日本小児循環器学会雑誌
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28 巻 , 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
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巻頭言
Reviews
  • 中村 好一, 屋代 真弓, 上原 里程
    28 巻 (2012) 3 号 p. 148-156
    公開日: 2012/11/26
    ジャーナル フリー
    1970年に第1回全国調査が実施されて以来, わが国では21回に渡ってほぼ2年に一度の頻度で川崎病全国調査が実施され, 2011年には第21回調査を実施した. 過去3回(1979年, 1982年, 1986年)以降, 全国規模の流行はないが, 1990年代後半より患者数および罹患率は徐々に上昇し, 2010年の罹患率は1982年の罹患率よりも高かった. 1月に患者が多く, 夏場にも小さな山がみられること, 0歳児後半をピークとしてその後は減少する一峰性の年齢別罹患率を示すこと, などにより, いまだに原因は不明ではあるが, 疫学データは本疾患の発生に感染症が関与していることを示唆している. 一方で親子例や兄弟例の存在からは宿主側の要因の関与も否定できない. 急性期の心障害や発症後1カ月以降の心後遺症の発生頻度は着実に減少している. 全国調査を再解析した研究や別のデータを付加した研究のレビューを行った.
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  • 森田 紀代造
    28 巻 (2012) 3 号 p. 157-167
    公開日: 2012/11/26
    ジャーナル フリー
    開心術中心筋保護法の進歩に伴い小児心臓手術の手術成績は著しく向上したが, 長時間心停止を余儀なくされる重症例における虚血再灌流障害の回避はなお重要な課題である. 従来小児心筋保護領域では, 基礎的研究における心筋保護法の有効性に関して相反するデータも多く, 臨床的にも年齢, 疾患独自の病態, 手術方法, 虚血時間, 術後管理の多様性により心筋保護法ごとの有効性の評価は容易でない. 最近これら小児領域にも心筋保護法に関する無作為比較臨床試験が実施され, 生化学的心筋障害の観点から長時間心停止症例やチアノーゼ性心疾患などの限られた対象領域における血液心筋保護法の優位性が明らかにされた. しかしながら各心筋保護法の臨床的意義の解明には, 複雑心疾患を含む各種疾患・術式・年齢などの詳細な層別解析を伴う多施設大規模試験が必要である. 一方, 未熟心筋における成熟心筋と異なる生理学的特性や術前の心室負荷, チアノーゼ心筋障害合併の観点から小児心筋に特化した心筋保護方式/保護液の研究も不可欠であり, 近年, 小児用心筋保護液(Del Nido solution)の臨床的有用性が報告されている. さらに外科的心筋保護法の革新的概念として従来のdepolarized arrestにかわるAdenosine-lidocaineによるNormokalemic polarized arrestの優れた心筋保護効果が明らかにされるとともに, 心筋保護効果を増強する付加的戦略としてIschemic Conditioning(Pre・Post)の有用性が実証され, 小児心臓外科領域において臨床応用が開始されている.
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  • 富田 英
    28 巻 (2012) 3 号 p. 168-173
    公開日: 2012/11/26
    ジャーナル フリー
    バルーンによる弁・血管形成術, 血管狭窄に対するステント留置, カテーテルによる動脈管開存や心房中隔欠損の経皮的閉鎖術などのカテーテル治療は, 今日では, 先天性心疾患に対する治療法の1つとして欠くべからざるものとなっている. しかし, 世界的に広く使われるようになってからわが国への導入に10年以上を要したAmplatzer® Septal Occluderに見られるように, わが国におけるdevice lagの問題は深刻であり, Radiofrequency guidewire, covered stent, 経皮的肺動脈弁など, 低侵襲治療で予後改善に寄与すると考えられるいくつかのdevice導入への道のりは険しい. 本稿ではわが国への導入が期待される先進的ないくつかのdeviceを紹介する.
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原著
  • 柳元 孝介, 野村 裕一, 益田 君教, 荒田 道子, 櫨木 大祐, 上野 健太郎, 江口 太助, 島子 敦史
    28 巻 (2012) 3 号 p. 174-178
    公開日: 2012/11/26
    ジャーナル フリー
    背景:川崎病急性期の治療は2g/kgの免疫グロブリン静注 (intravenous immunoglobulin;IVIG) 療法が推奨されているが, 体重の大きい症例ではIVIG量が多くなり単回投与に躊躇する場合もある. 本研究の目的は, 体重の大きい川崎病患児の特徴やIVIG量とその効果を調査し検討することである.
    対象および方法:体重25kg以上の川崎病患児 (25KD) 13例と体重15kg未満の川崎病患児 (15KD) 326例の臨床検査値や治療およびその効果について比較した.
    結果:25KDの年齢は8±2歳, 体重は30±6kg (25~44) であった. 25KDは15KDと比較して好中球の割合およびCRP値が有意に高値で, 血小板数は有意に低値, 群馬スコアは有意に高点だった. 25KDの13例中12例は7病日以内に治療が開始されていた. 各年代で推奨されたIVIG療法の一日投与量に対する実投与量の割合は平均92%と15KDの112%と比較して有意に少なかった. 25KDに追加投与の必要な例はなかったが, 追加投与例の頻度には有意差を認めなかった.
    結語:25KDは15KDより重症だったが治療開始の遅れはなく, 推奨量より少ないIVIG一日投与量で治療が行われたが, 追加投与例は認めなかった. 体重の大きい川崎病患児における至適IVIG量に関しては症例数を増やして再検討が必要である.
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  • 中川 直美, 鎌田 政博, 石口 由希子, 久持 邦和
    28 巻 (2012) 3 号 p. 179-185
    公開日: 2012/11/26
    ジャーナル フリー
    背景:周術期経食道心エコー(TEE)は体格の問題から乳幼児での使用や効果に制限があった.
    目的:小児用マルチプレーンプローベ(PMP)を用いた周術期TEEの有用性について調査検討すること.
    対象と方法:2007年以降に周術期TEEを試みた412例を使用プローベによりA群(PMP), B群(小児用バイプレーン), C群(成人用MP), D群(挿入不能)の4群に分類した. 年齢分布, 基礎心疾患, 手技追加の有無, 術後経過, 挿入不能理由とその影響について調査した.
    結果:A群は0~4歳が86%(乳児33%), B群は5~9歳が57%, C群は15歳以上が70%, D群は乳児が83%であった. 手術手技追加はA群16例, C群6例で, B群に該当例はなかった. 単純心奇形はA群で35%, B群で94%, C群で48%であった. A群の手術手技追加は右室流出路再建7件, 房室弁再形成6件, 残存短絡閉鎖3件, 上大静脈狭窄解除1件であった. D群は心臓外疾患, 低体重が多く, 1例で術後15日で再手術を必要とした.
    結語:複雑心奇形が多い乳幼児期の開心術においてPMPを用いたTEEの効用は大きく, 予後改善につながると考えられる.
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症例報告
  • 前田 潤, 安田 幹, 小柳 喬幸, 柴田 映道, 河野 一樹, 古道 一樹, 福島 裕之, 山岸 敬幸
    28 巻 (2012) 3 号 p. 186-191
    公開日: 2012/11/26
    ジャーナル フリー
    Fontan型手術後遠隔期の合併症である蛋白漏出性胃腸症(PLE)は予後不良であり, その治療はいまだに確立されていない. 近年, 肺血管拡張薬であるsildenafil(SIL)がPLEを改善させるという報告が散見される. 今回Fontan型手術(TCPC)後にPLEを発症し, SIL投与により症状の改善を得た3症例を経験した. 【症例1】単心室の21歳, 男性. TCPC6年後にPLE発症. SIL 30 mg/日内服を開始, 40 mg/日まで増量し, 浮腫が軽快. 【症例2】単心室, 左肺動静脈瘻の17歳, 男性. TCPC2年後にPLE発症. SIL 1 mg/kg/日内服を開始, 4 mg/kg/日まで増量し, 浮腫, チアノーゼが改善. 【症例3】両大血管右室起始の12歳, 女児. TCPC1年後にPLE発症. steroid不応性であり, SIL 0.5 mg/kg/日内服を開始, 8 mg/kg/日まで増量し, 腹水が改善. 3症例ともSILの副作用は認められなかった. SILはPLEに対する安全な治療薬で, 用量依存性に効果を示す症例もあることが示唆された.
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