日本小児アレルギー学会誌
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4 巻, 1 号
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  • 佐々木 聖
    1990 年 4 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 藤森 茂, 小田嶋 博, 馬場 実
    1990 年 4 巻 1 号 p. 10-14
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Acupuncture has been clinically tried as one of the treatment of bronchial asthma.
    SSP, silver spike point electrode, is characterized by the low frequent electric current, and has been used for the relief of pain.
    We applied SSP for the treatment of the children's bronchial asthma and its effectiveness is checked by respiratory function test as well as acetylcholine inhalation test.
    The mesults are as follows:
    1) No change of %VC was observed after SSP treatment, but FEV10% soon after and 20 minutes after SSP treatment was significantly improved.
    2) In 7 of 10 patients, the threshold of acetylcholine was incresed after SSP treatment.
    Our results suggest that airway obstruction and bronchial hypersensitivity were improved by SSP treatment.
  • 堀内 康生, 木寺 克彦, 志野 和子, 尾崎 元, 舟木 仁一, 上野 成子, 吉村 彰友, 菅原 猛行, 藤谷 宏子, 玄 俊孝, 更家 ...
    1990 年 4 巻 1 号 p. 15-21
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    7施設に通院ないし入防中のダニに高い抗体価を有する喘息児47例を対象に防ダニ布団カバーを使用し臨床症状の経過およびダニ数の計測を行った. ダニ数の計測に際し, 防ダニカバーを使用しない群を対象群とした. 防ダニカバー使用群では使用1カ月後にダニ数は著明な減少を認めた. 発作点数も減少し咳漱・夜間睡眠などの臨床症状も改善した. しかし, 夏季にはダニ数が増加し, 臨床症状も悪化した. 室内のダニ繁殖による侵人が考えられ, この時期には除湿や部屋の掃除を徹底することが必要かと考えられた.
  • 清水 広子, 勝呂 宏, 山本 淳, 浅井 義之, 池部 敏市
    1990 年 4 巻 1 号 p. 22-28
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    通常の治療に抵抗して発作を反復する重症・難治性気管支喘息児に対して, 1日1~3回, 電動式ネブライザーを使用したDSCG液1A (2ml)+β刺激剤 (salbutamol 吸入液または procaterol 吸入液) の定時吸入療法 (regular use) は, 発作の予防と臨床症状の改善に非常に有効であった. 本療法施行前1か月と施行後1か月の臨床症状が, 軽度以上改善67.7%, 中等度以上改善38.7%, 前年同時期との比較でも軽度以上改善76.2%, 中等度以上改善47.6%と. 良好な結果だった. 本療法は重症喘息児の発作予防に極めて有効な方法であり, さらなる重症化を予防する可能性をも示唆した.
  • 測定値によるグループ分けと, 各グループにおける水泳およびハイキング実施時の測定値の変動の検討
    小屋 二六, 鈴木 慎一郎, 斎藤 誠一
    1990 年 4 巻 1 号 p. 29-38
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    我々は6日間の夏期喘息学校にて, 毎日3回ピークフロー値を測定し, 日常生活におけるピークフロー値の変動状態を検討した.
    対象は9~15歳の気管支喘児65名である. %PEFR値が常に100%を越えた群: Ia群, 常に70%を越えた群: Ib群, 70%を割る値を一回有した群: II群, 二回以上有した群: III群として検討すると, 起床時の%PEFR値は5回のうち3回有意な差にて, Ia>Ib・II>IIIという結果を示した. 日中, 就寝時の結果ではIa>Ib・II・IIIという関係が12回のうち10回を占めた. 次にフロー値変化状態をみるため, 水泳, ハイキング前後に測定した%PEFR値の前後比を検討した. 水泳では, Ia・Ib群に対しII, III群とも有意な高値を示した. ハイキングでは, Ia・Ibに対しII群は有意な低値を, III群は有意な高値を示す結果となった. そこで, 途中の休憩時における%PEFR値を加え, 休憩前と後の運動前後比を検討すると, Ia群では差を認めないが, Ib, II, III3群では休憩前より, 後の運動前後比が有意に低値となり, 両者の差異が明らかとなった.
  • 浜崎 雄平, 放生 稔, 坂本 亘司, 宮崎 澄雄, 西間 三馨
    1990 年 4 巻 1 号 p. 39-46
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    長期入防施設で, 3年間の加療後, 外来治療に変更して3カ月目に大発作をおこし, 6カ月間人工呼吸管理をおこない死亡した気管支喘息の13歳男児例を報告した. 1. IgE値は入院中, 次第に低値となったにもかかわらず, 発作は軽減せず, 機序として気道過敏性の重要性が強く示唆された. 2. 経過中に中枢性尿崩症があきらかとなり, これは脳波の低振幅化, 徐波化の所見と時間的に一致し, 無酸素脳症として予後不良の兆候と考えられた. 3. 本症例のような重症児の発作 (特に夜間の) による死亡を予防するためには, 気道過敏性の病態の解明に加えて, 両親および本人に発作時に具体的にどうするのかを, 繰り返し徹底する必要があると考えられた.
  • 黒崎 知道, 鳥羽 剛, 斉藤 能厚, 池上 宏
    1990 年 4 巻 1 号 p. 47-51
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    呼吸管理を要する無呼吸発作をきたしたミルクアレルギー児2例を経験した.
    症例1, 生後40日の人工栄養児. 入院1週間前より痙咳, 無呼吸発作, チアノーゼ, 四肢蒼白を反復、IgE<10U/ml, RAST score: 牛乳0, 卵白0. IgG4抗体: 牛乳≦25U/ml. ミルクによる直腸誘発試験: 誘発前好酸球 (-), 誘発後好酸球 (++) より陽性.
    症例2, 生後30日の混合栄養児. 産院退院時よりミルク哺乳後, 無呼吸発作を反復, IgE<10U/ml, RAST score: 牛乳2, 卵白0, IgG4抗体: 牛乳≦25U/ml.
    2例とも短期間ではあるが人工呼吸管理を要し, ミルク除去後, 症状無く順調である. 乳児期早期の無呼吸発作には, 百日咳, 種々ウイルス感染症が知られているが, 乳児期早期の食物アレルギーでも年長児では起こりえないような重篤な症状を呈することがある. 乳児突然死症候群との関連を考慮した場合, 日常診療上注意が必要である.
  • 岸田 勝, 福嶋 建三, 中井 正二, 頭本 一朗, 飯倉 洋治
    1990 年 4 巻 1 号 p. 52-56
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    気管支喘息児9例を対象に, Double-blind, placebo-controlled method で, オキサトミドのメサコリンに対する気道過敏性に与える抑制効果について検討した. 9例中7例に閾値の上昇を認め, PC20はオキサトミド投与時1528±1849μg/ml, プラセボ投与時495±510μg/mlとオキサトミド投与時に有意に高値であった. 以上よりオキサトミドは気管支喘息児の気道過敏性を改善することが明らかになった.
    気道過敏性の成立機序については, ロイコトリエン等のケミカルメディエーターとの関連やレセプターとの関連が検討されている.
    オキサトミドは, ヒスタミン, ロイコトリエン, PAFなどケミカルメディエーターの合成, 遊離を抑制するとともに拮抗作用が報告されている. また, モルモット肺におけるβレセプターの数の有意な増大が報告されており, 今回の結果は気道過敏性の成立機序の面からも興味深い結果であった.
  • 林田 道昭, 安浪 純, 土居 悟, 井上 寿茂, 高松 勇, 豊島 協一郎
    1990 年 4 巻 1 号 p. 57-62
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    10~15歳の極めて重症の慢性喘息児13例に大量ベクロメサゾン (BDP) 800~1200μg/日を3~10か月間投与した.
    1) 臨床効果は著効4例, 有効4例, やや有効5例と全例有効で, 投与1か月後から効果がみられた.
    2) 早朝6時コーチゾール値, rapid ACTHテストにおいて, コントロール群とBDP投与群, BDP投与前後に有意差はみられなかった.
    3) 口腔内カンジタ症もみられなかった.
    以上から, 大量ベクロメサゾン吸入療法は極めて重症の慢性喘息児に有効であり, 上記量を使用する限り, 副腎皮質機能抑制の危険性は低い可能性が示唆された.
  • ダニ抗原, ウシ胎児血清, リポ多糖体添加の効果
    松井 猛彦, 野間 剛, 馬場 実, 矢田 純一
    1990 年 4 巻 1 号 p. 63-66
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    気管支喘息小児と健康人の単核細胞からの Interleukin 1 (IL 1) 産生についての検討を行った. 単核細泡をAB型血清添加培地を用いて培養した場合, その培養上清にはIL 1活性は認められなかったが胎児牛血清 (fetal calf serum: FCS) 添加培地を用いた場合IL 1活性の増加が認められ, 患者では健康人と比較してその活性は亢進していた. 患者ではFCS中の抗原に反応するT細胞が健康人よりも多いためと考えられた. ダニ抗原物質 (Dermatofagoides farinae: Df) あるいは lipopolysaccharide (LPS) で刺激した場合, 培養にAB型血清使用時でもその上清中にIL 1活性が認められるようになり, FCS使用時にはさらに高いIL 1活性がみられた. DfとLPSの効果は患者と健康人の間で差を認められなかったので, Df, LPSの作用は抗原としてより非特異的刺激物質としての作用と考えられた.
    ウシ血清やDfが単核細胞からIL 1の産生を誘導することは, アレルゲンとされている抗原がその機序によっても炎症反応をもたらす可能性を示唆している.
  • 清水 俊男, 堀 俊彦
    1990 年 4 巻 1 号 p. 67-71
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    喘息発作にて入院した2歳から12歳までの小児喘息児30例 (男20名, 女10名, 平均年齢5.9歳) を対象として, アミノフィリン持続点滴中止直後の経口テオフィリン製剤の投与法について検討した.
    その結果, アミノフィリン末の投与は点滴中止時のテオフィリン血中濃度が高い場合, 中毒を起こす可能性がある一方で, 逆に時間がたつと血中濃度の低下が早く, 点滴中止時から2時間以内のテオフィリン徐放製剤投与の方が, 安全にかつ有効な血中濃度を維持するのにより適していると思われた. 従って, アミノフィリン持続点滴中止後の経口テオフィリン製剤の投与は, 可能であればテオフィリン徐放製剤を用い, テオフィリン血中濃度を確認した上で朝夕の内服予定時間前2時間以内にアミノフィリン点滴を中止することが薦められる.
  • 国府 肇
    1990 年 4 巻 1 号 p. 72-86
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    臨床上改善あるいは悪化を示した気管支喘息患児計51例における無発作時の吸入メサコリン閾値の3年以上9年迄 (平均5.2年) 観察しえた経年推移は, 経過年数別にみると平均閾値としての変動は有意ながらその変動幅は小さかった. また上記症例中に含まれる17例にはいわゆる Outgrowing が成立していたが, 3年以上8年迄 (平均6.0年) の吸入メサコリン閾値の改善はより著明ながらその変動は予想外に僅かであった. しかし何れにせよ僅かな閾値の変動でもそれを認めた場合, その臨床的意義は大きいものと思われた.
    気道過敏潜在児の気道過敏性は気管支喘息児のそれに比較して鈍であったが, 吸入メサコリン閾値の年齢的分布においては, 6歳以下と6歳以上との間に差はなかった. また3歳から13歳迄の気道過敏潜在児1年以上5年迄 (平均27ケ月) の観察では15.6%の症例がその期間に気道過敏性の増強を示した.
    また気道過敏性とアトピー素因との関係については, 気管支喘息において吸入メサコリン閾値の変動と血清総IgE, 家塵RAST, 血中および鼻汁中好酸球などを指標としたアトピーマーカーの変動とは関連なく, さらに気道過敏潜在児においても気道過敏性は患児のアトピー家族歴やアトピーマーカーとは独立的に存在していると思われたが, また咳嗽持続児においても同様の傾向が認められた.
  • 岩崎 栄作, 馬場 実, 我妻 義則, 山口 淑子, 根本 紀夫, 斉藤 博久, 飯倉 洋治, 島貫 金男, 池部 敏市, 根本 俊彦, 吉 ...
    1990 年 4 巻 1 号 p. 87-95
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    小児アレルギー性疾患264例について, MAST法にてアレルゲン特異的IgE抗体測定を行った. MAST法とRAST法は, アレルゲン35項目中24項目において相関係数0.60以上の良好な相関が得られた. MAST法による抗原別陽性率は, 吸入性抗原でヤケヒョウヒダニ (83%), コナヒョウヒダニ (82%), ハウスダスト (77%), ネコ (39%), イヌ (35%), スギ (26%), 食物性抗原でダイズ (35%), 卵白 (24%), コメ (23%), オオムギ (22%), コムギ (20%) であった. 疾患別では, 概ね全項目で気道疾患と皮膚疾患の合併例が単独例より陽性率が高く, 食物では皮膚疾患を有する症例に陽性率が高かった. 年齢別では, 低年齢層で食物の陽性率が高く年齢とともに低下し, ハウスダスト, ダニは年齢とともに急速に上昇し, 動物毛, 花粉は緩徐に上昇, 真菌はやや遅れて上昇する傾向が認められた. 1症例の陽性アレルゲン数は平均7.5個で, 5種類以上に陽性は57%, 10種類以上に陽性は28%に認めた. MAST法による特異IgE抗体の多項目同時測定は, 多種類の抗原に感作されている小児アレルギー性疾患児のアレルゲン診断法として有用な検査法と考えられた.
  • 秋本 憲一, 斉藤 博之, 赤沢 晃, 橋本 光司, 勝沼 俊雄, 野々村 和男, 海老沢 元宏, 永倉 俊和, 植草 忠, 恩田 威文, ...
    1990 年 4 巻 1 号 p. 96-100
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    重症のアトピー性皮膚炎患児のなかには食物除去療法, 環境整備, 薬物療法, 免疫療法, ステロイド外用療法等を行っても治療に抵抗するものが結構多い. 重症アトピー性皮膚炎患者が夏休み明けに軽快していることがしばしば経験し, 海水浴がアトピー性皮膚炎の治療に役立つのではないかと考え, 昭和63年の夏にアトピー性皮膚炎患児9名を対象に一週間の海水浴療法を経験し, 好結果を得た. 今回行った方法は, 患者を神奈川県二宮町の国立小児病院二宮分院に入院させ, 食物療法, 薬物療法等の治療に加え二宮町の海岸で午前一時間, 午後二時間, 海岸で海水による皮膚の洗浄を行うものである. 僅か一週間の短期間で通常の入院治療より優れた寛解が得られ, 厳格な食物除去療法のような社会的・栄養的な問題, 薬物療法による副反応等の問題がないため, 海水浴療法は重症の小児アトピー性皮膚炎に対して是非試みるべき治療法と考えられた.
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