日本小児循環器学会雑誌
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29 巻 , 3 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
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巻頭言
Reviews
  • 金子 幸裕
    29 巻 (2013) 3 号 p. 102-108
    公開日: 2013/06/03
    ジャーナル オープンアクセス
    低出生体重(LBW)は心臓手術成績を悪化させる因子である.わが国では先天性心疾患(CHD)を有する児の1/3 がLBW であり,LBW 児の治療成績はCHD 全体の治療成績を左右する.LBW 児の心疾患に対して,正常出生体重児と同じ時期に手術を施行するのが望ましいとされているが,実際には半数程度の例で手術を遅らせる判断がなされており,手術を遅らせない症例と成績はほぼ変らない.姑息術より心内修復術が望ましいとされているが,超低体重児や合併疾患を有する例ではハイブリッド手術や経皮的カテーテル介入なども行われている.LBW が治療成績に与える影響は心疾患の種類によって異なるので,体重,心疾患の種類,合併疾患などに応じて症例ごとに治療方針を立てることが望ましい.
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  • 中川 雅生, 紀平 哲也
    29 巻 (2013) 3 号 p. 109-117
    公開日: 2013/06/03
    ジャーナル オープンアクセス
    わが国の医療保険制度(国民皆保険制度)は世界に誇れる優れたものである.しかし,この保険制度において,小児への適応がない医薬品は適正な医療とみなされず,保険診療において返戻の対象となる可能性がある.実際,この11 年間に薬事法上の承認を受けた医薬品のうち小児適応があるものは20.8%に過ぎず,多くの医薬品が小児には適応がないのが現状である.原則として薬事法上小児適応を有する医薬品が保険適用とされるが,両者は必ずしも同じではない.薬事法上の小児適応はないが医療保険において償還の対象となっているものもかなり存在する.しかしこれらの医薬品では,副作用による健康被害が発生しても救済を受けることができないという事態が発生しうるなどの問題がある.この問題を解決するには,単に健康保険適用だけを目標にするのではなく,治験の推進や臨床試験等で得られるエビデンスに基づく「医学薬学上の公知」により薬事法上の承認を得ていく必要がある.
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原著
  • 石丸 和彦, 上野 高義, 井手 春樹, 平 将生, 小澤 秀登, 小垣 滋豊, 澤 芳樹
    29 巻 (2013) 3 号 p. 118-124
    公開日: 2013/06/03
    ジャーナル オープンアクセス
    背景:純型肺動脈閉鎖(PAIVS)の二心室修復(BVR)術後長期遠隔期での心機能評価の報告は少ない.
    目的:心臓MRI 検査(cMR)を用いてBVR 術後遠隔期のPAIVS 症例における三尖弁輪径,右室容積の変化並びに両心室収縮機能を評価すること.
    方法:対象は1990 年以降,BVR 術後10 年以上経過したPAIVS 4 例,平均年齢は18.5 歳.PAIVS 4 例(P 群)と健常人9 例(N 群)にcMR を施行し,両心室容積並びに上行大動脈,肺動脈のforward flow を算出し,両心室収縮力(contractility)を比較した.
    結果:心臓カテーテル検査での%TVD(三尖弁弁輪径正常比),並びに %RVEDV(右室拡張末期容積正常比)の推移は,出生時73 ± 3.9%,45 ± 27% であり,BVR 術前,術後遠隔期でそれぞれ82 ± 6.1%, 88 ± 9.9%,%RVEDVは93 ± 37%,102 ± 49% と経時的に増加した.cMR で計測された両群のRVEDV(I P:N= 104 ± 33:74 ± 9.8mL/m2,P=0.21)並びにLVEDV(I P:N=76 ± 5.2:83 ± 49 mL/m2,p=0.22)は有意差を認めず, 両心室のPWRmax/EDV2は右室(P:N=7.8 ± 3.7:16 ± 8.0,P=0.06),左室(P:N=36 ± 3.0:82 ± 49,p<0.05)ともP 群で低値であった.
    結論:PAIVS 症例のBVR 術後長期遠隔期では,右心室容積並びに三尖弁輪径の増大を認めるものの,両心室のcontractility は低値であった.
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  • 伊藤 怜司, 小川 潔, 森 琢磨, 菅本 健司, 菱谷 隆, 星野 健司, 野村 耕司, 関島 俊雄, 目澤 秀俊, 井田 博幸
    29 巻 (2013) 3 号 p. 129-136
    公開日: 2013/06/03
    ジャーナル オープンアクセス
    背景:β遮断薬は小児においても循環器疾患を中心に用いられるが,低血圧,徐脈,低血糖といった副作用が問題となることがある。特に低血糖は重大な後遺症を来す可能性があるが,小児における頻度や危険因子は明らかではない。
    目的:乳幼児ファロー四徴症におけるβ遮断薬服用の有無と低血糖発症の関連性を明らかにし,その危険因子を明らかにすること。
    方法:1983 年4 月~ 2011 年1 月に受診したファロー四徴症422 例を3 群に分類(肺動脈閉鎖群116 例,β遮断薬服用群214 例,β遮断薬未服用群92 例)し,β遮断薬服用と低血糖発症の有無について検討した。
    結果: 低血糖の症例は16 例,全例がβ遮断薬服用群だった(16/214 例:7.5%)。発症時血糖値は平均26.4mg/dL,発症時年齢は平均2.3 歳,性差はなく,全例でcarteolol を服用していた。平均Kaup 指数は15.2,早産・低体重児や重度低酸素血症,心不全は認めなかった。低血糖の発症誘因は感冒や絶食指示による経口摂取不良を16 例中14 例(87.5%)に認めた。神経学的後遺症を3 例に認めた。
    結論:無酸素発作予防にβ遮断薬を服 用したファロー四徴症は,306 例中214 例(69.9%)であり,このうち低血糖を16 例(7.5%)に認めた。β遮断薬服用者の多くの低血糖は感染などによる経口摂取不良が誘因となっていた。β遮断薬を使用する際には低血糖の出現に注意を 払う必要がある。
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  • 鎌田 政博
    29 巻 (2013) 3 号 p. 140-146
    公開日: 2013/06/03
    ジャーナル オープンアクセス
     総合病院の循環器小児科としてわれわれの目指す専門医像は,搬送されてきた患者に迅速な診断と初期治療を施し,血行動態を安定化させたうえで精査のための画像診断を加え,心臓血管外科医と治療方針を立てる能力を有する臨床医である.われわれは修得目標を,外来診療,ECG,心エコー,心臓カテーテル検査・治療,重症心疾患管理などに大別し,修練医が一定期間内に基本的知識・手技を修得できるように努めている.しかしながら,大学病院,こども病院に比して規模が小さい総合病院循環器小児科では,症例数に見合う人員確保は難しい.その結果,修練医一人あたりの仕事量が過剰となれば,適切な修練プログラムの実践は困難となる.小児循環器専門医の育成環境を総合病院において整えるためには,修練医が「成長している」と感じられる修練プログラムを作成し実践することのみならず,修練医の恒常的な応募が得られるように情報発信していくことが重要である.
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症例報告
  • 平岩 明子, 齋藤 和由, 伊吹 圭二郎, 渡辺 一洋, 小澤 綾佳, 市田 蕗子, 宮脇 利男, 芳村 直樹, 小浦 詩, 藤田 修平, ...
    29 巻 (2013) 3 号 p. 149-155
    公開日: 2013/06/03
    ジャーナル オープンアクセス
     新生児期の心筋炎は極めて予後不良であり,救命のため体外補助循環の装着を必要とすることがある.コクサッキーB4 ウイルス性心筋炎による重症左心不全に対し,体外補助循環の代わりに,バルーン心房中隔裂開術(Balloon atrial septostomy 以下BAS)を施行し,救命しえた新生児例を経験した.この新生児では,肺うっ血と重症僧帽弁逆流を伴った重症左心不全に対して,内科的治療のみでは血行動態を維持できず,体外補助循環を目的に当院へ搬送されたが,両親の同意が得られなかった.心臓超音波検査上,動脈管が十分に開存し,体血圧は動脈管での右左短絡に依存していたため,日齢16 に,左房の減圧目的でBAS を施行した.BAS 直後より左房は減圧され,同時に動脈管での右左短絡が増加し,体血流が維持され劇的に呼吸循環動態が安定した.その後の心臓超音波検査では,左室前負荷の減少に伴い左心機能と僧帽弁逆流が徐々に改善した.大きな後遺症なく生後2 ヵ月時に退院が可能となった. 急性心筋炎の重度の左心不全治療として,体外補助循環とBAS を組み合わせた治療の報告はあるが,BAS のみで救命しえた報告はない.BAS は,動脈管が十分に開存している新生児では,心筋炎による重症左心不全に対する有効な治療手段の一つとなる可能性が示唆された.
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