日本小児循環器学会雑誌
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28 巻 , 2 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
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巻頭言
特集
  • 安河内 聰
    28 巻 (2012) 2 号 p. 71-72
    公開日: 2012/11/15
    ジャーナル フリー
  • 小山 耕太郎
    28 巻 (2012) 2 号 p. 73-80
    公開日: 2012/11/15
    ジャーナル フリー
    本症は心房-心室関係と心室-大血管関係の両方が正常の逆を示す疾患である. 2段階の不一致によって血液循環は生理学的に修正されるが, 約90%の例に合併病変がみられる. 症状の出現時期は合併病変の種類と程度によって胎児期から高齢者までさまざまであるが, 加齢とともに体心室としての右室の機能低下や三尖弁閉鎖不全, 不整脈が認められるようになることから, 早期の評価と治療介入が求められる. 特有の解剖学的所見として, 心房中隔と流入部心室中隔が整列しない, 左室流出路が僧帽弁と三尖弁の間に深く嵌り込む, 心房位が正位の場合, 大動脈が肺動脈の左前方に位置する, 刺激伝導系が異常である等がある. これらの解剖学的特徴と合併病変とを理解したうえで, 診察と胸部X線, 心電図, 心エコー図, MRI, MDCT等の検査を組み合わせて診断する. 特に心エコー図は区分診断法によって基本形態を明らかにするとともに合併病変の評価が可能であることから本症の診断に最も大きな役割を担っている. 心エコー図による右室機能の定量評価が今後の課題である.
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  • 八木原 俊克
    28 巻 (2012) 2 号 p. 81-88
    公開日: 2012/11/15
    ジャーナル フリー
    修正大血管転位は房室錯位を伴い, かつ解剖学的右室が体心室に, 解剖学的左室が肺心室になっている特徴がある. 最終目標になる外科手術は, 解剖学的右室を体心室としたまま種々の合併する形態異常を修復して血流動態を機能的に回復させる“機能的修復手術”と, 同時に解剖学的左室を体心室に変換する“double switch手術”とに分けられる. 前者は心室中隔欠損閉鎖, さらに肺動脈弁狭窄解除ないし左室-肺動脈流出路再建を加える手術, 三尖弁逆流に対する弁置換/形成, などが主なものであり, 後者は心房スイッチを行うことで, いわば修正大血管転位を完全大血管転位に変換したうえで, 同時に動脈スイッチ, または心室大血管スイッチ(Rastelli手術)を行う手術で, それぞれにさまざまなオプションがある. 近年, 両者の手術成績は著明に向上しているが, 特にdouble switch手術の長期遠隔予後にはまだ不明な点があり, その適応, 術式選択などには課題が残されている.
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  • 丹羽 公一郎
    28 巻 (2012) 2 号 p. 89-95
    公開日: 2012/11/15
    ジャーナル フリー
    修正大血管転位は, 経年的に三尖弁閉鎖不全, 体心室右室機能不全, 上室性頻拍, 房室ブロックなどが進行して, これらの合併症が管理上の問題となる. 初回手術として, 三尖弁置換術, 心外導管修復術, 心室中隔欠損閉鎖術などの古典的修復術や解剖学的修復術であるdouble switch手術を行う. しかし, 修復術後も合併症を認めることが多く, 不整脈, 心不全, 心内膜炎に対する予防や治療が必要である. 古典的修復術後の再手術率は高い. 解剖学的修復手術後, 特にJatene手術を併用した場合は, 古典的修復術後に比べて再手術率は低く, 生命予後も良い.
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  • 新村 一郎
    28 巻 (2012) 2 号 p. 96-102
    公開日: 2012/11/15
    ジャーナル フリー
    ホルター心電図の長所は, 通常心電図では検出され難い, 一過性変化を検出できる点であり, 特に不整脈の診断, 治療効果判定に有用である. 的確な判読にはノイズの少ない鮮明な心電波形の記録が必須である. 稀な頻度のイベント検出には, 長期間記録が可能なevent recorderが適応となる. Event recorderには, 症状発現時に被験者が胸部に接着して始動する非持続性と常時装着して起動前後の数秒~数分の情報を保存できるループメモリ付きと非ループ式がある. 非ループ式では急速な循環不全時には患者はrecorderをスタートできない欠点を有する. 今や, 豊富な解析ソフトによって, 心臓自律神経機能の評価, QT間隔測定やTWAによる再分極過程の不均一性の検討, 原因不明の失神などの診断, ペースメーカやICDの機能評価など多くの分野で活用されているが, 小児では未開拓の領域が多く, 今後の研究が待たれる.
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  • 吉永 正夫
    28 巻 (2012) 2 号 p. 103-109
    公開日: 2012/11/15
    ジャーナル フリー
    2005年に日本においてメタボリックシンドロームという新しい概念と診断基準が発表され, 内臓肥満とインスリン抵抗性の重要性が俄かにクローズアップされた. それまで肥満を治療・研究することは, 内科においても小児科においても循環器医療の中ではminorな, 放置してよいカテゴリーであったと思っている. 特に小児科領域ではデータが少なく, 私たちはデータに基づかない個人的な経験, 情報で教育され, また伝達していたように思う. 私が長い間教えられてきた次の命題は現在の日本人小児にあてはまるのだろうか.
    1. 小児期の肥満は増え続けている
    2. 小学校に行けば肥満はなくなる
    3. 軽度肥満なら心配することはない
    4. 子どもの肥満は母親との関係が強い
    5. 子どものメタボは気にするほどではない
    6. 成人だけでなく小児期・思春期の肥満の治療は難しい
    最近発表されたエビデンスに基づいて小児の肥満, メタボリックシンドロームの現状と対策を考えてみたい.
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  • 山岸 敬幸
    28 巻 (2012) 2 号 p. 110-116
    公開日: 2012/11/15
    ジャーナル フリー
    心臓神経堤細胞とは, 神経管の耳胞から体節3までのセグメントに起源し, 多分化能を有する細胞である. 間葉細胞として体の前後軸に対して分節的に移動し, 第III, IV, VI咽頭弓に分布して, 各咽頭弓動脈(胸部大動脈)の平滑筋に分化する. 流出路の発生には, 臓側中胚葉の二次心臓領域細胞と心臓神経堤細胞の相互作用が必要で, 二次心臓領域細胞は流出路心筋・平滑筋層を形成し, 流出路まで移動してきた心臓神経堤細胞は中隔を形成する. これら心臓前駆細胞の異常により, 心臓流出路異常のスペクトラムが生じる.
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  • 小川 俊一
    28 巻 (2012) 2 号 p. 117-125
    公開日: 2012/11/15
    ジャーナル フリー
    冠動脈の血流パターンは他の組織・臓器と違い主に拡張期に心筋に灌流される. 特に左冠動脈で顕著である. さらに, 冠循環には自己調節能が存在するが, それを規定しているのは冠動脈末梢血管抵抗, 拡張期心筋内組織圧, 心筋収縮性などである. 冠循環動態を評価する場合, いわゆる画像診断だけでは不十分で, 冠血流パターン, 時間平均血流速度(APV), 冠血流予備能(CFR), 心筋部分血流予備量比(FFRmyo), ずり応力, 末梢血管抵抗などの指標が有用となる. 川崎病の冠動脈病変合併例で問題となるのは巨大冠動脈瘤と有意狭窄性病変である. 有意狭窄性病変を合併していない巨大冠動脈瘤およびその遠位部における循環動態の特徴は, 血流パターンは乱流で, APV, CFRおよび, ずり応力は低下し, 末梢血管抵抗は増加する. 一方, 有意な狭窄性病変の遠位部では血流パターンは乱流で, APV, CFR, FFRmyoおよび, ずり応力は低下し, 末梢血管抵抗は増加する. これらのことはいずれも血管内皮細胞障害が惹起されていることを意味し, その後の血管再構築に悪影響を及ぼす可能性が示唆される.
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症例報告
  • 増谷 聡, 大竹 明, 土屋 美代子, 岩本 洋一, 小島 拓朗, 中川 良, 栗嶋 クララ, 齋木 宏文, 葭葉 茂樹, 石戸 博隆, 竹 ...
    28 巻 (2012) 2 号 p. 126-131
    公開日: 2012/11/15
    ジャーナル フリー
    目的:小児心移植の適応判断に心臓カテーテル検査は必須であるかを, 今回国内心移植登録に至った症例を通じて検討する.
    症例:生後4カ月で発症した拡張型心筋症の女児. 19カ月時に急性増悪して入院し, カテコラミン依存性となった. 臓器移植法改正後, 国内心移植の申請を行った. 初回判定は再評価であり, 左冠動脈肺動脈起始症の除外, 肺血管抵抗の正確な測定, 心筋組織検査による代謝性二次性心筋症の除外のため心臓カテーテル検査が必要とされた. 全身麻酔を伴う心臓カテーテル検査・心筋生検はリスクが高いため, 非侵襲的検査を徹底した. 動画で冠動脈の起始異常がないこと, 三尖弁逆流評価により心臓移植適応外となるような肺血管抵抗の異常高値は考えられないこと, 移植を禁忌とする各種先天代謝異常が否定的であること, を説明した. 2回目で適応(コメント付)と判定され移植登録に至ることができたが, なお心臓カテーテル検査が必要とされた.
    結論:貴重な移植心を適切なレシピエントに提供するため, 適応の慎重な吟味は当然であり, 動画を用いた評価過程は重要と考えられた. しかし非侵襲的検査により診断が確実なものは, 心臓カテーテル検査を必須とすべきではないと考えられ, 今後, さらにわかりやすいガイダンスの策定が期待される.
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  • 藤田 修平, 中村 太地, 臼田 和生, 渡辺 一洋, 市田 蕗子, 畑崎 喜芳
    28 巻 (2012) 2 号 p. 136-142
    公開日: 2012/11/15
    ジャーナル フリー
    右前中隔副伝導路による房室回帰性頻拍は稀であり, アブレーションによる房室ブロックの危険性も高い. 今回, カテーテルの機械的刺激により容易に伝導の途絶する右前中隔副伝導路に対して, 最小限の高周波カテーテルアブレーションで房室結節障害なく根治し得たので報告する.
    症例は10カ月女児. 発熱で受診時に頻脈に気づかれた. 心拍数280 bpmのnarrow QRS頻拍であった. ATP, ベラパミル, フレカイニド, ビソプロロールなどの薬剤に不応であり, 電気的徐細動が頻回になった. 頻拍発作コントロールにアミオダロン持続点滴を必要とし, 高周波カテーテルアブレーション目的に紹介となった. 電気生理学的検査(EPS)では室房伝導(VA伝導)はHis側近傍であったが, 減衰伝導特性を認めなかった. 誘発された頻拍の心房早期部位はHis電位記録部位であったが, リセット現象を認めた. 以上より中隔副伝導路による房室回帰性頻拍が疑われた. 詳細なマッピングによりVA伝導の最早期部位は右前中隔と判明した. 最早期部位でのカテーテルの機械的刺激によりVA伝導は容易に途絶した(bumping). 同部位近傍でHis電位が記録され, テスト通電によりjunctional rhythmが出現した. 機械的な刺激でVA伝導が途絶し, 徐々にVA伝導の再発が少なくなった. Bump現象が認められる部位で通電. VA伝導は完全に途絶し, 以後頻拍は誘発不能となった. 高周波カテーテルアブレーション後の房室結節機能に異常はなかった.
    心臓の小さい乳児例においても, 右前中隔副伝導路に対する高周波カテーテルアブレーションは有用であると思われた.
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