小児歯科学雑誌
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39 巻 , 3 号
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  • 日本小児歯科学会
    2001 年 39 巻 3 号 p. 477-495
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    本研究は,1歳から15歳までを対象として,平成11年6月から10月までの5か月間,全国29大学の歯学部小児歯科学講座にカリオスタット®,ミューカウント®,口腔内診査用紙,アンケート用紙を配布し,齲蝕活動性試験およびアンケート調査を行った.これらの調査結果から,今回特に園児から中学生までを対象に統計処理を行い,次の結論を得た.
    1.CSI,カリオスタット®およびミューカウント®の判定結果には,有意な相関関係があり,カリオスタット®とミューカウント®の両試験法は小児の齲蝕の現況を評価するのに適していることを示唆する.
    2.カリエスリスクは,不規則な間食や回数などの生活習慣やそれを許す周囲の環境,保護者の子どもへの関心などから影響を受ける.
    3.自分の歯を大切にすることや定期健診など保護者や小児本人の齲蝕予防の意識や知識が高くなってきていると考えられるが,それを生活や習慣の中で実践することが不足していると考えられる.
    4.今後,齲蝕予防を生活の中で実践させる工夫が必要である.
  • 隅田 百登子, 池原 美香, 柿沼 さおり, 桜井 史子, 高山 葵, 杉山 久, 荻原 和彦
    2001 年 39 巻 3 号 p. 496-502
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    都内某重症心身障害児施設における過去19年間の歯科診療の実態を調査したところ,特定の病棟において齲蝕有病者率が低い傾向を示していた.そこで今回その病棟における入所児35人(男児19人,女児16人)を栄養摂取法の違いにより経管栄養群25人(男児14人,女児11人),経口栄養群10人(男児5人,女児5人)の2群に分け,口腔内清掃状態,齲蝕経験およびカリエスリスクに及ぼす影響について検討し,次の結果を得た.
    1.Dentocult SM-Strip mutans®のための唾液採取法について,歯ブラシを用いる簡易法は有効であった.
    2.経管栄養群と経口栄養群を比較すると,OHI-S,CI-Sは経管栄養群のほうが有意に高く,DI-Sは両群間に差が認められなかった.
    3.一人当たりdf歯数,DMF歯数は両群とも非常に低く,有意差は認められなかった.
    4.ミュータンスレベルは経口栄養群のほうが有意に高かったが,ほとんどローリスクグループに属していた.
    5.経管栄養を開始した年齢で3歳未満群と3歳以上群に分け,ミュータンスレベルを比較すると,有意差は認められなったが,3歳未満群のほうがレベルの分布が低いほうへ偏位する傾向にあった.
  • 今村 基尊, 石原 摩美, 近藤 信太郎, 佐藤 久美子, 森 泰造, 大迫 佳子, 小野 俊朗, 土屋 友幸, 桑原 未代子
    2001 年 39 巻 3 号 p. 503-515
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    1980年以前の報告では日本人の下顎第一大臼歯は,下顎中切歯より先に萌出していた.1988年の日本小児歯科学会の全国調査では,下顎中切歯は下顎第一大臼歯より先に萌出していた.歯の萌出順序,それも加生歯の中で最初に萌出する下顎第一大臼歯と,第2生歯の中で最初に萌出する下顎中切歯の萌出順序が入れ替わることは,極めて重要な問題を示唆していると考えられる.そこで著者らは,個々の個体において中切歯と第一大臼歯のどちらが先に萌出したかを観察し,その割合を生年別に分類し,年代と共にどのように変化してきたかを検討した.
    その結果日本人小児において,1970年代に生まれた小児において中切歯が先に萌出するI型が増加し,50%以上となった.また,1930年代の岡本の乳歯や永久歯の萌出時期の調査と1988年の日本小児歯科学会の調査,さらに国内外の歯の萌出時期に関する文献を比較検討し以下の結論を得た.(1)日本において1970年代に生まれた小児で下顎I型の割合が増加したのは,食生活を含めた生活環境,特に欧米型の生活様式が,その要因の一つになっていると推察された.(2)下顎I型の割合が増加したのは,第2生歯が早熟となり萌出が早くなったためと考えられた.(3)将来I型の小児の割合がもっと増加するようになれば,現在のHellmanの咬合発育段階にIIB(切歯の交換期)を追加する必要があると考えられた.
  • 山本 誠二, 壺内 智郎, 新谷 智佐子, 土肥 範勝, 松村 誠士, 宮城 淳, Ji Ying, Hulan Ulamnemekh, 中 ...
    2001 年 39 巻 3 号 p. 516-525
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    隣接面齲蝕の効果的な評価法の確立を目的として,乳臼歯隣接面齲蝕の現症および口腔内状態と細菌学的,形態的因子および生活習慣との関係について検討を加え,以下の結論を得た.
    1.ミュータンス連鎖球菌数(以下MS数)が105CFU/ml以上の群は,105CFU/ml未満の群と比較して齲蝕に罹患している割合が有意に高く,齲蝕重症度指数(以下CSI)も高かった.
    2.MS数の全連鎖球菌数に占める割合(以下SM比率)が10%以上の群は,10%未満の群と比較して齲蝕に罹患している割合が有意に高く,CSIも高かった.
    3.乳酸桿菌の多数検出群(測定不能)は検出不能群(10CFU/ml未満)と比較して齲蝕に罹患している割合が有意に高かったが,少数検出群(10~3000CFU/ml)と検出不能群との間には有意差が認められなかった.CSIにおいては,多数検出群および少数検出群は検出不能群と比較して有意に高かった.
    4.齲蝕に罹患している部位ほど隣接面におけるカリオスタット試験®の48時間値が有意に高かった.
    5.歯間空隙が有る群は,無い群に比較し齲蝕罹患部位が有意に少なかった.
    6.生活習慣については,歯科受診前の刷掃習慣および昼間の養育者などの生活環境と有意な関係があった.
  • 山本 誠二, 壺内 智郎, 新谷 智佐子, 土肥 範勝, 松村 誠士, 宮城 淳, Ji Ying, Hulan Ulamnemekh, 中 ...
    2001 年 39 巻 3 号 p. 526-531
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    隣接面齲蝕の評価法を検討するのに際し,隣接面におけるカリオスタット値(以下隣接面CAT)とミュータンス連鎖球菌数(以下MS数) ,MS数の全連鎖球菌数に占める割合(以下SM比率)および乳酸桿菌数との関係について検討を行い,以下の結果を得た.
    1.MS数が105CFU/ml以上の群は,105CFU/ml未満の群と比較して隣接面CATの24時間値がとも,48時間値に有意に高かった.
    2.SM比率が10%以上の群は,10%未満の群と比較して隣接面CATの24時間値意,48時間値がともに有に高かった.
    3.乳酸桿菌検出群は,検出不能群と比較して隣接面CATの24時間値た,48時間値がともに有意に高かっ.
    4.隣接面CAT値の各細菌学的所見に対するふるい分け能力を検討するためにおよび,隣接面CATの24時間値48時間値が共に低かった群と共に高かった群とに群分けした.その結果,MS数の多寡に対しては敏感度(以下ST)が0.80,特異度(以下SP)が0 .91,SM比率の高低に対してはSTが0.90 ,SPが0.84,乳酸桿菌数の多寡に対してはSTが0.50,SPが0 .74であった.
  • 西村 美智子, 三宅 香, 平野 慶子, Ji Ying, Hulan Ulamnemekh, Rodis Omar. M. M, 松村 誠 ...
    2001 年 39 巻 3 号 p. 532-536
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    院内感染対策を静じる際,無視できないことのひとつに手洗い,または手指の消毒が挙げられる.本研究の目的は,当外来診療科で行われている手指の消毒方法によって,一般細菌が完全に除去できてを評価いるかすることである.当診療科では,非滅菌手袋を装着し,75%povidone-iodoneで消毒を行い流水中でpovidone-iodoneを洗い流し,ペーパータオルで拭き取り小児の治療にあたっている.なおストがセメント練和など,診療中はアシの諸事を行い,術者が患児とのみ接するようにしている.診療後は使用したゴム手袋は捨て手洗いを行う.
    本研究ではゴム手袋を装着しない状態とした状態で,手洗いをしない,水洗いのみ,固形石鹸を用いた手洗いと75%povidone-iodoneを用いた手指の消毒後,ペーパータオルで水分を除去してからBrain Heart Infusion寒天培地に接圧後培養した.その結果,ゴム手袋を装着しない状態ではいずれの方法でも一般細菌を取り除けなかった.ゴム手袋を装着した場合は75%povidone-iodoneで,完全に取り除けるが,術者の手にフィットしていない手袋を選んだものは流水のみ,固形石鹸を用いた手洗いでも完全に一般細菌を取り除けない者もいた.またフィットしたゴム手袋を装着した場合水洗いのみで一般細菌を取り除ける者もいたことは.この,ゴム手袋が必要であり,また手指や手袋の皺が一般細菌の除去に大きく関与しており選ぶ際も,ゴム手袋を,自分の手のサイズに良く合ったものを選んだ方が良いことを示唆していると思われる.
  • 二木 昌人, Wendy Cristela Menéndez, 山口 昭一, 中田 稔
    2001 年 39 巻 3 号 p. 537-543
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    低粘度コンポジットレジンのプリベンティブ・レジン・レストレーション(PRR)への臨床応用を検討する目的で,新しいフロアブルレジンのパルフィークエステエライトLV(トクヤマ)とレジン接着システムのワンナップボンドF(トクヤマ)を抜去ヒト大臼歯に形成した窩洞および抜去ヒト小臼歯の裂溝に応用した.そしてその接着性を,サーマルサイクリイングテスト後の辺縁封鎖性によって,従来のコンポジットレジンシステムのRestorative Z-100(3M)およびシングルボンド(3M)と比較した.その結果,窩洞と裂溝いずれにおいても,ワンナップボンドFと比較してシングルボンドが有意に辺縁封鎖性に優れていた.また,窩洞においてはいずれの接着システムにおいても使用レジンによる差は認めなかった.これに対し,ワンナップボンドFでは,裂溝における辺縁封鎖性が窩洞と比較して有意に劣っていることが明らかになった.これらの結果より,ワンナップボンドFはエナメル質接着のためのエッチング効果が不充分で,とくに裂溝においては顕著であることが予測された.
    従って,PRRにおいて,窩洞および裂溝にフロアブルレジンの応用は可能であるが,接着システムとしてはセルフエッチングプライマー系(ワンナップボンドF)よりも,リン酸エッチング・ウェットボンディング系(シングルボンド)との併用が望ましいことが明らかになった.
  • 木原 由香理, 西田 郁子, 辻 裕文, 中尾 利夫, 古谷 充朗, 矢野目 鎮照
    2001 年 39 巻 3 号 p. 544-555
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    ヒトの学童期に相当する生後6週齢のWistar系雄ラットを用い,低カルシウム食により虚弱骨を惹起させたのち,ユニカル®食にイプリフラボン(IF)を併用した食餌療法が脛骨骨幹端部における軟骨内骨化に及ぼす影響について検索し,以下のような結果を得た.
    1.体重
    対照群,低カルシウム食群,低カルシウム食・ユニカル®食群,低カルシウム食・ユニカル®食・IF添加標準食群の間に有意差はみられなかった.
    2.エックス線学的所見
    低カルシウム食群は対照群と比較し,骨梁が疎に走行している.低カルシウム食・ユニカル®食群は,低カルシウム食群と比較し,表面は明瞭となり,骨梁も明瞭に緻密で,規則的に走行していた.しかし,対照群と比較すると十分な回復は認められなかった.低カルシウム食・ユニカル®食・IF添加標準食群では,対照群と比較し,表面が明瞭となり,骨梁も緻密に規則的に走行していた.
    3.骨塩量
    各実験群における平均値の差の検定を行った結果,低カルシウム群,低カルシウム食・ユニカ対ル®食群,照群,低カルシウム食・ユニカル®食・IF添加標準食群の順に有意に低値を示した.
    4.病理組織学的所見
    海低カルシウム食群は対照群と比較して,肥大帯軟骨細胞の増大,軟骨細胞を囲む石灰化基質の減少,一次面骨の減少,骨梁の狭小化,骨細胞の減少,骨の組織癒合の低下がみられた.低カルシウム食・ユニカル®食群は,低カルシウム食群と比較し,肥大型軟骨細胞の増加,石灰化基質の増加,骨梁の肥大化がみられた.低カルシウム食・ユニカル®食・IF添加標準食群は対照群と比較して多核軟骨吸収細胞の増加基質,細胞間の石灰化が促進し,軟骨内骨化による新性骨の増加がみられた.
    5.血液学的所見
    血液電解質検査,血液性化学検査において各実験群間に有意差はみられなかった.以上の結果から,低カルシウム食で虚弱骨を惹起させたのち,ユニカル®食やIFを併用した食餌療法により,軟骨内骨化による骨形成が促進された.
  • 中野 誠, 岩田 雅裕, 当真 隆
    2001 年 39 巻 3 号 p. 556-560
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    社会保険広島市民病院において,昭和62年から平成11年までの13年間に歯科・歯科口腔外科を受診した小児外来患者について,統計的調査を行った.また平成9年に歯科に加え歯科口腔外科が併設されたので,歯科口腔外科併設前後における傾向の変化についても検討を加えた.13年間に当院歯科・歯科口腔外科を受診した外来患者総数は26079人で,その内15歳未満の小児患者は1326人であった.男女の内訳は男児694人,女児632人となっていた.平均年齢は7 .7歳であった.治療内容を一般歯科治療のみと口腔外科的治療を要したものに分けると,その比率は1.00:1.36となっていた.院内他科および他院からの紹介患者は538人であり小児外来患者全体の40 .6%と高い割合を占めていた.
    歯科口腔外科併設前後を比較すると併設前では口腔外科的治療を行ったものの割合は56 .4%であったが,併設後には62.3%を占めるまで増加していた.
  • 中野 崇, 河合 利方, 東 公彦, 長縄 友一, 福田 理, 土屋 友幸, 坪井 信二, 中垣 晴男
    2001 年 39 巻 3 号 p. 561-567
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    Down syndromeの齲蝕罹患性は永久歯,乳歯のいずれも健常児,他の精神発達遅滞児に比して低いことが報告されているが,その要因については未だ不明な点が多い.これまで著者らはその要因として歯の表層の生化学的組成に着目して両者を比較検討し,Down症児の歯は健常者に比して低石灰化傾向にあることを認め,生化学的な検討からはDown症児の低齲蝕罹患性を肯定する結果は得られなかったことを報告した.そこで本研究ではDown症児のエナメル質の低石灰化傾向が,石灰化過程での特異性であるのかを評価することを目的に愛知学院大学歯学部附属病院小児歯科を受診したDown症児6.2歳から8.7歳5名と健常児5.8歳から10.1歳5名より得られた下顎乳中切歯を対象として,より内層であるエナメル質の新産線前後におけるF,Mg濃度を計測し,以下の結論を得た.
    1.乳歯エナメル質中のF濃度分布についてはDown症児,健常児ともにエナメル質表層から内層に向かうFの濃度勾配が存在することが確認された.
    2.Down症児と健常児のF濃度の比較ではDown症児が全層において低い値を示し,統計的に有意な差が認められた.
    3.Mg濃度分布についてはDown症児,健常児ともにエナメル質中での大きな濃度変化はなく,一定であった.
    4.Down症児と健常児のMg濃度の比較ではDown症児は健常児に比して相対的に高い濃度を示していたが,統計的に有意な差は認められなかった.
    以上の研究結果より,エナメル質内層においてもDown症児の歯の低石灰化傾向が確認された.また,Down症児のエナメル質への石灰化の影響は胎生期から出産を通して,出生後まで常に続いることが示唆された.
  • 細矢 由美子, 吉田 至純, 後藤 譲治
    2001 年 39 巻 3 号 p. 568-578
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    齲蝕活動性試験結果が齲蝕現症を反映しているか否かを確認することを目的に,3種類の齲蝕活動性試験法を用いて検討を行った.
    齲蝕活動性試験(試験)には,カリオスタットTM(三金),RDテスト®(昭和薬品)とミューカウント®(昭和薬品)を用いた.初回齲蝕活動性試験時(初回時)におけるHellmanのDental AgeがIIAからIVAの小児71名に対し,5年から9年間にわたる1年ごとの試験結果と口腔診査結果をまとめた.すべての被験者について,Dental Age別に1年ごとの試験結果と齲蝕現症(df+DF歯数蝕重症度指,df+DF歯率,d+D歯数,齲数)間の相関関係を比較した.さらに,すべての被験者に対してすべての試験時とDental AgeのIIAからIVAに最初に到達した時期についても同様に相関関係を比較した(P<0 .05).
    今回用いた3種類の齲蝕活動性試験中,試験結果と齲蝕現症間に有意な正の相関を多数のDental Ageで示したのは,カリオスタット48時間値(CAT48)であった.また,Dental Age別にみると,IIIB,IIICとIVAに到達直後のCAT48の試験結果と齲蝕現症間に有意な正の相関がみられた.齲蝕活動性試験結果は,高い齲蝕罹患状態下で常に高い値を示すわけではなく,試験結果が常に齲蝕現症しているわけではなかった.しかし,定期診査により新たな齲蝕の発生が抑制されている場合には,CAT48の結果は,齲蝕現症を強く反映していた.
  • 萩原 智子, 大東 道治, 四井 資隆
    2001 年 39 巻 3 号 p. 579-586
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    小児期における顎関節部の成長発育に関する研究は試料収集の困難さから未解明な部分が多い.今回,著者らは特に下顎窩の成長発育に注目し,本学中央画像検査室所有の小児のCT像をもとに三次元構築を行い,各計測点ごとに比較検討を行った.対象は6歳から12歳の小児,28症例56関節とした.その結果以下の結論を得た.
    1.左右関節結節間距離,左右関節後突起問距離は,年齢よりも体重とやや強い相関を示した.
    2.FH平面と下顎窩の各計測点(関節結節最下点,関節窩最深部外側限界点,関節後突起最下点)間の垂直距離は左右関節結節間距離,左右関節後突起問距離および体重に比べ,年齢との相関がやや強かった.
    3.年齢および体重に対するFH平面からの垂直距離の相関は関節後突起最下点よりも関節結節最下点間の方が強かつた.
    4.FH平面と下顎窩各計測点間との垂直距離はそれぞれ互いに強い相関がみられた.
  • 遠藤 敏哉, 小貫 まゆみ, 長谷川 優, 下岡 正八
    2001 年 39 巻 3 号 p. 587-594
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    小臼歯非抜歯でエッジワイズ装置により治療したAngle I級叢生症例において,治療前後の下顎結合部の形態変化を比較検討し,合わせて本治療方法の有用性を検討した.そして,次の結果を得た.
    1.下顎結合部は有意に基底骨が舌側傾斜し,歯槽骨が唇側傾斜した.
    2.基底骨の舌側傾斜は下顎の後退と負の相関,咬合平面の時計回りの回転と正の相関が認められた.
    3.歯槽骨の唇側傾斜は下顎前歯の唇側傾斜と正の相関があった.
    4.歯槽骨と基底骨のなす角度は有意に増加した.
    5.下顎結合部の厚径はB点において有意に減少した.
    6.下顎結合部の高径はB点,Id点,Lle点において有意に増加した.
    7.B点とLle点における下顎結合部の高径の増加は咬合平面傾斜角の増加と負の相関があった.
    8.Id点における下顎結合部の高径の増加は下顎切歯の唇側傾斜と負の相関,上下中切歯歯軸傾斜角の減少と正の相関があった.
    以上の結果から,下顎結合部は柔軟な形態変化を示し,B点付近が骨のリモデリングの中心的役割を果たすことが示唆された.また,混合歯列期における叢生症例の治療計画の確立に際して,本治療方法が一考に値する臨床的手技であることが示された.
  • 齋藤 珠実, 中山 聡, 内山 盛嗣, 岩崎 浩, 宮沢 裕夫, 石四 箴
    2001 年 39 巻 3 号 p. 595-607
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    演者らは1996年から中国上海師範大学付属幼稚園の園児を対象とした歯科疾患実態調査を実施している.そこで,1996年度と1999年度の3歳から5歳の園児334名の口腔検診表,口腔内写真および歯列模型から得られた結果について比較検討を行い,以下の結論を得た.
    1.齲蝕罹患者率は3歳から4歳時での増加率が著しく,齲蝕の低年齢化を示した.
    2.齲蝕罹患歯率と一人平均齲歯数は1996年に比べ,やや減少傾向が認められた.
    3.処置歯率は1996年に比べ,やや増加傾向が認められた.
    4.歯肉炎罹患率は1996年に比べ,著しく減少した.
    5.不正咬合では,反対咬合の発現率が1996年に比べ,やや増加傾向が認められた.
    6.歯牙異常では,黒色性歯牙色素沈着の発現率が1996年に比べ減少傾向が認められた.
  • 山下 佳織, 岡田 貢, 香西 克之, 三浦 一生
    2001 年 39 巻 3 号 p. 608-613
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    著者らは,中学生の歯周状態を把握するため,広島市内の中学生を対象として,1994年および1999年に調査し,歯科保健指導を行った.対象は1994年に在籍していた生徒355名と1999年における生徒350名とした.歯周状態の評価にはOral Rating Index(ORI)を用いて行い,調査年別,学年別,男女別に検討を行った.なお,検診後に生徒自身のORI値による評価を知らせ,1992年から1994年までは検診後に1時間程度の歯周疾患に関する講義を行った.なお,1995年以降は歯周疾患に関する資料「保健室便り」を配布した.
    1.ORIの平均値は,男女別および全体で1994年より1999年の方が有意に高かった(p<0 .001).特にORI値が+1以上のものの割合は,1994年には男子12.4%および女子27.5%であったのに対し,1999年にはそれぞれ32.6%および65.7%であった.
    2.ORIの平均値は,いずれの学年においても男子より女子の方が有意に高かった(p<0 .001).
    3.1994年における男女別のORI平均値は,学年間で有意な差を認めなかったが,1999年には男女共に学年が上がるにしたがって上昇した.
    以上より,「保健室便り」を活用したORIによる歯周保健指導が生徒の口腔衛生意識向上の一助になると推察された.
  • 福山 達郎, 藥師寺 仁
    2001 年 39 巻 3 号 p. 614-636
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    歯列の発育過程で,乳犬歯および犬歯がどのような位置的変化を示すかについて,同一個体の累年歯列模型を用いて調査した.資料は,乳歯列完成期から永久歯列安定期まで可及的に2か月間隔で印象採得して得られた累年歯列模型50組である.これらを永久歯列期の排列状態から,正常歯列群と叢生歯列群に分け,乳犬歯および犬歯の最近・遠心点および唇・舌面最突出点の累年的位置変化を咬合面方向から観察した.
    その結果,平均変化では,乳犬歯の各計測点は,正常歯列群,叢生歯列群ともに前外方へ移動していたが,両群の移動量を比較すると,正常歯列群の方が大きかった.これに対し,犬歯では,前内方への移動が認められた.両群の移動量を比較すると,前方移動は正常歯列群で,内方移動は叢生歯列群で大きな値を示した.永久歯列安定期の犬歯最遠心点の前後的位置を乳犬歯脱落直前のそれと比較すると,正常歯列群では両者間にほとんど変化がなかった症例が,左右側合計で20例,1mm以上前方へ移動した症例が40例であった.叢生歯列では,ほとんど変化のみられない症例が19例,1mm以上前方移動した症例が17例,正常歯列にはみられない1mm以上後方へ移動した症例が4例みられた.以上の結果から,歯列の成長過程で正常歯列となる症例の犬歯は,乳犬歯の排列位置とほぼ同位置か,あるいはより前方に排列するのに対し,前歯部が叢生となった症例では犬歯が後方移動する症例もみられた.
  • 今井 裕樹, 藥師寺 仁
    2001 年 39 巻 3 号 p. 637-657
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    乳歯列完成時に正常歯列であった同一個体の乳歯列期から永久歯列期までの累年歯列模型44症例を資料に,切端・尖頭・咬頭頂連続曲線の変化を観察し,さらに正常永久歯列になった群と叢生群との変化の差違を検討した.その結果,上顎歯列の連続曲線は,最凹彎部が歯列の成長過程で,乳犬歯尖頭,第二乳臼歯遠心頬側咬頭,第一小臼歯頬側咬頭へと移動するものの,いずれも緩やかな凹彎状の曲線を呈していた.一方,下顎の連続曲線は,乳歯列期には乳犬歯で凸彎し,第二乳臼歯近心頬側咬頭で凹彎するS字状彎曲を,混合歯列期にはS字状彎曲から第一大臼歯近心頬側咬頭を最凹彎部とする緩やかな曲線を呈し,永久歯列期には第一大臼歯近心頬側咬頭を最凹彎部とする曲線であった.また,上下顎とも彎曲程度は,乳歯列期から永久歯列期まで漸次増加していた.正常歯列群,叢生歯列群とも,各計測部位の上下的位置の変化は類似し,両群問に明瞭な差違を認めなかったが,4計測部位で,乳歯列完成時から混合歯列移行直前までの変化量に両群問で有意な差(p<0.01)がみられたことから,この4計測点を用い判別分析を行った.有意差がみられた各計測部位の変化量を変数X1~X4とした際の判別関数は,Z=0.1233+1.2588X1-0.9483X2+0.0612X3-0.7749X4であり,77.3%の確率でZ>0は正常歯列,Z<0は叢生歯列と判別できた.従って,この変化量は正常歯列と叢生歯列とを判別する一因子である可能性が示唆された.
  • 金城 光也, 馬場 宏俊, 下岡 正八
    2001 年 39 巻 3 号 p. 658-668
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    生態学において情報は環境の中に存在し,環境の「意味」や「価値」は環境の中で発見されるべきであるとするアフォーダンス理論がその根本となる.そして情報収集の手段である視覚や触覚などを研究することは,ヒトと行動との関連性を理解する一助になると考えられる.そこで歯科診療室に存在する情報の中から,小児が能動的に「意味」や「価値」を探し発見し顕在化させる過程を術者が知り,小児の行動を予測し,取り扱いを円滑にすることを目的に研究を行った.小児が治療椅子に乗降する際の行動を,VTRを用いて分析検討し以下の結論を得た.
    1.治療椅子へ乗る際には,3,4歳児では前向きに,5,6 ,7歳児では後ろ向きに乗る傾向を認めた.治療椅子が高くなると,3,4歳児ではステップ側へ回り込む傾向を認めた.治療椅子から降りる際には,年齢に関係なく治療椅子に背を向けて後ろ向きに降りた.
    2.治療椅子へ接近するに従い小児の視線は多くが治療椅子へ向かった.
    3.治療椅子に対する足の接触は,前向きでは右足から,後ろ向きでは左足からの接触が多かった.
    4.治療椅子に対する手の接触は,移動時に手を治療椅子へ触れる小児が3~4割であった.
    以上より,小児患者は治療椅子へ乗るとき,年齢に応じて自分に適した行動を選択していることがわかった.その際,認知のための情報収集における手段としては,視覚のみならず触覚もその役割を果たしていることが示唆された.
  • 永野 恵子, 松井 大介, 嶋田 出, 下岡 正八
    2001 年 39 巻 3 号 p. 669-678
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    近年,齲蝕の軽症化傾向に伴い,初期齲蝕の再石灰化促進と進行抑制,経過観察という考え方が普及してきている.それに伴い,歯科健診の役割も集団に対する齲蝕有病者のスクリーニングだけでなく,個人に即した口腔衛生指導や齲蝕予防処置に有用な情報提供を行うことが必要である.小児歯科学教室ではそのような情報提供を行うため,新たな齲蝕の指標を作成することを目的に研究を行っている.その一つとして本研究では齲蝕の新規発生と再発の状況を示す未処置歯化率を提案し,新潟県広神村の小中学生を8年間にわたり追跡調査を行い,分析した結果,以下の結論を得た.
    1.切歯・小臼歯群における未処置歯化率は1%未満であった.
    2.大臼歯群の未処置歯化率は,各歯種別に上顎第一大臼歯で最大8.1%,上顎第二大臼歯で最大4.2%,下顎第一大臼歯は最も高く最大12.4%,下顎第二大臼歯で最大5.2%であった.
    3.大臼歯群の未処置歯化率においては萌出後1年に最大となり,萌出後3年まで減少し,それ以降変化のないという特徴的なパターンを認めた.
    4.未処置歯化率を健全歯と処置歯で比較すると,一般に健全歯で高く,萌出後10%前後に高くなったが,処置歯では最大6.3%であり,一部で有意な差が認められた.以上より,未処置歯化率は齲蝕評価の新しい指標としての有用性が示唆された.
  • 三瓶 伸也, 下岡 正八
    2001 年 39 巻 3 号 p. 679-693
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    成人がヒト(女性,小児,男性)の動きをどのように観察するかを知るために,ヒトが立ち止まった状態から歩くという動き,ヒトを光点(女性光点,小児光点,男性光点)の散らばりで表現した動きについてテスト映像化した.そしてビジコンアイカメラを用いて被験者の眼球運動を測定,分析,検討し以下の結論を得た.
    1.総停留回数,総停留時間,第1停留点の平均反応時間,ヒトおよび光点と背景への停留回数,停留時間,ヒトおよび光点を上部,下部に分けた停留回数から,ヒトと光点では被験者の眼球運動に特徴的な差がないことがわかった.
    2.歩行時のヒトおよび光点への停留点出現パターンから,被験者の多くはヒトおよび光点を歩行開始初期の段階で,また固視,追視により見ていたことがわかった.
    3.光点映像について停留部位別の被験者数と質問の回答を照合した結果,光点への停留点が出現した被験者は止まった状態では「わからない」,歩行では「ヒトが歩いている」と回答した.また背景に停留点が出現した被験者からも同様の回答が得られた.以上より,成人はヒトおよび光点が(立ち)止まった状態では眼球運動の結果に関わらずヒトと光点で認識に差があり,歩行ではヒトおよび光点に関わらず固視,追視によりヒトの歩行を認識していることがわかった.これらの結果は,歯科診療における成人や小児の動きという非言語的コミュニケーションを理解する上で重要な示唆を与えているといえる.
  • 吉田 美香子, 高森 一乗, 小野 義晃, 武田 智子, 巣瀬 賢一, 鈴木 昭, 村上 幸生, 田中 庄二, 藤沢 盛一郎, 時安 喜彦, ...
    2001 年 39 巻 3 号 p. 694-703
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    小児の口臭に対する実態を把握するために,来院患児300名を対象として,1.口臭2.刷掃習慣3.口腔内状態4.生活習慣5.習癖6.健康状態7.家庭内での喫煙者の有無について,保護者に口腔衛生状態のアンケートを実施した.そして,アンケート対象者より無作為に96名を抽出し,口腔衛生(口臭)検査システム(アテインTM,アデント社製mBA-400,大阪)を用いて口腔内アンモニア濃度を測定した.
    アンケート結果から,口臭が気になる者(A群)は,137名(45.7%),口臭が気にならない者(B群)は,163名であった.A群で口臭がいつ気になるかの質問では,「起床時」と答えた者(66 .0%)が最も多かった.それに対する対応は,「何もしない」(37.6%)と「歯磨き」(36.8%)が最も多かった.各質問項目とA群及びB群との間でx2検定を行った結果,刷掃時歯肉出血(P<0.05),歯肉疼痛(P<0 .005),舌苔(p<0.001),喫煙者(p<0,001)において,両者間に有意な差がみられた.
    口臭測定を行った結果では,アンモニア濃度の平均値及び標準偏差がA群は25.5±17.3ppm,B群は18.7±16.1ppmで両者には5%水準で統計的有意差が認められた(Mann-WhitneyのU検定).
    以上の結果,今後,小児の歯科臨床においても口臭に対する対応を積極的に行う必要性のあることを強く感じた.
  • 阿部 真之介
    2001 年 39 巻 3 号 p. 704-711
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    本研究は唾液分泌量が減少すると咀嚼時間が延長することに着目し,正常唾液分泌時と唾液分泌抑制時の1.咀嚼時間,咀嚼回数,2.食塊水分量,3.食物の粉砕率,4.食塊のテクスチャー特性を測定し,どのような因子が嚥下閾に関与しているのかを明らかにすることを目的に行った.成人6名を対象とし,被験試料にはレトルトの米飯を用いた.咀嚼試料を通常どおり各被験者に咀嚼,嚥下させ,咀嚼時間および咀嚼回数を求め,これより咀嚼リズムを算出した.被験者に前述のリズムで試料を咀嚼させ,得られた食塊を真空凍結し,嚥下時の食塊水分量(%)を測定した.食物の粉砕率については,食塊を10meshで節分し,乾燥全重量に対する篩上に残留した試料の重量を計測した.テクスチャー特性の測定にはテクスチャーアナライザー®,データの解析にはテクスチャーエキスパート®を使用し,double-bitetestにて行った.
    その結果全ての被験者において,唾液分泌抑制時には,咀嚼時間の延長,咀嚼回数の増加,嚥下時食塊水分量の減少,嚥下時の食物粉砕率の増加がみられた.また,被験者において,正常唾液分泌時と唾液分泌抑制時のあいだで,付着性には有意な差を認めなかった.以上のことから,嚥下閾は食物粉砕率のみに左右されるのではなく,食塊表面の付着性に影響を与える唾液中の水分によっても大きく影響をうけることが示唆された.
  • 岩崎 智憲, 小椋 正
    2001 年 39 巻 3 号 p. 712-717
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    成長発達期における叢生と顎骨の前後的大きさとの関係を明らかにするため,Hellmanの歯齢IICからIVAにかけて経年的に得られた叢生者の側貌頭部X線規格写真を用いて,上下顎骨歯槽基底部の前後的大きさの成長発達変化を調査研究し,以下の結果を得た.上顎歯槽基底部前後径を示すA'-PNSは男女ともIICでは叢生群は正常群よりわずかに小さい程度だが,IIIA以降で小さい傾向が明らかになった.下顎歯槽基底部前後径を示すABR'-B'は男女ともIICでは叢生群は正常群とほぼ同じ大きさであったが,IIIA以降で小さい傾向が明らかになった.
    以上の結果から,叢生者の上下顎骨歯槽基底部の前後的大きさはIIIA以降では正常群より小さい傾向が明らかになるが,IICではまだ違いが明瞭でないことが示された.
  • 前田 耕作, 今井 裕樹, 林 芳裕, 恩田 尚余, 藥師寺 仁, 石四 箴
    2001 年 39 巻 3 号 p. 718-723
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    歯列・咬合不正と齲蝕との関連性について多くの研究がなされているが,それらのほとんどは,齲蝕が歯列・咬合に及ぼす影響に関するものであり,歯列・咬合不正が齲蝕の発現状況にどのように影響を及ぼしているかについて捉えた報告はごく僅かである.そこで今回著者らは,上海医科大学附属幼稚園の2~6歳児451名(男児232名,女児219名)について,歯列・咬合不正の発現頻度を調査するとともに正常咬合と過去の調査で発現頻度の高かった過蓋咬合とにおける齲蝕罹患状況を調査し,以下の結論を得た.
    1.正常咬合が35.6%であったのに対し,歯列・咬合不正の発現頻度は,過蓋咬合が44.5% ,反対咬合が7.7%,上顎前突が6.0%,その他の不正(切端咬合,開咬および叢生)が6.2%であった.
    2.一人平均dftでみた正常咬合群と過蓋咬合群別の齲蝕罹患状況は,正常咬合が3.0歯,過蓋咬合が2.3歯であった.
    3.全顎を上,下顎乳前歯部および乳臼歯部の4部位に分割し,正常咬合群と過蓋咬合群とについて部位別齲蝕罹患状況を比較したところ,過蓋咬合群は正常咬合群に比べ上,下顎乳臼歯部のdft,dfsが有意に低い値を示した.
  • 南 世津子, 佐野 正之, 春木 隆伸, 尾形 小霧, 松村 誠士, 下野 勉
    2001 年 39 巻 3 号 p. 724-729
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    幼児期に大量化学療法を受けたことが原因となって,多数歯の形成障害をきたしたと思われる8歳8か月の女児の症例を経験したので報告する.
    1.患児は2歳0か月時に進行神経芽細胞腫(病期IVA)と診断され,2歳0か月から2歳9か月まで大量化学療法を受けた.その後,2歳10か月時に腹部腫瘤全摘術,2歳11か月時に自家骨髄移植を受けた.また放射線照射は全摘術中の腹部への開創照射のみで全身照射は行われなかった.
    2.口腔内所見:萌出歯は_??__??__??_で,_??__??__??_の著しい矮小化,_??__??__??_の病的動揺を認めた.
    3.エックス線所見:_??__??__??_の歯胚欠如,_??__??__??矮_の小化,_??__??__??_の歯根の短小根化を認めた.
    4.これら著しい歯の形成障害は,歯の発生,発育時期から考えて,大量化学療法によって引き起こされたものである可能性が強く示唆された.
  • 青柳 陽子, 守安 克也, 大森 郁朗
    2001 年 39 巻 3 号 p. 730-740
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    鶴見大学歯学部附属病院小児歯科外来において,2名の部分性無歯症の患児に対し,義歯装着によって機能的回復と審美的改善を目的とした経年的な咬合管理を行った.
    一般的に部分性無歯症の患者は,歯数不足と倭小歯を示すばかりでなく,歯槽骨の成長も劣っているので,咬合管理ではパーシャルデンチャーあるいはオーバーデンチャーを作製して咬合高径を調整する必要がある.そのために,装着するバイトプレートあるいは義歯の適正な咬合高径を決定することを目的に,我々は患児の側貌頭部エックス線規格写真の角度分析および長さ分析を行い,それらの値を同じ年齢の正常な症例の平均値と比較した.
    7歳9か月の女児(症例1)は,13歯の先天欠如が認められた.前歯部反対咬合をアクチバトールで改善し,10歳11か月時に上下顎にパーシャルデンチャーを装着した.10歳0か月の男児(症例2)は,18歯の先天欠如が認められた.
    10歳9か月時に上下顎にオーバーデンチャーを装着した.上唇小帯伸展術および正中離開の閉鎖を行い,_??__??__?矮?_の小歯はレジンジャケット冠により改善を図った.これら2症例は,それぞれ14歳および13歳5か月まで臨床的に経過観察を行った.
  • 2001 年 39 巻 3 号 p. 741-915
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 39 巻 3 号 p. 796-797
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
  • 日本小児歯科学会学術委員会
    2001 年 39 巻 3 号 p. 798-799
    発行日: 2001/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
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