小児歯科学雑誌
Online ISSN : 2186-5078
Print ISSN : 0583-1199
ISSN-L : 0583-1199
44 巻 , 1 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 徳倉 健, 中野 崇, 柴田 宗則, 丹羽 英之, 土屋 友幸
    2006 年 44 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2006/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    今回著者らは,愛知学院大学歯学部附属病院小児歯科初診患者の全容および経年的推移を把握する目的で,小児歯科初診申込用紙をもとに,1993年度および2003年度に当科を受診した初診患者の動向について実態調査を行い,以下の結論を得た。
    1.総初診患者数:1993年度412人,2003年度562人であり,増加率は36.4%であった。両年度ともに初診時平均年齢は,6歳4か月であった。
    2.月別初診患者数:1993年度では学童期の長期休暇にあたる月で多く,それ以外の月では少ないのに対して,2003年度では年間を通しての変化は少なかった。
    3.曜日別初診患者数:1993年度では,木曜日を除き,各曜日ともほぼ同数を示していたのに対し,2003年度では月曜日と土曜日が多かった。
    4.主訴内訳:両年度ともに「齲蝕」と「口腔管理」が全体の50%以上を占めており,その他の主訴においても,この10年での顕著な差はみられなかった。
    5.初診患者の居住地域分布:両年度ともに市内が高い割合を示し,名古屋市近郊からの初診患者は,調査年度間において増加を示した。
  • 原田 利佳子
    2006 年 44 巻 1 号 p. 8-17
    発行日: 2006/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    ミュータンスレンサ球菌(Streptococcus mutansおよびS. sobrinus)の小児口腔への定着と他の口腔レンサ球菌の定着状況・時期との関連性を明らかにする目的で,本研究では,gtf遺伝子あるいは16 S rRNA遺伝子を標的とするS. mutans, S. sobrinus, S. sanguinis, S. oralisおよびS. salivarius特異的PCR法を開発した。本PCR法の特異性と感度を検討した結果,前報のS. anginosus特異的PCR法とともに,いずれも高い菌種特異性と検出感度(0.5~5 pg DNA, 100 CFU)を示した。そこで本PCR法を用いて,320名の小児(0~15歳,各年齢毎20名)を対象に,ミュータンスレンサ球菌およびその他の口腔レンサ球菌のプラーク中への定着と齲蝕との関連性について検討を行った。その結果,被験7菌種中ではS. mutansの検出率が最も高く,S. sobrinusS. gordoniiの検出率は低いことが明らかとなった。S. sobrinusS. mutansが検出された試料のみから検出された。また,S. mutansおよびS. anginosusの検出率は増齢に伴い上昇し,S. sanguinisの検出率は低下することが明らかとなった。しかし,齲蝕との関連性についてはS. mutansの検出とのみ有意の正の相関性が認められた。以上の成績より,今回開発したPCR法は高い感度と特異性を有することが明らかとなった。さらに,本法を用いた研究から,ミュータンスレンサ球菌および他の5菌種の口腔レンサ球菌の多くは早期に小児プラーク中に定着し,増齢とともにS. mutans, S. anginosusの定着率の上昇とS. sanguinisの定着率の低下といった定着状況の動的変化が起こることが示唆された。しかし,被験7菌種の口腔レンサ球菌中ではS. mutansの定着が小児期の齲蝕発生の最も重要な要因となることが強く示唆された。
  • 辻野 啓一郎, 金子 かおり, 坪倉 亜希子, 望月 清志, 大多和 由美, 藥師寺 仁
    2006 年 44 巻 1 号 p. 18-23
    発行日: 2006/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    歯科治療に適応することが困難であるとされ,乳歯萌出期にあたる3歳未満児の齲蝕罹患状態および処置の実態について把握することを目的に本調査を行った。
    平成12年4月からの4年3か月間に東京歯科大学水道橋病院小児歯科に来院し,齲蝕処置を行った初診時年齢が3歳未満の幼児138名(男児87名,女児51名)を対象に調査を行い,以下の結論を得た。
    1. 2歳3か月から2歳6か月未満が最も多く,この年齢帯を中心とするピークと1歳6か月から1歳9か月未満にもピークがみられた。
    2.来院経緯は「開業医からの紹介」と「紹介なし」での来院がそれぞれ29.0%で最も多かった。
    3.対象患児の齲蝕罹患歯数は合計718歯で1人平均5.2歯であった。各年齢での平均萌出歯数の半数以上が齲蝕に罹患している対象者も存在した。
    4. 2歳未満では重症齲蝕者が占める割合が多く,2歳以降では齲蝕が軽症な者の割合が増加する傾向であった。
    5. 1歳6か月から1歳9か月未満では比較的重度な齲蝕に対する処置が行われていたが,それ以降では軽度な齲蝕に対する処置の割合が増加していた。
    6.治療終了までに要した治療回数は,大半が5回以下であった。
  • 稲田 絵美, 石谷 徳人, 池田 亜沙子, 山崎 要一
    2006 年 44 巻 1 号 p. 24-30
    発行日: 2006/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    ラバーダム防湿の使用状況や使用上の問題点を把握するために,南九州地域において無作為に抽出した一般歯科医院の歯科医および小児歯科専門医院の歯科医を対象にアンケートによる実態調査を行い,以下の結果を得た。
    1.一般歯科医院における小児患者へのラバーダム防湿の使用状況は,全体の20.8%であった。使用理由としては,両グループ共に「術野の清潔な乾燥状態を保つ」が最も多かった。
    2.本法を使用していない一般歯科医の理由として,「診療効率が悪くなる」が最も多かった。
    3.本法を使用する際の問題点としては,両グループ共に「診療効率」が多かった。
  • 森 榮, 近藤 亜子, 伊藤 美智代, 飯沼 光生, 田村 康夫
    2006 年 44 巻 1 号 p. 31-36
    発行日: 2006/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    女性歯科医師の社会に果たしている役割を捉えるため,日本小児歯科学会会員および中部地区の某大学歯学部卒業生(有効回答数445名,回収率49.4%)を対象に,就業状態および社会的行動をアンケートにより調査した。
    その結果,以下のことが明らかになった。
    1.ほとんどの者が就労しており,1日8時間以上働く者と以下の者がほぼ同数であった。
    2. 70%以上の者が既婚者であった。また子どものいない者が約30%あり,子どものある者では子ども2人が多く,全体の平均では,一人当たり1.5人であった。
    3.学会群では約半数の女性会員が歯科医師会に入会していたが,某大学卒業生では半数以下であった。全体では約半数が何らかの役職に就いたことがあったが,自発的ではなく,順番あるいは依頼されて引き受けたものであった。
    4.研修については,時間の許す限り参加したいと考えていた。
    5.PTAや町内会の役職については,経験したものの割合は低かった。
  • 西田 宜弘, 青木 重人, 山田 賢, 長谷川 信乃, 田村 康夫
    2006 年 44 巻 1 号 p. 37-47
    発行日: 2006/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    本研究は,機能運動時における舌動態の客観的評価法確立の基礎的資料を得ることを目的として,舌運動と口腔周囲筋との同時記録システムを作製し,口蓋床装着後の嚥下時における口蓋への舌圧接状態の経時的変化について検討した。舌圧接状態の観察には小型圧力センサ(共和電業社)を3か所に埋入した口蓋床を用いた。被験者は個性正常咬合を有し,嚥下障害の既往のない成人5名を用い,嚥下運動と同時に口腔周囲筋筋活動を導出した。計測は,口蓋床装着1時間後,1,2,3日後の唾液および水5,10ml嚥下時における口蓋への舌圧接状態と口腔周囲筋筋活動を測定した。
    その結果,口蓋床装着後の舌圧接時間は水10ml嚥下時において測定日間変動を認めたが,その他,嚥下開始から第1,第2ピーク発現時間および最大舌圧での測定日間変動は認められなかった。また,嚥下開始を基準とした各筋筋活動開始までの時間は測定日間でも有意な差は認められなかった。これらのことから本システムによる嚥下時の舌圧接状態測定法での再現性が認められ,また経時的に嚥下時の舌運動がスムーズに行われるようになることが示唆された。
  • 山田 賢, 中西 正尚, 稲垣 善信, 桑原 茂久, 青木 重人, 田村 康夫
    2006 年 44 巻 1 号 p. 48-54
    発行日: 2006/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    乳児期の授乳方法の違いが,その後の歯列の成長や咬合力の発達に影響を及ぼしているか検討する目的で,3~5歳の計338名を対象に口腔内診査とアンケート調査を行った。出生から3か月までの授乳方法から母乳群,混合乳群,人工乳群の3群に分類した。上下顎乳犬歯間幅径,上下顎第二乳臼歯の咬合力およびdef歯率を算出し,3群間での比較を行い,以下の結果を得た。
    1.上下顎乳犬歯間幅径は,各年齢とも3群間において有意な差は認められなかった。乳犬歯間幅径の割合(下顎/上顎×100)においても,各年齢とも3群間において有意な差は認められなかった。
    2.咬合力では各年齢とも3群間において有意な差は認められなかった。以上の結果より,3か月までの授乳方法(母乳哺育,混合乳哺育,人工乳哺育)により,乳犬歯間幅径および咬合力の発達への影響は認められなかった。
  • 齋藤 珠実
    2006 年 44 巻 1 号 p. 55-66
    発行日: 2006/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    著者は齲蝕抑制の確立を目指し,乳歯列期小児の齲蝕と環境要因との関連およびStreptococcus mutansのglucosyltransferase B遺伝子(gtfB)とStreptococcus sobrinusのglucosyltransferase I遺伝子(gtfl)の発現と齲蝕との関連について検討を行った。その結果,
    1.齲蝕と環境要因との関連性は,質問紙調査から「歯磨き回数」,「仕上げ磨きの習慣性」の口腔衛生習慣,「間食時間の規則性」の間食習慣,「保護者の認識度」等の生活環境と「ミューカウント®」の齲蝕活動性が乳歯齲蝕罹患状況と関連性が認められた。
    2.gtf発現状況では,標準株の発現量より高値を示した園児のgtfB発現者率は無齲蝕群が14.3%,低齲蝕群が41.7%,高齲蝕群が100%に認められ,gtfB発現量は高齲蝕群で高い発現量を示した。また,gtfl発現者率は低齲蝕群が8.3%,高齲蝕群が30.0%に認められ,gtfl発現を認めた園児はgtfBに比較し少なかった。以上より,乳歯齲蝕は主にgtfBの発現量ならびに付随したgtfl発現量が齲蝕発症に関与している可能性が示唆され,これらの発現状態下では齲蝕活動性が高くなると思われた。また,保護者の認識度を含めた生活環境の改善が小児の齲蝕発症予防と重症化の抑制対策として重要なアプローチであることが示唆された。
  • 西村 一美
    2006 年 44 巻 1 号 p. 67-79
    発行日: 2006/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    ラットの吸啜運動のリズムは脳幹の橋延髄複合体の内側領域に存在する前-前運動ニューロンにより構成されると考えられてきた。本研究では,脳幹の橋延髄複合体の内側領域の橋核尾側領域(PnC)に焦点を当て,(1)ラットの発育状況と行動観察,(2)蛍光逆行性色素標識による三叉神経中脳路核(Mes V)および三叉神経運動路核(Mot V)の観察,(3)PnCニューロンの電気生理学的特性の検討,(4)PnCニューロンの形態学的観察を行った。
    その結果,
    (1)9日齢頃に下顎前歯,11日齢頃に上顎前歯,19日齢頃に上下顎臼歯の萌出が認められた。固形飼料の摂食は18日齢で認められ,19日齢頃に探索反射や口唇反射は消失した。
    (2)冠状断において,MesVは不定形でニューロンは小型の円形の細胞であり,Mot Vは円形でニューロンは中型の多角形の細胞であった。Mes V,Mot Vを指標としてPnCの位置を特定した。
    (3)PnCニューロンの神経生理学的特性は,日齢に伴い発火特性,受容体特性,回路構成が変化することが認められた。
    (4)PnCニューロンは日齢に伴い樹状突起が発達し,神経膠細胞は増加する傾向を示した。髄鞘と大型錐体細胞は日齢に伴い明瞭に観察できるようになった。以上のことから,ラットの吸啜期におけるPnCニューロンは日齢に伴い受容体特性や回路構成に変化が生じることが明らかとなった。
  • 丸山 明華, 松根 健介, 荒井 清司, 岡本 春憲, 渋谷 功, 根本 君也, 前田 隆秀
    2006 年 44 巻 1 号 p. 80-84
    発行日: 2006/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    小児歯科臨床における補助弾線と主線の接合においてNd-YAGレーザーを用いたレーザー溶接が有効か否かについて,特に弾性係数とビッカース硬さについて検討した。主線として歯科用コバルトクロム合金サンプラチナ®矯正線直径0.7mmを使用し,補助弾線としてステンレススチールワイヤー0.016inchを用いレーザー溶接を行った。レーザー溶接は,Nd-YAGレーザーを用い,ファイバー径400μm(石英,先端加工なし),照射出力900mJ,パルス数を5pps,照射時間を1秒にて行い検討した。その結果,弾性係数においてレーザー溶接は銀鑞着に比較し弾性エネルギーが小さかった。さらに,ビッカース硬さにおいてレーザー溶接では溶接部で低くなったものの補助弾線の変形部分では一定であった。今回の結果より,レーザー溶接は補助弾線と主線の接合において,銀鑞着に比較し接合時のワイヤーの熱変性が少なく持続的に矯正力が働くことが可能であると示唆された。口腔内で溶接操作を行うことができる利便性が明らかになった。
  • 2006 年 44 巻 1 号 p. 85-138
    発行日: 2006/03/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
feedback
Top