【目的】コナヒョウヒダニ特異的IgE (Df-IgE) 陽性の喘息患児に対する家庭訪問による環境整備の有用性を評価すること.
【対象】介入群 (A群) 10人と対照群 (C群) 12人.
【方法】A群には, 開始時と開始から1, 2, 3, 4, 6, 9, 12か月後に家庭訪問した. 簡易キットでダニアレルゲン量 (以下, Der 1量) を測定し, それに基づいて環境整備の方法を指導した. また家庭内から塵を採取し, ELISA法によるDer 1量も測定した.
喘息治療はJPGL2012に準じて行った. 喘息発作での予定外受診と入院について調査し, またDf-IgE値と呼吸機能検査を比較した.
【結果】A群10家族中3家族で家庭訪問を中止した. 開始時に患児の寝具と寝室床のDer 1量が多かった家庭では, 1年後にはDer 1量は低下した.
治療をステップダウンできたのはA群4人, C群2人, 変化なしはA群6人, C群6人, ステップアップはC群4人であった (尤度比検定でp=0.049). 入院や予定外受診, Df-IgE値, 呼吸機能検査の変化には有意差はなかった.
【結論】家庭訪問による環境整備の有用性が示された.
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