山梨県8020運動推進特別事業の一環として,小児期より咬合育成を図ることを目的としたモデル校(小学校)の児童および,保護者を対象に,歯列・咬合に関する実態調査を企画した。その調査項目の一部として全校児童の保護者の意識についてアンケート調査を行ったところ,次のような結果が得られた。
1.保護者からみた児童の歯並びが「良いと思う」は37.5%,「悪いと思う」は39.4%で,ほぼ同数であった。
2.歯並びの悪くなる原因として,「硬いものを食べないから」が35.2%で最も多く,「遺伝だから」は9.8%と少なかった。
3.矯正治療経験者の治療のきっかけは「歯医者さんに勧められて」が40.9%で最も多かった。また「保護者の希望」は34.1%で,「本人の希望」の13.6%よりも上回っていた。
4.矯正治療の理由は「見た目」が46.3%で最も多く,機能的な理由よりも,審美的な理由が多かった。
5.習癖で最も多かったのは,「爪をかむ」の34.9%,次いで「指しゃぶり」の21.7%であった。
6.「鼻がつまる」児童が34.6%あり,「口で息をしている」児童も27.3%と多いことから,耳鼻科疾患と口呼吸の関連がうかがわれた。
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