日本小児循環器学会雑誌
検索
OR
閲覧
検索
29 巻 , 6 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
巻頭言
ガイドライン
Review
  • 住友 直方
    29 巻 (2013) 6 号 p. 291-299
    公開日: 2013/12/01
    ジャーナル オープンアクセス
    Sicilian-Gambitが開かれ,抗不整脈薬治療も大きく見直されるようになった.その後,頻拍性不整脈に対するカテーテルアブレーションが行われるようになり,不整脈治療が大きく変化した.3次元マッピングシステムの進歩もカテーテルアブレーションの普及に大きく貢献している.また植込み型除細動(ICD),心臓再同期療法(CRT)などのデバイス治療も行われるようになり,突然死予防に貢献している.不整脈治療に対するもう一つの流れは,遺伝子診断の発達である.QT延長症候群の遺伝子診断から始まり,Brugada症候群,カテコラミン誘発多形性心室頻拍,QT短縮症候群,進行性心臓伝導障害,家族性洞結節機能不全,家族性心房細動などが遺伝子診断されるようになった.遺伝子診断により,発現するチャネルが同定され,それに対する適切な薬剤選択が可能となってきた.
    抄録全体を表示
原著
  • 神保 詩乃, 三浦 大, 高畠 和章, 福島 直哉, 齋藤 美香, 玉目 琢也, 横山 晶一郎, 大木 寛生, 澁谷 和彦
    29 巻 (2013) 6 号 p. 300-305
    公開日: 2013/12/01
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:小児の不整脈に対する塩酸ニフェカラント(NIF : nifekalant)の報告は少なく,有効性と安全性は確立していないので,当院においてNIFを使用した症例について検討した.
    方法:対象はNIFで加療した開心術後不整脈25例,心筋症3例,計28例(日齢6~18 歳,男:女=20:8).NIFの抗不整脈薬効果とTdp(torsade de pointes)発生例の特徴について後方視的に調査した.
    結果:25例(89%)で頻拍が停止し,5例(18%)でTdpが発生した.Tdpを認めた群は認めない群に比し,QTc(B:Bazett式による補正)およびQTc(F : Fridericia式による補正)の有意な延長を認めた(585 msec vs. 460 msec, median, p = 0.001 および535 vs. 410 msec, median, p = 0.001).また,ROC曲線によるTdpを起こしうるcut-off値はQTc(B)で531 msec,QTc(F)で460 msec であった.
    結論:NIFは小児の不整脈に対し有効な薬剤であると考えられるが,投与中,特にQTc(B)が531 msec 以上,あるいはQTc(F)が460 msec 以上の場合,Tdp発生に注意が必要である.
    抄録全体を表示
  • 川上 翔士, 南沢 享
    29 巻 (2013) 6 号 p. 309-315
    公開日: 2013/12/01
    ジャーナル オープンアクセス
    背景:主肺動脈と下行大動脈を短絡する血管として知られる動脈管は,通常出生後直ちに閉鎖する.血中酸素濃度は出生後に増加する.動脈管ではこの酸素濃度上昇が動脈管平滑筋の収縮を引き起こし,動脈管の機能的閉鎖を生じる.一方,これまでの先行研究では低酸素や酸素投与が血管のリモデリングに影響することが報告されている.そこでわれわれは酸素濃度の上昇が動脈管平滑筋から分泌されるタンパク質を介して血管構造に影響を及ぼしていると仮説を立てた.
    方法と結果:われわれはLC-MS/MS解析を行い,低酸素下(酸素1%)および正常酸素下(酸素21%)のそれぞれで培養した,ラット動脈管平滑筋細胞の上清中の分泌タンパク質を網羅的に調べた.その結果,酸素濃度の上昇により動脈管平滑筋細胞から分泌されるエラスチンが減少することを見い出した.RT-PCR解析においても低酸素下から通常酸素下になることで動脈管平滑筋細胞においてエラスチンmRNAの発現が減少することを確認した.
    結論:in vitroでの本研究から酸素濃度の上昇によりエラスチンの分泌が減少することを見い出した.エラスチンは内弾性板を形成し血管平滑筋層のエラスチン線維を形成することから,今回の研究は出生後の血中酸素濃度の上昇がエラスチンの分泌を減少させ,出生後の動脈管構造のリモデリングにも影響している可能性を示唆するものである.
    抄録全体を表示
  • 打田 裕明, 根本 慎太郎, 小澤 英樹, 本橋 宜和, 勝間田 敬弘, 岸 勘太, 尾崎 智康, 片山 博視, 日下 裕介
    29 巻 (2013) 6 号 p. 316-321
    公開日: 2013/12/01
    ジャーナル オープンアクセス
    背景:単心室に対する機能的根治である右心バイパス術の導入にあたる bidirectional cavopulmonary shunt(BCPS)の術後では,急性期に高いtranspulmonary gradien(t TPG上大静脈圧 - 心房圧)に現れる肺循環不全と著しい低酸素血症をしばしば経験する.BCPS後の肺循環管理に選択的肺血管拡張剤であるPDE5阻害薬sildenafil citrate(SIL)を投与した症例の臨床像について調査した.
    方法:体外循環離脱直後のTPGが10mmHg 以上かつ純酸素の投与でも十分な酸素化が得られない場合に本治療の適応とした.ICU入室直後より初期投与量0.5mg/kg/ 回で注腸投与を開始した.以後4 時間毎に0.5mg/kg/回ずつ増量した.2mg/kg/回を目標投与量とし,以後4時間毎に継続した.8例(無脾症2例)が対象となった.診断は,両側房室弁左室挿入3例,房室中隔欠損/ 左室低形成3例,純型肺動脈閉鎖1例,修正大血管転位/ 左室低形成1例.手術時年齢;中央値 7.5ヵ月(5~50),体重;中央値 6.5kg( 5.7~13.8),術前平均肺動脈圧;15.3±4.6mmHg,心房圧;7.6±2.3mmHg,TPG;7.8±2.8mmHg.
    結果:SILの投与によりTPGはICU入室時の12.6±1.5mmHgから7.4±2.4mmHgに有意に改善した(p<0.05).動脈血酸素分圧/ 吸入酸素濃度比は56.3±18.8から149.2±52.5に有意に改善した(p<0.05).全例でSILによる重篤な副作用の発生はなく,一酸化窒素吸入等の他の肺高血圧治療剤を必要としなかった.
    結論:BCPS後急性期の肺循環管理にSILは有効かつ安全な治療法であると示唆された.
    抄録全体を表示
  • 中村 太地, 斉藤 剛克, 中山 祐子, 橋田 暢子, 太田 邦雄
    29 巻 (2013) 6 号 p. 322-327
    公開日: 2013/12/01
    ジャーナル オープンアクセス
    背景:心房中隔欠損(ASD)の心電図所見としては主に右脚ブロック(RBBB),孤立性陰性T波,胸部誘導のT波非連続性,右軸偏位(RAD),下方誘導(Ⅱ・Ⅲ・aVF誘導)のQRS notch(crochetage pattern)などが知られている.この研究の目的はASDの診断におけるcrochetge patternの有用性につき検討することである.
    方法:① 2002~2012年の当院でカテーテル検査を施行したASD 59例を対象とし,その際の心電図所見とカテーテル検査結果につき後方視的に検討を行った.②2007~2012年に学校心臓検診にてRBBBを指摘され当院を受診した60例を対象とし,RBBBと各心電図所見を組み合わせASDスクリーニングにおけるそれぞれの感度,特異度を求めた.
    結果:①対象59例の心電図においてRBBB は43例(73%),孤立性陰性T波は11例(19%),胸部誘導のT波非連続性は40例(68%),RADは29例(49%)で陽性であった.Crochetage patternは41例(69%)に認めた.Crochetage pattern陰性群を対象とし,各陽性誘導数別に,肺体血流比(Qp/Qs)と右室拡張末期容量(RVEDV)について多重比較検定を行ったが有意な差は認めなかった.年齢別の検討ではcrochetage patternの陰性率がより年少児で高くなる傾向がみられた. ②対象60例のうち10例にASDを認めた.RBBBとcrochetage patternが陽性のときに良好な感度が得られた.一方RBBBと胸部誘導のT波非連続性が陽性のときには良好な特異度が得られた.
    結論:学校心臓検診においてRBBBに加え,crochetage patternや胸部誘導のT波非連続性を併用することでより精度の高いASDスクリーニングが期待できる.
    抄録全体を表示
  • 青木 寿明, 中村 好秀, 福原 仁雄, 竹村 司
    29 巻 (2013) 6 号 p. 331-338
    公開日: 2013/12/01
    ジャーナル オープンアクセス
    背景:これまでに小児におけるWPW症候群に対するアブレーション治療の10年を超えた長期成績の報告は,調べ得た限り見当たらない.本研究の目的は高周波カテーテルアブレーションの長期成績に加え,初回のアブレーションの成績,中期成績を明らかにすることである.
    対象と方法:1992~2001年の10年間に当院で経皮的高周波カテーテルアブレーションを施行した20歳未満の心内構造異常を有さないWPW 症候群.施行数は184例,219セッション,男104例,女80例,年齢は0歳6ヵ月~19歳,中央値13歳であった.急性期,中期成績については後方視的に診療録から,長期成績についてはアンケートを用いて検討した.
    結果:アブレーション前に97%が頻拍発作を認めた.副伝導路の局在は左側52%,中隔16%,右側26%,複数本6%であった.急性期の成功,再発,不成功の割合はそれぞれ94%,13%,6%であった.右側副伝導路の成功(再発なし)は左側副伝導路に比べ有意に低かった.中期成績(中央値44ヵ月)の成功率は96%であった.アンケートで調査した長期成績(中央値165ヵ月)では再発例を認めず,アブレーションの満足度は98%であった.再発の時期については術後9年目に再発した1例を除き,全例1年以内に再発した.合併症は6例に認め,完全房室ブロック2例(うち1例は一過性,いずれも中隔副伝導路),完全右脚ブロック3例,軽度大動脈弁閉鎖不全1例であった.いずれもペースメーカ,薬物治療などを要した症例はなかった.
    結論:小児に対する高周波カテーテルアブレーションの長期成績は,急性期・中期と同様に良好である.ただし急性期には房室ブロックなどの稀な合併症,術後1年以内には再発の可能性があり,さらにアブレーションの成功率や安全性を高める必要がある.
    抄録全体を表示
症例報告
  • 安田 和志, 石川 友一, 石川 司朗, 牛ノ濱 大也, 中村 真, 佐川 浩一
    29 巻 (2013) 6 号 p. 339-344
    公開日: 2013/12/01
    ジャーナル オープンアクセス
    TCPC術直後から洞機能不全,接合部調律となったEbstein奇形の3歳10ヵ月,女児例を報告する.術後28日まで暫定的心房ペーシングを行い,洞機能回復を促す目的で術後23日からシロスタゾールを,術後37日からテオフィリンを投与した.その後,覚醒時はほぼ洞調律となったが,夜間の大半は接合部調律で,朝,浮腫や末梢冷感を認めた.心エコー図パルスドプラ法による左室流入血流速波形でA波が消失し,肺静脈血流速波形はS波の減少とPVA波の増高を認めた.房室同期を失った結果,心房ブースターポンプ機能およびリザーバー機能が低下したことが示唆された.心臓カテーテル検査における経食道心房ペーシング時と接合部調律時の循環動態の比較では,平均中心静脈圧は両者でほぼ同値であったが,接合部調律では中心静脈圧波形は棘波を呈した.また,接合部調律では体血圧および心係数は低下した.永久ペースメーカ植込術により心不全症状は改善した.房室同期の重要性を再確認するとともに,より質の高いFontan循環を目指したリズム管理を積極的に検討する必要があると考えられた.
    抄録全体を表示
  • 石井 卓, 佐々木 章人, 梶川 優介, 清原 鋼二, 瀧聞 浄宏, 安河 内聰, 土井 庄三郎
    29 巻 (2013) 6 号 p. 345-351
    公開日: 2013/12/01
    ジャーナル オープンアクセス
    成人の薬物療法抵抗性心不全症例に対して,心臓再同期療法(CRT)の使用頻度は増加している.一方,小児に対する使用例は少なく,その有用性に関してはほとんど知られていない.本症例は生後3ヵ月まで良好であった体重増加が5ヵ月で不良となり,心エコーにて高度の左室機能低下と内腔拡大を認め,特発性拡張型心筋症(IDCM)と診断された.利尿薬・ACE阻害薬およびβ 遮断薬を含む薬物療法を開始したが,脳性ナトリウム利尿ペプチドBNPは3,550pg/mLから1,050pg/mLに中等度低下したものの,体重増加は改善しなかった.心不全症状は薬物療法に抵抗性で,左室壁運動のdyssynchronyが顕著であることから,1歳4ヵ月時に心外からの両心室DDDペーシングによるCRTを導入した.CRT開始後心不全症状は著明に改善し,10ヵ月後には体重増加およびBNPはともに正常となった.心エコーでは左室機能と内腔径は正常化し,dyssynchronyも改善を認めた.今回われわれは,薬物療法抵抗性心不全を呈したIDCMの1歳男児例で,CRTの劇的な効果を経験し報告する.IDCMを含む重症心不全小児に対して,左室dyssynchronyの早期発見とCRTの導入は,期待できる治療戦略となりうることが示唆された.
    抄録全体を表示
  • 咲間 裕之, 金 晶惠, 市川 康広, 中野 裕介, 鉾碕 竜範, 西沢 崇, 岩本 眞理
    29 巻 (2013) 6 号 p. 352-356
    公開日: 2013/12/01
    ジャーナル オープンアクセス
    脚気心は現代では稀な疾患であるために,診断に難渋する場合がある.われわれは精神運動発達遅滞のある2歳女児が,感冒を契機に両心不全・肺高血圧を呈して発症した脚気心の小児例を経験したので報告する.1歳頃より白米や乳性飲料といった白いものしか食べない偏食が続き,入院中にビタミンB1の著しい低下が確認された.肺高血圧を来す心疾患・肺疾患・膠原病は認めず,ビタミンB1の補給にて心機能は改善し肺血圧は正常化した.同時に認められていた神経学的症状(筋緊張低下・深部腱反射消失・活気低下)も改善傾向を示した.本症例はビタミンB1欠乏による脚気心と二次性肺高血圧症と診断され,栄養状態の改善とともに治癒に至った.
    抄録全体を表示
  • 有馬 慶太郎, 土屋 恵司, 石垣 瑞彦, 今田 義夫
    29 巻 (2013) 6 号 p. 360-366
    公開日: 2013/12/01
    ジャーナル オープンアクセス
    症例は心室中隔欠損(VSD)に対し肺動脈絞扼術を先行された6ヵ月男児.拡大した右肺動脈による気管圧迫のためdying spellを起こし,緊急で心内修復,大動脈吊上げ術を施行.術後,末梢静脈ライン関連血流感染から三尖弁に疣腫を伴う感染性心内膜炎を発症した.バンコマイシン(VCM)を軸とした治療を開始したが,検出されたメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のVCMの最小発育阻止濃度(MIC)が途中1から2μg/mL に変化し菌血症も遷延したため,heterogeneous vancomycin intermediate Staphylococcus aureus(hVISA)の存在を疑い,テイコプラニン(TEIC)に変更,さらにアルベカシン(ABK),リネゾリド(LZD)を併用し菌血症は改善した.治療中薬物副作用としては一時的な網赤血球減少と貧血を認めたのみであった.耐性黄色ブドウ球菌による難治性感染性心内膜炎では適切な薬物モニタリング(TDM)の下,多剤併用治療も選択肢となる.板を形成し血管平滑筋層のエラスチン線維を形成することから,今回の研究は出生後の血中酸素濃度の上昇がエラスチンの分泌を減少させ,出生後の動脈管構造のリモデリングにも影響している可能性を示唆するものである.
    抄録全体を表示
Editorial Comments
    • |<
    • <
    • 1
    • >
    • >|
feedback
Top