日本小児アレルギー学会誌
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6 巻 , 3 号
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  • 井上 寿茂, 土居 悟, 高松 勇, 村山 史秀, 亀田 誠, 岡田 正幸, 林田 道昭, 豊島 協一郎
    1992 年 6 巻 3 号 p. 82-86
    発行日: 1992/09/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    小児気管支喘息の重症化, 難治化要因のひとつとして家庭背景の問題が挙げられる. 小・中学生の外来初診喘息児379例, 並びに施設入院療法を行った喘息児103例を対象とした単親家庭の頻度は外来児で10.0% (重症児では25.7%), 入院児で18.4%であった. また入院児では両親の離婚や別居, 家族の精神神経疾患など家庭に問題を持つ喘息児の頻度は39.8%に及んだ. 不登校や怠薬, 喘息以外の心身症の合併など心理的問題を有する率は家庭に問題をもつ喘息児で53.6%で, 家庭に問題のなかった喘息児での24.2%に比べ有意に高率であった. このような心理的問題を有する児では入院期間が長期化し, 積極的に個別的心理治療が試みられていたにもかかわらず再入院の頻度が高く, 医療機関のみでの対応には限界があり, 社会的視野に立った対応策の開発の必要性を痛感した.
  • 伊藤 浩明, 菊池 哲, 山田 政功, 鳥居 新平, 片桐 雅博
    1992 年 6 巻 3 号 p. 87-91
    発行日: 1992/09/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    アレルギー疾患の食事療法のひとつとして, アラキドン酸カスケード由来のケミカルメディエーター産生抑制を目的として, n-6系列多価不飽和脂肪酸 (リノール酸, アラキドン酸) 摂取を減らし, n-3系列多価不飽和脂肪酸 (α-リノレン酸, イコサペンタエン酸) を積極的に摂取させる「α-リノレン酸強化食療法」を, 6名のアトピー性皮膚炎患児に施行した. 124±40.4日間の指導により, 3例がアトピー性皮膚炎の改善傾向を示し, 他の1例も指導を継続することで改善傾向を示した. 血清リン脂質中の脂肪酸組成で, n-3/n-6比, イコサペンタエン酸/アラキドン酸比が有意に上昇した (p<0.01). それに伴い, ザイモザンと新鮮自己血清刺激による末梢血多核白血球からの Leukotriene C4放出が有意に減少した (p<0.05). 以上の結果から, 日常の食生活の中で施行できる「α-リノレン酸強化食療法」は, アレルギー疾患の食事療法の基盤として有益である可能性が示唆された.
  • 吉村 佳世子, 向山 徳子, 宮林 容子, 馬場 実
    1992 年 6 巻 3 号 p. 92-98
    発行日: 1992/09/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    気管支喘息児の性格特徴を把握するために, 喘息児89名, 健常児71名に矢田部ギルフォード (Y-G) 性格検査と, Picture Frustration (PF) スタディを施行した.
    両検査結果を性別と年齢 (低・高学年) の点から分析した. 1) 喘息児の性格特徴には, 男女差, 年齢差が認められた. 特にPFスタディにおいて, 低学年に比べて高学年では, 男子では攻撃性が, 女子では過剰適応の傾向がみられた. 2) 低学年に比べて高学年では, 意識上の面を測定するとされる質問紙法のY-G性格検査と, 意識下を測定するとされる投影法であるPFスタディの結果は大きく異なるものであった. 心理テストを使用する際, 何種類かのテストを施行する必要性が改めて示唆された.
  • 国府 肇
    1992 年 6 巻 3 号 p. 99-107
    発行日: 1992/09/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    小児の気管支喘息児12例に, 8mg/kg/dayのレピリナストを約1年間経口投与し, 投与前後におけるアセチルコリン吸入閾値を測定した. 閾値の測定には, 既報のP-Vリサージュ法を加味したアストグラフに依った. 結果は, 8例に閾値の上昇が認められ, 統計学的に有意な閾値の改善を得た.
  • 和田 映子, 宇理須 厚雄, 近藤 康人, 堀場 史也, 鶴田 光敏, 矢崎 雄彦
    1992 年 6 巻 3 号 p. 108-113
    発行日: 1992/09/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    症例は1歳4ヵ月男児. 入院後, 喘息は増悪し, β刺激剤の吸入と内服によっても改善せず, gastroesophageal reflux (GER) の関与を考えた. 上部消化管造影では逆流を認めなかったが, 24時間食道pHモニターのスコアーは57.1と高く, 食道内圧は lower esophageal sphincter (LES) 圧が80mmH2Oと低く, LES長も9.2mmと短かったためGERが合併していると診断した. パルスオキシメーターを用い, 酸素飽和度 (SpO2) を24時間食道pHモニターと同時記録Fしたところ, 喘鳴が聴取される時にpHが4以下になり, SpO2値も80台に低下したことから, GERが喘息発作に関与していると推測した. omeprazole 単独投与後の24時間食道pHモニターのスコアーは34.7, omeprazole と炭酸水素ナトリウムの併用投与後のスコアーは28.5とさらに改善し, それとともに喘鳴も改善した. 以上より, GERと喘息の関係の検索に, 24時間食道pHとパルスオキシメーターによる酸素飽和度との同時記録が有用であり, omeprazole はGERが原因あるいは増悪因子となっている喘息の治療剤として有効であると考えられた.
  • 太田 展生
    1992 年 6 巻 3 号 p. 114-120
    発行日: 1992/09/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    喘鳴性気管支炎, アトピー性皮膚炎のみの患児との比較をすることにより乳児喘息の発症にかかわるアレルギー要因を検討した.
    対象は乳児期より2年以上観察し得た乳児喘息児 (BA群) 56例, 喘鳴性気管支炎児 (WB群) 53例, アトピー性皮膚炎のみの患児 (AD群) 50例である. 結果は, 1. BA群の改善率は85.7%, 無症状率は10.7%であった. 2. BA群がWB群およびAD群に対し血清IgE抗体, Df特異IgE抗体陽性率および米特異IgE抗体陽性率が高く, AD群に対し小麦特異IgE抗体陽性率が高かった. 3. 末梢血好酸球数は3群間に差を認めなかった. 4. WB群より2歳以後喘息に移行した例 (喘息移行群) は18.9%であった. 5. 喘息移行群は不変群, 発作消失群に対しIgE抗体と2歳以後の食物抗原特異IgE抗体陽性率は高値であった. 以上, 乳児喘息の発症にかかわる要因は乳児期からのIgE抗体高値, 0歳からのDf特異IgE抗体陽性, 米, 小麦特異IgE抗体陽性であった.
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