日本小児循環器学会雑誌
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30 巻 , 1 号
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巻頭言
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  • 松裏 裕行
    30 巻 (2014) 1 号 p. 3-10
    公開日: 2014/01/31
    ジャーナル オープンアクセス
    小児期の肺動脈性肺高血圧症(PAH)における心臓カテーテル検査(心カテ)は,重症度評価と予後予測,治療薬の選択や治療効果判定において極めて重要な役割を担う.しかし疼痛や啼泣,カテーテル操作,薬剤負荷試験などを契機に肺高血圧クリーゼ,迷走神経反射,呼吸抑制,喀血などが惹起されると死亡を含む重篤な合併症が生じうる.NYHA4度の最重症例は特にリスクが高く,また肺動脈造影は禁忌である.成人期PAH7,218例の心カテでは死亡4例を含む重篤な合併症が76件1.1%に発生し,小児期PAH270例(平均年齢15.0±7.6歳)では軽微なものも含め29例10.7%に合併症が生じ,うち1例で心原性ショックにより蘇生処置を必要としたなどの報告がある.事故防止には熟練した術者と医師を中心とした介助者の配置,カテコラミン投与量の事前計算とシリンジポンプの常備,救急備品の確認,移動の際の酸素投与とモニタリングなど十分な配慮と細心の注意が求められる.
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  • 住友 直方
    30 巻 (2014) 1 号 p. 11-21
    公開日: 2014/01/31
    ジャーナル オープンアクセス
    学校心臓検診が行われるようになり,児童・生徒の心疾患の把握が可能となり,学校管理下の突然死の予防にも貢献している.学校心臓検診は1次検診により心疾患またはその疑いのある例をスクリーニングし,心電図の有所見者,学校医が必要と認めた例,心疾患,川崎病,リウマチ熱,高血圧の既往,動悸,脈の不整,失神などの症状を有するものを2次検診で精査する.2次検診では,診察,心電図,胸部X線写真,心エコー図,運動負荷心電図などにより心疾患の有無を専門医が検討し,必要に応じて専門医療機関へ送り,管理,治療を行う.これらで発見された,先天性心疾患,不整脈,川崎病などは,学校生活管理指導表により適切に管理する.
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原著
  • 船田 裕昭, 坂田 晋史, 倉信 裕樹, 橋田 祐一郎, 美野 陽一, 辻 靖博, 神﨑 晋
    30 巻 (2014) 1 号 p. 22-29
    公開日: 2014/01/31
    ジャーナル オープンアクセス
    背景:小児期の心房中隔欠損症(atrial septal defect;ASD)は一般的に無症状で,心電図変化を認めない例も多い.ASD診断の心電図指標としてのcrochetageの有用性を検討した.
    方法:ASDの小児151例におけるcrochetageの頻度を年齢群別に検討し,さらに対照群と比較した.また肺体血流比とcrochetageの関係性を検討した.
    結果:CrochetageをⅡ,Ⅲ,aVF誘導のすべてに認める場合の感度と特異度は,対照群に対してはそれぞれ11.3%,100%であった.年齢群別の検討では特に10歳以上の年長児にcrochetageをより高率に認めた.ASD群においてQp/Qs>3.0の症例ではQp/Qs≦1.5の症例よりcrochetageを有意に多く認めた(p=0.003).
    結論:Crochetageは正常群に対する特異度も高く,ASD群のうち左右シャント量が多い重症例または年長児例ではcrochetageを認める頻度が高いため,小児期においてcrochetageはASD診断の有用な心電図指標になると考えられた.
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  • 根本 慎太郎, 佐々木 智康, 小沢 英樹, 福原 慎二, 小西 隼人, 本橋 宣和, 島田 亮, 勝間田 敬弘, 尾崎 智康, 岸 勘太, ...
    30 巻 (2014) 1 号 p. 30-35
    公開日: 2014/01/31
    ジャーナル オープンアクセス
    背景:先天性心疾患手術後急性期に発生する重症肺高血圧に対するsildenafil citrate(SIL)治療は,広く普及するに至った.本研究では最近の積極的投与と従来の投与の臨床効果と医薬品経済性を比較検討した.
    方法:SIL投与はICU入室時に0.5mg/kgで開始し,段階的に増量し最大2.0mg/kg/4時間毎を胃管または経口で投与した.SILを必要事に投与開始した前期群13例とICU入室直後から積極的に注腸投与を開始した後期群13例を対象とした.術前の肺循環パラメーターに群間差はなかった.
    結果:両群で肺動脈圧/体血圧比は有意に低下し(p<0.05),その程度は同等であった.一酸化窒素吸入治療(iNO)は前期群5例で,後期群ではなかった.人工呼吸器時間,ICU滞在時間,および入院期間が後期群で有意に短縮された.肺高血圧治療に要したSILコストは両群間に有意差はなかったものの,前期群ではiNOコストの約200万円(保険償還された場合の試算)が加わった.人工呼吸管理費用,ICU管理費用,および総入院費用は前期群に比し後期群で有意に削減された.
    結語:従来のSIL投与法と比較してより低コストで同等以上の臨床効果を積極的投与で達成することが可能となった.
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  • 江原 英治, 村上 洋介, 佐々木 赳, 藤野 光洋, 平野 恭悠, 小澤 有希, 吉田 修一朗, 吉田 葉子, 鈴木 嗣敏, 金谷 知潤, ...
    30 巻 (2014) 1 号 p. 39-46
    公開日: 2014/01/31
    ジャーナル オープンアクセス
    背景:無脾症患者は細菌感染,特に肺炎球菌に罹患しやすく,時に致死的となる.わが国では2010年より7価肺炎球菌結合型ワクチンが使用可能となり小児での予防効果が期待されている.
    目的:7価肺炎球菌結合型ワクチン導入前の時期での,無脾症患者における重症細菌感染症の臨床像を明らかにし,新しいワクチンを含めた今後の対策について検討すること.
    対象と方法:1988~2009年までに出生し,当院で治療を受けた無脾症患者のうち,外来経過観察中に重症細菌感染症(髄膜炎・敗血症)を起こした7例の臨床像を後方視的に検討した.
    結果:無脾症患者44例中7例(16%)で,重症細菌感染症を認めた.感染症発症時の年齢は3ヵ月~4歳で,7例中5例は2歳未満であった.初発症状は全例が発熱,不機嫌,哺乳不良など非特異的な症状であった.短時間に急速な悪化を呈し,入院時には心肺停止,ショック状態,意識障害などの重篤な症状を認め,死亡率は57%であった.起因菌は肺炎球菌が7例中5例(71%)を占めた.7価肺炎球菌結合型ワクチンが使用可能であれば,予防できた可能性がある例が存在した.
    結論:無脾症患者における重症細菌感染症(髄膜炎・敗血症)は,短時間に急速な悪化を呈し,死亡率が高い.早期診断が困難な例が存在し,小児循環器医のみならず,救急外来を含め無脾症患者の診療に関わる全てのスタッフへの啓発と体制作り,および患者家族への教育が重要である.無脾症患者には7価肺炎球菌結合型ワクチン等のワクチンを早期より積極的に接種すべきである.7価肺炎球菌結合型ワクチンの普及により侵襲性肺炎球菌感染症の減少が期待されるものの,ワクチン株以外の血清型の感染が存在し,完全には予防できないことも認識すべきである.
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  • 小野 博, 香取 竜生, 犬塚 亮, 今井 靖, 賀藤 均
    30 巻 (2014) 1 号 p. 49-56
    公開日: 2014/01/31
    ジャーナル オープンアクセス
    背景:Marfan症候群に対するGhent基準が2010年に改訂された.改訂基準では大動脈病変,水晶体脱臼,遺伝子変異に重点がおかれ,骨格所見はsystemicscoreに一括された.
    方法:2008年4月~2009年12月に東京大学医学部附属病院小児科マルファン外来を受診し,従来のGhent基準(旧基準)においてMarfan症候群と診断または疑いでフォローされている症例38例について,改訂Ghent基準(改訂基準)における診断の詳細を検討した.
    結果:旧基準を満たした症例は13例,改訂基準は22例であり有意な増加を認めた(p=0.0039).改訂基準を満たした22症例のうち17例(77%)に家族歴を認めた.改訂基準を満たした症例の内訳は,大動脈所見が10/22例(45%),水晶体脱臼が10/22例(45%),systemic score≧7が4/22例(18%),FBN1遺伝子変異が2/3例(67%)であった.
    結論:改訂Ghent基準は旧基準より簡易化され診断が容易になった.さらにFBN1遺伝子解析が普及すれば,診断精度の向上および診断数の増加が期待される.
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  • 齋藤 美香, 福島 直哉, 玉目 琢也, 横山 晶一郎, 大木 寛生, 三浦 大, 澁谷 和彦, 松原 宗明, 厚美 直孝, 寺田 正次
    30 巻 (2014) 1 号 p. 59-63
    公開日: 2014/01/31
    ジャーナル オープンアクセス
    背景:重複大動脈弓(DAA)は血管輪の代表的疾患であり,一側大動脈弓の部分閉鎖であっても呼吸障害および嚥下障害を来すことがある.今回われわれは,自験例の画像診断および手術時期などの臨床所見について検討した.
    方法:1975年7月~2012年9月までに経験したDAA11例(胎児診断2例,その他9例,年齢は3ヵ月~9歳1ヵ月,男6例,女5例)を対象に後方視的調査を行った.
    結果:11例の内訳は完全型重複大動脈弓(cDAA)4例,不完全型(iDAA)7例であった.初診時,胎児診断例以外の全症例で呼吸器症状があり,嚥下障害が1例にみられた.iDAAの造影CTと3次元画像では,全例に左鎖骨下動脈の後下方への牽引とKommerell憩室を認めた.CTによる%最狭窄部径(最狭窄部外径/最大気管外径×100)は,手術を施行した10例中4例で測定でき,中央値48%,手術未施行の1例では59%であった.50%未満の3例は,全例で手術待機中に症状が増悪したが,50%以上の2例では症状が増悪せず,そのうちの1例は手術未施行で経過観察中である.手術は10例に施行し(中央値2歳3ヵ月),全例で症状が軽快したが,術後観察期間が1年以内の3例と1年超の7例中2例に軽度の呼吸器症状が残存した.
    結論:造影CTと3次元画像を用いれば,iDAAであってもDAAを診断することが可能である.気管狭窄の程度が強い症例では,手術待機中に症状が増悪する傾向があり,早期の手術が望ましい.手術により全例で症状が軽快したが,軽度の呼吸症状が残存する例もあるため,長期の経過観察が必要である.
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  • 宮崎 あゆみ, 小栗 絢子, 市田 蕗子
    30 巻 (2014) 1 号 p. 66-73
    公開日: 2014/01/31
    ジャーナル オープンアクセス
    背景:成人ではnon-HDLコレステロール(non-HDL-C)は今や心血管危険因子として重要であると認識されており,『動脈硬化性疾患予防ガイドライン』の管理目標脂質ともなった.しかし,小児における有用性の検討は少ない.
    方法:2010,2011年の2年間に高岡市内の小学4年生,中学1年生計5,853名に対し小児生活習慣病予防健診を実施し,身体計測および総コレステロール(TC),HDLコレステロール(HDL-C),トリグリセリド(TG),LDLコレステロール(LDL-C)測定を行った.肥満度や各脂質間の相関を検討するとともに,スクリーニング基準にTCの97パーセンタイル値220mg/dLとnon-HDL-C 152mg/dLを用いた場合の抽出結果を比較検討した.さらに二次検診に抽出された肥満児150名について小児メタボリックシンドロームとnon-HDL-Cとの関連を検討した.
    結果:non-HDL-CはTCより良好に肥満度,TGと相関した(r=0.273, 0.360 vs 0.118, 0.179すべてp<0.001).TCによるスクリーニングでは高HDL-Cが少なからず過剰抽出され,高LDL-Cの検出感度はnon-HDL-Cより低率となった(80.8% vs 98.3%).二次検診肥満児ではnon-HDL-Cレベルが高いほど小児メタボリックシンドローム診断率が有意に高率となった(p=0.009).
    結論:小児生活習慣病予防健診におけるスクリーニング基準としてnon-HDL-CはTCより有用である.
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症例報告
  • 後藤 浩子, 桑原 直樹, 面家 健太郎, 寺澤 厚志, 小嶋 愛, 岩田 祐輔, 竹内 敬昌, 桑原 尚志
    30 巻 (2014) 1 号 p. 74-78
    公開日: 2014/01/31
    ジャーナル オープンアクセス
    胎児期より2:1房室ブロックを指摘され,出生後に先天性QT延長症候群(LQTS)と診断された男児.メキシレチンの投与を受けていたが,1歳11ヵ月の午睡中に意識消失,四肢硬直しているのを母親に発見された.ただちに心肺蘇生が開始され,救急隊により心室細動(VF)の確認後に除細動および心臓マッサージを行われ洞調律に復帰した.重篤な神経学的後遺症を残すことなく回復したが,その後もtorsade de pointesを繰り返し,植込み型除細動器(ICD)を植込みとなった.後日の遺伝子検査にてLQT3と判明した.乳幼児期のICD植込みの手技については確立されておらず,その後の経過報告も少ない.乳幼児では経静脈的な心内膜リード留置が困難であり,開胸による留置が一般的である.しかし心外膜にリードを留置する方法では,拡張障害による心不全や癒着によるリード抜去困難などが懸念される.そこで,われわれは皮下に留置した経静脈心内膜用除細動電極リードと腹直筋下のICD本体とで除細動を行う方法を選択した.植込み後5年の間に,持続するVFに対し計5回のショック通電が適切に行われ,誤作動はなかった.また,電池消耗のためにICD本体のみの交換を1回行ったが,その後も適切に除細動が行われた.乳幼児期においてもICD植込みが安全かつ大変有用であった.VFや蘇生の既往があるハイリスクのLQTS患者では,乳幼児においても積極的に検討する必要があると考えられた.
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  • 三井 さやか, 安田 和志, 早野 聡, 關 圭吾, 河井 悟, 福見 大地, 八神 啓, 長谷川 広樹, 村山 弘臣, 前田 正信, 馬場 ...
    30 巻 (2014) 1 号 p. 79-84
    公開日: 2014/01/31
    ジャーナル オープンアクセス
    症例は無脾症,機能的単心室の男児.両方向性Glenn手術の際に右横隔神経麻痺を合併し,その後の心臓カテーテル検査で上半身の体静脈血流の多くが半奇静脈を介して下大静脈へ盗血する所見を認めた.右横隔膜縫縮術を先行し,半奇静脈閉塞試験にて肺循環再評価を行うと,右,左,総肺血管抵抗(RpI)はそれぞれ7.84,3.89,2.60 Wood単位・m2であった.左右差はあるもののFontan循環は成立すると判断し,2歳10ヵ月でTCPC術を施行した.術後7ヵ月の心臓カテーテル検査では左右肺動脈圧11 mmHg,総RpI 2.04 Wood単位・m2,心係数3.64L/min/m2で,臨床経過も含め一見すると良好なFontan循環のようであったが,右,左のRpIはそれぞれ5.69,3.20 Wood単位・m2で左右差が残存した.Fontan循環では吸気時の受動的な肺血流が重要であり,横隔神経麻痺はFontan循環の危険因子となる.横隔膜縫縮術前のみならず,術後も患側肺の血管抵抗は高く,肺循環の左右不均衡が残存することを念頭に慎重な管理が必要である.
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