小児歯科学雑誌
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40 巻 , 3 号
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  • 三好 克実
    2002 年 40 巻 3 号 p. 441-453
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    従来の顎運動解析装置と異なり小型軽量で小児に負担が少なく,微細な顎運動異常を検出できる装置の開発を試みた。試作顎運動解析装置の精度を検証するために,前歯部相当部の運動様相は差動トランスを用い,左側下顎頭相当部の運動様相は高精度形状測定変位計を用い実測波形を求め,その波形を基準として既存の顎運動解析装置として頻用されているナソヘキサグラフ®と比較したところ以下の結果を得た。
    1.試作顎運動解析装置の波形によって得られた開閉口運動の波形は,実測波形と一致していた。
    2.軸の位置とその方向の理論を応用した試作顎運動解析装置は,ナソヘキサグラフ®によって確認できなかった,開閉口運動異常を想定した右側下顎頭相当部に付与したレジンならびにワーレンモーターに接続されている円盤上に突出させたビスにようる開閉口運動異常部の波形を確認できた。
    従来の顎運動解析装置は下顎頭,臼歯などの任意点での顎運動を表記することは不可能であった。また,計測にあたっては種々な条件が指定され,低年齢時に適用することは困難であった。今回開発した試作顎運動解析装置は口腔模型や,CTなどの画像から計測可能な任意点での顎運動表記ができ,さらに下顎の瞬問回転中心である軸を表記することにより微細な顎運動異常を検出することが可能な装置の開発に成功した。
  • 割田 幸恵, 荻原 和彦, 青葉 孝昭
    2002 年 40 巻 3 号 p. 454-467
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    本研究では,乳臼歯咬合面小窩裂溝での初期齲蝕の診断法の向上を長期的目標として,肉眼的に齲窩をともなわない抜去歯32本を対象として,同一箇所での視診・DIAGNOdentTMによる蛍光測定・組織確定診断を行った。DIAGNOdentTMによる蛍光測定は歯面の乾燥・湿潤状態によって大きく影響され,蛍光強度は湿潤時に減弱する傾向が認められた。また,乾燥状態での蛍光測定で再現性の高い結果が得られたことから,乾燥歯面での測定値を臨床蛍光スコアとした。観察対象の乳臼歯咬合面をシーラント填塞などの歯面処置の有無に基づき,未充填群(n=68)と充填群(n=29)とに大別した。各診断部位において,視診と組織診断による判定内容についてはスコア表示を実施し,臨床蛍光スコアと対比した。未充填群と充填群のいずれにおいても,視診スコアと臨床蛍光スコアとの間には相関は認められなかったが,組織スコアと臨床蛍光スコアとの間には相関が認められた。ただし,組織確定診断に基づく判定結果では,DIAGNOdentTMによる蛍光測定はエナメル質の状態(実質欠損の有無,色調,歯質厚さ)に依存しており,潜在する象牙質齲蝕の検知やその侵襲範囲の同定には困難を残すことが示唆された。これらの改善すべき課題は残すものの,視診の精度向上と蛍光測定法との併用は,小児歯科臨床での初期齲蝕の診断・予後判定・管理にとって有用と考えられる。
  • 石川 雅章, Luciana Silva de Melo, 竹中 史子, 桔梗 知明, 舩山 研司, 小野 博志
    2002 年 40 巻 3 号 p. 468-474
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    混合歯列期の中国人女児双生児85組のパノラマエックス線写真と歯列模型を資料として,第3大臼歯を除く永久歯の先天的欠如,上顎側切歯栓状歯,シャベル型上顎中切歯および上顎第一大臼歯カラベリー結節について,発現頻度および双生児問の一致率を検索し,以下の結論を得た。
    1.永久歯の先天的欠如は19人24歯に,上顎側切歯の栓状歯は7人7歯に,シャベル型上顎中切歯61人122歯に,上顎第一大臼歯カラベリー結節は33人66歯に認められた。
    2.各形質について,一卵性と二卵性との両卵性間の一致率の差を検定したところ,シャベル型上顎中切歯のみに有意性が認められた。
    3.上顎側切歯栓状歯と歯の先天的欠如を一つの形質として取り扱ったところ,両卵性問の一致率には有意な差が生じた。
    4.上顎側切歯栓状歯を含む歯の先天的欠如およびシャベル型上顎中切歯には遺伝的要因が有意に働いていると推定されたが,上顎第一大臼歯カラベリー結節に対する遺伝的要因の影響は証明できなかった。
  • 柿原 秀年, 飯沼 光生, 広瀬 永康, 杉本 勘太, 田村 康夫
    2002 年 40 巻 3 号 p. 475-484
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    マウスガードはコンタクトスポーツにおいて口腔顔面の外傷を軽減することがよく知られており,その使用はスポーツ選手に徐々に広まっている。しかし小児期についてはスポーツ外傷,特に顎顔面の外傷やマウスガードによる予防についての報告はほとんどない。
    この研究の目的は,小児期のスポーツによる口腔外傷,マウスガードに対する意識,装着感等を調べることであり,対象は,空手スポーツ少年団団員とし,アンケート形式により調査し,以下の結論を得た。
    空手での外傷の既往率は71%であり,その部位は頭部,口腔顔面が大部分であった。40%が外傷予防には興味を持っていなかったが,マウスガードの所持率は68%であり,所持していない者もほとんどがマウスガードについて聞いたことがあった。マウスガードは試合ではほとんどが装着していたが,練習でも装着する者は19%にすぎなかった。61%は装着感に不満を持っており,特に気になる点は,しゃべり難さ,唾液分泌の増加,清掃性,呼吸であった。装着感は装着後4週までにかなり改善された。また市販と歯科医が作製したマウスガードを比較すると,4名中1名を除いて歯科医の作製した方が装着感が良好であった。
  • 山崎 優, 植松 晃樹, 黒瀬 絵里奈, 五島 博恵, 新井 陽子, 吉田 明弘, 前田 隆秀
    2002 年 40 巻 3 号 p. 485-492
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    齲蝕象牙質を除去することができるCarisolvTMを用い,乳前歯V級窩洞10歯の齲蝕処置を行った。
    修復処置前の窩洞内に齲蝕象牙質が除去されたかを齲蝕関連細菌の有無によって検討した。また,患児にCarisolvTMのアンケートを行い,処置した歯の経過を追ったところ以下の結果を得た。
    1.CarisolvTM処置前,対象歯すべての齲窩象牙質表層部から齲蝕関連細菌を平均6.1×105CFU認め,齲窩象牙質表層下部から齲蝕関連細菌を平均15×105CFU認めた。
    2.CarisolvTM処置中,10歯中7歯の齲窩象牙質表層部から齲蝕関連細菌を平均6.4×104CFU認め,10歯中8歯の齲窩象牙質表層下部から齲蝕関連細菌を平均7.7×103CFU認めた。
    3.CarisolvTM処置終了後,10歯中4歯の齲窩象牙質表層部から齲蝕関連細菌を平均1.3×102CFU認め(減少率99.989%),10歯中5歯の齲窩象牙質表層下部から齲蝕関連細菌を平均1.4×10CFU認めた(減少率99.995%)。
    4.患児にアンケートをしたところ,CarisolvTMを好む患児が多かった。
    5.carisolvTM使用後のコンポジットレジン充填の予後(平均329日)は良好であった。以上の結果より,乳前歯にCarisolvTMは有用であり,患児から切削器具を用いる従来の歯科治療より好まれた。
  • 岡崎 好秀, 東 知宏, 宮城 淳, 堀 雅彦, 岡本 安広, 土肥 範勝, 紀 螢, Rodis Omar, 松村 誠士, 下野 勉
    2002 年 40 巻 3 号 p. 493-499
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    幼稚園児(228名)を対象として,口腔内健診とカリオスタット検査(CAT21テスト)を行った。またDentocult®-LB検査を用い乳酸桿菌数を調べた。そしてCAT 21テストと齲蝕歯数および乳酸桿菌数との関係についても調査した。
    1.対象児のdf者率は64.5%,一人平均d歯数は2.7歯,一人平均df歯数は4.7歯であった。
    2.CAT値とDentocult-LB値は,d歯数およびdf歯数との問に高度の相関関係が認められた(p<0.001)。
    3.CAT値が高い群ほど,d歯数は多かった。なかでも2.5以上では,d歯数が著しく多くなった(ANOVAP<0.001)。
    4.Dentocult-LB値が高い群ほど,d歯数は多かった(ANOVA p<0.01)。
    5.CAT値とDentocult-LB値は,高度の相関関係が認められた(p<0.001)。また,CAT値が0.5の小児ではDentocult-LB値は,すべて103以下であった。しかしCAT値が高い小児ほどDentocult-LB値も高く,CAT値が2.5以上の場合LB値は約104群以上が約80%,105群以上が約60%,106群が約35%となった。(χ2検定p<0.001)
    以上のことよりCAT21テストの判定結果は,乳酸桿菌数の影響を受け,なかでも25以上の小児では,菌数が著しく多いことが示唆された。
  • 芳野 素子, 峯山 良, 斎藤 和子, 下岡 正八
    2002 年 40 巻 3 号 p. 500-515
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    齲蝕活動性試験で小児の齲蝕罹患状況を評価するために,ミューカウント®を用いてその活動性と齲蝕病原細菌の付着性の検討を行った。またミューカウント®から分離したStreptococcus mutans(S. mutans)株について,酵素処理DNAの電気泳動パターンを比較し,さらに齲蝕罹患状況別に分類したS. mutans株のグルコシルトランスフェラーゼ(GTF)の水溶性および非水溶性多糖体合成量,抗GTF-I特異マウス単クローン抗体を用いたGTF-I量を検討し,以下の結論を得た。
    1.ミューカウント管壁付着菌のうちS. mutansと同定される菌は全分離株の約3分の1であった。
    2.ミューカウントスコアとdf+DF歯数との問では乳歯列期にのみ正の相関が認められた。
    3.分離S. mutans株の酵素処理DNAの電気泳動パターンは,一口腔内から分離されたS. mutans株間では同一のDNA電気泳動パターンを示し,個体問では6.56kbp以上の電気泳動パターンに差異を認めた。
    4.df+DF歯数0の被験児由来S. mutans株の多糖体合成量およびGTF-I量は,df+DF歯数8以上の被験児のそれよりも有意に低いことが明らかとなった。
    5.低GTF菌から高GTF菌へのスクロースによる誘導は認められなかった。以上より,ミューカウントスコアによる判定だけでは,小児の齲蝕状況を評価することは困難であり,齲蝕予防をより効果的に行うためには個々の口腔内棲息S. mutansの性状を検討する必要性のあることが示唆された。
  • 村上 和也, 三瓶 伸也, 下岡 正八
    2002 年 40 巻 3 号 p. 516-530
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    小児がヒトの動きをどのように観察するかを知るために,小児が立ち止まった状態から歩くという動き(映像),小児を光点の散らばりで表現した動き(光点映像)についてテスト映像化した。そして計30名を被験児とし,ビジコンアイカメラを用いて眼球運動を測定後,光点映像の内容について口頭にて質問を行った。これらの結果を分析,検討し,以下の結論を得た。
    1.停留回数,停留時間,停留点の分布から映像と光点映像では被験児の眼球運動に特徴的な差がないことがわかった。
    2.映像と光点映像の歩行における停留点の分布から,被験児は小児,小児光点上を,また小児,小児光点を多く追従して見ていたことがわかった。
    3.光点映像について,止まった状態では全被験児が質問に対して「わからない」と回答した。歩行では14名が「わからない」,16名が「ヒトが歩いている」と回答した。以上より,被験児は映像,光点映像ともに歩行している小児,小児光点上を,また小児,小児光点を純粋に追従して見ていたことがわかった。これらの結果は歯科診療における問題をもつ小児の行動形成や変容を円滑に行う上で重要な示唆を与えているといえる。
  • 浜田 則子, 荻原 和彦, 相山 誉夫
    2002 年 40 巻 3 号 p. 531-540
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    下顎歯列弓における拡大矯正装置の効果を明らかにする目的で,イヌの下顎歯列弓に拡大床を56日間装着して拡大ネジを調節し,歯の位置的変化,水平面における歯列の変化ならびに歯周の組織学的変化を検索し,以下の結論を得た。
    1.歯列弓長径は,実験群の方が対照群よりも減少する傾向を示したが,咬頭頂間幅径および歯頸部間幅径は,実験群の方が対照群よりも増加する傾向を示した。
    2.実験群の両側の咬頭頂間幅径は,両側の歯頸部間幅径よりも増加度がわずかに大きく,下顎歯列弓の側方拡大量は,前方歯から後方歯に向かうに従って,少なくなる傾向を示した。
    3.実験群の頬側歯槽骨の歯槽頂付近の頬側面に新生骨の添加,舌側歯槽骨の歯槽頂付近の舌側面に骨の吸収がそれぞれ観察された。また,歯根膜には,舌側歯根中央部でわずかであるが,膠原線維の変性像が認められた。
    4.実験群の歯のセメント質は,わずかであるが頬側の方が舌側よりも肥厚する傾向を示した。
    5.下顎結合部の正中間隙は,実験群の方が対照群よりもわずかに伸展し,一定の幅を保つ傾向を示したが,著明な変化は見られなかった。
  • 須藤 健太郎, 坂 英樹, 井出 吉信
    2002 年 40 巻 3 号 p. 541-548
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    乳歯根管口部の形態についての報告の中で,増齢に伴う形態変化に関するものは少ない。そこで,本研究は上顎第二乳臼歯根管口部の増齢による形態変化について把握することを目的として,Micro-CTを用い三次元的観察を行った。資料は萌出状態により分類し,Micro-CTで撮影して,立体構築を行った。立体構築像を多方向から観察し,さらに根管口の直径ならびに関心領域中の歯髄腔の体積率を計測した。
    根管口部の立体構築像を観察すると,増齢に伴い,近心頬側根管では頬舌方向の中央部からの近遠心的狭窄が著しく,遠心頬側根管では頬舌方向の舌側からの狭窄が著明であった。口蓋根管では頬舌的な圧扁傾向が著明であり,遠心頬側方向の根管壁から狭窄してくるのが認められた。根管口の直径を計測すると,3根共に乳歯列期から混合歯列前期1にかけて著しく縮小した。その時期以降,近心頬側根は混合歯列前期2から混合歯列中期にかけて,遠心頬側根と口蓋根は混合歯列前期1から混合歯列前期2にかけて著しく縮小した。また,根管口部の体積率を計測すると,乳歯列期から混合歯列前期2までに著しく減少した。これらの結果と歯根吸収過程を比較すると,根管口の縮小する部位と時期について相関関係があり,根管口部の増齢に伴う縮小は歯根吸収による影響があると示唆された。
  • 山崎 要一, 徳冨 順子, 櫻江 玲史, 岡 暁子, 野中 和明, 中田 稔
    2002 年 40 巻 3 号 p. 549-556
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    上顎第一大臼歯の異所萌出では,歯根吸収の進行した第二乳臼歯の早期脱落を極力防ぎつつ,第一大臼歯の正常な萌出を誘導することが求められる。
    著者らは,このような条件が可及的に満たされる上顎第一大臼歯の異所萌出への早期対応法について検討を重ね,臨床応用を行った結果,以下の結論を得た。
    1.歯根吸収のある第二乳臼歯を保護しながら,異所萌出した第一大臼歯を効果的に遠心移動するために,Nanceのホールディングアーチを基本形態とする固定装置から弾線を取りはずして調整できる機構を備えた装置と実施方法を考案した。
    2.本法は,第二乳臼歯の歯根吸収が高度に進行している症例に対して有効であった。
    3.本法は,未萌出の第一大臼歯で異所萌出が強く疑われる症例に対しても有効であった。
    4.第一大臼歯萌出期の定期口腔管理は,齲蝕だけでなく異所萌出の早期発見,早期治療にも貢献した。
  • 國松 明日香, 小笠原 榮希, 石田 万喜子, 渡辺 滋子, 本川 渉
    2002 年 40 巻 3 号 p. 557-564
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    前歯部の精査を主訴として来院した男児双生児と,齲蝕治療を主訴として来院した女児双生児の上顎前歯部に,ともに過剰歯が認められた2例について,以下の所見を得た。
    1.男児双生児には,それぞれ2歯ずつの過剰歯(兄に逆性1歯,順性1歯,弟に順性2歯)が認められた。
    2.女児双生児には順性の過剰歯が,それぞれ1歯ずつ左右対称的に認められた。
    3.摘出された過剰歯の形態は,兄弟の4歯の過剰歯のうち3歯は円錐形であったが,1歯は類切歯形であった。姉妹の過剰歯は両者とも蕾状であり,同胞問で形態的類似性が認められた。
    4.過剰歯の成因には,遺伝的要因が強いと考えられた。
  • 清水 武彦, 戸田 道子, 小森 功夫, 前田 隆秀
    2002 年 40 巻 3 号 p. 565-570
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    急性リンパ性白血病の治療を目的として同種骨髄移植を施行後,慢性移植片対宿主病(GVHD)を発症した患児に対する口腔管理を行ったところ以下のような知見を得た。
    1.初診時の年齢は2歳7か月であり,全身的には,皮膚,肝,眼にGVHD症状を認めた。口腔症状として,唾液分泌低下による口腔乾燥とそれに起因すると思われる多発性齲蝕および歯肉炎,口唇の乾燥と亀裂,舌乳頭の萎縮および舌の白斑状病変,頬粘膜の苔癬様病変,頬粘膜にカンジダ症を認めた。
    2.患児の唾液試料中からHSV1とCandida albicansを検出し,アシクロビル投薬およびアムホテリシンB含嗽を行った。齲蝕歯に対する処置として,抜歯および乳歯用金属冠とコンポジットレジンによる歯冠修復を行った。口腔衛生状態改善と歯肉炎に対する処置として,徹底したプラークコントロールを行った。2~3か月毎の定期健診による口腔管理を行った。
    3.小児歯科医は,徹底したプラークコントロールを行い,齲蝕予防ならびに口腔軟組織疾患の予防によって口腔内の病原細菌量を抑制し,小児科医とのチーム診療に積極的に取り組むことによって全身感染症を予防し,皮膚,眼,肝などの多臓器に出現するGVH反応の軽減に努めることが重要である。
  • 望月 清志, 辻野 啓一郎, 藥師寺 仁, 土屋 喜子, 末石 研二, 山口 秀晴
    2002 年 40 巻 3 号 p. 571-575
    発行日: 2002/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    線状骨症一頭蓋骨硬化症-大脳症(Osteopathia striata with cranial sclerosis-megalencephaly)は,長管骨の長軸に沿った線状骨硬化と進行性頭蓋骨硬化を主症状とする常染色性優性遺伝疾患である。著者らは東京歯科大学水道橋病院にて矯正治療と口腔管理を開始したOsteopathia striata with cranial sclerosismegalencephalyと診断された8歳10か月女児の症例を経験したので報告する。
    患児は軟口蓋裂,上顎骨成長障害,下顎枝および下顎骨体長の成長障害と下顎骨の後下方回転,上顎歯列弓の狭窄と永久歯萌出遅延が認められた。エックス線画像所見では上顎骨骨硬化が認められ,骨硬化に伴う陰影異常により上顎永久歯の歯胚確認は困難であった。本疾患児の矯正治療を実施する場合には,詳細な成長過程の把握と骨硬化速度の把握が必要で,骨性癒着を併発するので歯牙移動の際には慎重な対応が必要である。
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