日本小児循環器学会雑誌
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30 巻 , 2 号
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巻頭言
特集
  • 住友 直方, 小川 俊一
    30 巻 (2014) 2 号 p. 88
    公開日: 2014/03/29
    ジャーナル オープンアクセス
  • 小川 潔
    30 巻 (2014) 2 号 p. 89-96
    公開日: 2014/03/29
    ジャーナル オープンアクセス
    Heterotaxyは胸腹部臓器が体の左右軸に対して異常な位置関係を示すことと定義され,複合心奇形や幅広い心外病変を伴う疾患群である.右側 相同では共通房室弁や円錐動脈幹異常,肺動脈狭窄/閉鎖,体・肺静脈還流異常が多く,左側相同では両側上大静脈,近位部下大静脈欠損を伴う奇静脈結合,心 室中隔欠損,房室中隔欠損,左室流出路狭窄が多い.左側相同では先天性心疾患を伴わないこともあり,合併する心疾患も比較的軽症であることが多 い.Heterotaxyは左右軸の発生異常によるが,その機序について近年急速に理解が進んだ.左右非対称に発現する遺伝子が突き止められ,ノードにお ける繊毛の一方向性の回転が左右対称性を破っていることが明らかになった.Heterotaxyに合併する先天性心疾患に対する外科治療の成績は改善した が,aspleniaでは新生児期の手術を乗り切っても,敗血症による死亡が問題となる.Heterotaxyの診断,病態,合併症に加え,病因に関する 最近の進歩を解説する.
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  • 角 秀秋
    30 巻 (2014) 2 号 p. 97-103
    公開日: 2014/03/29
    ジャーナル オープンアクセス
  • 稲井 慶
    30 巻 (2014) 2 号 p. 104-111
    公開日: 2014/03/29
    ジャーナル オープンアクセス
     多くの染色体異常や遺伝子異常において,先天性心疾患がしばしば合併することはよく知られている.明らかな遺伝子異常がつきとめられてはいなくて も,遺伝的背景が濃厚な心疾患に遭遇することも稀ではなく,これらの疾患に対する知識は小児循環器科医にとって,非常に重要である.また,診療にあたって は十分な遺伝学的知識を備えておかなければならないことはいうまでもない.
     本稿では,先天性心疾患と遺伝子異常と題して,遺伝的要因を持つ先天性心疾患 の臨床的特徴と遺伝学的背景や診療上の留意点などを示した.ただし,先天性心疾患においては,遺伝的要因と環境要因が相互に作用しあって疾患が出現し,表 現型が形作られる.胎内および出生後の環境要因によって疾患関与遺伝子の表現型に与える影響が多種多様に変化しているともいえるため,診療にあたっては, 両方の要因をバランスよく考えていくことが臨床上も基礎研究上も大切である.
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  • 前野 泰樹
    30 巻 (2014) 2 号 p. 112-118
    公開日: 2014/03/29
    ジャーナル オープンアクセス
     先天性心疾患が胎児診断され周産期管理を行う機会が増えてきているが,より正確な胎児診断には,小児循環器医が実際にプローブを操作して胎児心エ コー検査を施行できるとよい.まず胎児心疾患のスクリーニングが正確にできるようになるのが第一歩であるが,日本胎児心臓病学会によるガイドラインで要求 されているレベル2のスクリーニングを最終的に習得するためにも,まずはレベル1の胎児の4 chamber viewと3 vessel viewで「位置」と「大きさ」の項目に注目して,正確に描出できるように練習するとよい.そのためには,胎児胸郭の垂直な横断面を正確に描出するよう心 がける.次のステップとして,そのほかの基本断面の描出には,画面上に「心室中隔が水平となる4 chamber view」を基準としてプローブを回転させる.これら技術の習得のためには,各施設で胎児心エコー外来を設定し,胎児心エコー検査の機会を増やすことを勧 める.
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  • 井川 修
    30 巻 (2014) 2 号 p. 119-124
    公開日: 2014/03/29
    ジャーナル オープンアクセス
     近年,心房細動に対するカテーテルアブレーション治療は,治療テクニックの向上,3D マッピングシステムの開発・進歩に伴いめざましい発展をとげている.左房内での緻密なカテーテル操作,きめ細かい電位認識,さらには3D マッピングの正確な画像認識が求められる同治療は,これまであまり省みられることのなかった左房内および周辺構造への理解を向上させた.勢い同治療の進歩 により,これまで知られていなかった左房内特殊構造物,あるいは再確認された構造物の存在が明らかとなってきている.それらの構造を理解することは,成人 ばかりでなく小児循環器疾患を理解するうえでも意義のあることと考える.
     本稿では,左房内構造を中心としてアブレーションに関連する以下の構造〔左房天 井静脈,左房前壁憩室,副左心耳,左房前壁の壁厚が薄い領域(translucent area),Myocardial bridge,心房筋欠損領域〕に注目し,その特殊性と臨床的意義につき述べる.
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Reviews
  • 丹羽 公一郎
    30 巻 (2014) 2 号 p. 125-134
    公開日: 2014/03/29
    ジャーナル オープンアクセス
    複雑先天性心疾患も心臓血管外科手術を中心とした侵襲的な治療の思惑をうけ,長期生存が可能となっている.心室中隔欠損の自然閉鎖,軽度の肺動脈弁狭窄,小欠損の心房中隔欠損などは,内科,外科的な治療を行わずに一般と同様に生涯を送れることも多い.しかし,中等度から複雑先天性心疾患は,侵襲的治療を行わない場合は,生涯歴は一般と比べて短く,心不全,不整脈,血栓塞栓,チアノーゼに伴う合併症などの罹病率も高い.胎児期に流産となることもあるが,新生児期,乳児期,小児期での死亡が一般的である.複雑先天性心疾患は,チアノーゼ性心疾患が多いが,適度な肺動脈狭窄や閉塞性肺血管病変を伴う場合や,弁膜疾患の程度が軽く心内交通による動静脈血の適度な混合が行われた場合に長期生存が可能である.長期生存している成人患者は一定数認められている.このreviewでは,日常診療の参考となるよう主要先天性心疾患の非手術歴を概説した.
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  • 中村 好一
    30 巻 (2014) 2 号 p. 135-146
    公開日: 2014/03/29
    ジャーナル オープンアクセス
    日本小児循環器学会の「小児循環器専門医修練目標」で取り上げられている統計に関する事項を解説した.ただし,紹介した事項は小児循環器専門医に特化したものではなく,すべての臨床専門医に必要な事項と考える.項目は以下の通りである:(1)データの種類,(2)代表値とばらつき,(3)記述統計と分析統計,(4)推定と検定,(5)検定の実際,(6)推定の実際,(7)相関と回帰,(8)多重比較,(9)図の作成.
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原著
  • 盤井 成光, 川田 博昭, 上仲 永純, 山内 早苗, 荒木 幹太, 萱谷 太, 稲村 昇, 岸本 英文
    30 巻 (2014) 2 号 p. 147-152
    公開日: 2014/03/29
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:左室流出路狭窄(LVOTO)を合併した完全大血管転位症(TGA)あるいはTGA型両大血管右室起始症(DORV)に対して,術後遠隔期のLVOTOを回避するために,われわれはFontan手術を積極的に行ってきた.そこで今回,これらの症例に対する一心室修復と二心室修復の治療成績を検討した.
    方法:Definitive repairに到達したLVOTOを伴うTGA,DORVの21例を対象とし,Fontan手術を行った16例(F群)とRastelli手術を行った5例(R群)に分け比較検討した.
    結果:Definitive repair後観察期間はF群最長16年(中央値4年),R群最長19年(中央値15年)で,早期死亡はなく,遠隔死はF群1例(突然死)のみ.再手術はF群なし,R群3例,4回(右室流出路再建2例,左室流出路再建+右室流出路再建2例).心事故回避率は15年でF群94%,R群40%であった.術後1年の心臓カテーテル検査では,LVEDPはR群で高値であり,R群の3例にLVOTOを認めた.またLVEF,CIは2群間で差がなかった.術後5年以上経過例の心機能はいずれも良好に保たれていたが,hANP・BNPはF群全例でほぼ正常値であったのに対し,R群の3例に異常高値を認めた.さらにR群に運動制限や不整脈治療を要する症例があった.
    結論:LVOTOを合併したTGAあるいはTGA型DORVに対して,一心室修復はその長期予後から選択肢になり得る術式と考えられた.
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  • 中嶌 八隅, 森 善樹, 武田 紹, 金子 幸栄, 井上 奈緒, 渡邊 一正, 小出 昌秋
    30 巻 (2014) 2 号 p. 153-162
    公開日: 2014/03/29
    ジャーナル オープンアクセス
    背景:Fallot四徴症(TOF)術後遠隔期では,肺動脈弁逆流による右室機能障害と関係して経年的に心電図でのQRS幅が延長すること,またB-typeナトリウム利尿ペプチドが機能障害を伴う右心室容積拡大とよく相関することが報告されている.しかしQRS幅が狭い術後症例で同様のことがいえるか定かでない.
    目的:QRS幅が狭いTOF術後患者において,BNP,NT-pro BNP値,CTR,QRS幅が右心室容積の推定に役立つかを検討すること.
    方法:QRS幅が180msec未満,かつBNP,NT-pro BNP測定と,MRIまたは心カテーテル検査での右心室容積を含めた心機能評価を行ったものを対象にした.BNPとNT-pro BNP値と心室容積,心室駆出率(EF)の関係,またカテーテル症例では加えて右室収縮期圧,右心室拡張末期圧(RV-EDP)との関係を検討した.
    結果:対象は62例で,評価年齢は中央値18.9歳(2.5~64.2歳),術後14.5年(0.1~43.5年),QRS幅は130 msec(64~176 msec)であった.BNPとNT-pro BNPともに右室容積,左室容積,EF,右室圧,RV-EDPとの相関関係は認めなかったが,QRS幅とは右室拡張末期,収縮末期容積ともに正の相関,右室EFとは負の相関がみられた.
    結論:180msec未満のQRS幅の狭いTOF術後患者では,QRS幅は右室容積の拡大,EF低下の推定に有用な指標であるが,BNP値からは困難である.
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  • 山下 美智子, 日高 庸博, 林 周作, 入江 明美, 宮城 晶子, 河津 由紀子, 稲村 昇, 萱谷 太, 石井 桂介, 光田 信明
    30 巻 (2014) 2 号 p. 166-172
    公開日: 2014/03/29
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:胎児心臓超音波スクリーニングで発見された心疾患症例と見逃された症例を検討し,検査の効果と問題点を検証すること. 方法:2008年4月~2012年3月に,当院で胎児超音波スクリーニングを受け分娩に至ったローリスク単胎妊婦を対象とした.検査陽性症例および偽陰性症例の内訳を診療録より後方視的に検討した.検査は妊娠18週前後,28週前後,36週前後の3回行った.
    結果:対象期間の検査のべ回数は9,983回で,実症例数は3,817例であった.対象期間中に先天性心疾患と診断されたのは35例であった.出生前診断は15例(完全型心内膜床欠損2例,心室中隔欠損3例,大動脈縮窄,大動脈縮窄・心室中隔欠損,両大血管右室起始,修正大血管転位,血管輪,完全大血管転位,左上大静脈遺残・心室中隔欠損,三尖弁異形成,心室中隔欠損・三尖弁閉鎖,僧帽弁閉鎖・大動脈縮窄・心室中隔欠損・肺動脈弁狭窄が1例ずつ)であった.このうち18週前後に指摘し得たのは1例のみであった.28週前後での検出が最も多かったが,この時期での未検出例もあり,36週前後での再検も補完的な役割を果たしていると考えられた.検出断面については,四腔断面が15例中6例,流出路の観察を加えると15例中14例が検出可能であった.スクリーニング偽陰性は20例(心室中隔欠損16例,Fallot四徴症,肺動脈弁狭窄,心室中隔欠損・大動脈二尖弁,心房中隔欠損・肺動脈弁狭窄が1例ずつ)であり,生後早期に蘇生処置や加療を要したものはなかった.
    結論:当院の胎児心臓超音波スクリーニング検査は先天性心疾患の出生前診断において良好な機能を果たしていると思われた.
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  • 河津 由紀子, 植田 紀美子, 西畠 信, 石井 陽一郎, 満下 紀恵, 川滝 元良, 高木 紀美代, 竹田 津未生
    30 巻 (2014) 2 号 p. 175-183
    公開日: 2014/03/29
    ジャーナル オープンアクセス
    背景:近年,急速に増加している先天性心疾患の胎児診断における母親への心理的影響の研究として,それら母親]の心理的状況やニーズの把握が必要となっている.
    目的:胎児心疾患の診断を受けた母親に対するアンケート調査により胎児診断前後のニーズや心理状況を把握すること.
    方法:全国6施設にて胎児診断を受けて現在通院中の心疾患児をもつ母親を対象とし,日本版PSI育児ストレスインデックス(Parenting Stress Index,以下「PSI」)を中心とした自記式質問票による調査を行った.調査は各施設倫理委員会の承認を得て実施した.
    結果:回答のあった解析対象者は241名.PSIスコアは「子どもに問題を感じる」「退院後の気落ち」で高く(=ストレスが高い),「夫との関係」では低かった.また,PSIスコアが高い母親は有意に「医師以外のスタッフの立ち会い」を必要とした(P=0.023).PSIの高い母親のほうが有意に「不安になった時に相談できること」を必要とし(P=0.029),有意に「ピアカウンセリング」を必要とした(P=0.048).重症心疾患児の母親のPSIスコアに有意差は認めなかった.
    結論:胎児診断を受けた母親のストレスは子どもに対しては強かったが,夫とは育児をより協力しあう関係と推測された.ストレスの強い母親に対しては,検査中やその後に相談できるスタッフやピアカウンセラーが必要という結果であった.また心疾患が重症であるからストレスが強いわけではないことも判明した.今回の調査により胎児心疾患の診断を受けた母親に対する支援の方向性が明らかにできた.
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  • 八鍬 一貴, 林 泰佑, 進藤 考洋, 平田 陽一郎, 犬塚 亮, 清水 信隆, 香取 竜生
    30 巻 (2014) 2 号 p. 184-191
    公開日: 2014/03/29
    ジャーナル オープンアクセス
    背景:先天性心疾患の女性患者に妊娠は大きな問題だが,小児循環器医の指導は必ずしも十分でない.
    目的:成人先天性心疾患(ACHD)女性患者への避妊法指導の問題点および改善点を検討する.
    方法:対象は2011年1月~2011年12月に,当院小児科外来を定期的な経過観察のために受診した,14歳以上の女性.外来診療録にて診断,手術歴,症状,検査所見,投薬内容,性生活についての問診の有無,避妊法についての問診および指導の有無,リスク因子を後方視的に調査した.
    結果:調査対象となった21例中,性生活への問診も避妊法指導も行われていなかった症例が13例(62.0%)で,性生活の問診のみ行われていた症例が4例(19%)であった.問診と避妊法指導が両方行われていたのは4例(19.5%)で,コンドームを用いたバリアメソッドと,超低用量エストロゲンピルがそれぞれ2例(9.5%)であった.CARPREGスコアなどのリスク因子と避妊法指導の有無に関連はみられなかった.
    結論:当院の小児科外来ではACHD患者へ十分な避妊法指導が行われていなかった.小児循環器医だけではなく産婦人科医や女性看護師などの協力を得て,患者を包括的にサポートする体制の構築が必要である.
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症例報告
  • 本橋 宜和, 根本 慎太郎, 打田 裕明, 小澤 英樹, 勝間田 敬弘, 尾崎 智康, 岸 勘太, 片山 博視, 内山 敬達, 吉村 健
    30 巻 (2014) 2 号 p. 192-197
    公開日: 2014/03/29
    ジャーナル オープンアクセス
     大動脈弁上狭窄症(supra valvular aortic stenosis: SVAS)に対する外科的修復では,単一パッチによる狭小sinotubular junction(ST接合部)のパッチ拡大から,Valsalva洞のすべてを拡大する方法など,さまざまな修復が行われている.今回われわれは,同胞発症した非Williams症候群のSVASの兄弟2例に対し,近年その有効性が報告されるようになったSimple Sliding Aortoplasty法による修復を施行した.手術時年齢は兄13歳,弟11歳.ともにST接合部で大動脈径は最小となり,同部から上行大動脈に広がる著しい壁肥厚を認めた.心停止下に上行大動脈を最大狭窄部直上で離断すると,左右冠動脈の開口部が肥厚STJと左右冠尖間の交連に近接していたため,無冠尖Valsalva洞方向のみの切開による拡大を選択した.人工物の使用を避けるために,上行大動脈を遠位断端から小彎側を垂直切開することで遠位大動脈端大彎側をflapとし,切開開放した無冠尖Valsalva洞へ挿入するように縫着した.術後1~3年での心エコーでは,有意な左室-上行大動脈圧較差はなく,運動制限なく生活している.
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  • 木戸 高志, 西垣 恭一, 川平 洋一, 前畠 慶人, 村上 洋介, 江原 英治, 川崎 有希, 平野 恭悠, 鈴木 嗣敏, 吉田 葉子, ...
    30 巻 (2014) 2 号 p. 200-204
    公開日: 2014/03/29
    ジャーナル オープンアクセス
    好酸球増多症候群(HES)は,原因不明の好酸球増加(>1,500/mm3)が6ヵ月以上持続する状態と定義され,75%以上に弁機能不全等の心合併症を認めると報告されている.HESに関連した弁機能不全は,成人例の報告は散見されるが,小児での報告はない.今回,左側房室弁置換術(lt. AVVR)後に血栓弁を繰り返し,HESとの関連が疑われた小児例を経験したので報告する.
    症例:4歳女児.Polysplenia,SA,CAVSD(Rastelli C),IVC欠損,Azygos connection,先天性胆道閉鎖症.1ヵ月時に肺動脈絞扼術を施行し,2ヵ月時に葛西手術を施行.1歳1ヵ月時にCAVSD修復術を施行.左側房室弁逆流が残存し,4歳時にSJM 23mmにてlt. AVVRを施行.ワーファリンを投与しPT-INRを2.0~2.5に調節したが,経過中に5回の血栓弁を認め,3回の緊急手術,2回の血栓溶解療法を要した.血液検査にて,術前は60/mm3であった好酸球数が,6,000~8,000/mm3まで上昇しており,血栓弁との関連が強く疑われた.抗生剤と好酸球増加の関連を疑い,再々lt. AVVR後1ヵ月に抗生剤を中止したところ,好酸球値は1,000/mm3前後に正常化した.以後は血栓弁を認めず,退院となり,現在外来で経過観察中である.
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  • 鬼頭 真知子, 長井 典子, 小沢 広明, 加藤 太一, 馬場 礼三
    30 巻 (2014) 2 号 p. 205-214
    公開日: 2014/03/29
    ジャーナル オープンアクセス
    Histiocytoid cardiomyopathy(hcCMP)と病理診断されたミトコンドリア病症例について報告する.症例は,small for gestational age児として出生した女児である.出生時より哺乳不良,血中乳酸高値が遷延した.出生時には心収縮力は正常だったが,徐々に啼泣時に低下するようになり,拡張障害も呈するようになった.心エコーでは当初左室心筋緻密化障害(LVNC)様の所見を認めたが,その後肥大型心筋症(HCM)様の所見が目立つようになっていった.生後4ヵ月時に脳症を発症し,多臓器の障害および血中および髄液中乳酸/ピルビン酸比が高値であったことからミトコンドリア病を疑った.コエンザイムQ10,ビタミンB,C,E,カルニチンを投与したが,生後6ヵ月時に意識障害を伴う著明なアシドーシスを来した.治療に反応せず,多臓器不全が進行し,生後7ヵ月時に永眠した.心臓の剖検所見では,肉眼的には著明な心筋肥大,黄色調領域,肉柱形成を,顕微鏡的には組織球様細胞や膨化したミトコンドリア,クリスタの減少を認め,hcCMPと診断した.組織のミトコンドリア呼吸鎖複合体酵素活性測定では,肝臓,骨格筋でComplexⅠの,心筋でComplexⅠとⅣの低下を認めた.Bernierらによるミトコンドリア呼吸鎖異常症の診断基準に基づき,ミトコンドリア病と確定診断した.心エコー所見でLVNCからHCMの移行のため診断が困難だった症例で,病理組織学的にhcCMPと診断することができた.確定診断にはミトコンドリア呼吸鎖酵素活性の測定を中心とした生化学的検査および罹患臓器の病理組織学的検査が有用であった.
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