバイスや投与量よりもICS製剤の種類による影響が大きかった. 2年目以降の成長抑制は両群間で差がない, あるいはその差は小さかった. また, 成人期までフォローした報告では, −1.2cmの有意な成長抑制がみられた. 現時点ではICSは成長抑制をきたしうる可能性はあり, 喘息として適切な診断/評価が必要であるとともに, ICSの必要最小限度の投与量を心がける必要がある.

  • 清水 麻由, 赤司 賢一, 川本 典生, 荒川 浩一
    2017 年 31 巻 2 号 p. 216-223
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/30
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     吸入ステロイド薬 (inhaled corticosteroid : ICS) の定期吸入は, 気管支喘息の治療として中心的な役割をもち, 国内外のほとんどのガイドラインが軽症持続型以上の気管支喘息患者に対してICSの連日投与を推奨している. 一方, 近年, 軽症持続型喘息児ではICSの間欠吸入でも急性増悪を抑制できる可能性が示唆されている. 小児気管支喘息患者の長期管理において, 有症状時にのみICSを間欠的に吸入することの有用性についてシステマティックレビューによってエビデンスの評価を行った. 対象となった論文は5つのRCTで, 未就学児490名と学童児145名が含まれていた. 有症状時のみのICS間欠吸入は, プラセボと比較して経口ステロイド薬を要するような急性増悪を抑制させる効果が示されたが, 重大な有害事象の発生率や入院率, QOLを低下させるのかなどについてはエビデンスレベルが低く, 結論は得られなかった. 検討対象となった文献では, ICS間欠吸入の投与方法は一定ではなく, その投与量や使用方法についても今後の検討が必要であり, 現時点ではICS間欠吸入は標準治療として推奨されない.

  • 真部 哲治, 村井 宏生, 高岡 有理, 荒川 浩一
    2017 年 31 巻 2 号 p. 224-230
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/30
    ジャーナル 認証あり

     【目的】吸入ステロイド薬 (ICS) を服薬中にもかかわらずコントロールが不良の喘息児に対するロイコトリエン受容体拮抗薬 (LTRA) 追加の有用性を検討する.

     【方法】1歳から20歳未満のICSを服薬中の喘息児に対して, LTRAを追加する群としない群で無作為比較対照研究を行っている文献を抽出し, システマティックレビューを行った. 経口ステロイド薬を要する急性増悪をきたした人数を主要評価項目とした.

     【結果】3編が採用され, 年齢はいずれも6歳以上, ICSはbudesonide 200~400μg/日もしくは, fluticasone 200μg/日が使用されていた. 主要評価項目は2編 (601例) で解析し, 有意差を認めなかった (相対リスク0.93, 95%信頼区間0.46~1.87, p=0.79).

     【結論】6歳以上で中用量相当のICSを服薬例へのLTRA追加は, 急性増悪を抑制せず, 画一的な治療としては推奨しない. しかし, 低用量のICS服薬例, 感染による増悪の多い5歳以下の患児や遺伝子タイプによっては有用な可能性があり, 現状ではICSへの追加治療の選択肢の1つに位置づけられる.

知っておきたい最新のアレルギー・免疫学用語
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