日本小児循環器学会雑誌
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30 巻 , 6 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
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巻頭言
Reviews
  • 関 満, 桑田 聖子, 栗嶋 クララ, 金 晶恵, 中川 良, 犬塚 亮, 杉本 昌也, 齋木 宏文, 岩本 洋一, 石戸 博隆, 増谷 聡 ...
    30 巻 (2014) 6 号 p. 601-611
    公開日: 2015/01/06
    ジャーナル オープンアクセス
    Fallot四徴症における上行大動脈の拡大は,大動脈弁閉鎖不全や大動脈瘤,ひいては大動脈解離の原因となり得るため,特に成人期の重要な合併症の一つである.大動脈の脆弱性をもたらし得る大動脈中膜組織変性と大動脈への容量負荷が本症における大動脈拡大の主因であると推察されてきたが,その詳細は十分解明されていない.われわれは大動脈中膜変性が血管弾性低下(大動脈壁硬度上昇)としてとらえることができることに着目し,この血管壁硬度が大動脈径拡大と密接に関係していることから,大動脈組織変化の大動脈拡大機序における重要性を明らかにした.さらに,大動脈壁硬度上昇は大動脈拡大の予後予測因子としても有用である可能性を見出した.さらに乳児期の修復術前Fallot四徴症においては,大動脈への容量負荷も大動脈径拡大に強く影響していることを証明した.本稿では,そのほか,遺伝的素因やMarfan症候群で大動脈拡大の中心的機序を担うTGF-βの関連に関しても言及し,Fallot四徴症患者における大動脈拡大機序の本態にせまることを試みた.このような機序がより解明されることで,今後,適切な治療介入が行えることが可能になり,遠隔期予後の改善に寄与することが期待される.
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  • 糟谷 周吾
    30 巻 (2014) 6 号 p. 612-623
    公開日: 2015/01/06
    ジャーナル オープンアクセス
    鎮静鎮痛(procedural sedation and analgesia:PSA)を安全に行うためには,システム的アプローチをとることが大切である.PSAは,基礎疾患を背景に持つ患者に対する目的(処置や検査)に対して,それらを安全かつ快適に遂行するための医学的介入である.したがってPSAの利点と合併症について十分理解し,目的とする処置や検査への利益と天秤にかけたうえで,その具体的方法を決定し,管理を行うことが望ましい.
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  • 富松 宏文
    30 巻 (2014) 6 号 p. 624-634
    公開日: 2015/01/06
    ジャーナル オープンアクセス
    小児循環器診療の場における心エコー検査の重要性は言うまでもなく,聴診器とほぼ同様に装置があれば誰にでも安全に検査することができる.しかし,誰にでも検査することはできるが,誰でも正しい診断ができるとは限らない.先天性心疾患における心エコー検査はこれまで形態診断が主なものであったが,最近では機能解析の方法が種々開発され,先天性心疾患にも応用されつつある.心エコーを用いて正しい診断をし,診療に役立てるためには,(1)超音波の特性やアーチファクトなどの知識,(2)正常心と先天性心疾患の形態的特徴についての知識,(3)血行動態についての知識が必要である.本稿では超音波の基礎と基本的断面および区分診断法の手順につき概説する.
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  • 大内 秀雄
    30 巻 (2014) 6 号 p. 635-645
    公開日: 2015/01/06
    ジャーナル オープンアクセス
    小児,成人と年齢を問わず,精神,肉体の成長発達とその維持,さらには疾病予防の観点から適切な身体運動は欠かせない生活行動である.しかし,心疾患を有する患者では運動は時に命に関わる重大な事故につながる場合があり,運動関連のリスク評価は小児および成人循環器医にとって心疾患小児や成人の生活管理上極めて重要である.運動負荷試験はこの観点から運動関連のリスク評価に極めて有益な情報を提供すると同時に被験者の病態把握や重症度評価にも有用な検査法の一つである.したがって,運動負荷試験,特に呼気ガス分析を併用した心肺運動負荷試験(cardiopulmonary exercise testing:CPX)は,その実施法や解析法の簡便化もあり,今後,その臨床現場での有用性に加え,臨床研究でも一定の重要な役割を担うことが期待される.しかしながら,実際の運動負荷試験は,特に小児において一定のリスクを有することから,安全かつ適切に実施されることが要求される.すなわち,この試験に精通し,適用,評価,患者への還元を適切に行うことが可能であることが要求される.これらをふまえ,今回は特に小児心疾患患者におけるCPXを含めた運動負荷試験を中心に,その実施概要とCPXより得られる心肺指標について簡単に概説する.
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  • 岩本 眞理
    30 巻 (2014) 6 号 p. 646-650
    公開日: 2015/01/06
    ジャーナル オープンアクセス
    植込み型除細動器(implantable cardioverter defibrillator:ICD)は,ペースメーカ機能と除細動器の機能を合わせ持つ.その技術の進歩はめざましく,適応の拡大や小児への植え込みも可能にした.しかし小児特有の問題(成長・長期管理・高い活動性・小さい体格)や合併症を考慮して,植え込みの適応や方法について個別の検討がなされるべきである.心臓再同期療法(cardiac resynchronization therapy:CRT)は難治性心不全に対する新しい非薬物療法として注目されているが,先天性心疾患や小児においても有効例が報告されている.
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原著
  • 武智 史恵, 森島 宏子, 立野 滋, 川副 泰隆, 松尾 浩三, 丹羽 公一郎
    30 巻 (2014) 6 号 p. 651-658
    公開日: 2015/01/06
    ジャーナル オープンアクセス
    背景:異所性心房頻拍(ectopic atrial tachycardia:EAT)は,小児期上室頻拍の10〜15%を占めると言われている.その臨床像は多岐にわたり,適切な治療方法も異なる.基礎心疾患を持たない小児期EATの臨床的特徴を明らかにし,治療方針の決定方法について考察することを目的とした.
    方法:1998年4月より2013年3月までの間に当院において診療した基礎心疾患を持たない小児期EAT22例を,6歳までに頻拍が自然消失したA群と頻拍が残存したB群に分類し,B群をさらに頻拍出現様式が持続性ないし頻発性のB1群と発作性のB2群に分類し,後方視的に比較検討した.
    結果:A群は7例(男児3例,女児4例),B1群は10例(男児5例,女児5例),B2群は5例(男児2例,女児3例)であった.発症年齢は,A群中央値0.3 歳(0〜1.8 歳),B1群中央値10.4 歳(0.9〜15.4 歳),B2群中央値10.4 歳(4.4〜13.5 歳)であり,頻拍出現様式に関係なく,B群において有意に発症年齢が高かった(p = 0.002).A群は全例抗不整脈薬にて頻拍の管理が可能であった.B1群ではしばしば薬物治療不応例を認めた.B2群は全例抗不整脈薬にて頻拍の管理が可能であった.B群に対して全例高周波カテーテルアブレーション(radiofrequency catheter ablation:RFCA)を行い,15例中14例で通電中に頻拍が停止した.起源は,15例中9例(60%)が心耳であり,成人と異なり,心耳に多い傾向を認めた.
    結論:胎児期から乳児期に発症する基礎心疾患を有さないEATは自然消失が期待でき,薬物治療が第一選択として望ましい.頻拍が残存する症例の中でも,頻拍の出現様式により,異なる臨床像を呈する可能性が示唆され,さらなる症例の集積が必要と考えた.RFCAの急性期効果は高く,頻拍が残存する症例においては,頻拍誘発性心筋症(tachycardia-induced cardiomyopathy:TIC)を合併することがないよう,RFCAの適応を含め慎重な経過観察が必要である.
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症例報告
  • 小野 友行, 安東 勇介, 深江 宏治, 梶原 隆, 小江 雅弘, 八浪 浩一
    30 巻 (2014) 6 号 p. 662-665
    公開日: 2015/01/06
    ジャーナル オープンアクセス
    今回われわれは,新生児期に根治術を施行した左室大動脈トンネル(Aortico-left ventricular tunnel:ALVT)の症例を経験した.症例は7生日男児,胎児期より大動脈−左室間に逆流血流を認めていた.出生翌日にALVTと判明し,高度の心不全症状が出現したため新生児期の手術を余儀なくされた.トンネルの大動脈側開口部は無冠尖と右冠尖の交連部外側に位置し,径は5 mmであった.弁の可動性を考慮して同開口部の直接閉鎖を行い,術後経過は良好であった.
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  • 久保 達哉, 藤田 修平, 畑崎 喜芳
    30 巻 (2014) 6 号 p. 666-670
    公開日: 2015/01/06
    ジャーナル オープンアクセス
    症例は生来健康な13歳女児で,学校検診で異常な血圧上昇を指摘された.血圧の上下肢差を認め,腹部血管雑音を聴取したことから,胸腹部大動脈の異常が疑われた.造影CTでは,腹部大動脈が低形成で,左右の腎動脈の低形成および右腎の萎縮を認めた.また下行大動脈の腎動脈分岐より遠位部で狭窄を認め,カテーテル検査では同部位で40 mmHgの圧較差を認め,血圧の上下肢差の原因と考えた.採血ではカプトプリル負荷により血漿レニン活性の著明な上昇を認めた.以上よりmid-aotric syndrome(MAS),腎血管性高血圧(RVH)と診断した.またカプトプリル負荷腎レノグラムでは右腎の著しい機能低下を認めた.降圧薬の内服を開始したが,有効な降圧は得られず,腎血管の形態からはカテーテル治療,外科的治療は困難と考え,無機能である右腎の摘出を行った.内服薬の増量も行い,現在収縮期血圧は150〜160 mmHgと治療前と比較し低下している.また二次性高血圧は,著明な高血圧を呈するにもかかわらず,自覚症状がない症例が多く,早期介入には血圧検診が極めて重要と考えられる.
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  • 平野 恭悠, 村上 洋介, 佐々木 赳, 藤野 光洋, 川崎 有希, 江原 英治, 荒木 幹太, 金谷 知潤, 石丸 和彦, 西垣 恭一, ...
    30 巻 (2014) 6 号 p. 671-675
    公開日: 2015/01/06
    ジャーナル オープンアクセス
    新生児Marfan症候群は希少な疾患で,わが国においての文献的報告は12例に留まる.出生直後ないし乳児期早期より特徴的な外表奇形と重篤な心肺機能不全を呈し予後不良である.症例は5歳女児.日齢2に哺乳不良と嘔吐を主訴に他院に入院.クモ様指と老人様顔貌があり,心エコーにて大動脈基部拡大,僧帽弁逆流,僧帽弁逸脱が確認され,新生児Marfan症候群と診断された.日齢26に当科に紹介され,生後1ヵ月よりpropranolol,生後2ヵ月よりlosartanの内服を開始.さらに,利尿薬,アンジオテンシン変換酵素阻害薬を併用していたが僧帽弁閉鎖不全が進行し,5歳時に僧帽弁置換術が施行された.また,経過中,側彎の進行と水晶体亜脱臼がみられた.遺伝子検査でFBN1遺伝子の変異[Gly1013Arg]が認められた.手術所見では,僧帽弁は弁尖が全体に肥厚し,粘液腫様変性を呈していた.弁尖,弁下組織は切除し,St. Jude Medical valve 25 mmで置換した.現在術後1年で,7歳に達し,経過は良好で経過観察中である.新生児Marfan症候群に対するlosartanの有効性の有無については,症例を重ねた検討が必要と思われる.
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